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先月(2017年5月)

ひな玲生子さんのレビュー一覧

投稿者:ひな玲生子

9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本モモ

2006/11/05 01:59

現代(いま)だからこそ読むべき

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「忙しいという字は心を亡くすと書く。」ということを聞いたことがある。この本を読んで思い出した。時間を節約するあまり心のゆとりを亡くした人たち。1976年に初版が翻訳出版されて依頼,実に30年たった今も古びた感じは全くない。まるで現代を書いたような作品である。
このところ,家庭を舞台にした事件が増えている。心が殺伐としているからであろうか。親は子供への関心といえば勉強のことだけ,子供も親を尊敬していないし当てにもしていない。それは,お互い忙しいから…。心からのコミュニケーションもない,取ろうともしない…。時間がないから,面倒くさいから…。全て,自分自身がそう行動しているからの結果であるにも関わらず,そのことに気が付かない人々。
 この作品は,昔の名作などと,過去に追いやらないで欲しい。この書籍は,まさに,今,読むべき書籍である。すなわち,常に,「今」読むべきなのである。「忙しいから後で」という口癖に対する,「後で」は永遠にやってこない。その時間は,「忙しいから後で」と言った瞬間に,時間泥棒に時間を自ら渡してしまうからだ。私はそう思う。この書籍を読めば分かる。
 灰色の時間泥棒が人間の時間を奪うというなんとも奇天烈な設定は,人間の心に潜む闇である。自分で心のゆとりを亡くすような行動をとっている人間がどんどんと深みにはまり,灰色の心を持った時間泥棒の手下に成り下がる。自分では気が付かないうちに…。今でこそ,スローライフとか,ロハスとか言われているが,何もない心の豊かさを味わえることの贅沢を,物が溢れる現代に生きていると気が付きもしない。感覚が麻痺している。自分から意識しないと,スローライフが出来ないというなんとも不自由な世の中である。

 現在,成功している人たちの時間の使い方の特集のビジネス雑誌は良く売れてる。時間を節約した結果の成功なのか,本当に幸せと成功を手にしているのか。「出来る人の時間の使い方。」のような類(たぐい)は,その人の時間の使い方であって,真似するものでもない。自分なりの時間の使い方をすれば良いのになぜか皆真似をしたがる。この作品を読むと,「時間の使い方成功本」の類(たぐい)が滑稽に思えてくる。そんな書籍である。決して子供向けのファンタジーなどではない。
 現代の時間の進み具合はものすごく速い。企業人であればなおのこと,時間を無駄にしないで一所懸命働いて,休みは自分の時間に使えるのかと思えば,それもまた違っていて,休みでも仕事に追いまくられている。効率よく働いて貯めた時間は一体どこに言ったのか。自分の心のなかにモモがいるのではないか,一生懸命働いて出来た筈のゆとり時間は取り戻せるのか…。自分自身が時間泥棒なのか…。読みながらいろいろな事が頭をめぐる。
 ミヒャエル・エンデは,人は話を聴いてもらうことが心の癒しであり,人と人が触れ合うことこそが,時間を共有してる大切な出来事であるということを伝えたかったのではないかと思う。現代病であるうつも,人に話が出来なくなった瞬間から始まるのではないのだろうか…。心は命とつながっているのだから,心が病気になったら身体にも異変を生じる。時間泥棒が大切な人生の時間を搾取する瞬間ではなかろうか。
 町はずれの円形劇場跡を舞台に,浮浪児のモモという,外見は哀れそうな子供を主人公にして,人間の心を時間という物理的なものに置き換えて,エンデは,心の豊かさとは何かを問いかけているのではないだろうか。その心を,モモが時間の源で見た「輝くばかりの美しい大きな花」に例えたのではないだろうか。人にとって時間とは何か…。実に哲学的な書籍である。

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有名ビジネス書として紹介されるだけじゃもったいない!親である皆に薦めたい一冊!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「7つ」と付く本には見かけだけのものが多く,しばしばがっかりさせられる。しかし,人間「7つ」とか「9つ」とか書かれるとつい読んでみたくなるのも事実である(なんでだろう)。
 表紙をめくると,ほんとかなぁと思うほどの著名人が絶賛する書評がずらり!もしかして良い本かも?半信半疑で,それほど期待をせず読み始めた。ところが・・・である,第1の習慣から,あまりにも内容が濃いので正直びっくりした。
 この本はビジネス書として取り上げられることが多いが,ビジネスだけではなく,親子関係,夫婦関係,友達関係などあらゆる側面に使える考え方である。

 仕事上では他人同士がいかに最良の選択肢を選んで仕事を進められるかの考え方が満載である。ふと,怖いなと思ったのは,この本を読んで,自分を中心に何事も進めようと野心たっぷりな人は,この本を読んでいない人を思うがまま操れてしまうのでは?と思わせるほど,行動面でも心理面でも優れている。

 この本は,96年12月に訳本が出版されているが,訳に2年半をかけているので遅くとも94年半ばには,この考えかたが世間で紹介されていたと言うことである。瞬間風速の書籍なら,今頃は下火になっているかも知れないが,この書籍は未だに第一線の現役である。10年経っても現役の書籍なんて,そうあるものじゃないと思う。

 最近,子供の虐待など痛ましい事件が頻発しているが,この本を読めば,親の言う通りにしない子供は悪い子だとか,子供が親のいう事を聞かなくてイライラするとか,そのようなことから発展する虐待なども防げると思った。結局のところ,親の価値観を子供に押し付けているだけであり,子供は親の影響下にいるのが当たり前だと子供の訴えは聞こうとしない。そこから,考え方を変えることにより,なんで子供はいう事を聞かないか?原因は親にはないのか?など,考えるきっかけを与えることができる書籍である。

 この本は,見た目は,厚ぼったくてビックリするが,事例紹介がふんだんで読み進めることが苦ではない。ぜひ,ビジネスマンだけではなく,ご家庭にいる方にも皆に読んでもらいたい一冊である。

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紙の本日本男児

2012/09/25 01:10

努力できる才能

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

少し前、巷で話題になっていた「日本男児」を読んでみた。もともとサッカー観戦が好きな私は、サッカー選手の記事や書籍も読む方だが、この書籍が出版された当時は、さほど関心もなかった。それが読んでみようと心が変わったきっかけは、長友の母の、息子を思う気持ちが書かれたインタビュー記事を目にしたからだ。

長友は、東京FCに入り大学卒業からわずか3年でインテル・ミラノという超ビッグクラブへ移籍し、「世界一のサイドバックになる」と言っている彼は、運を持ち合わせた選手だと思っていたのだが、どうもそうではないようで、自分でつかみとった成功だったのだ。
これは、インタビュー記事からであるが、母子家庭で育ち、プロになるにも壮絶な努力をした長友選手は、中学時代途中でサッカーを投げ出し腐りかけ、母は働き詰めで、当時の佑都少年は暖かいご飯が食べたいと母に泣いたらしい。『僕が家族を守る』と言った言葉とは裏腹にやっぱり寂しさを堪えていたと思うと切なくなる。
長友選手は、私立のサッカー部の名門、名門東福岡高校に通ったが、親せきから母は、何も苦労してそこまでしなくてもと反対されたらしい。しかし、母は学費が払えないようないざというときに自分の生命保険も考えていたらしい、凄い母の思いだ。これを知ったからには読まずにはいられなかった。

全般を通じて言えることは、才能がないから頑張るという言葉があるが、長友は、「努力できる才能」を持っているのだと感じた。夢を持ちそれを実現しているために自分は何をしないといけないかをしっかり目標設定が出来ている人で、だからこそ努力が出来て、高い壁がある程、燃えるのだろう。
大学時代に、椎間板ヘルニアに苦しんで、それを克服するための肉体改造のトレーニングをしたことが書かれているが、文字だけでも並大抵な努力ではないことが伺える。この長友選手の「努力できる才能」は凄い。

現在、ヨーロッパで活躍しているが、その姿からは、書籍に書かれた、両親の離婚、お兄ちゃんだから弱音を吐かずに頑張る姿、ユースに落ちて地元中学サッカー部に入ったものの荒れたサッカー部と救ってくれた恩師、注目されなかった高校時代、椎間板ヘルニアを体幹トレーニングで克服してプロの選手になれたこと、これらさまざまなエピソードは想像もつかないことである。
この本を読み終えて、日本男児というタイトルは、長友に恐ろしいほどピッタリ過ぎると感じた。そして、『ひとを好きになる素晴らしさ、大切なひとを思う気持ちこそが、自分の力になる』という言葉が、長友選手の人となりを感じさせ、自分の働く姿で息子を育てたお母さんにも賞賛を贈りたい。

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「戦略」では見えてこない『顧客志向』の大切さ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ビジネスの世界では,「戦略」という用語は普通に使っていますので,「ビジネスに「戦略」なんていらない」というタイトルが衝撃的でした。

しかし,本を読みながら,何にでも「戦略」とつけたがる企業の事業発展はあまりないのではないかという疑問も湧いてきました。

現に,某企業で「事業戦略実践研究会」なるものを有名コンサルタントを高いお金で招いて,幹部候補を集めて,「○○ビジネス戦略」などというたいそうな資料を作っていましたが,結局は,研究していた事業分野が売却という結果になった事実もあります。

そのような資料の場合のお決まりパターンとして,成長戦略と市場別の顧客攻略法としての戦略・KFS(成功の鍵)・KBF(購買決定要因),勝手な(だいぶストレッチになっている)売り上げ推移などが並んでいます。
(あとから見ると,その売り上げ予想が当たったためしはありません。)

これらの資料はたいてい企業側から見た攻略法であり,「お客様がその商品・サービスを満足してくれる対価としてお金を払うのである。」という視点が抜けているのです。

この本を読んだ時も,まさに,お客様が満足した分お金を頂けるという意識は必要だと再確認することができました。

戦略とか戦術とか,お客様を攻め落とす!?方法だけ一所懸命練っていても,結局は無理やりの特攻隊状態なのかと思います。ゲームの攻略本に沿って,ピコピコとゲームをやっているお宅と何も変わりません。“ゲームの名前が「仕事」”というだけです。

ゲーム色が強くなればなるほど,仕事は仕事という漢字の持つ意味が歪められてきます。それらが,様々な企業不祥事という事態を引き起こしているのです。それこそ,お客様はゲームの蚊帳の外であり被害者となってきます。最近の様々な事件が如実に物語っています。

そんなことになってしまっては,何が戦略なのでしょうか?
何のための「戦略」なのでしょうか?
誰のための「戦略」なのでしょうか?

会社は何のためにあるのか?
組織はなぜ必要か?
その会社のゴールは何か?
何のために人は働くのか?
モティベーションとは?
評価を受ける自分の役割・立場は何なのか?

実に,いろいろなことを考えさせられる一冊です。
そして何より,戦略志向に偏る危険性を示唆してくれています。

この本を通して,マネジメントの原理原則「顧客志向」,この4文字が実に様々なことを語りかけていると,しみじみ感じました。

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家庭や夫婦の価値観の問題を抜きに成功はあり得ない。女性には良く分かる。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 神田昌典さんといえば,数々の著書を出されているカリスマコンサルタントとして有名な方である。その神田氏が,「成功者の告白」というタイトルの本を出していたので遅ればせながら読んでみた。
 神田氏の本を全部読んでいるわけではないが,「告白」というと何か重大な秘密を明かすような感じを受けるタイトルが気になったからである。サブタイトルは,「5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語(ストーリー)」であるので,サブタイトルだけ見れば,巷に溢れる成功本の一冊に過ぎない。

 表紙をめくってまず驚いた。そこには,「成功への道のりには,いくつもの地雷が埋められていたのだ。」とだけ書かれている。この一行で,世の中一般の成功本と違うと感じ,「地雷ってなんだ!?」と一気に引き込まれていった。
 大抵の成功本は,これをやるとこんなに儲かる,という主旨が中心で,中には嫌気がさしてくるような本さえあるが,この本は物語(ストーリー)になっているので嫌な感じがなく,普通に小説のような感じで読み進めることができる。独立起業する主人公の「タク」が作った会社の成長と家庭の様子を実にうまく描写しながら,話がテンポ良く進んでいくので,読んでいて惹きこまれる本であることは間違いない(少なくとも私はそう感じた)。

 面白いのは,「タク」がどのような両親に育てられたかまで細かく描写されているところである。子供の性格は3歳までに決まるとか,生まれつきだとか色々な説があるが,「タク」が父親に抱いていたことを知らず知らずのうちに自分も繰り返しているというところにリアリティがあり凄い。こんなところまで気配りしている成功本は他にはないと思う。まだまだ,気配り点や面白い点がある。例えば,いろいろな人が同じ意識で読んで欲しいという配慮かどうかは分からないが,登場人物が全てカタカナで書かれているところがユニークだ。主人公は「タク」その妻は「ユキコ」,子供は「シンイチ」という具合だ。

 今,起業家が増えているが,成功を収めて,そのまま会社発展に向けて仕事に没頭するのは,家庭円満のバランスを崩すというのがびっくりした。夫婦の仲が悪くなると,子供は,自分が病気になることで,無意識のうちに夫婦の間をとりもとうとしているのだそうだ。そのことに神田氏は気がついたのだという。

 起業家でなくても一般のサラリーマンでも仕事一筋で責任ある業務に就き,自分がいないと会社は駄目だと思っている人は,子供のことは全部奥さん任せになり,いつもけんかをしていたり,熟年夫婦だと,子供が独立と同時に離婚したり,夫が定年を迎えると離婚したりするケースもあるだろう。夫からすると,なぜ妻がそのような行動に出るか皆目見当がつかないと思うのだろうが,女性の私から見ると理由が良く分かる。

 この本は,「5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語(ストーリー)」という観点で価値があるというよりも,「夫が成功者でお金があれば,家庭円満で,妻も文句はないはずだという夫のおごりの気持ちをもう一度考え直して欲しい,見つめなおして欲しいという(私が本から抱いたイメージ)」警告部分に価値がある本である。成功するのは悪いことではないが,家庭の問題や夫婦の価値観の問題にもっと目を向けて欲しいものである。

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企業ビジョンにストーリー性を持たせるという発想が面白い

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この書籍のタイトルを目にしたとき,「ストーリービジョン」という言葉が妙に気になった。

経営ハウツー本を読むと,一般的には,経営者はビジョンを描きなさいとか,ビジョンを明確にしなさいと書いてある。ビジョンを浮き彫りにする経営ツールとしては,SWOT分析が代表的である。

しかし,この本のビジョンの設定方法はちょっと違う。
ストーリーと言うだけあり,経営者がストーリーを考える脚本家になって,ステークホルダー(経営者,社員,お客様など)をキャストとして配置し,自分でもわくわくしながら,経営ビジョンという物語を作っていくという仕組みである。

さらに,普通の経営ハウツー本とちょっと違う。
経営者が,自分の会社の向かう道を物語として仕立てる中で,自分の会社が事業としてなすべきことを,ヒューマンマネジメントも合わせて考えてもらおうという魂胆だ。

ビジョンというと,スローガンや長期計画としてはあるが,実際のところ,事業や社員にどういう影響を与えているか良く分からないし,どのように役立っているかも不明だというのが,経営者の本音だと思う。

でも,この「ストーリービジョン」にそって,立てたビジョンには生命が吹き込まれ,単なるお題目ではなく,目指すべき到達点が強烈に明確になると感じた。
確固たる御旗を持った組織は成功への道を歩むはずである。

本の構成は,序章「それは夢から始まった」という,本田宗一郎氏の夢を追いかける話から始まっており,「ストーリービジョン」という考え方に誘い込むには格好の題材である。

ちょうど,私がこの書籍を読んだとき,某学会行事で,本田技研工業の狭山工場見学に参加して間もなくだったため,狭山工場の映像が鮮明に甦ってきた。
「志」「技」「質」を高める,桁違い品質へのチャレンジ等,人々のマインドを高め,ひとりひとりのベースを高くする取り組みがなされていた。
“The Power of Dreams”がHONDAのDNAそのものであり,HONDAたる所以なのだ。

HONDAの工場見学では,工場自体が扱う部品点数の多さや,扱う製品の大きさにも驚いたが,一番驚いたのは,そこに働く従業員たちがとても楽しそうに活き活きと働いている姿だった。ある種のショックさえ受けた。見学会後も,楽しそうに働いている彼らの姿が頭から離れなかったことを覚えている。

この本を読んだとき,その活き活きの根っこが,本田宗一郎氏のストーリービジョンだったのかと,腑に落ちた瞬間だった。夢こそがHONDAのエンジンなのだと。

本の中身も,経営者が夢を描くためのステップを,ストーリー仕立てで解説ており,経営者向けの書籍を読んでいるというより,それこそ小説を読んでいる感覚であり,時にはそこに書かれた文章に,感情が高ぶり涙ぐむ場面もあった。
これが「ストーリービジョン」なのかと感じた。

単に,ビジョンを設定しても,人は感情移入されないし,感動もしない。
むしろ,そのビジョン,目標にしばられて,社員は目標達成のためにへき易しながら窮屈になるだけである。そこが,今までのビジョンの立て方と大きく違うところである。

事業を立ち上げたときは誰でも夢をもっているものだが,事業が軌道に乗ってくると,いつしか初心を忘れ,顧客や従業員をないがしろにして,自分(経営者)中心の考え方になってしまいがちである。
そのような経営者のおごりに警鐘を鳴らす役割も,この本にはあるのかも知れない。

この本のユニークなところは,さまざまな業界のストーリービジョンが事例として掲載されており,「自社ストーリービジョン作成シート」が巻末についているところだ。
ただ読むだけではなく,経営者が,自分の会社の物語を完成させるな仕組みになっている。実際,かなり真剣に考えないと,読み流しただけではストーリービジョンは描けない。

この本は形もユニークである。いつでも机に置けるように,横置きタイプというのも斬新である。これは好みがあるかもしれないが,机で広げるには便利である。

「夢を語る。」ということと,「数字で目標を立てる。」ということの違いが分からない経営者は,この本を読むと違いが理解できるはずだ。経営者には一読をお勧めする。

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紙の本ヤクザに学ぶ交渉術

2005/01/26 17:31

舌先三寸ではない,相手を説得させるだけの理論武装はすごい。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本は,「ヤクザ社会に精通した著者が書き下ろす現代人必読の実用的エッセイ」である。内容が生々しい。しかし,実名や実組織ではかけないため,“A会長”,“B組長”,“T組長”,“M氏”という具合だ。でも決して怖い内容ではないところがユニークだ。ヤクザというだけで,人間の屑だと決めつける人がいるが,この本を読むとその認識を改めると思う。

この本を読んだきっかけは,知り合いの勧めである。タイトルが「ヤクザに学ぶ交渉術」というので,どんなことを学べるのだろうと興味津々で読んでみた。読み始めたらその内容に圧巻だ。なんせノンフィクションなのだからリアリティがあるのだ。

自分達はいわゆる「こちらの社会」にいるので,「あちらの社会」のことはまず知らないのが当たり前である。そのような前提があるので,読み物としても興味をそそられる。なんでヤクザに交渉術なんか学ぶのか,一流営業マンのノウハウ本の方がいいのではないかと思う方もいるのではないか,しかし,この本を読むと,命を賭けて交渉するヤクザの方が,一流営業マンより優れた交渉術を身に付けていると感じる。

ヤクザ社会だから,という色眼鏡を外すと,相手の立場を尊重すると交渉はまとまるとか,自分に分が悪くても逆転する交渉の運び方など,脅し,賺しを使って交渉するのではなくて,真っ向から法に触れない交渉をして,掛け合いに勝つ術を知るだけでも読む価値がある。

ヤクザ社会は,組織構成がしっかりしており,へたな堅気の会社より,よっぽどしっかり組織運営が営まれているし,最近の会社では,難しくなってきている上下(上司部下)のコミュニケーションもしっかり形成されている。

営業で,お客様に対し弱気になってしまい,何事もうまく説明できない人は,一度この本を読んで,交渉の進め方など参考にしても良いのではと思う。ヤクザの交渉術とは脅しているのでなく,相手を説得させるだけの理論武装をしており,決して舌先三寸ではないということだ。

一般の社会でも,口先だけではすぐにメッキが剥がれる。相手がどのように言ってこようとも言い返せるだけの理論を備える姿勢は,社会人として学ばなくてはいけない部分であると強く思った。

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かもめが翔んだ日

2004/06/29 02:16

事件に着目するよりも,人財が育つDNAを持つ会社にした経営手腕に着目したい

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 この本を目にして,まず,読んでみようと思ったきっかけが,「かもめが翔んだ日」というタイトルである。「かもめ」と「江副浩正」。これは,リクルートの本だと思いすぐに読み始めた。リクルートと言えば,誰もが知っている有名な会社である。就職情報や住宅情報などは誰もが目にしたことがあるだろう。

 この本の注目すべき点は,リクルートの飛躍を書いただけの本でもなければ,単にリクルート事件の暴露本でもないことだ。
 本の構成はダイエーへの株譲渡の過程に紙面が割かれているが,私としては,時代の風雲児と言われた江副さんが,森ビルの屋上物置小屋で始めた大学新聞の広告セールスをスタートとして,「家族より大事なリクルート」の成長(情報産業,不動産業,ノンバンクなど一代で事業を拡大)と,リクルートを育ててきた経営手腕ならびに江副さんの経営者としての先見性に注目したい。

 リクルート事件が報道されたのは,いつだったかなど,この本を読むまで忘れていた。それは,現在のリクルートが,そんな暗い過去をもつ会社だとは思わせない程,明るく勢いがあり時代をリードする会社だからだろう。これも,創業者江副さんが創った会社カラーであると思う。
 本の中にも出てくるリクルートの社訓,「自ら機会を創り出し,機会によって自らを変えよ」は,リクルートのDNAとして今に受け継がれている。各人が事業を立ち上げることができる環境にあり,権限委譲も進んでいるため事業判断するスピードも早い。ベンチャー企業(事業)を育てる風土があるのだ。あの,平成の再建請負人“高塚猛さん”,iモード生みの親“松永真理さん”もリクルート出身者であることがそれを物語っている。

 リクルート事件は1988年であり,判決が下ったのが2003年の春である。贈賄事件で,15年もの時を費やし,改めて大変な事件だったと振り返って思う。江副さんは,事業拡大のために作った巨額な借金を抱えて第一線から降りたわけだが,事件の数年後にバブル経済が訪れて,東京の地価も高騰して行ったので,早すぎた経営の天才だったのかも知れないと個人的には思う。
 贈賄事件を起こしたこと自体はいけない行為であるが,経営者という視点で見ると,創業者としてのカリスマ性,会社規模拡大の勢い,新規事業の視点は,なるべくして経営者になった人なのだと思う。ちょっとお金の使い方を間違えてしまっただけなのだ。

 持ち株の譲渡の記者会見で江副さんは,「胸が張り裂ける思い。リクルートは私の人生そのものだ」と朝日新聞の記者にも答えている記述がある。少し複雑な家庭環境も含めた生い立ちから書かれたこの本を読むと,「リクルートは私の人生そのものだ」,「僕にとってリクルートは家族より大事」と語った江副さんの気持ちは生きた言葉になって,読者の心に残る感じがした。経営者には一度は読んでもらいたい一冊である。

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「結果」その原因は自分の内面にあるということを納得する一冊

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 ジェームズ・アレン氏の前作である『「原因」と「結果」の法則』の続編「法則2」である。サブタイトルは「幸福への道」となっている。
“幸せは自分で幸せな思いをめぐらしており,不幸は自分で不幸な思いをめぐらしている。”というのである。
不幸の原因は自分の内面にあるということである。人は不幸であるとき外的要因のせいにすることが多いが,自分の内面にあるということは,自分が幸せになろうと働きかければ「幸福への道」が開かれると言うことだ。

 従業員とのトラブルが多い経営者と,良い関係を築いている人の差は,経営者の内面の問題であるというのも理解できる。
良い関係を築いている経営者は,従業員に真のやさしさをもって接し,関心を持つことだと言っている。
この部分は非常に興味を引く部分である。「人が欲しいと思ったことをやってあげる」ということは,結局は自分の幸せに帰ってくる。経営者ならなおさら,身に着けて欲しい概念である。

 「人が欲しいと思ったことをやってあげる。」というのは,無償の愛を注ぎ続けなさいということを意図しており,やや宗教的(ちょっと,聖書っぽい)な雰囲気が見え隠れする部分は,人によっては,読み進めていてあまり良い気分でないかもしれない(そう感じたのは私だけだろうか・・・)。

 まあ,宗教論はさておき,自己啓発書と純粋に考えれば考え方的には良い本である。「今ある結果は,自分が原因を作っている」ということを理解して,今の現状を変えたいと思っている人は,まず自分の考え方を改めなければいけない。
「原因」と「結果」を第一人称で捉え,自分を見直せば,必ず活路が開ける気になる著書である。

 なお,心だけでは駄目で,健康な身体も必要であることもかかれている。健康でないと,人に思いやりを持ったりする余裕も生まれないからである。

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