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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

tukushicchiさんのレビュー一覧

投稿者:tukushicchi

4 件中 1 件~ 4 件を表示

自分で作る小さな本

2002/12/14 19:04

眺めるだけでも楽しい

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 とにかく美しい本である。ギフトブック、豆本、変形本、本を収める函、文庫本をハードカバーに作り替える方法。いろいろな技法とポイントがカラー写真とイラストで分かりやすく紹介されているが、それより何より惹きつけられたのは、できあがった本の美しさだった。こんな装丁の本が書店に並んでいたら、タイトルも見ずに思わず買ってしまいそう……。
 継ぎ表紙の妙や、アクセサリーを利用する意外性、異質素材の組み合わせなど、何回見ても見飽きることがない。さながら、小さな美術本といった趣なのである。装丁した本のタイトル、著者、あらすじが、さり気なく書かれているのも良い。装丁と相まって、本のイメージが果てしなく広がっていく。
 気に入っているソフトカバーの本をハードカバーに作り直したいと思っていた。この本に魅せられて、作業は休止したままである。今はため息ついて眺めるのに忙しい。そのうちに、和紙と皮の継ぎ表紙、洒落た函に収まった自分の本を飾りたいと夢見てはいるのだが。 

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中国いかがですか? 続

2003/07/09 11:58

コミックを読まない私でもハマった

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「漢民族を愛することに命をかける」漫画家・小田空が、中国北部の地方都市・延安で日本語教師として暮らした日々を、リアルに、ユーモラスに、詳細に、かつ明るく描いたコミック。

 元来、私はコミックというものを殆ど読まない。別に毛嫌いしている訳ではなく、おもしろいと思うコミックに出会う機会に恵まれず、だんだん手が出なくなったのだ。そんな私に、床が抜けそうなほどコミックをため込んでいる友人が勧めてくれたのがこの本。
 見返しをめくった途端、目に飛び込んだ「歓迎光臨(ホァンイン グァンリン)」のカラーグラビアに、まずは釘付け。そこにあるのは、中国市民が日常的に目にしている商品のチラシ、商品のラベルである。一気に中国が身近になった。軽妙な解説が添えられ、滑り出しは好調。
 中国語と日本語の比較クイズに始まり、酷寒の延安、中国テレビ事情、大学生の生活とレポートは続く。中国を17年間見てきた著者にとっても、いまだ理解不能な出来事は多々あるらしく、至る所に「何これ?」「なんで?」が登場する。一口に国際理解などというけれど、お互いに長い歴史を背負っているのだ。日本とは古くから関係の深い中国といえど、理解し合うのは、やはり難しいものらしい。しかし、著者の「?」には、いささかの否定も含まれていない。「何これ?」と言いながら、その「?」を楽しみ、いとおしんでいる気持ちが、そこここに溢れている。
 圧巻はシルクロードの旅。いままでテレビで見ていたシルクロードではなく、そこで生きている人々の素朴で温かい、生身のシルクロードが描かれている。コミックで良かった——と、ここを読みながら思う。文字を読んで、知らないことを理解するのは大変な作業だ。相当な想像力を必要とする。その点、絵があり、それに説明が付いているという状態は足りない想像力を補って余りある。特に食べ物に関する記述は秀逸で、見たこともない料理を食べた気にさせ、材料さえあれば作れてしまうのではないだろうか、と思わせるほどである。
 「中国に暮らす普通の人々の普通の暮らしを知ってほしい」という著者の願いは、かなり達成されていると思う。読み終えたとき、中国人の友人ができたような錯覚に陥った。これも、心底から中国の人々が好きでたまらない著者の気持ちが素直に表現された賜だと思う。
 いま、中国の暮らしは近代化に向かって劇的に変化を遂げ、影響は地方都市にも及んでいると聞く。著者の愛する漢民族がどのように変化していくのか、あるいは変化しないのか。「中国いかがですか?続続」を期待している。

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多彩な恋愛の向こうには、時代も生活も人生もあった

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 近代詩人50人の恋愛詩から、詩人の愛、生、文学を語る好著。

 世に「詩人」と呼ばれる人、名乗る人は数多い。しかし、ヨーロッパにおける詩人の高い社会的地位とは異なり、日本では、ほとんどの優れた詩人が無名に近い状態で忘れ去られようとしているのが現状だ。
 ごく普通の生活をしていると、詩人を知る機会も評価する機会も、詩を読む機会にさえ恵まれないというのは、とても寂しい。明治以降、日本には口語自由体で詩を書く多くの詩人が生まれ、現代にも色褪せない作品を残してきた。この作品群の中から、恋愛詩に焦点を当て、その詩が書かれた背景、そしてその詩人が生きた足跡を言葉巧みに紹介しているのがこの本だ。

 あまりにも有名な島崎藤村の「初恋」から、竹内浩三「あきらめろと云ふが」など、あまり馴染みのない詩まで50人50様の恋愛と人生を、「笑いかわせみ」で達者な筆を披露した詩人・正津勉が見事にまとめている。
 1人の詩人につき、書かれているのはわずか2ページほど。この中に、誕生から死までが凝縮している。その詩人の人となりが生き生きと伝わってきて、誤解を恐れずに断言するなら、「詩人」なる人種とお付き合いするのは、相当に面白くて、相当に疲れるに違いないと思ってしまった。
 詩作の裏側を知ると、旧知の作品も、俄然、違った色合いで見えてきたりもする。そうか、恋愛ゆえに、生き延びた詩人も数多いのか……。そしてやっぱり、詩人と貧乏は切っても切れない相棒なんだ……。堀口大學に、マリー・ローランサンが、ぞっこんだったというのも意外だったし、林芙美子の「生胆取り」の大胆さにも驚いた。

 もっと読んでみたいと思う詩人にも何人か出会えたし、かねてから贔屓の作品は何度も読み返し、我が意を得た解説に思わずニンマリとした。
 いっとき、難解な現代詩が横行したためか、「詩は読まない」という友人も多いが、この本を読めば「詩」も「詩人」も身近になること請け合いである。プラトニック、不倫、成熟の愛、禁断の恋、片思い、情熱——きっと、1つぐらい、身につまされる作品に出会えるはずである。

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紙の本記憶の国の王女

2003/06/09 15:57

子どもは子どもなりに、おとなはおとななりに

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 シルヴィは、『とてもすてきな大きなこと』という物語に出てくるワルサー王国のお姫さま。お転婆で冒険好きなのに、長い間、読者が現れないので退屈しきっている。
 ある日、空の一角が開いて光がさあっと扇型に降り、本当に久しぶりに本が開かれた。本の中で気ままに暮らしていた登場人物たちは慌てて持ち場に戻り、読者が開いたページの中で自分の役を演じる。そのとき、シルヴィは、「読者を見てはならない」という決まりを破り、『とてもすてきな大きなこと』を読んでいるクレアの顔をまじまじと見てしまったのだ。
 やがてシルヴィは、クレアの夢の中を冒険するようになり、夢の中で、昔の読者だった藍色の目の少女とも知り合いになる。裏切り者にお城を占領され、森に新しい城を築いていたワルサー王は、藍色の目の少女から王国崩壊の危機を知らされ、シルヴィを使者として送り出すのだが……。

 眠っている間に本の中に迷い込んでしまったのは『不思議の国のアリス』だが、この本では逆に、本の中のお姫さまシルヴィが、読者クレアの夢の中に入り込んでしまう。一見、安易で奇抜な設定にも見えるが、これがなかなかどうして、奥深い設定であったことに読み進むうちに気が付くことになる。
 随所に目からウロコの新鮮な描写が並ぶ。例えば、前述した、本が開かれるときの情景描写。読者が最後まで読んでくれなかったときの、登場人物の嘆き。編集者としても活躍していたというタウンリーの面目躍如といったところだろうか。
 やがて、登場人物の幾人かに赤サビが出始め、シルヴィが冒険していたクレアの夢の中というのは、実はクレアの心の世界だったこと。思い出してもらえない記憶は、いつかさび付いて消えてしまうこと。「記憶」を持った人が亡くなると、一緒に記憶も滅びてしまうこと、などが分かってくる。
 幼い読者であれば、おもしろいファンタジーとして、どんどん読み進んでいけると思う。ハラハラドキドキしながら、余計なことを考えずにストーリーだけ追っても、この本は十分に楽しめるのだが、おとなが読むと巧みに埋め込まれた寓意を感じないわけにはいかない。
 文化や経験の継承、記憶と忘却、意識と無意識、生と死、家族など、発せられるメッセージは様々あるが、物語がうまく構成されているので、少しも嫌味やご教訓じみた感じを覚えない。子どもは子どもなりに、おとなはおとななりに楽しめる本である。
 そしてラストには、「本」ならではのハッピーエンドが待っている。最後の詰めも、書きすぎもせず、書き足りなくもなく、適度のゆとりを持った気持ちの良い終わり方であった。

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