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桂沢 達海さんのレビュー一覧

投稿者:桂沢 達海

1 件中 1 件~ 1 件を表示

成功者の親よりも幸福に暮らしているひとの親になりたいひとに

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 あなたはどのような子どもを望んでいるだろうか?ほとんどの育児書は忘れているが、育児の目的は「良い子」を育てることではなく、子どもを親が不要な「大人」に成長されることだ。この本はいわば「良い大人」を育てるためのガイドブックである。子どもが立派な大人になるための訓練と、自分が幸せだと思える(ような方向に自分を導いてゆける)ための訓練をさせる方法が書いてある。
 アメリカ人の生活(特にキリスト教徒の。著者紹介を見て納得した。)を背景に書かれているため、日本の生活に当てはめると違和感のある部分も多いが、全体を通してみれば原則と実例がバランスよく列挙され、読みやすく書かれている。ただし、ものごとを考えたくないひとには「具体的にどうすればよいのか書いていない」と感じられるかもしれない。例えば「この3箇条を守れば上手に子どもを叱れる」とは書いていない。本当に叱らなければいけないかを判断する基準と、叱る時に守るべき原則、効果的なしかり方の例だけが書かれている。問題が違えば答えが違うから「答え」そのものが書いてあったら、ほとんどのケースで間違いになるから、これ以上の書き方はないと思う。(だから、伝記や自伝を参考にした子育ては役に立たないし、特に天才の伝記や自伝の場合は有害無益になる。)
 本書は個性を大事にしたうえで他人と協調できることを目指しているが、ここで言う個性とは天才のことではなく、自分が好きなもの、好きなこと、自分にむいたやり方のことである。バランスのとれた人格はよくも悪くも極端を目指す資質とは相容れない。満足を知り、妥当なレベルを超える必要は感じない。偶然が才能と能力を一致させれば偉業を達成するかもしれないが、社会的成功を唯一の基準として鋭意努力、目標に向かって邁進する「自立していない」人に比べて成功の可能性が高いわけではない。失敗したときに果てしなく自分を追い込んで破滅する可能性は少ないにしろ、認められるためであっても他人の望むことを実現するために努力するひとは悪く思われないだろう。ただ、たまに私のように気持ち悪く感じる人がいるかもしれない。他人を犠牲にする「利己主義」にしろ自分が犠牲になる「奉仕の精神」にしろ、犠牲になる人がいてもよい、という点は共通であって、認められることをあきらめて自分さえも自分を見捨ててしまうか、人に認められれば自分すらどうでもよいかの差はあれ、本当に大切な「自分が自分を認める」という視点が欠けているし、それが幸福の重要なポイントだからである。幸せな人は天才とは限らないし、成功者ですらないかもしれない。
 たいていの育児書は成功することが幸福ではないと書きつつ、その言葉の裏で「人から信頼される」「社会に貢献する」「あきらめないで努力する」など「成功しそうな人」に育てるノウハウがぎっしりつまっている。だから成功者の親として賞賛されたい人はそんな本を読むと良い。運悪く(?)天才の親になってしまった人にも別の育児書があると思う。だが、前述のような「成功へのカギ」は与えられたものをどうこなすか、であって自らが何かをつかむこととは関係ない。そこで、自分の子に自分でなにかをつかめるように成長してほしい人、そのために自分の価値観が試され、もっと人間を磨かなければ、とおもう人にはこの本が結構参考になると思う。子育ての成功も親が自分の目的を明確に把握することが大事だろうし、成功者の親として有名になりたい人を止める権利は私にはない。でも、親の考え通りに育てようとして失敗するとどうなるかを知っておきたいならやっぱりこの本を読んでおくことをお勧めする。子どもはずっとあなたを親と認めつづけるとは限らないし、そんなふうになっても大人になりきれず親の替わりを見つけようとする子どものこともいろいろと書いてある。

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