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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

亜村有間さんのレビュー一覧

投稿者:亜村有間

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本私と月につきあって

2001/01/19 05:26

たったひとつの冴えたやりかた

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 少々失礼して、大風呂敷を広げさせて頂こう。
 この物語は、我が国がこれから取るべき、ただ一つの正しい政策の指針を大胆に示すものである。その趣旨を簡潔にまとめると一言ですむ。
「日本は有人宇宙飛行を実現すべし」
 この本は、それがどんなに簡単なことなのかにまだ気付いていない人のためにある。
 
 まず、基本的事実をはっきりさせておこう。本書の宇宙飛行計画は、基本的・原理的には実現可能である。証明は私自身の手には余るが、作者のホームページに批判が書き込まれることがないかどうか確かめるのが一番簡単であろう。インターネット上で嘘をつき続けることは、時に、どの学術誌で嘘をつき続けることよりも困難である。
 しかし、同時に本書は堂々たる一級のエンターティメントである。現実の骨組みの上に、フィックションが大きく肉付けされて成り立っていることは忘れてはならない。少女がエアバスを着陸させることは(正規の訓練なしには倫理的にも)不可能であり、厚さ二ミリの冷却不要な宇宙服はまだ開発されておらず、事故が発生するのは精霊がたちの悪い悪戯を仕掛けてくるためではない。
 小説がフィックションである、そんなあたり前のことをわざわざ注意しなければならないほど、この本は我々を本気にさせてくれるのである。そう、この作者は本気なのである。作中の少女宇宙飛行士が、お気楽に「結果オーライ」で行動しているように見えても、その心の底に、自分でも気づかない未知への情熱を秘めているのと同じように、今時のアニメ風のサービス点呼盛りの物語を軽妙な口調で語りながらも、行間の隙間から、作者の熱い想いが滲み出てきている。面白おかしく読み終えたその後には、いつの間にやら、その熱が移ってしまっているという案配だ。
 
 しかし、なぜ、これが、「日本の政策の指針」とまで言い切れるのか? それは、本書の中に、今、我が国が最も必要としている、「国際的・ナショナリズム」の思想が提唱されているからなのである。
 それは、本書のクライマックスにおける、短いエピソードにおいて、はっきりと姿を表す。日仏共同ミッションのはずなのに、日章旗が用意されていないことを土壇場で知って唇を尖らせたヒロインは、なんと、フランス国旗の真ん中の白い部分に、赤ポールペンで日の丸を書き込んでしまう。「トリコロールを汚さないで!」というフランス少女の悲鳴は黙殺である。それは、あまりにもせこく、情けないナショナリズムであり、両国国旗への無神経としかいいようのない呆れた冒涜でもあり、そして、何よりも、恥ずかしいぐらいに暖かいインターナショナリズムなのである。
 そう。ナショナリズムを生理的嫌悪反応で恐れる必要はない。ただ、インターナショナリズムを同時に育て上げていけばいいだけのことなのである。だから、日本国民の誇りをもって、有人宇宙船を打ち上げようではないか。それは…今、あなたが考えているほど難しいことではない。
 
 …冒頭にもあるように、少々洒落っけを交えて書かせて頂いています。私を本気のナショナリストだと思われることは、むしろ、私の文に多少は説得力が感じられたということで光栄ではありますが、この書評自体も一つの「読み物」として、お気楽に楽しんで頂けると、あなたの人生もより豊かになるでしょう。
 でも、すべてが冗談のつもりでもありません。冗談の間に見え隠れする熱い本気を読みとること。それが、この本と、この書評自身と付き合うための、たった一つの冴えたやり方なのです。

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紙の本出撃っ!猫耳戦車隊

2001/01/29 07:24

猫耳は誰がために

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「猫耳+戦車?なんて安易で強引な」
 この本は、あなたのその素朴な感想をあっさり肯定し、しかし、ページをめくる手は止めさせてくれない小気味いい快作である。
 だが、実は、この作品の真の魅力は、組み合わせの妙ではなく、猫耳の魅力の神髄を見事に打ち抜いているところなのである。
 
 まずは、もう一つの魅力である、戦車について簡単に触れておこう。と言っても私は詳しくはないのだが、多くの戦車好きは、ドイツ製の華麗な高技術に魅了されるらしい。次によく知られているのは、この本でモチーフにされている、旧ソ連製のバランス良い車体。つまり、わざと最大のメジャーは外すことにより、オツな感じを出しているものの、仮想戦記ものを多く手がけている作者による、猫耳ファンのための親切な初心者向け設定ということだろうか?(繰り返すが、私は戦車には疎いので解釈が誤っていることは十分に考えられる。)
 
 しかし、作者の才能は、むしろ専門外であるはずの猫耳の分野で発揮されている。作者自身、どこぞでは「ウケるかどうか、分からなかった」と発言されているところを見ると、無意識的にであるのかもしれないが。
 まず、猫耳の本質的な矛盾を暴き出してみよう。「耳が四つあるなんて変」「性格が全然猫らしくない」こう言われて、あっと驚き、思い当たる猫耳好きの方も多いのではないだろうか。
 そう、実はかなり多くの猫耳少女が、奇妙なことに、
「基本的に獣性は乏しく極限まで人間に近い。人間の耳の他に頭の上に猫の耳がある」
「性格は無邪気で天真爛漫か、優しくて健気で一途。一般に猫らしいと思われる、色気があって気まぐれで自由奔放な性向は乏しい」
という、猫とは矛盾した特徴を持っているのである。
 
 この作品では、その隙間を真っ向から突き、本来あるべき真の猫耳少女、「至高の猫耳少女」を描き出している。彼女たちはみんな猫耳一組しかもたず、色気があって気まぐれで自由奔放である。そして、この特徴が話や設定に見事に生かされている。従来の猫耳を見飽きてしまったすれた猫耳ファンも、ここに新しい猫耳の魅力を見出すことが可能なのである。
 
 しかし、実はこのことは諸刃の剣である。定番ということはそれだけ需要が多いと言うことでもある。多くの猫耳ファンが、実は、「犬チックな猫耳少女」を求めている以上、この作品が総スカンを食らっても不思議はなかった。これは、猫耳には不案内であると推測される作者だからこそやってしまった、きわどい禁断の技だったのである。
 
 だが、ここで、ふと、キャラクターを見直してみよう。そう、主人公の栞里少尉。彼女だけが普通の人間。なんと、作り物の猫耳をつけているのである!
 それも、単なるコスプレ趣味でつけているのではない。どうやら、仲間と気持ちを一つにしたいためや、亜人種たる猫耳への偏見に抗議するために、恥ずかしさと快感との間で揺れながらつけているらしい。
 実は、あっけらかんと趣味で猫耳をつけている場合よりも、この、健気で危うい心理状態の方が、遥かに魅力的に感じられるのではないだろうか?
 性格も、まさしく、生真面目で健気で一途。これこそが、猫耳ファンの求める猫耳の最終状態、「究極の猫耳少女」だったのである。
 
 評価点を一つ減らしたのは、猫耳にも戦車にも興味のない人のためだが、私個人としては内心は★五つ、と言っておこう。
 つい最近(2001.2)出たばかりの第二巻「猫耳戦車隊、西へ」も大いに楽しみである。

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萌えの浸食

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 あえて暴言しよう。この本は実用書を騙った娯楽書である。しかし、驚くべきことに、その騙りは本物を越えている。この本は、実弾を打ち出すモデルガンなのだ。

 まず実用書としての側面を評価しよう。見かけに反して決してわかりやすくはない。しかし、内容の充実度はその欠点を補って余りある。基本をすべて網羅するだけでなく、実際の法の運用状況を最新の社会情勢と合わせて詳しく説明している。それも、単なる紹介に留まらず、法の意義という深い領域にまで触れた洞察も行われている。一例として、音楽関連の説明の部分を紹介すると、まず、JASRACの成り立ちを説明している。初心者向けの本ならこれですでに合格である。しかし、その先に現状のジレンマを説明し、問題提起を行っている。更には、新しい管理組織についての説明まであるのだ。

 次に娯楽書としての側面を評価しよう。「萌え絵」(いわゆる「アニメ」のようなタッチ)で描かれた少女二人が、他愛のない短い会話をやりとりしたり、軽い冗談を伴ったイラストで描かれたりしている。実のところ、絵のタッチや内容は一般を意識してか、おとなしめである。「断固たる措置」等の著作権関連のマニアックな辛口ジョークを期待する方にはややものたりないかもしれない。しかしそういった問題は、「実用書+萌え」という企画を本当に実現してしまったというコロンブス的な意義の前には霞んで見えてしまう。実用書は社会で生きていく上で必ず必要とされる。そのとき、「同じ中味なら…」とついつい気まぐれに手を出してしまう人はいるものだ。同じ分野内で某大な種類の実用書が出るこの時代、この付加価値は、決して笑い飛ばせるものではない。ましてや、内容も十分であるとすれば最強である。類似の企画は、今後、狭いが堅実なマーケットを保持し、秘かに様々な分野に浸透していくに違いない。萌えの浸食は、もう始まっているのである。

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