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ニシさんのレビュー一覧

投稿者:ニシ

6 件中 1 件~ 6 件を表示

社会的視点から見た、小さい人達の温かい物語

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

全編通してほのぼのして笑って泣いて楽しく読める漫画。だけれど、そんな単純な感想に留まらない、ちっぽけで不器用で弱い人達への温かい眼差しが、この作品からはどこからともなく感じられる。

 お母さんを亡くした父子家庭。ボケかけた老人。捨て犬。家庭にも会社にも落ち着く場所のないお局様。社会からはじかれ、日本から逃げようとする銀行強盗。生徒が自殺した担任。夢精に戸惑う少年。etc.
 「赤ちゃんと僕」には、弱く、社会の隅っこでこっそり頑張っているような人が妙に多く出てくる。その事に気づいた時、その人は「赤ちゃんと僕」の見方が少しだけ変わってくるだろうと思う。

 一例、主人公のお父さん(春美ちゃん)の会社にいるお局様の話の回。会社では若い社員に「固すぎる」と疎まれ、家では夫に「仕事と家事が両立できないのならさっさと辞めろ」と突き放され、誰にも認められず無力感に襲われたお局様はとうとう辞表を提出する。失意のまま彼女が会社を出る際に、春美ちゃんが彼女にこういう言葉を贈る。
 「忘れないで下さいよ あなたは、この会社になくてはならない存在だったんです 必要な人でした」
 すると、いつも頑なに無表情を通していたお局様は泣き出してしまう。「誰かに ずっと そう言って欲しかったんです…」。

 大きい悩みも小さい悩みもみんなそれぞれに一生懸命考えている。それらが導くものが明るいオチでも悲しい結末でも、みんな頑張って生きてる。そして、誰もが自分を「ここ」に必要とされたがっていて、それはつまり、誰もが誰かを必要としているという事だ。


 作者、羅川真里茂はこの連載の後「ニューヨーク・ニューヨーク」というゲイカップルが主人公の話を書いているが、私はその作品を読んで、ゲイの社会問題を正面きって取り扱い且つエンターテインメントとして仕上げている、作者の作品の取り組み方に感動し、そして確信した。羅川真里茂は社会の視点から物語を紡ぐ希有な少女漫画家であり、「赤ちゃんと僕」も「ニューヨーク・ニューヨーク」と何ら変わりないスタンスで描かれている「社会のストーリー」だという事を。

 「赤ちゃんと僕」にメッセージ性は全くない。押し付けがましい問題提起もない。それでもこれは、作者のリアルな社会的視線から人の生活の一片を切り取り描いた「社会の物語」であり、そこから私たちが受け取れるのは「それでもみんな頑張って生きてる」という、分かっているはずなのについ誰もが忘れてしまう、ごくごく当たり前の事なのだ。

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紙の本エルメスの道

2001/03/16 04:57

職人たちの情熱と革新の物語

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 名作「風と木の詩」で有名な竹宮惠子が、有名ブランド「エルメス」からの依頼で手がけた、世にも珍しい高級ブランド歴史漫画、それが「エルメスの道」だ。

 私がこのマンガを購入したのは、竹宮惠子のサイン会があったからというだけの、ミーハーな理由だった。もちろんエルメスについての知識は「グッチやティファニーとかと同じ感じ」程度のもので、興味も何もなかった。
 しかし、この作品を読むと、私のようにブランドに無知でも「エルメスが欲しい」と思ってしまう。

 あとがきで竹宮惠子はこう書いている。
 「正直言ってブランドには余り詳しくない。特に、エルメスなどは、まだまだ自分の『分』ではないと思っていたので、関心を持って見たこともなかった。だが、原案を一読して、『ああ、これは職人の歴史なんだ』と思った瞬間、自分と通じるものを見出して、『描ける』という気になった。」

 この物語の根底にあるものは、ブランドという名の、歴史の重み厚みだ。馬具屋から始まって5代に渡る、職人たちの情熱と革新の物語、それが「エルメスの道」だ。伝統や格式と言われているものは全て、逆の価値観である改革なしには成り立たないという事を、この作品は教えてくれる。
 また、一種のサクセスストーリーとして読める点もこの作品の素晴らしい所だ。どの世界でも、アイデアとそれを信じる情熱が良いものを作り出していくのだという希望が「エルメスの道」には溢れている。やる気が出てくる。

 正直言って、エルメスなんてフランスの一流ブランドの歴史を、失礼な言い方だが、ひと昔前の少女漫画家が描いたら、ミスマッチになるだろうと思っていた。しかし、装丁から内容の細部に至るまで丁寧に描き込まれている本作品には、想像していた違和感は全くなかった。むしろ、これ程一ブランドの歴史を、知らない人にも興味深く、なおかつ重厚感を損なわずに描きあげている作品は活字本でもなかなかお目にかかれないだろう。

 自社の歴史を、マンガという媒体を用いて出版しようと決めた現エルメス社長のアイデア。そして「エルメス」と「竹宮惠子」という二つの職人魂の相乗効果。これらが「エルメスの道」を、「いい仕事している!」という台詞の最も似合う良い作品に仕立てたことは、一度読めば明らかだろう。


個人サイトでもマンガ書評を書いてます。ぜひこちらもご覧下さい。

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紙の本友子の場合 2巻セット

2000/11/10 03:44

女子高生ギャグの最高峰

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 高校3年生の頃、この「友子の場合」は自分のクラス内にとどまらず、学年中にたらい回しに広まった。
 何故たらい回しかと言うと、うっかりコレを授業中に隠れ読みしようものなら、笑い過ぎによる痙攣・ひきつけ・呼吸困難が併発し速効先生にばれるか、そうでなくてもガマンのし過ぎでしばらく放心状態に陥ってしまうからである。よってまだ「友子の場合」情報が耳に入ってないクラスにそっと魔の書が引き渡され、そうして同じ悲劇が様々な場所で日々繰り返されていたのだ。

 これはけして誇張表現ではない。現に私は、授業中なのになぜか息を切らして机に突っ伏す同級生を何人も見てきたし、私が直接貸してあげた友人からは後で廊下で涙交じりの訴えまでされた(もちろん笑い泣きだが)。

 主人公の友子は平凡な女子高生だが、少し嘘つきで、お調子者で、良く言えばロマンチスト悪く言えば独りよがりな子だ。
 しかし、自分を取りつくろう為に嘘をつくのも、調子に乗り過ぎて馬鹿を見てしまうのも、陶酔して思い込みが激しくなりがちなのも全部、チョットずるくてチョットあほで、そして、すごく自分たちで笑えてしまう、若き女子高生だからこその情けない特質であると思う。
 だから女子高生が「友子」を見ると、「こんな事考える考える!」とうなずいてしまったり、「本当バカなマンガだよね」「でもウチらもあんまり変わらないって」なんて友達と言い合って盛上がってしまうのである。

 女子高生を題材にしたギャグマンガも数あれど、「友子の場合」は最高傑作に位置すると確信する。特に、現役女子高生や女子高生時代を懐かしむ人には是非とも読んで思い切り笑って欲しい一冊である。

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娘。物語 2

2002/05/17 01:01

女の子が魅力的に変わる時

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「なかよし」連載の、モーニング娘。オフィシャルストーリー2巻目。今回は後藤真希、矢口真里、保田圭、そして初期メンバーの飯田圭織の4人がモーニング娘。になり立ての頃の話が一話完結形式で描かれている。

1巻で主役だった4期(加護・辻・石川・吉澤)の加入後、更に5期メンバーの4人が加わり大所帯となったモーニング娘。その中でもはや古株的存在になった後藤・矢口・保田・飯田だが、この4人も最初はそれぞれ悩みがあった。
個人的に好きなのは保田圭の回。努力家で、歌もダンスも人並み以上に頑張り実力を認められた保田。しかし、MCのトークだけは上手く行かず、月並みのつまらないことしか言えない。「もう少し工夫しなよ」と言うメンバーに対して保田は涙ぐみながらこういうのだ。
「それってそんなに大事なことなのかな? あたしは歌がうたいたくてモーニング娘。に入ったんだよ それじゃダメなのかな」。

それに対する答えは中澤裕子やつんくの言葉、そして保田自身の中に隠されていたのだが、書くと読む楽しさが減るのでここでは書かない。ただ、その答えが、今のモーニング娘。のやり方に通じる基本姿勢なのだ。
「自分を見つけること」「自分らしくいること」「自分を信じること」、それらが出来なくて戸惑う普通の子たちを集めたのがモーニング娘。であり、そして、それらに気づいた時一気に殻を飛び出して魅力的になれる子たちを集めたのがモーニング娘。であるということが、改めて分かった。だから、ついつい彼女たちから目が離せない。

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4期メンバーのサクセスストーリー

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「なかよし」連載のモーニング娘。オフィシャルストーリー。第一巻は第4期メンバーの加護亜依・辻希美・石川梨華・吉澤ひとみ、それぞれを主役にした話が一話完結で描かれている。

 モーニング娘。に入った当初の戸惑いは、メンバー4人、それぞれ違う。加護亜依は遊び気分が抜けきれない悩み、辻希美は実力が追いつかなくてユニットに入れなかった悩み、石川はがんばりすぎて空回りしてしまう悩み、そして吉澤はモーニング娘。になりきれない悩み。
 それらを切り抜けて行くのは結局お決まりの「明るさ」と「努力」なわけだけれど、なんだかんだ言って読んでいて元気が出てくる。

 個人的に興味深かったのは、各々悩みを克服する過程において、中澤裕子や矢口真里、保田圭などの古参メンバーの励ましが絡んでいる点だ。これら物語のどこまでが本当でどこからが作りかなんて下らないことは問わない。素直にテレビの前の彼女たちの楽屋裏の姿として読めば吉。それにしても13人の顔描き分けるの大変だろうなあ。ご苦労様です。結局髪型で見分けているけど。

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一途で哀しい性癖のたたずまい

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 喜国雅彦は主に4コマギャグ漫画で有名だ。内容はSMなど、アブノーマルなネタが多い。
 その喜国雅彦がストーリー漫画に挑戦した意欲作がこの「月光の囁き」だ。主人公は一見何の変哲もない、穏やかな中学生の男の子。しかし、彼は実は、好きな女の子の足のみに興奮し、踏まれる事を何より望む性欲の持ち主だった。つまりは足フェチだ。

 しかし、ここで「月光の囁き」を「足フェチの話」と一言で片づけてしまうと語弊を生みそうな気がするので、あまり言いたくない。「アブノーマル」という点で同作者の描くギャグマンガとテーマが同じだけあって、いいかげんな内容のものと捉えられそうだからだ。むしろこの作品は、冒頭に谷崎潤一郎や三島由紀夫の小説の一節を引用していたりする事からもわかる、どこか文学的な意欲作である。

 異常性癖を笑いのネタとして取り上げる一方で、その性癖に葛藤する男の子とその彼女の物語をいたって真面目に描く漫画家・喜国雅彦。そんな彼の作品を並べて読む事にこそ、おかしくも悲しい様々な性のたたずまいが垣間見れると思う。

 女の足に執着する中学生・拓也の性癖を、彼の好きな同級生・紗月に知られてしまうところからこの物語は大きく展開していく。その二人のそれぞれの覚悟もさることながら、拓也の親友・マルケンとの友情も本作品の見所の一つだ。偏執的な中にも部活に専念する中学生らしい爽やかなシーンも織り込まれつつ物語りは進んでいく。
 最初は拓也の性癖を嫌がっていた紗月が、知ってか知らずか、だんだんサディスティックに変容していく、その過程が面白い。いわゆる「変態モノ」を受け付けない人に是非読んで欲しい一作。

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