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先月(2017年8月)

Junさんのレビュー一覧

投稿者:Jun

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本東京アンダーワールド

2000/11/06 08:38

いかがわしいガイジンが見た、いかがわしい東京

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書は掛け値なしに面白い。ハリウッドで映画化が決定しているというのもうなずける。
 
 中心になるのはニコラ・ザペッティという、第二次大戦後、東京のマフィアのボスと呼ばれた男。彼にまつわる数々のエピソードには、力道山、東声会、住吉連合などが登場し、当時の「暗黒街東京」の内側を垣間見ることができる。

 ニコラが日本で求めていたものは、金儲けと女遊び、そして他人から一目置かれることだった。

 必要とあれば犯罪に手を染めることも厭わず、戦後混乱期の東京という絶好の舞台で、ニコラは水を得た魚のように金と女と名誉を手にしていく。しかし、晩年は財産もほとんど失い、日本に対する恨みつらみに苛まれながら、失意のうちに没した。

 本書にはもうひとつ中心軸がある。それは戦後の日米関係だ。

 たとえば、終戦直後は駐留軍兵士の本国への送金額が給与の総額を上回るという状況が続き、日本からアメリカへ富が流出した。ニコラもこの過程で、巨額の財産を築いている。

 その後、冷戦構造の中でのアメリカの援助もあり、日本の経済力は急激に向上し、日米間の金の流れが逆転していく。それに呼応するかのように、ニコラは多くのトラブルを抱え、落ち目になっていく。

 本書では、ニコラの東京での栄枯盛衰という縦軸が、もうひとつの縦軸、日米関係と交錯しているのである。

 ところで、本書の魅力は、ニコラという人物の魅力、そして彼が語るエピソードの抜群の面白さに負っているのだが、そのことが同時に本書の欠点にもなっている。

 というのも、エピソードの大半が、あくまでニコラの視点からのものだからである。裏づけの取材がなされたとはいえ、その描写は一方的なものとならざるを得ない。

 対立する関係者双方の話に基づいていない部分では、読者はニコラの与太話に付き合わされることになる。

 とはいえ、戦後の東京を、日本の闇社会に通じたひとりのアメリカ人の視点から捉えたという点において、本書は画期的であるし、欠点を補って余りあるほど魅力的な読み物である。

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