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  3. 純弥さんのレビュー一覧

純弥さんのレビュー一覧

投稿者:純弥

15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本Flower

2001/07/23 22:10

哀しい男

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 読み終えたあと、まず、自分の気持ちの中で、この話をどう整理したらいいのか、とまどいを覚えたというのが本音だった。
 読んでいて悲しいなら泣けてくるし、登場人物に腹立ちを覚えるなら、怒りがこみ上げてくる。楽しかった話なら、読後感も爽快で、この続きが早く読みたいなどと思ってしまう。今まで、大体がこの簡単な分類に収まってしまっていたのだが、この話はそうはいかなかった。
 この胸の中に渦巻いている、奇妙な気持ちは一体何なんだろう。必死でその正体を掴みたくて考えるが…わからない。
 小説を読んだ後に、こんな気持ちを味わうのは初めての経験だった。まさに自分にとってはこの話は『魔性の人』ならぬ、『魔性の話』と言っても決して過言ではないのだろう。

 松本を可哀想だと思った。谷脇にもたらされた仕打ちだけではない。松本をとりまく、すべての境遇に対して、余りにも悲運すぎると。
 そして谷脇を悪い男だと思った。傲慢で最低の人間だと。
 そして、読み終わる寸前まで、なんて悲しい話なんだと思った。これじゃ、松本が哀れすぎるじゃないかと。だが、本当に哀れな、悲しい男は谷脇だったのだ。
 最後の最後、本当のラストの場面、読んでいて、まるで奈落の底に突き落とされるような気分に襲われた。これじゃ、誰も救われないじゃないかと、小説の中の世界だというのに、酷い苛立ちがつのってくる。
 あぁ、誰かこの谷脇という哀れな男を救ってやってくれと本気で思ってしまっていた。この谷脇という男は、これからどうやって生きていくのだろうと、考えずにはいられない。
 逝くものよりも、残されるものの方が、確かに辛いのだ。
 だが、それだけではない。自分の気持ちをやっと理解することのできた谷脇は、これからその重さを知り、それ故に、その自分の犯した過去の罪に、どうやって立ち向かっていくのだろうかと、思わすにはいられない。
 この終わり方では、救われなさすぎる。これは全て夢で、目を開けたら、恋人は…恋人なのだと気がついたその人物は、昔のように、自分のベッドの中で小さな寝息を立てて眠っている…、そんなラストを馬鹿みたいに想像してしまう。
 続きが読みたいと切に思う、話である。こんなに話に引き込まれてしまうほどの、見事な話の運び。木原音瀬さんの小説、全てを読んでみようと決めた。

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紙の本デキる男

2001/09/14 17:09

デキる男…でもカワイイ男!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 白鷺州雄彦、42歳。何なんだ、この色気はっ!!! …っという感じです。
 いや、はっきり言って、今まで自分は作中人物に興味を持つのは、『受けのキャラクター』だったのですが、ふゆのさんのお話を読んでいくうちに『オヤジの攻めキャラ』に、すっかり弱くなってしまいました。ふゆのさんのお書きになる、いわゆる『攻めキャラ』は、何故こんなに大人のいいオトコなんでしょう…。この白鷺州雄彦、42歳にも、しっかりヤラれてしまいました(爆)。剛胆でハンサムで、超エグゼで、強気で自信家で、この世に怖いものなんて何もない…という感じの男。
 それなのに、本当の恋をすると、本当の愛を知ると、こんなにも臆病で、そしてこんなにも情けなくて、そしてこんなにも可愛らしい面を持ってしまうだなんて…。愛の力は偉大です。
 ふゆのさんの小説は、かなりシリアスで切ないお話が多かったと思うのですが、このお話は、読み終わった後、なんだかとても温かい気持ちになれました。白鷺州雄彦が、実はとても人間味溢れるカワイイ人だった…ということが判明し、何故か非常にホッとしてしまった自分です。
 続編を切に望みます!!

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紙の本ビタミン愛は勝利の呪文

2001/09/14 16:57

なかなか気づけないモノ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 弘と恵の兄弟。そして、そのふたりと正則の微妙な関係。弘と羽田、正則と小田。それぞれの関係が、非常にスリリングで、微妙に、はたまた複雑に絡み合い、最後まで一気に読んでしまいました。

 なにはともあれ、恵がけなげです。大好きな正則と結ばれるなら、小田の身代わりでもいいから抱いて欲しい…と懇願する恵。それでその言葉通りに抱いてしまう正則。思わず「ちょっとそれはあんまりじゃないか?」と憤慨してしまいましたが…。
 そんなこんなで読みすすめていくうちに、登場してきた小田。なんでこんな素敵な人が正則なんかに惚れていたんだ?なんて自問自答してみたり。小田が非常にいじらしく思えてしまい、正則なんかよりずっと優しい人を見つけて幸せになって…と、いつのまにか、必死で祈ってしまいました(笑)。

 この『ビタミン愛は勝利の呪文』のお話も、是非、その後の小田や、正則・恵のCP、羽田・弘のCPを読んでみたいと思います。ふゆのさんのお話は、主役のCPのみならず、脇役CPもとても魅力的に書かれてあるので、必ず、「今度はこっちのCPも読みたい」と思ってしまいます。こんなところが、やはりふゆのさんの素晴らしいところなんですね。

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ホントに可愛いひと(><)

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これはもう、なんて言っていいか…。ツボでツボで。オトコマエのかっこいい池内智弘クンと、かわいくてキレイで純情な篠田ナツくん。このふたりがとうとうコミックになって、まとめて読めるなんてぇ…(はぁと)。簡単な言葉でしか言えませんが、もう本当に幸せです。
 ナツの純で一途な想いを、池内が受け入れる過程。いいですね〜、男のコですね〜、男子高校生(爆)ですね〜。青春してますね〜(><)
 私はこの池内智弘クンと篠田ナツクンのカップルに、もうゾッコンです!! そして、ワキを固めている、ミナガワもシンさんも、かなりいい味出してます!
 ミナガワのナツに対する思いも切ないですが、それよりも何よりも、シンの想いがけなげで、けなげで…。シンさんこと、なんとか幸せになってほしいもんだと思わずにはいられません。
 とにかくあまりにもツボだらけなこの第1巻。早く2巻目がでてくれないかと、もう今から首を長くして待ってます!

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紙の本水温む (花音コミックス)

2001/08/13 09:03

にじみ出るオトナの艶気

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これぞまさしく、山田ユギさんの真骨頂というか、十八番というか。いわゆる『オヤジ受け』を描かせたら、まず右に出る方はいないんじゃないか? と私は勝手に思っていますが(笑)。山田ユギファンの自分にとっては、もう、コミックスがボロボロになるくらい読み返したお話です。
 くたびれきって、生活に疲れた38歳の子持ちのバツイチ男。しかも別れた妻は既に他界して、残されたひとり息子の育児と自分の仕事とで、日々の生活に追われ、疲れ切って、やつれきっている男。それなのに、この…こんなにもにじみ出す艶気はいったいなんなんでしょう?
 女っ気なんて全然なくて、近所の若い女のこには「さえない男」とまでいわれているのに。ストイックなのに、隠しても隠し果せぬこの艶。男性的なフェロモン、ムンムンというのではなく、ストイックなくせにある瞬間に垣間見られるゾクリとクルような壮絶な色気。
 山田ユギさんのお描きになるお絵は、前々から非常に色っぽいと思っていましたが、この高見宏和はその中でも1,2を争うほどの色気のあるキャラじゃないかと思っています。
 18歳の優介の一途な宏和への思いにも心打たれますが、なんと言ってもこの宏和の色気。そして義兄との深い関係。
 ファンにとっては堪らないお話ではないでしょうか?
 ラストは…、えええ?このまま終ってしまうのか〜っ???…っと思いましたが、ホントのホントに最後にはちゃんと…(笑)
 大好きな山田ユギさんのお描きになったお話の中で、気に入っている話のひとつ。いわゆる『オヤジ受け』がお好きな方には、是非、一度お読みになって頂きたいお話です。

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紙の本目眩 2

2001/07/13 08:16

困難な道をあえて選ぶのは…

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 『目眩』もそうでしたが、やはりこの『目眩 2』も、購入したとたんに、貪るように読んでしまったお話です。
 えー…、なんと言ったらよいのでしょうか…? 読んでいる最中、何度も涙が出そうになりました。どうしてみんな、簡単な道を選ばずに、困難な…というか、苦しむことがわかってる道を選ぶのだろうと…。自分なら、何の迷いもなく、簡単で安易に幸せになれる道の方を、絶対に選んでいるだろうのに…。
 この違いは一体どこからくるんだろう? などと、と自分の考え方と比べてしまったりしながら読みすすめてしまいました。
 光一も、外面はいとも簡単にまわりに流されてるように見えながらも、やはり一番深いところで…というか、自分の本当の根幹のところでは、そう簡単に流されるオトコではないのですね。それが強く感じ取れて妙に安心してしまった自分でしたが。自分の信念は何としてでも通す、オトコなのですね。
 『好きだから、愛しているからこそ、その人にふさわしい人間になりたい…』
 この命題は男と女の間よりも、男と男の間に、より強く存在するような気がいたしました。(笑)う〜ん…。
 本当に読んでいて切なくなるような、そしていろいろなことを考えさせられたお話でした。この『目眩』シリーズの次作にも、すごく期待しています。

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紙の本座布団

2001/06/23 07:59

大人のオトコの艶、堪能させて頂きました。

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 きゃ〜!!!! というのが、この本を書店で見つけたときの、心の中の叫びでした。表紙が山田ユギさんなんですよね。それでもって、年増のオトコをお描きになったら、もうもうもう…絶品のオトコをお描きになる作家さまで、自分も大ファンであります。その上、肝心の文章は剛しいらさんなんですから、もう、この本をGETしないで、何をGETするんだぁ〜っ!! …です。さてさて、さっそく書評とういか、感想なのですが。
 師匠の気持ちを、読みすすめながら推し量るというのは、本当に難しかったです。深いんですね、いろいろなところで。「こー出たら…おぅっ!そーくるのかっ?」と何度思わされたことか! 自分の単純な思考ではとてもとても、その心の中は読み切れません。だから、面白いんですけどね。そこが読書の醍醐味とでも申しましょうか?
 要になぜ、自分と肉体関係のあった寒也をああも簡単に与えたのか?(与えたんでしょうね、あれはやっぱり)。だって、やはり初助師匠はオトコなしではいられないお体だったと思いますし…。
 香田との関係も、イロっぽいんですけど、その反面非常に緊張感のあるものに感じられました。すごいヒトだ、初助師匠。この初助師匠のおかげで、どっぷりオヤジにはまってしまったようです、私。にしても、あのトシになって、これだけいろっぽいオトコというのは、どうにもたまりません!イロケむんむん…っていうのではなく、隠そうとしているのだけれど、隠し果せずににじみだしてしまうもの。
 何度も言ってしまいますが、このお話のイラスト、山田ユギさんというのは大正解だったと思います。師匠のかくしても隠し果せぬ、にじみ出る、艶、色気…というのが、山田ユギさんの手にかかると、震えがくるほどに素晴らしく描き出されてしまうんですから。文章とイラストが、まさに相乗効果でこのお作品の素晴らしさを高めていると思いました。何度も繰り返して読みたくなるお話でした。

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紙の本愛をもらって

2001/09/14 17:32

本当の名前を呼んで…

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ホストシリーズ『愛をください』『愛をあげるよ』の冴木の後輩ホストとして登場した、加賀がメインの小説です。あの高慢だと思っていた加賀が、とんでもなくいじらしいのです。自分は羽村を好きになってしまったけれど、羽村は自分のことを、ホストの『篤』としか見ていてくれない。そんなホストとしての自分しか抱いてもらえない…。そう思いこんでしまった加賀の純情に、泣けるくらいに切なくなりました。
 ベッドの中での羽村の言葉をちゃんと聞いていれば、そんな想いを抱くこともなかったのに。羽村はちゃんと、行為中の睦言で「篤弘」って呼んでいたのですから。源氏名の「篤」ではなく、本名の「篤弘」と…。なのに、そんなことも分からなくなってしまうほど、純粋に羽村に惹かれていった加賀。その想いが本当に切なかったです。
 そして、羽村。もう、ふゆのさんのお書きになる攻めキャラの男振りといったら、もう溜息が出るほどの、どうしようもなくイイオトコ、危険なオトコなのですよね。この羽村も、例外なくまさにその通りの男です。ブルガリのブラックと、タバコと酒が似合う、大人の男です。
 その昔、冴木と羽村でホストのナンバーワンの座を競いあったというほどの、男…。そんな、酸いも甘いもかぎ分け、修羅場を何度もくぐり抜けてきた、大人の、魅力たっぷりのイイ男が、加賀を想うあまりに、あんなにも情けなくなってしまうなんて。その落差があまりにもかわいらしくて、いじらしくて…。愛しいです、本当に。
 二人の心が惹かれ逢っていく様子が、そして、二人のお互いに対する言動が、じれったくて、いじらしくて、切なくて、愛しくて…。夢中で読んでしまいました。
 終わりの方に、幸せそうな冴木と水島がちらっと出てきた場面、思わぬ素敵なプレゼントを頂いたような気分でした。「あー、よかったなー、幸せなんだ、あのふたり」と感慨無量…。本当に素敵なお話でした。
 もう、このシリーズのお話は終わりなのでしょうか?とても名残惜しいのです。続編、書いて頂きたいです。

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紙の本ヘヴンズアプローチ

2001/09/14 16:31

苦悩と煩悶の果てには…

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 『キスラン』シリーズの中で、私にとっては一番重かったというか…いえ、重かったという表現は適切ではないですね。一番焦れったかった、「うーんっ!もうっーーー!!」という思いをしながら読み進めていったお話でした。
 高久の気持ちの推移が非常にもどかしく、「私なら、何にも考えずに行っちゃうのに、みんなちゃんといろいろなこと考えるんだなー」と感心しまして、己の浅薄さを痛感させられました(笑)。男性同士の恋愛のお話は、男女のそれよりも、とても切ない気がします。大澤と野城の恋も、一筋縄ではいかないですし、お互いを思いやりすぎて切ないです。
 男と女と違って、好きというだけで簡単には寄り添えない、一緒になれない…というのがまた、何とも胸にせまってきます。大人の恋はもどかしいもの。相手を思いやれば、思いやるほど、どんどん迷い、惑い、不安が増えていくのでしょう。男と女でさえ、決して平坦な道ではない恋愛を、男同士で貫いていく…というのは、それ相応の決心がいるはずです。
 迷って、惑って、不安に苛まれて混乱して…全てを放棄したくなる気持ちが一度は生まれても、仕方がないかもしれませんね。
 けれど、「好きだから、別れて辛くなるよりは、一緒にいて辛くなった方がいい。それで、辛く無くなる方法を考えればいい」…そういう結論に至った野城。逃げないで、背を向けないで、真っ正面から向かい合って行こうとする、彼のポシティブな気持ち。これは多分、大澤に愛されて、いろいろと変わっていった彼の、昇華された精神力なのでしょう。やはりここも、読みながら泣けそうになりました。
 それにしても、大澤の「俺は、高久を愛しても、いいのか?」の言葉には…泣かされました。あの大澤が、そんな言葉を口にするなんて…(絶句)。この言葉を松橋が聞いたら、一体どう思ったでしょうか?(笑)。
 とにかく、Happy Endでよかったです。
 このキスランのシリーズは、これでお終いというのが、もう、ただただ残念で残念です。それから、大澤と野城のふたりの愛を温かく見守る松橋が主役の「管制塔のラプンツェル」は絶対にお薦めです。

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紙の本ミッドナイトラブフライング

2001/09/14 16:09

恋は波瀾万丈

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 表紙をめくったとたんに花咲桜子さんの、イロっぽい場面の大澤と野城。思わず喜んでしまいました(笑)。
 さて、キスランシリーズ、第2巻目は、波瀾万丈の大澤と野城の恋の物語。このお話でも、二人はいろいろと悩んで迷って惑って…。思い悩むのは高久の方ばかりと思いきや、あの大澤機長も大いにこの恋に振り回され、思い悩んでしまいます。その姿がかわいいというかなんというか…。非常に人間味のあるこの大澤機長に結構感情移入もしてしまい(笑)、特に松橋に思わず辛い心中を吐露してしまうくだりは、『大澤健吾も恋する普通の男なんだ』としみじみ感じさせられたところでした。
 さて、それにしても、この編で起こる杉江と野城とのある事件。ふゆのさんは本当に大澤と野城の恋路を順風満帆なものでは行かせて下さいませんね。いつもいつも、ハラハラしながら読んでいかねばなりません。心臓にとっても悪いです。
 大澤と杉江の一触即発の場面…というか、触発してしまったところに飛び込んで行った野城。そして、大澤と杉江のそれぞれの言動。思わず泣けそうになりながら読んでいました。
 高久もけなげです。本当にけなげです。でも、その反面、けなげだけれど松橋ふうに言えば「『あの』健吾が」そこまで惚れ込んで、メロメロの骨抜きになってしまう高久の魅力というのは、本当に空恐ろしいというか、魔力というか…。
 そして、ラストのマリッジリングへの展開。この後の展開は、やはり続編の「ヘブンズ・アプローチ」を読まなければいけませんね。頑張れ、機長!!

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紙の本キッスランディング

2001/09/14 15:48

葛藤する男たち

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 まず最初に。こんなに作中の登場人物達にハマったことは、未だかつてありませんでした。この小説に出会うまでも、もちろんふゆのさんのお書きになる小説は好きでした。が、この『キス・ラン』を読んで、ふゆのさんの小説はこれからも絶対に読まなければ・・と強く実感したのです。後々に出版される「管制塔のラプンツェル」で主役をはる田中・松橋のCPにも、もう既にの時点で非常に興味をそそられていましたし…。

 さて。本編の主役、大澤と野城のふたりの心の動き。私にとっては非常にじれったくもあり、いじらしくもあり…でした。ああいう形で最初に出会いながら、徐々にふたりの心が引き合っていく様は、ふゆのさんならではの筆力なのではないでしょうか?これだから、私はふゆのさんの小説に非常に魅力を感じるのでしょう。また、いつもながら、登場人物達の外見や性格、人となりの描写が素晴らしく、どんなに大澤がsexyか、どんなに酔った高久が色っぽいか、松橋さんが奇麗なのか…思いっきり想像力を掻き立てられました。Hシーンもイロっぽいですし…。高久に自分の父親のことを知られたあとの大澤の表情。高久を見る、悲しげな、寂しげな、切ない、やるせない大澤の瞳。私の乏しい想像力でも、目に浮かんで来るようでした。
 圧巻なのは、胴体着陸をするしかない緊急着陸の場面で告白をするふたりです。とんでもない非常事態の危機迫る場面が、本当に読み手の私まで思いっきり伝わってきて、まるで耳には飛行機の轟音が聞こえるような臨場感。その中で、必死で乗客達を守るために頑張る二人。そして、一番大切な人と生きて生きたいから絶対に無事に着陸させてやるというふたりの強い気持ち。一度は弱気になった大澤を奮い立たせる高久の言葉。感動的でした。
 さすがふゆのさん、お見事というしかないようなお話。これはシリーズで刊行され、「ミッドナイト・ラブ・フライング」「ヘブンズ・アプローチ」「管制塔のラプンツェル」があります。
 是非、シリーズ全部をお読みになることをお薦めします。ハマること間違いナシ…です!

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紙の本ごはんを食べよう

2001/08/22 22:14

温かくて、柔らかくて、やさしい…

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 ボーイズラブの小説で、単発モノよりは、シリーズモノが大好きなという方には、お勧めのシリーズ。かくいう自分も、夢中になって一気にこのシリーズは読んでしまいました。真船さんのお書きになる、この暖かな雰囲気がなんともいいですね。
 男と男のCPでも、子供がいる…っていうのが凄く好きだとおしゃる方にも、見逃せないシリーズでしょう。何を隠そう、自分も『男と男のCPで、子供有り』が大好きなものですから、このシリーズはまさにツボでした。
 玖珂と月島がいろいろな壁にぶつかりながら、でもお互いに励まし合い、乗り越えて、自分たちの意志を貫こうとする姿勢には、すなおに感動させられました。
 お互いを思うが故にすれ違ってしまう心、言動。不安や疑惑に苛まれながらも、それでも信じ合うということを止めない二人は、本当に強い精神力の持ち主。同じ性のものを好きになり、その気持ちや想いを貫きたいと思ったらそのくらいの気概がなくてはダメなのでしょう。そのくらいの覚悟を持って人を好きになる、気持ちを貫き通すのは、並大抵のことではないはずで。
 仕事も、お互いの想いを貫き通す為に頑張る二人には、元気をと勇気と、諦めない強い意志を教えて頂きました(笑)。
 何度、この玖珂と月島、二人の会話に、ジワッ(涙)…死語でしょうか?…とさせられたかわかりません(苦笑)。
 まぁ、「ホントに3人でシアワセになってほしいよぅ〜」と思いながら読んでいたのですから(笑)。えっちもそれは大好きなんですが、こんなふうに思いっきり感動させられてしまうお話も本当にいいですね。
 このシリーズで取り上げられているテーマのひとつでもある『家族』。このお話の場合は玖珂と月島という、男と男のCPですが、これは男と女におきかえても、同じように考えさせられるものだと思います。『家族』というものの大切さ、存在の深さ、重さを、私たち自身も、もう一度見つめ直してにみようかと思わされてしまうほど、丁寧に描かれ、そして作者の、それに対する深く温かい思い入れが感じられました。
 読後感も、ほんわりと温かく、優しい気持ちにさせられて、手元に置いて、何度も読み返したいと思うこのシリーズ。そしてこのシリーズにリンクしてるという、『恋人はピカレスク』のシリーズも、是非読みたいと思います。

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紙の本蜉蝣の庭

2001/08/01 08:48

蜻蛉のような人

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 鮮烈に頭の中に画像が浮かぶのは、蒸し返るような草いきれの庭の中、燃え立つような陽炎の向こうに、藍染めの浴衣を着て一筋の汗を項に流して、立つ人。蜻蛉のように儚げで、放っておいたら、消えてしまうのではないかと思わずにはいられない人。
 浮き世離れした『先生』と、一応まともな世間の常識を持ち合わせた大学生、勝彦との出会いの場面。
 自分にとっては、このような設定や場面はとても好きなので、読みすすめいくのがとても楽しみだと感じたものでした。
 外見は本当に儚げな『先生』が、こんなにも激しく人を求め、愛するものなのかと、その外見と心の激しさのギャップが、何故か非常に淫蕩に感じられ、ツボでした。
 勝彦も、いくつかの会社の理事を務めているという、ちゃんとした社会生活を営む常識人なのが、本性をさらけだせば『先生』を激しく溺愛する人間。『ただ、先生』の前でしか、その本性は出しませんが…。
 二人の心が惹かれ逢っていく過程、激しくお互いを求めあい、はがしく愛しあう様子。ここまで激しい愛情をぶつけ合うのは、読んでいるこちらにしても、なんというか、媚薬…いや、ドラッグでも飲まされて、トリップでもしたらこんな感じなのか? と思ってしまうほどの、妙な陶酔感を味わわされたのが、正直な話。
 どこか今の現実から取り残されて、二人だけでお互いだけを求め、激しく愛し合う『先生』と勝彦が、見事な筆致で書き上げられ、まるで自分の気持ちが『蜻蛉』のようになってしまったかのような不思議な気分が、読後、しばらく続いてしまいました。
 五百香さんの小説は、好きでたくさん読んでいます。その中で、この小説は、自分にとって一番印象に残るといっても過言ではない、不思議な、本当にとらえどころのない『蜻蛉』のようなお話でした。
 金ひかるさんのイラストも、まさにキャラクターにぴったりでこの小説をますます魅力的なものになさっています。

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紙の本それも愛だろ

2001/07/30 09:18

真摯な気持ち

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 冬吾に語らせる話で、グイグイ引き込まれてあっという間に読んでしまいました。真船さんらしく、硬すぎない読みやすい話の作りと、読み手を引き込んで離さない手管に、毎度のことながら脱帽です。
 このお話は、人がいるところでは決して読めないと痛感。何故なら、至る所に爆弾が仕掛けられ、緩んでしまう顔の筋肉をなんとか宥めるのに、散々苦労したからなんですね。まわりに人がいなかったら、爆笑して、床でもドンドンと叩きたいくらいでしたから。
 さて、こんなにユーモアたっぷりの語り口ではあっても、中身は本当に切ないです。ナンパな冬吾が本気で恵を想い、そしてなんとか受け入れて欲しい。そのためには、なんでもする! そのけなげな想いは、前作の「これも愛だろ」の冬吾からは想像もつきません。恵の誕生日のために、涙ぐましい努力をする冬吾。そしてその当日の冬吾の行動。
 …う〜ん、人を本気で好きになる、その人を大切にしたい…と思ったら、人間というものはこういうふうになるのですね。変わるんですね。…そう、思わされました。
 また、普通は、天然で何にも知らない、流されるままの無邪気なヤツ…と思われてしまう恵は、実はとてもしっかりとした、正義感の強い、肝心なところでは絶対に自分の意志を曲げない人間。その恵が、以前自分に対してとった冬吾の理不尽とも思える行動を理解しようとし、そしてそれを理解した故に、自分の冬吾に対する気持ちに気づいて、冬吾にそれを語る下り。
 それは冬吾でなくても、一番胸にズーンとくるところでしょう。
 とても楽しく読めるのですが、このお話はただ楽しいだけじゃありません。切なくて、高校生の冬吾と恵の真っ直ぐな気持ちがとても真摯で、やさしくて…。それがほのぼのと伝わってくるいいお話でした。
 このシリーズの続編、強く希望します。
 まわりの他の登場人物も、ひとクセもふたクセ魅力的な人たちばかりなので、是非是非、そちらも方のお話も読んでみたくなります。

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紙の本管制塔のラプンツェル

2001/07/13 09:00

長い髪の呪縛

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 何度読み返したか分からないほど、読みました。でも、何度読んでも「また読みたい!」という気になってしまうお話。ここまで好きになった話、そして登場人物に感情移入してしまった小説は、初めてです。
 『キッスランディング』で少しの登場ながらも、大きな存在感を示していった松橋祐。この話は、彼と、彼の恋人になる男の、めぐり逢いから、惹かれ逢うようになるまでのお話です。
 過去に、にがい、そして大きな疵を心の中に持つ松橋。
 それ故か、かたくなに閉ざされてしまったかのような、松橋の心。いや、それは、かたくなというよりは、愛情を向けられるということに慣れていない、また、そうされても自分では自覚できないという哀しい心の現われなのでしょう。
 過去の疵が、深すぎて、重すぎたために。愛するものを失うのが怖くて、それなら自分が人を愛さなければいい、人から愛されなければいい…と頑固に閉ざしてしまった、その感情。恐ろしいものを前にした小さな子供のように、怯え、竦み、小さく固く固まってしまった心。
 そんな松橋の心を、田中の真摯な、そして真っ直ぐで溢れるような愛情が見事に溶かしていくワケで。その過程のふたりのすれ違い、心の動き、とまどい、苦悩。それを、ふゆの仁子さんが、本当に見事に書き上げられていらっしゃいます。
 圧巻だったのは、やはり田中が松橋の髪を持ち「自分があなたの罪を一緒に背負っていく…」云々のくだりでしょう。
 そこまで真っ直ぐな心をぶつけ、「好きだ」という気持ちをなんのためらいもなく表す田中には、泣けそうになります。
 ふゆのさんの小説は、どれを読ませて頂いても「人を愛することというのは、どういうことか」を、読むたびに深く考えさせられてしまうのですが、この話は特にそうでした。
 この先の田中と松橋の様子は、『キッスランディング』シリーズでも、たびたび垣間見られるので、是非そちらのシリーズも一緒にお読みになることをお勧めします。

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