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nojiroさんのレビュー一覧

投稿者:nojiro

3 件中 1 件~ 3 件を表示

実はスポーツ嫌いの人にもお勧め必読!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 競争はシステムを効率化しない、むしろ害であるっていうのが主張。特に著者はアメリカにおける競争礼賛をことごとく批判する。実は日本のことも例としてあげられていて、「あんまり競争的ではない協力を好む」社会だと言われている! 今の日本はどうか?企業は能力社会だのなんだのいってアメリカのやり方を称揚し、社員を競争に駆り立てている。国際社会に追いつこうとしていて、実のところ日本は「退化」しているのか!?

 とはいっても、従来の日本のやり方は「和を重んじる」とはいっても、つまはじきにさせられるという「罰」のファクターが大きかったと考えると、競争(勝利=プラス)ということを反転させた構造(罰=マイナス)をもっていたに過ぎないとも捉えられるので単純に前のままが良かった、なんてことにもなるまい。だが、協力中心の社会にいち早く転身できれば、先の見えないアメリカ型競争社会に先んじることができるのではないか?この本はベストセラーになるべき本じゃないのか、と強く思う。

 この本は仕事や教育以外に関しても、非常に示唆に富んでいる。面白かったのはスポーツに関する分析。かなり長く分析されているんだけど、一流のスポーツ選手は大半が非協力的で傲慢、というようなことが書かれている。スポーツが攻撃欲を発散させるということは嘘っぱちで、実はそれを高めるだけであり、さらに過度の競争にさらされる一流選手は得てして不安に捕らわれやすく、能力の低い人間を見下す傾向があるということが長々と書かれているのだ。スポーツをやることは精神衛生上非常に良いことだ、というステレオタイプな見方に疑問を呈しており、これまた刺激的。スポーツ嫌いの私は読んでいて何度も膝を打ち、心の底からスカッとした。そうそう、そうなのよ、という感覚。私は中学とかの部活や体育で、「○○大会に向けてガンバロウ! 絶対勝とう!」みたいなことにさんざん嫌気がしてたのだ。受験競争が何かと否定的に取られるのに対し、スポーツに関しては勝つことが至上命題だってことは大いなる矛盾だ、と。そんなある意味「暗い」思考が、すこし肯定されたような気がして、非常に安心したのだった。

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紙の本報酬主義をこえて

2001/07/05 19:04

教育者必読

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者のA.コーンはその著書『競争主義をこえて』のなかで、競争が教育や仕事の効率が上がる訳ではないことを主張した。この本はその続編とも読める。コーンはこの本で競争も含めた「報酬」によって動機付けをすることが勉強や仕事をする際に有効ではないことを主張する。論旨は明快で、例示も豊富に加えられているから430ページという分厚さにも関わらずすらすらと読めてしまう。

 報酬が動機付けとして有効ではないっつっても、現実としていまの世の中全然逆じゃないの、といわれてしまうかも知れない。実際、企業は能力主義とかのアメリカ型の給料モデル——いい仕事すればいっぱいお金上げるよ——というモデルを採用することをむしろ称揚している。本書の論旨によるとそれはみんな嘘っぱちで、そんなの害になるだけっていうのだから、すごい。さらにそれには大量の具体例がつけられ、注の量も並大抵ではない。

 ではどうすればいいのといえば、それは内発的な動機付けっていうことになる。「それ自体が楽しいこと」、このことが大事。それは単純な仕事から、芸術などに至るまで人間の活動の多くに適用可能なのである。その意味でこの本はかなり広い射程を持っているといえる。

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理科三類というもの

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 私はこの本をちょうど受験の時に読んだ。私の2年上の人たちということになる。

 理科三類は受験の頂点であり、東大のカーストのなかでもバラモンである。だがそれ故にそこに集うためにはある種特殊な技能が必要となる。それはつまり、数学の問題を他の理科一、二類生よりも1問半確実に解けなくてはならないということ。

 たかがそれだけで?と思われるかもしれないが、そんなもの。数学の技能が理三の受験の鍵であることは間違いない。故に、理三受験は運に大きく支配される。受験がやり直しになれば合格者は半分入れかわるとまでいわれる。そしてそれは正しいだろう。数学は確実に点数を計算できる科目ではない。

 サブタイトルの「天才」は間違いだ。これは「勇者」とするのがむしろ正しい。

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