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eggplantさんのレビュー一覧

投稿者:eggplant

1 件中 1 件~ 1 件を表示

都立水商!

2002/02/17 20:25

世直し改革の書現る!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 書評なんてガラじゃない僕が書くのだから余程のことだ。この小説のインパクトがいかに大きいものであったか。自分でもびっくりしている。そして心底感動した。…というのも僕が新設の某大学の講師だからだ。とても絵空事とは思えないのだ。
 この前代未聞の水商売の高校は、今、僕が格闘している新設の某大学にそっくりである。新設の学校には何も実績がない。伝統も無ければ、あたたかい先輩の後押しもない。世間の評価も定まらない。ただ第1期生のフロンティア精神と先生方の熱意だけが学校を動かしているのだ。
 しかし、都立水商はすごい。社会で経験を積んだそうそうたる講師陣=ナンバーワンソープ嬢で詩人でもあるソープ科講師・吉岡あかねをはじめとして、大学生の頃には銀座のチーママ、風格すら感じさせるホステス科講師・近藤明美、「自分はジジイじゃなくババアだ」というゲイバー科講師・松原…実にユニークな人材がそろったものだ。苦労人の初代校長もいい味を出している。
 これほどの人材はいないのだが、某大学の講師も実はその道の社会人経験者中心で構成されている。その道は残念ながら水商売ではない。だが、苦労が多い割には社会的にはあまりいい評価をもらっていない3K職業である。特にこの不況になってからというもの、すっかり魅力が無くなってしまった。たくさんの会社が倒産し、大手も統合を進めている。かくいう僕だって、前にいた会社はもうない。倒産ではない。社長を継ぐ人がおらず、解散したのだった。
 講師陣は苦労人が多く皆味がある。いや、クセモノぞろいと言うべきか。水商ほどではないけれど、皆自分の職業に誇りを持ち続けている。水商売を学ぶ水商は、最初すごい偏見に合う。僕の学校だって、世間的な偏見に耐えながら逆境の中で船出した学校である。だから、この小説はもはや他人事ではないのである。読みながらついつい力が入ってしまうのだった。
 水商の生徒もすばらしい。徳永猛を筆頭に様々な初代の生徒の胸のすくような武勇伝が展開されるが、これまた我が校の学生を想起させるに十分である。この道が好きだから、将来大してお金がもらえそうもないのに入ってきた奴らである。かわいいじゃないか! こういう学生は粗末に出来ない。だから水商と同じように学生と講師の連帯感は強い。俺も馬鹿だがオマエも馬鹿だなという感じである。
 「水商ソープの手こすり千回」の実習重視も全く同じ。当校も授業の半分は実習なのだ。体で覚えなきゃ、だめな世界なのだ。これまでの教育では、社会人になっても使い物にならず、会社が給料を払いながら教えていた。もうこんな教育ではだめなのだ。実業界と結びつかない日本の大学教育に真っ向から反対して、即戦力養成に力を入れ、偏差値否定の入学選抜も行っている。それでいて学生はまともすぎるくらいまとも。偏差値が低いから入ってきた奴らは必然的に実習についていけずやめていくので、質の高い学生ばかりが残る。
 だが、半分負け惜しみのところもある。始まって2年目の学校で、まだまだ社会の評価はきつい。もう来年度は定員割れになりそうだ。あと10年たって果たして「都立水商」のようになれるかどうかは、全くわからない。5年くらいで終わりになっちゃうかもしれない。「少し弱気になりつつある同僚にこの小説を紹介しよう!」と思うくらいに日本の教育を根底からえぐった力がある。そして悲しくそしてオモシロい。100の教育論よりこの小説の方がずっといい。
 全国の学生諸君! 手を汚すのはいやか? これからの時代は頭だけじゃ絶対だめなのだよ。卑賤の中に聖なるものがあるのだよ。汚れ仕事にこそ美があるのだよ。親御さん!我が子をリストラされてつぶしの利かないヘナヘナの社会人に育てたいか?オラオラオラ読め読め読め! これこそ駄目な日本の国民の教科書なのだぁ! (最後はちょっと過激すぎたかな?)

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