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レビューアーランキング
先月(2017年1月)

植田亜紀子さんのレビュー一覧

投稿者:植田亜紀子

7 件中 1 件~ 7 件を表示

「使いやすい」とはどういうことか

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 使いやすい道具、使い方が簡単な道具はなぜ使いやすいのか。それは、道具がみずから、「自分はこのように使うのだ」ということを我々に語りかけているからである。
 ドアのノブを見てそれを指先で押す人はいない。逆に電気のスイッチを見てそれを握ってまわそうとする人もいない。それらの形状を見れば、押すべきかつかむべきか考えなくても自然に分かる。うまくデザインされた道具に取扱説明書は不要である。それらは、使い手に自然に使い方をアピールし、場合によっては機能まで直感的に理解させる。我々の身の回りには、こうした優れたデザインの道具があふれている。

 一方、使いにくい道具もまた存在する。たとえば、携帯電話には似たようなボタンがたくさん並んでいる。まだ携帯電話が普及していないころに初めて携帯電話に触ったとき、電話がかかってきてもどのボタンを押せば電話を取れるのか判断に苦しんだ人は、私だけではないはずだ。
 携帯電話ならまだ良いが、核爆弾の発射スイッチと通信スイッチが同じように良く似ていて、近くに並んでいた場合、いずれ誰かが間違えて押すのは確実である。使いにくさは核戦争をもたらす危険がある。逆にいえば、使いやすさは事故を減らすことができる。

 この本は、「優れたデザインはみずから使い方をアピールする」という観点から、使いやすさと使いづらさについて興味深く語っている。
 あなたがビデオ録画を一人でできないのは、あなたの頭が悪いせいではなく、使いにくくデザインしたメーカーにも責任があるのかもしれない。男子トイレに間違えて入ってしまった女性はおっちょこちょいなのではなく、分かりづらくした建築家にも責任があるかもしれない。自罰傾向のある人は、自分を責めずに済むようになるだけでも、この本を読む価値がある。そうでなくても、大変興味深く読んでいただけることと思う。
 特に、製造や開発に関わっている人にはぜひ読んで、この機会に自分の作ってきた製品を見直してみていただきたい。

 なお、著者はヒューマンインターフェイスの権威として名高い認知心理学者である。

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恐竜の飼いかた教えます

2001/06/20 16:17

飼っている人にもこれから飼う人にも

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「ジュラシック・パーク」などの映画の影響で、現在恐竜はハムスターと並んで最も人気のあるペットとなっている。しかし、恐竜の生態について正しく理解している飼い主はあまりに少なく、健康を損ねてしまったり、隣近所とトラブルを起こしたりする事例が後を断たない。
 この本は世界で最初の、そして私の知る限り唯一の「恐竜の飼い方」の本である。現在恐竜を飼っている方はもちろん、これからこの魅力的なペットを育ててみたいと考えている方にも、この本をお勧めする。この本では、恐竜を飼うにあたって用意すべき環境や、マンションで飼うことの可能な恐竜の紹介にも多くのページをさいてある。もちろん、食用恐竜の牧場を経営している方や、動物園向けの恐竜も紹介されている。
 本書は文字の多い絵本とでもいうような形式をとっており、充実した内容にもかかわらず、たいへん読みやすくつくられている。お気に入りの恐竜のページだけひろい読みすることもできるし、最初から順を追って読むこともできる。

 ちなみに、ジュラシックパークで狡猾な悪役を演じたヴェロキラプトルは、ガードマンや警察、軍隊用の恐竜として、訓練士の安全対策を含めて紹介されている。また、ティラノサウルスについては動物園での扱い方、特に安全な飼い方についてたいへん詳しい説明がある。もしジュラシックパークの経営者がこの本を読んでいれば、映画のような悲劇は起こらなかったに違いない。あのような目にあいたくない恐竜動物園経営者は、今すぐこの本を買い、関係者に正しい知識を啓蒙すべきである。

 なお、「ポケモン」や「デジモン」については、この本では解説されていない。それらはゲーム上のキャラクターであり、空想上の生き物である。この本は現実の生き物である恐竜の本なのである。

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すべてのプログラマに読んで欲しい

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は、いわゆる「アンチパターン」本の先駈けとなった本であり、今なお最も具体的で実用的なアンチパターン本である。悪いプログラムの具体例と、なぜいけないのかという理由が詳しく述べられている。解説されてみれば至極当たり前に思えるのだが、言われないとなかなか気づかない。実際、コンピュータ業界で働いていると、そのようなダメなプログラムをよく見かける。
 SE・プログラマを自称するなら、必ず読んでおいて欲しい本である。少なくとも、私はこの本を読んでない技術者とは一緒に仕事をしたくない。この本を読んだ技術者なら、おそらく全員が同じ感想を持つだろう。
 なお、載っているプログラムは(日進月歩のこの業界においては)古いものなので、最近のCの文法しか知らない方は若干戸惑うかもしれない。が、内容はまったく古びておらず、最近の文法とそれほど大きく違うわけでもないので周囲の仲間や先輩に尋ねて、ぜひ読んで欲しい。
 C言語を知らないプログラマの方にも、解説部分だけでもこの本はおおいに役に立つはずである。

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紙の本しばわんこの和のこころ

2002/04/30 23:31

実践的な日本の作法の概論

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 日本人に生まれた割には日本の伝統や風習と改めて言われても、イマイチ自信がない。これはアイデンティティの危機かも知れん、と思って茶道を習ってみたことがある。
 茶道なんてのは形式美というか、手順を暗記してその通りに茶を淹れるものだと思っていたのだけど、習ってみると実はとても合理的で機能的で、大変驚いた。たとえば茶を飲む前にわざわざ茶わんを2回回すのは、あれはもったいぶっている訳ではなくて、茶わんの絵が繊細で痛みやすいところを守るという意味があるのだ。だったら最初から横向きにして出せばいいじゃないかと思うと、お客さんには一番良い方向から見ていただくという、こちらも意味がある。細かい動作、ささいなことにも、すべて気づかいと意味があるのである。
 茶道だけではなくて、日本の作法には、みなそうした細やかな気配りと意味が込められている。作法というのはとかくうっとおしくて面倒なものだと思いがちなのだけど、そういう面を知ると、意外と「使える」というか、堅いばかりのお飾りではないのだ。

 この本は、そうした実生活に根差した日本の作法や伝統を見やすく解説してある。内容的には概論で、あまり深く詳しくはないのだけれど、入門にはちょうど良い。
 何より絵がかわいい。素朴で人の良いしばわんこのイラストが豊富で、もちろんフルカラーである。この絵だけでもう、とりあえず犬好きは買っとけって感じである。もちろん、イラストは読者を和ませるだけではなくて伝統作法を分かりやすく解説もしてくれる。
 日本の伝統文化に興味がある外国人の方、伝統にはそれほど興味のない人、初心者などに向いた本である。まずはかわいいしばわんこに和むだけでも、この本は充分買う価値のある本である。

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とりあえずこれでなんとかなる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 不況の影響や、製品の専門知識がないと難しいという理由で、展示会用パンフレット作り、社外社内デモンストレーション用資料作成などを、専門のデザイナーではなく一般社員が行うケースはわりとたくさんあります。特に中小企業では、たかが1000部程度のパンフレット作りにデザイナーを雇えないということで、新入社員にPhotoShopをひょいと渡して作らせてしまうというパターンが珍しくありません。
 たしかに最近のやたら多機能なWordやPhotoShopを使えば、そこそこ見栄えのするものを作ることはできます。が、しょせんは素人。「スキャナで写真を取り込んだら変な模様がでた」「プリントしてみたら画面と色がちがう」といったトラブルが出てくるのは時間の問題です。まして、印刷だけは印刷屋さんにたのむという場合には、「文字ががたがたになった」「社名ロゴの色が変わった」「印刷屋さんにデータが読めないといわれた」などの問題が起こるのは確実です。

 この本は、このように何の知識もなくいきなりデザイナーの真似事をやることになった一般の人にお勧めします。かく言う私も新人のころに、いきなり上記のようなことを頼まれて途方に暮れた一人です。当時はまだこの本は出ておらず、雑誌連載のほうを読み、印刷屋さんに多大な迷惑と手間をお願いしてどうにかこうにか作った覚えがあります。

 内容はタイトルどおり、大変実践的なDTPの本となっており、何の知識もない人でも大変とっつきやすく、わかりやすい内容になっています。零細デザイン事務所で繰り広げられるどたばた騒動に、笑ったり、共に涙したりしながら最低限の知識を身に付けてください。

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紙の本道具づくし

2001/02/08 13:02

誰も知らなかった日本の伝統民具

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 日本各地に古くから伝わる、もはや絶滅の瀬戸際にあるような民具を紹介するショートショートのエッセイ集です。民具に見られる日本独特の風土や価値観などにも言及してあり、「民具を通してみた日本の文化論」としても楽しめます。
 紹介される民具の大半は、ほとんどの人は見たことも聞いたこともないでしょう。その使用法も近代化した現代の日本ではとても信じられないような、けれども妙に納得してしまうようなものばかりで、大変興味深く、一気に読んでしまえます。日本人のくせに私はこんなに自分の国を知らなかったのかと、どなたもきっと唖然とすることでしょう。
 特に「はし」の項目は必見です。かつての日本人は、たった二本の棒を使って食事をすることができたというのです(!!)。しかも、その二本の棒だけで、魚の骨を取り除くことからアズキのような小さな物を拾い上げることまでできたというのですから驚きです。
 民具の数だけ、目からうろこが落ちる本です。

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紙の本たたかうお嫁さま

2001/07/12 13:07

ウエディング雑誌を買う前にまずはこちらを

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 結婚が大変な作業だというのはよく聞く話である。特に名古屋の結婚式などは、娘が三人いたら家がつぶれるというほど金と手間がかかるらしい。
 具体的にどのくらい大変なものなのか。この本はその問いにセキララに、そしてほのぼのと答えてくれる。

 特に式! 他人の結婚式に出ると、ショボイなーと思うことがあるが、なかなかどうして。そのショボイ式でもとりあえず式を挙げるというのは細かい決め事をして招待状を出して場所を選んでドレスを選んで・・とものすごい手間のかかることなのだ。
 結婚式なんてそう大きな市場とは思えないのに、専門雑誌が幾つもあり、結婚カウンセラーなどという職業が成り立っているのも、これなら納得がいく。

 これから式を挙げる予定の人には、まもなく始まる怒涛の日々の心構えとして、また予定のない人には舞台裏の暴露本として楽しんでいただけると思う。ウエディング雑誌などを見るより、はるかに具体的で、おもしろい結婚式の「実態」を知ることができるだろう。

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