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レビューアーランキング
先月(2017年4月)

真鍮さんのレビュー一覧

投稿者:真鍮

6 件中 1 件~ 6 件を表示

『カスミ伝S(えす)』でなく、『カスミ伝S(ズ)』。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 一連の『カスミ伝全』『カスミ伝S』『カスミ伝△1』(2001年3月現在)の第二作目で、NHKBSマンガ夜話紹介作品。
 カスミ伝というのは、カスミ、という飛騨忍者(このあたりの設定の細かさにも注目する人は注目する)の女の子を主人公とするお話で、彼女は先輩忍者の高橋ぎょうにんべん先輩にときめいたり、エッチな後輩忍者の小源太くんに腹を立てたりしながら、忍者として、日々、激しい任務をこなす。
 数ある、いわゆる「実験マンガ」の一つであるが、全編「実験」のみ、ということで、その実験性がより際だち、話題になり、評価が高まっている。
 その実験性というところのみをとらえると、芸術として評価されても良い、と言う人もいるのであるが、今のところ、全くその気配すらない。

 カスミちゃんはデフォルメされた女の子であって、キャラクターの絵柄は決してセクシーでも愛らしくもない。が、にもかかわらず、彼女は愛らしく、セクシーであり、マドンナ的存在である。
 小源太くんによって発せられる数々のセクハラギャグ
 「カスミさんのパンツパンツ」
 「濡れたパンツパンツ」
等により彼女の地位は否が応でも高められ、想像力が高められる。一見するとなんじゃこりゃ、なヒロインの絵柄も、だんだんだんだんセクシーに見えてくる見えてくる。

 「実験マンガ」と言うよりもメタマンガとして、右から左、順々に進むものであるコマの順序を変えてみたり、コマを双六にしてみたり、カルタにしてみたり、縦長にしてみたり、映画風に横長にしてだんだん狭めてみたりと、コマそのもので遊ぶギャグが非常に多い。また登場人物達はそのようなコマの中で苦しんでいる。狭まってくれば「ぼく、閉所恐怖症なんですよう」とくるし、その他諸々、ネタバラシはやめておく。

 マンガという枠組みに注目し、マンガでなくては出来ないギャグ、を、唐沢なをきは実践する。絵と、コマと、吹き出しと、背景と、また諸々の漫画的なお約束を逆手にとって、それそのものをギャグにする。そのすばらしさの中に発見されるくだらないおもしろさが最高。お薦めです。

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サトラレ 1

2001/03/11 05:48

がんばれ佐藤マコト!

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 映画が出るようで、宣伝盛んだけれども見ているに、「この春一番泣ける話」と言うようなキャプションが付いていて驚いた。『踊る大捜査線 the movie』と同じ本広克行監督らしく、さあどうぞ泣かせてくれといってみるような映画であるらしい。

 でもって漫画の方の売りは、ギャグ。…。別段泣かせる話がないわけじゃない(映画化されてるのは第4話)けれども、評価されてしかるべきなのはギャグ。

 微妙な設定が活かされている。テレパシーでみんな言葉に出さなくても考えてること解ります。な世界ってのは良くありそうだけど、一千万人に1人だけ(凄く微妙な数)自分の考えが相手に伝わってしまうと言う奇病(凄く微妙な設定)の持ち主(サトラレ)が主人公。彼は自分の好きな川上さんに思いの丈が伝わってしまっていることに気がつかず、顔見て勃っちゃって、靴ひも直す振りしておさまるのをまったり、通りすがりの女の人のおっぱいが大きいのを見て勃っちゃって、靴ひも直す振りしておさまるのをまったり。しかしサトラレ本人がサトラレであることを知らせたり、知らせるような素振りを見せると懲役刑(なんだか安直)なので、相手の方も必死。

 というので、シチュエーション一体型ギャグが多いけれども、ものすごくありがちな設定やシチュエーションを踏襲しつつ、一つ裏返ったギャグがかまされる。そこに貢献するサトラレの、設定の妙は大きい。

 でも、なんだか不安になってくるのが、これってサトラレ全部でそろっちゃったらどうなるんだろうってのである。一千万人に1人でしょ。ということは日本に約13人。1巻で既に5人でそろっている。って事は…。というわけで新たな展開が切に望まれるところ。
 がんばれ佐藤マコト(下積み15年にしてデビュー作がこれの新人)!

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天才老人。

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 本書は関川夏央が、山田風太郎との一年半あまりに渡る時折の面接を、物語へと再構成しなおしたものである。なぜ再構成?聞き書きでいいのに。当然わき起こる疑問だけれども、関川夏央自身当初はそのつもりだったらしい。山田風太郎のエッセイ集、例えば『死言状』など読んでいると、饒舌な作者像が浮かんでくる。しかし実際はそうではないようだ。
 「とにかく彼の談話は過剰に融通無碍であって、そのままでは到底原稿とはなりがたい。」
 文庫版のあとがきではこんな事がかかれている。なんだか苦労したようだ。

 「戦中派」「天才」「老人」、山田風太郎をその三つの枠組みに分解し、関川夏央らしいユーモアが加わって、そのすべてが多少、強調されすぎてるんじゃないか?作ってるだろっ。と言いたくなるようなエピソードもまあ、多少、ないわけではない、…気がする。しかし氏曰く、「材料はすべて山田風太郎の著作と発言の中にあり、一個も恣意的に加えられることがなかった」空起請ではないだろう。たぶん。

 昔bk1の荒俣宏インタビューで、老いて魂のステージがあがった水木しげるの話がかかれていたけれども、山田風太郎にもそれに相通じるものがあるのではないか。天才老人のアフォリズムはもう、食傷気味。しかしえがかれる天才老人の機知、健忘はそれはもう、恐るべきものである。惚けてるのだかなんだかわからない。健忘だか機知だかは誰も知らない。そのあたりもまた、読みどころだ。というわけで、最後に帯裏からの引用を。

——— 山田さん、結構おんなじこといいますね。
「実はぼくはもうこの世の人じゃないんだ」
——— は?
「実は昭和64年、僕は例のごとく酔っぱらって階段から落ちた。そして死んだ」

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紙の本ファイブスター物語 13巻セット

2001/01/17 18:59

最後まで終わることを切に望む

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 京極夏彦は普段、年齢を考慮すると珍しいことではあるが、割と和装を好むそうだ。しかし雑誌インタビューなどでは、京極堂のコスプレになるから人前では着ない、そうである。それを聞いてますます解せないのが、ノベルズ版の帯裏の写真で。あれは何を狙ってるのか。やはりわかっててやっているのだろうけれども、それに反応して喜ぶ女の子、というのは必ずどこかにいるはずで、あれはコスプレではないのか(ないけど)?
対照的に、ファイブスター物語、通称FSSの作者、永野護のウェブサイトの写真というのは非常にわかりやすい。漫画のままじゃないか。

 3巻目にして既にライフワークとなっているFSS。はやすぎ。で、ただいま13年目突入中。年表なるものが存在し、物語の展開自体は既に語られている。そのようなことが前提として展開される話、とも言える。構造そのものはわかりやすい。ただ、登場人物・国の名前と、各話が時系列順ではないことが混乱を招く。
大きな機械Mortar Headdの登場。メカデザイナーでもある作者によるものであり、それを操る人間とも機械ともわからない「ファティマ」という女性たちの存在そのものを中心にめくりめく。
 ただいま最新刊 X なのだけれども、おそらく話はなかなか進んでいない。語られるべきだろうと思われるところも語られていなかったりするので、そのあたりをさっさと語って欲しくはある。作者が生きてる間に描き終わるのだろーか。

 わかりにくいわディテールに凝るわでディープファン多すぎ。で、作者が出てきてももはや決着がつかないほどの大論争が多数繰り広げられたらしい。ファティマどんどんほそくなってくなー。

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紙の本けだものと私

2000/10/18 02:20

表紙はコクトーの『美女と野獣』

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「で、『けだものと私』」
「この人はそろそろSPA!の連載をやめたほうがいいんじゃあないかと思うんだけど」
「なにも語ってないぞ。それ」
「機嫌がいいときに書いたエッセイばかりを載せたと。でもそれはそばにいるけだものが書いたのであって(自分は書いていない)、と書き出しにあって」
「だから『けだものと私』で共著だと」
「そう。でもさ、それはちょっと酷い。原作つきのアニメ作るとき原作者が「原作のマンガとは全く別の作品だと思っています」とか言うのと似てない?」
「それよりたち悪いだろう。ずっと。技術の問題が、とか、人間関係が、とか、ないんだし」
「遊びでやってるんだろうけどさ。なんのメタにもなってない」
「そういう問題じゃあないだろー。非常にありがちではあるけれど四方田犬彦のなかのけだものが書いたということなんじゃないの?で、そばにいるけだものというのは自分の心の中のまさにけだもの的な部分。と。後は書き方次第。面白いSFも書ける」
「それって・・・エッセイでそれが許されるものなのか。態度としてさ」
「そりゃーまあこの場合ね」

-----

「もうこのSPA!のエッセイ本も飽きたなぁ」
「まーたおんなじことを。でも確かに。ネタはまーあるのかもしれないけど。『星とともに走る』とか読んじゃうと割とかぶるし、枚数限られてるし、あまりにも普通向けに頑張ってますだし」
「さくさく読めすぎちゃうのよりは、じっくり腰を据えて読みたい。せめて『回避と拘泥』くらいの長さあればいいんだけど。一つの文章につき」
「おじいさんかきみは。でも、そこら辺のエッセイみたいに、内容がないエッセイはおそらく、一つもないし。その辺はきちんと、初心を貫徹できてていいと思うよ。あ、なんかまた新しいのでたみたい。『マルコ・ポーロと書物』」
「…。そろそろ引退する気なのかこの人は」

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紙の本チグリスとユーフラテス

2001/01/17 18:45

本の厚さが気になる人は、あとがきから読むと読みやすいかもしれない。

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 高校二年生でびゅーの新井素子。7年ぶりの長編で、第20回(1999)日本SF大賞受賞作。「漫画と同じ感じで読める文体を」を目指しているらしい。手軽に気軽に早く読める点において、それは成功している。

 で、遠い未来。キャプテン・リュウイチを船長に、人類が9番目に移民した惑星「ナイン」へ向かう船に搭乗した人々は、人工子宮や冷凍受精卵を使い、人口120万を擁する社会を作り上げる。が、原因不明に人口が減少し始め、ついに「最後の子供」であるルナが生まれてしまう。一人残されたルナは、怪我や病気でコールドスリープする人を1人、また1人と甦らせる。自分の母親の友人「マリア・D」に始まり、ナインの最もよき時代とされる時を生きた「ダイアナ・B・ナイン」、地球から来た開拓者の直系の子孫である「関口朋実(トモミ・S・ナイン)」、そしてついにはこの星で女神とされているキャプテン・リュウイチの妻「レイディ・アカリ」を甦らせることになる。

 章立てはマリア・Dに始まる4人の名前で、現在このような状態なのは過去にどういうことが起きたから、というのが遡って、徐々に伝えられる、逆さ年代記。それは手法として成功させている。真新しいくはないのだろうけれども。しかしこの前編を通して流れる、娘さん娘さんした文体は、耐えられない人には耐えられない。ちなみに書き出し部分はこんな。

どこかで、”ちりん・・・・”という音がした。
ちりん・・・・。
遠くから聞こえる、あれは、妙なる鈴の音だ。天井の音楽、優しい天使がうちふる鈴の音。
どことも知れない世界の中に、あまねく、ほわんと散っていたあたしの意識、この”ちりん・・・・”っていう音によって、収斂してくる。その音をたよりに、あたしはあたしとして再構成される。

 世界構成総括、はさておき、子供を産むこと、産めないこと、産まないことに関する問題が非常に真摯な形で扱われている。それは興味深い。
 たとえば、「マリア・D」では、ほとんど子供が生まれない世界で、生殖能力を持つと診断された男女はそれだけで一生生活には困らないような特権階級の地位を得る。実際に子供が産まれると、記者会見が開かれ、大々的に報道、果てはパレードまで催されるような中、生殖能力を持ちながら子供の産まれない、マリア・Dと、ルナの母、イヴ・E、マリアの夫ゼウスとの関係をエピソード紹介しながら描く、その描き方はうまい。
 それはもう、あまりにもありがちな社会問題を、そうでありながら、ちょっとはずしつつ書くのが巧いのと重ねて、うまいのだろうと思うところではある。
 しかし、あるできごとから導き出される結果、というのを導く論理が異常に弱い。それは別に娘さん娘さんした文体だから、だとか、そうだから、だとかそういうのとはたぶん全く関係ないところで、弱い。ある社会問題が発生したときにそれを解決する手段、その手段というのが、あまりにも短絡過ぎる。
 さらに、ルナの描写にも一貫性がない。それは、「実はこんな人だった」と、その前の描写のギャップがありすぎー、とかではなくて、両立させたときに何か矛盾が生じる、というのでいけない。

 ちょっと気になる地の文、ももっと面白く使えたかも知れない。と思わせながらも、文体ゆえに手軽さと、多少の怖いもの見たさで、読んでいいかと思う。そういう意味では目論見は成功しているのだろう。でも新井素子好きという人も嫌いという人もみんな顔文字多用してる、なんかそんな世界な気がする。

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