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先月(2017年2月)

田口善弘さんのレビュー一覧

投稿者:田口善弘

1 件中 1 件~ 1 件を表示

プレートテクトニクスが「新しい」科学として耀いていた頃の眩しさを

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 本書の原書の出版は、もう20年も前の1983年だ。“旬”が命の科学書のこと、よほどの名著でない限りは読む価値がないはず。なんで今ごろになって、と思うが読んでみると意外に面白い。
 まず、ジブラルタル海峡が「閉じて」しまうと地中海は干上がってしまう、という事実の衝撃。言われてみれば向こう岸が見えてしまうほど狭いジブラルタル海峡でしか、地中海は外海とつながっていないのだ。海水面は上がったり下がったりしているのだし、大陸も動いているのだから、ジブラルタル海峡が「閉じて」しまっても別におかしくはないわけだ。
 そして、タイトルどおり、まさに地中海は沙漠だったことが本当にあるというから驚いてしまう。いまや定説となっているらしいこの話題をなぜ、一度も耳にしたことがないのかちょっと不思議だ。
 今一つの楽しみは、深海底をボーリングできるという「新」開発の調査船で調べた地層の重なりだけから、地中海が干上がり、沙漠になった後、ジブラルタルが再び破れて海水の巨大な滝となって地中海を再度満たしたことまで解ってしまうという面白さ。海底からボーリングで地層の断面がくりぬかれて引きあげられるやいなや、同乗する地質学者や古生物学者がよってたかって地層を解析して、ああだこうだと言いながら結論を導く過程はやはり面白い。まだプレートテクトニクスが「新しい」科学だった頃の、最先端の科学を担っているという自負に満ちあふれて研究をする科学者たちはきらきら耀いていて、眩しいくらいだ。
 原書が出た頃に地球物理学の研究室で卒業研究をしていた僕は、思わずなつかしくなってしまった。お世辞にもこなれているとはいえない訳文(きっと、原書の英語もこなれてはいないんじゃないだろうか)ではあるが、とにかく、あの時代の雰囲気というか息吹が溢れんばかりに伝わってくる。科学史の本としても読める面白さを備えた本だ。

(田口善弘/中央大学理工学部物理学科 助教授 http://www.granular.com/tag/index-j.html)

【同じ著者の本】
『地球科学に革命を起こした船 グローマー・チャレンジャー号』東海大学出版会(高柳洋吉訳)
[内容説明]グローマー・チャレンジャー号は、プレートテクトニクス革命と因習的な学説に対して重要な役割を演じた。1968〜83年の深海掘削航海のすべてを、船員や乗船科学者たちの体験や作業日報、地質学史の情報などから記述。

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