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メロンさんのレビュー一覧

投稿者:メロン

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本にんきものをめざせ!

2001/05/21 16:08

すべての小学生に読んでほしいな

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 元気もののかなえは、バレンタインデーにふじしろけいたにチョコレートをあげました。クラスの女子は、そんなかなえのことを「げてものずき」「へんじん」と言います。
 でも、かなえは知っているのです。だれもいない教室でこわれたいすをなおすなどしているけいたくんのいいところを。
 ところが、けいたくんに男子のあいだで人気のきさらぎまいこさんが急接近中。あせったかなえは、まいこさんのようなアイドルをめざしますが、空回りしてばかり。
 おまけに、おもしろくない気持ちを詩にしたところうっかりけいたくんに読まれてしまいました。もう八方ふさがりのかなえは、とうとう学校を休んでしまいます。

 「カラフル」(理論社)などで、思春期の子どもの心理を丁寧に描写してきた森絵都が文章を、「ますだくん」シリーズ(ポプラ社)で、小学生に絶大な人気の武田美穂が絵を担当している。絵本から児童文学の過渡期にいる小学生にも読みやすい文章量であり、武田美穂の絵が子どもたちを惹きつける。
 また、他の「にんきもの」シリーズを合わせて読めば、おもしろさも倍増する。例えば、今回けいたくんにきさらぎまいこが近づいていた理由は、第4作「にんきもののはつこい」で、明らかにされるのだ。

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紙の本はじまりの樹の神話

2001/05/13 20:09

太古から来た少女をめぐるファンタジー

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 「こそあどの森の物語」シリーズの第6巻である。第5巻「ミュージカルスパイス」最終章で登場したホタルギツネが重要な役回りをする。

 バーバさんが旅に出てウニマルにひとりになったスキッパーは、ある夜、不思議な声を聞く。
 「森の中に死にそうな子がいるんだ」
 「スキッパーが行けば助かるんだ」
 声の主は、人間の言葉を理解し、光る尾を持つホタルギツネ。事情が飲み込めないものの、スキーパーは、森の奥へと助けに向かう。巨大な樹にくくりつけられていた少女を無事救出したスキッパーは、少女ハシバミから、自分はリュウのいけにえとしてささげられ、それを逃れて太古から来た、という話を聞く。
 こそあどの森の住人たちと暮らしていくうち、トワイエさんは、ある神話とハシバミの話が合致することに気づく。ハシバミもリュウから逃げていてはいけないと感じはじめた。リュウと戦うことを決心したハシバミに、こそあどの住人たちは、協力を申し出る。しかし、ホタルギツネもハシバミも現代の生活に慣れたせいでもとの力を失っていた。
 ついに森に大きな樹が現れ、リュウに戦いを挑む夜、「神話」と現実が交差する。そして、リュウの正体とはー。

 「みんなで一緒に一生懸命」というテーマや、演劇性が、感じられる作品である。また、縄文時代の少女かと思われるハシバミの、「草や野菜を食べたり利用したりするのはみんなのいのちと、草や野菜のいのちがつながることだ」という言葉は現代人へのメッセージでもあるだろう。
 まわりの道具類をすべて手作りをしてきたハシバミと、はさみですら誰がどうやって作ったのかわからないスキッパーとの対比もおもしろい。スキッパーたちは、身近なものの、すばらしさにあらためて気づいていくのだ。何千年何百年もかかって、何千人何百人もが手を加え、工夫して、ひとつひとつの道具やものができあがっていくということに。

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