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先月(2017年6月)

ささきさんのレビュー一覧

投稿者:ささき

1 件中 1 件~ 1 件を表示

商法学者が本書を見たら、どう批評するだろうかと考える。

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 「会社の目的」といえば、定款の認証権限のある公証人より、登記官の判断が優先されている。「目的事例集」の「○×」の判断に従っていれば、登記官との折衝の時間も節約できる。法務局関係者が作成した「目的事例集」が愛用される所以である。
 時には、「目的事例集」の「○×」判断に疑問を感じながらも、「○×」判断が正しいか否かは問題とされないできた。
 本書は、執筆者である佐藤勇公証人及び酒井寿夫・大前良巳・村上重徳・牛尾和彦・高木保男・山本直樹の六名の司法書士による一〇年にわたる共同研究の成果をまとめたものである。
 「目的事例集」の「○×」判断に、司法書士が日頃疑問に感じても、解決できなかった多くの疑問点が、本書により、解消される。
 本書の前半(一四一頁まで)が理論編であり、序章「新しい目的の適格性判断基準を求めて」、第一章「会社目的の言語と論理」、第二章「適格性判断の基本的視点」、第三章「目的の明確性」、第四章「適法性と営利性」、第五章「現行実務批判と目的(商号)の一部抹消の提案」に分けて理論を展開している。後半が実務編であり、「最新目的事例集」(一四三頁ー三〇七頁)で
ある。
 本書の独自性は、「目的の適格性判断基準」の項目については、通説に従い、「明確性・適法性・営利性・具体性」の四点に分けているが、その各項目について、通説を批判し、独自の説を主張している点にある。
 通説では触れられていない観点からの批判及び主張がされている。読み流す際に、かみ砕く必要がある考察も多い。本書自身が「各章それぞれ独立完結」しているというように、どの章から読んでもよい。ただ、通説に慣れ親しんでいる我々には、取っつきやすい、「現行実務批判」(一〇八頁)から、読まれるとよい。
 続いて、通説がいう「目的の明確性」が考察されている第三章及び通説がいう「適法性と営利性」が考察されている第四章と読み進めば、本書の視点が明らかになって来る。
 本書の視点は、第二章「適格性判断の基本的視点」で述べられいる。つまり、通説のいう「具体性」の「適格性判断基準」としての否定である。評者の「具体性行政指導説」では、「具体性」の存在自体を否定しないが、本書では、「具体性」の存在自体を否定している。通説のいう「具体性」を「明確性」の問題としているようである。第一章「会社目的の言語と論理」では、「明確性」が強調されている(三五頁)からである。
 「会社の目的」の「適否」については、判例が存在しないため、学者が関心をもたない。実務家のみでの研究で、この水準まで来たのかと感心させられた。他面、商法学者が本書を見たら、どう批評するだろうかと考える。本書は、広島民事法務研究会の一〇年間の共同研究の中間報告と受け取りたい。
 「会社の目的」の研究には終わりがない。本書は、多くの問題を提起し、研究の指針を与える現時点における最高水準の一書と考える。(東京司法書士会 佐々木正己)

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