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  2. レビュー
  3. ダブルディさんのレビュー一覧

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先月(2017年6月)

ダブルディさんのレビュー一覧

投稿者:ダブルディ

99 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本日本経済「暗黙」の共謀者

2002/03/01 23:39

構造改革が実現した社会とは

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 小泉内閣を支持する人は、構造改革が実現すればどのような社会になると考えているのだろうか。
 著者は、今以上の(アメリカ型)弱肉強食社会になると警鐘を鳴らしている。それでも、小泉内閣を支持する人は、努力した人や能力の高い人が報われるのは当然だと言うだろう。しかし、著者はそうではなく、今までと同じようにいや今まで以上に、努力や能力とは関係ない人間が高い地位に登りつめていくと指摘する。
 日本ではよく欧米化ということばが使われるが、ヨーロッパとアメリカでは当然文化が違うし、ヨーロッパの国のなかでもそれぞれ文化が異なる。そのようなかで、本書ではこれからの日本の経済や社会のモデルは、アメリカだけではないと強調している。
 私は、本書の内容がすべて正しいかどうか分からないし、その答えもまだ出ていない。しかし、本書は、日本経済の現状を把握するために有効であるだけでなく、人間にとっての幸せとは何かということも教えてくれるものである。

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紙の本ドン・キホーテの休日

2002/02/20 10:32

エッセイストとしての鴻上尚史

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 劇作家・演出家・映画監督等鴻上尚史にはいろいろな肩書があるが、私が現在いちばん注目しているのはエッセイストとしての鴻上である。
 「SPA!」に連載されているエッセーのほぼ1年分を収録した単行本のシリーズも本書で7冊目。つまり7年以上連載が続いているのである。その間、「SPA!」にもいろいろなことがあった(ありすぎた?)。おそらく現在「SPA!」で連載中のもので最も長い連載であろう。
 本書は、2000年の9月からの1年間に世の中で起こったこと・鴻上の周りで起こったことを紋切り型でなく伝えている。例えば、小泉首相の就任当時の支持率の異様な高さについての分析は、連載で読んで納得・単行本で読んでさらに納得できる内容になっている。

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漫画的?制度いよいよスタート

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

裁判員制度が、始まれば、このオンライン書店においても
【書評フェア】で、取り上げられることだろう。
 そして、その裁判員制度に関する本は、きっとこちらの
想像する以上に、多く出版されていることだろう。
 そのような本は、裁判員制度は、どのような制度で、
何のために導入されたのか、どういった問題点が
あるのか等知るために必要である。
 裁判員制度について、さらに深く知り、
深く考えるためには、その制度を小説・映画そして
本作品のように、漫画等のエンタテイメント化することが、
効果的ではないだろうか。

 本作品のように、裁判員制度を漫画化したものとして、
「サマヨイザクラ」(双葉社)や「ジキルとハイドと裁判員」
(小学館)等を挙げることができる。
 その二作品と比較すると、本作品「裁判員の女神」は、
より現実的な作品である。
 本作品は、裁判官になりたての者を通して、裁判員制度とは
どういったものかということを描くという
漫画の普遍的な手法が、採られている。
 この1巻で取り上げられている事件に関しても
単純すぎず、複雑すぎず、現実の世界で起きている
残忍な事件よりもよっぽど現実的である。
 そして、被告人・被害者・被害者の遺族・裁判員・
裁判官が、実にしっかり描かれている。
 特に、裁判員6人のうちの特に1人を際立たせるための
それぞれのキャラクター設定と裁判官3人のうちの
本作品の主人公である勇樹美知子を際立たせるための
他の2人のキャラクター設定が、本当に見事。

 パッケージ的にもこの巻の最初の話と最後の話で、
主人公勇樹美知子が、釣りに立ち会うことになるところが、
漫画の文法を押さえていて、基本に忠実である。

 2巻以降は、裁判員制度の問題点や毒のあるストーリーが、
描かれることを大いに期待する。

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しんちゃん史上最大の衝撃?まさか、○○さんが、・・・・・・・!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この47巻の書評は、発売直後に書くつもりだった。
 それが、こんなにも遅くなり、しかも、時期的に、
最悪のタイミングとなってしまった。
 だったら、書かなければいいじゃないかと言われるかもしれないが、
この最悪のタイミングで、あえて書く理由については後述する。

 この47巻に収録されているある話について、
その衝撃的な部分が、連載誌に掲載された際、
その内容に関して、「週刊アサヒ芸能」や「アエラ」といった
雑誌に、取り上げられるまでに至った。
 私自身も読んだとき、びっくりした。
 だが、そのストーリー展開を否定するつもりはない。
 その理由を以下に述べる。
 本作品は、漫画によくある設定であるキャラクターが、年を取らない作品である。
 そんななか、長い連載年数の間に、
主だった女性キャラクターのほとんどは、結婚・出産をしている。
 本作品の主人公しんちゃんにも妹が、生まれている。
 そんな状況で、オリジナルのキャラクターに、
変化をつけるのは、限界に近づいていた。
 ところで、この巻の問題となる話の主人公の1人である
しんちゃんの通う幼稚園のまつざか先生は、独身である。
 それは、まつざか先生は、職場の同僚であるよしなが先生と
対比して描かれていて、そのよしなが先生が結婚したので、
まつざか先生は、2人のキャラクターを引き立て合うために、
作品の都合上独身のままにせざるをえないからである。
 一方、そのまつざか先生の恋人である徳郎さんは、
本作品に登場してから長いが、本作品の途中から登場した
いわば新キャラクターである。
 だから、今回のようなストーリーにおいては、
オリジナルのキャラクターでは、描くわけにいかないし、
あまり登場しないキャラクターで描いてもインパクトがない。
 そこで、白羽の矢が、徳郎さんに立ったのでないか。
 以上のような理由で、私は今回のストーリーを支持する。
 ただ、もう、まつざか先生に、新たな恋人ができるような展開は、
絶対に期待できないことだけは、本当に残念である。

 現在(09年9月)、公開中の映画
「BALLAD 名もなき恋のうた」の原作は、
映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!
戦国大合戦」(以下、「アッパレ!戦国大合戦」)である。
 この「アッパレ!戦国大合戦」には、衝撃の結末が
用意されている。
 その作品にそぐわない衝撃の結末を描くにあたり、
脚本・監督の原恵一氏は、本作品の原作者である
臼井儀人氏の許可を取ったという。
 その臼井儀人氏が、今回の話を描く際に、
この「アッパレ!戦国大合戦」のストーリーが、
ヒントになったのでないかと私は、思っている。
 今となっては、確認のしようもないことだが。閑話休題。

 そこで、冒頭に書いたどうしてこの最悪のタイミングで、
書評を書くことにしたかである。
 現在、書評のこの部分を書いているのは、9月21日である。
 今後、報道の内容が、シフトすることになるが、
どのような内容になるのかは、まだ分からない。
 必要以上に持ち上げたものになるのか、あるいはこの1週間の報道において、
安易な憶測記事が、飛び交ったように、婉曲的に貶めるような報道が、
なされるかもしれない。
 だが、臼井儀人氏の「クレヨンしんちゃん」という作品を生み出したこと
の功績は、それ以上でもそれ以下でもない。
 こういった点は、日本のマスコミの著名人の不祥事や訃報に対する報道で、
欠けているところである。
 そのことを今回の臼井儀人氏の一件を通して、訴えたかったし、
今後なされるであろう報道に対する違和感を埋めたいので、
あえて書評を書くことにした。

 今後のことであるが、連載については、
臼井氏から届いている原稿に関しては、掲載して欲しい。
 単行本については、ページ数が足りないのであれば、
次の巻が、節目となる50巻であるが、無理に単行本化しないで欲しい。
 テレビアニメと映画については、「ドラえもん」のように、
今後も継続して欲しい。
 そして、原恵一監督やしんちゃんの声の矢島晶子さんのような
新たな才能を発掘して欲しい。
 そうすることが、臼井儀人氏の「クレヨンしんちゃん」という傑作を
生み出したことを称える最大のことでないか。合掌。

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色褪せないどころか“カラフル”さを増すタイトル

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 まず、本作品と全く関係ない話を一つ。
 しかも、かなり古い話で恐縮である。
 今年(2010年)4月、某プロ野球球団コーチが、
練習中にくも膜下出血で倒れ、数日後に
亡くなった件について。
 某民放テレビ局は、まだ亡くなる前の段階に
おいて、そのニュースを同じ名前のタレントが
主演する5月開始のドラマの宣伝に利用していた。
(亡くなったニュースにおいては、さすがに
できないから、亡くなる前にやっておこうというのが、
みえみえであった。)情報番組において
行なわれていてもやり過ぎと言える行為を
しかも夕方のニュースにおいても行なっていた。
○村さんや○藤さんは、政治家や
企業の批判はできてもそんなテレビ局の姿勢を
批判することができない。テレビ局の問題点を
象徴する出来事である。

 次に、本作品と少し(かなり?)関係のある話を一つ。
 今年(2010年)4月に公開された
映画「クレヨンしんちゃん超時空嵐を呼ぶオラの花嫁」に
ついて。(ちなみに、DVDがもうすぐ
〈2010年11月21日時点で〉発売される。)
 この作品のエンドロールにおいて、昨年
亡くなられた原作者の臼井儀人氏への
メッセージが寄せられていた。
 しかも、キャストやスタッフの名前が、
通常の機械で打たれた文字なのに対して、
臼井氏へのメッセージは、タイトルにちなんで
“クレヨン”で手書きで書かれたように施されていた。
パソコンや携帯電話の普及によって、手書きで
書く機会が減ったからこそ、手書きの文字の価値は
逆に上がったと思うのであるが、そのことを
象徴するような見事な演出であった。
 さらに、この作品の宣伝等で、臼井氏の
死を利用するようなものを少なくとも私は、
目にしていないし、耳にもしていない。
それから、先にも触れたエンドロールの
メッセージにしても、もしオープニングに
行なわれていたら少なからぬあざとさを
感じていたと思うから、エンディングで
行なったのは本当に大正解である。
 
 対照的な二つの話の後は、ようやく
本作品についてである。
 まず、本作品が、臼井氏の急逝のニュースに
便乗してスカスカの内容で出版されることなく、
臼井氏の生前描き上げた原稿を連載誌に全て
掲載した後、出版されたことを大いに評価したいし、
ファンとして拍手を送りたい。
 そして、表紙もこれが最後の単行本という
雰囲気が全くないところも実にいい。
 それ以外にも本に巻かれている帯にしても
臼井氏の死を強調するようなこともない
ところが、先の今年公開された映画同様、
好感が持てる。
 また、本作品のスタッフによる「新クレヨンしんちゃん」の
連載開始の第一報をその掲載誌で公表するのではなく、
本作品において公表するくらいの戦略は、
充分許容範囲であろう。
 今年公開された映画がらみの話でも触れた
ことであるが、タイトルの“クレヨン”が、
パソコンや携帯電話の普及によって、
今後より深い意味を持つことであろう。
 「クレヨンしんちゃん」の単行本は、この
50巻で最後であるが、この見事なタイトルが、
色褪せることなく、“カラフル”さを増すことを
期待している。

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紙の本医龍 23 朝田のQOL

2010/11/07 16:13

テレビドラマでは描けない?見事な描写

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本作品に関する書評は、この23巻が
初めてであるが、この23巻は、ストーリー上
大きな分岐点となる重要な巻である。
 大学病院を舞台にした医療モノで、主人公は
型破りな医師朝田龍太郎。
 この朝田の活躍を中心に描く作品ではあるが、
それだけでないところが本作品の読み所。
 前巻からこの巻にかけて朝田が、訳あって
屋上から飛び降りたこの大学病院所属の医師の息子を
地上で受け止めて、大怪我をする。そして、
朝田は、意識を失う前に、自分の手術を研修医である
伊集院にやって欲しいと伊集院本人に託す。
 研修医の伊集院は、朝田にこれまで何かと
目をかけられていて、ストーリー上も重要な
役割を果たしていた。
 周りの医師や看護師から賛否両論あるなか、
結局、伊集院が執刀医として、手術が行なわれる
こととなる。
 この手術の模様を描くだけでも読み応えたっぷりの
ところに、さらに先に触れたこの大学病院所属の医師の
息子の手術とその大学病院に搬送されてきた患者の
手術を絡ませているところが、本作品ならでは。
 しかも、その搬送されてきた患者のプロフィールが絶妙。
 そして、そのことによって朝田と伊集院以外の
医師のそれぞれの個性が本当によく表れている。
 タイトルにも書いたことであるが、これだけ多くの
キャラクターをしっかり描き分けられるのは、
漫画ならではであり、テレビドラマでは限界がある。

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今度の悪役は、

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 まず、あの人物の登場のさせ方が、
めちゃくちゃ上手い。
 登場するのが、その人物が、島を去る直前、
なにかと相談にのっていたタケヒロの高校の
合格発表であるところといい、それなら
孤島古志木島に帰ってくるという設定に
しなくていいとところといい、見事。
 また、この人物が、島に帰り、コトーと
再会するのは、この作品における今後の
ビッグイベントであり、その伏線としても
実に有効。
 ここからは、ストーリーの本筋について。
 この作品の面白さの一つは、次から次へと
登場する悪役にある。
 この巻においても、なかなかの人物が
登場する。
 そして、その人物と新しく赴任してきた
看護師仲依ミナが知り合いであるという設定が、
ストーリー的にも新キャラクター仲依ミナの
人物像を描くうえでも効果的。
 この巻には、ほかにも前巻あたりから
グレだした島の中学生で、タケヒロの
同級生であるクニオや島の住人で妻の
事情で、アメリカに渡っていたが、深い訳
あって島に戻ってきた和田について
描かれている。
 その二人と悪役のストーリーでの絡ませ方が、
相変わらず上手い。
 他にも次の巻・次の次の巻以降への伏線が
張ってあるところが、この作品ならでは。

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表層と深層、現実とフィクションの融合。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 2004年のプロ野球の球界再編騒動において、
当時の大阪近鉄バファローズの買収に乗り出した
あの企業。そして、当時のあの社長。
 その社長が、2004年から2006年に
かけて行なったことやその周辺で起きたこと
さらに、その社長のキャラクターが、表層的に
漫画の題材によく使用された。

 一方、テレビ局による女子アナのタレント扱いした
起用と雑誌・新聞といったメディアの女子アナの
タレント扱いした報道の悪循環?が、長い間
繰り返されている。
 その件に関しても漫画の題材として、
表層的に使用される。

 本作品は、以上の二件における深層を
描いている。(女子アナに関しては、表層も)
それだけではなく、現実の世界において、
テレビ局とその周辺で起きた事も題材にしている。

 ちなみに本作品の著者である細野不二彦は、
ビッグコミック連載中の「ダブル・フェイス」
においても現実の世界で起きたことを見事に
題材にしている。
 
 現実の世界において、現在の時点で一年余り
となった完全地デジ化が、今後予定通り実行されるのか
あるいはそうではない経緯をたどるのかは、
分からない。
 また、インターネットの普及や不況等の影響で、
テレビ局のビジネスモデルが、曲がり角に来ている。
 そんな状況において、テレビ局に関してこれまでは
考えられなかったようなことが、起きることであろう。
 そのとき、本作品は、そのようなことを題材に、
どのようなストーリーを描くのか注目である。

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紙の本最上の命医 1

2009/10/03 14:25

“最上の命”名

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 まずは、本作品の主人公の名前について。
 漫画(に限らないが)において、作品のタイトルやテーマにちなんで、
主人公の名前を付ける手法がある。
 例えば、休刊になったヤングサンデー誌に連載されていて、
ビッグコミックオリジナル誌に移籍した
「Dr.コトー診療所」においては、孤島(ことう)の医療がテーマで、
主人公の医師の名前を後藤(ごとう)にし、その間を取って?
このようなタイトルになった?
 もう一例を挙げると、同じくヤングサンデー誌に連載されていて、
ビッグコミックスピリッツ誌に移籍した「クロサギ」においては、
詐欺師を騙す詐欺師黒詐欺をテーマにしているということで、
主人公の名前は、黒崎である。
 本作品は、作品のタイトルやテーマにちなんで主人公の名前を
付ける典型である。
 本作品の主人公の名は、西條命(さいじょうみこと)。
 西條も命もこの書評を書いているパソコンで、当然変換される字だし、
奇抜でもないし、なかなかといったところか。

 次は、ストーリーについて。
 この1巻において、その主人公西條命の子供時代から本作品の舞台となる
平聖中央病院に勤務するまでが、描かれている。
 命が、医者になろうとしたきっかけは、命自身の生まれながらの難病を
神業のような腕を持つ医師が、手術するビデオを見たから。
(その医師の名前が、“神道”(しんどう)というのもなかなかである。)
 命は、先の手術をきっかけに、神道医師と親交があることもあり、
幼い頃から並外れた医学に関する知識と技術がある。
 命は、その知識と技術を活かして、難しい手術を成功させ、
多くの患者の命を救う。それだけだと、よくある医療モノ漫画であるが、
本作品はそれだけではない。
 命は、自身の医師としての生き様を見せることによって、
他の医師を成長させたり、育成したりする。
 この1巻においては、アメリカの病院に勤務しているとき、
1人のプライドの高いアメリカ人医師を成長させる。
 そして、日本に帰国後、教授となった神道の助手を務めた手術において、
その手術を見学している大人の内科志望の研修医に、
命の専門である小児の外科に興味を持たせてしまう。
 そのあたりが、本作品の他の医療モノ漫画との違いである。
 また、その命が助手を務めた手術において、命の力量の高さを
セリフ運びで表現した部分も漫画ならではの手法で、効果的。
 ところで、命の勤務することになる平聖中央病院には、
命の専門である小児外科がない。
 前年起きたとある事件をきっかけに廃止となった。
 命は、新たな小児外科を作ろうと目論む。
 この病院においても、命の仕事ぶりを見て、小児外科を
志そうとする研修医が登場する。
 その研修医の登場のさせ方が、いい意味で分かりやすく、
先のとある事件に関わっているというのがまた上手い。
 この1巻の終わらせ方もいい意味で、次の2巻への含みを持たせる
普遍的な手法で、命と研修医の接点を作り出している。

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普遍的なキャラクター設定、現実離れした裁判員裁判?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 強姦・殺人事件の裁判員裁判を描いたこの本作品2巻が、
発売されたのと同時期に、現実の裁判員裁判において、
性犯罪を扱ったものが行なわれた。
 だからといって、“漫画が、現実を予期していた。”
などということは、断じてない。
 1巻の書評にも書いたことであるが、この2巻で扱われている
強姦・殺人事件も現実の世界で起きているであろう事件であり、
現実離れはしていない。
 また、本作品の連載されているのが、週刊の男性漫画誌
『週刊漫画サンデー』(読者年齢たぶん高め)であり、
どうしてもこういう事件が扱われる。
 確かに、漫画と現実において、無理やり共通点を指摘できる
かもしれない。だが、それは、現実的な内容を描いた漫画だから
という以外は、全くの偶然である。

 本作品2巻においては、6人の裁判員のうち
2人の存在を際立たせている。
 1人は、25歳の典型的なヤクザである。
 裁判員選任手続きにおける態度もなっていない。
 こういう人間が、裁判員になるかもしれないという
ことを描くのに有効であった。
 だが、そのことを示すだけの存在ではない。
 それどころか、裁判が進行するにつれて、それ以上の
役割を果たすことになる。
 当初、この男は、補充裁判員で、座っているだけで、
お金がもらえると高を括っている。
 だが、裁判員の1人の不測の事態により、裁判員になる。
 最初のうちは、あまりやる気がなく、後述する新聞記者の
口車に乗せられたりして、被告人は死刑が相応しいと
思っている。
 それが、裁判所において、被告人の母親に会ったり、
本作品の主人公である“裁判員の女神”勇樹美知子の
話を聞いたりするうちに、考えが変化していく。
 このヤクザの男の、前半やる気がなかった者が、
後半やる気満々になっていくといういい意味で
普遍的な展開が、効果的であった。
 存在が際立っているもう1人の裁判員は、
先に少し触れた新聞記者の男性。
 新聞記者として、これまで多くの事件を取材してきて、
常々日本の裁判は、刑が甘いと思っている。
 そこで、自分の参加することになった裁判員裁判をきっかけに、
その状況に風穴を開けようと画策して、件のヤクザの男に接近したりする。
 この新聞記者に、裁判員裁判の特徴をさりげなく
不自然でないセリフで言わせるところが上手い。
 新聞記者というエリートということで、ヤクザの男と
対照的な立場で、お互いの存在を引き立て合っていた。

 この本作品の2巻において、主人公の“裁判員の女神”
勇樹美知子の犯罪被害者であるという過去を詳細に明かしたのは、
いいタイミングであった。
 さらに、強姦・殺人事件の裁判員裁判において、裁判員6人をあえて
全員男性にすることによって、勇樹美知子と被害者の妹をしっかり
描いたところも実に見事な手法であった。

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紙の本臨場

2009/06/17 09:41

8つの話の化学反応。(その2)

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本作品の単行本の書評に、8話からなる
本作品のうちの『眼前の密室』について
書かせてもらった。
 ここでは、『真夜中の調書』について
書かせてもらう。
 この話は、『眼前の密室』同様、本作品の
主人公である検視官の倉石は、あまり
登場しない。
 そして、これまた『眼前の密室』同様、
倉石の代わりを果たす人物が、登場する。
 この話において、その人物は、刑事たちの
行きつけの店のママである。
 以上のように、本作品の単行本の書評で
取り上げた『眼前の密室』と何点か
共通点があるという理由だけで、
『真夜中の調書』を取り上げたのではない。
 この話を取り上げた他の理由の一つは、
DNA鑑定について描かれているからである。
 そのDNA鑑定がらみで、最近現実の
世界において、大きな出来事があった。
 そのこと一つ取って、
“時代が、横山秀夫作品に、追いついた”
などと言うつもりは、毛頭ない。
 だが、全くの偶然ということでもないだろう。
 著者の横山氏が、新聞記者経験を活かした
リアリティある作品を描いてきたから
こそのことであろう。

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紙の本毎日かあさん 2 お入学編

2009/04/08 11:51

兄>しんちゃん(年齢)

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 まずは、パッケージの話から。
 本作品は、表表紙と裏表紙を捲ると、
見開きで著者である西原理恵子の
写真になっている。
 本作品の絵のように、割烹着を着て、
同じような髪型にしているところが、
なかなか凝っている。
 さらに、その背景が、表が繁華街の雑踏で、
裏が東京タワーであるところが、
1巻の場末の商店街といったところと
対照的であり、何とも言えない味わいがある。

 ここからは、本作品のメッセージの話。
 本作品の1巻の書評にも書いたことであるが、
本作品は、著者西原理恵子の家族の日常を
描いているから、登場人物は成長する。
(年をとる)
 この2巻では、兄妹の兄が、小学校に
入学することから、『お入学編』と題されていて、
そのことを象徴している。
 描かれるエピソードも良くも悪くも
小学生に相応しいことに、変化している。
(これまでと変わらないようなエピソードも
なかにはあるが)

 これまた1巻の書評に書いたことだが、
著者西原理恵子の元夫であり、兄妹の父親である
鴨志田穣氏との関係の変化も
登場人物(実在の人物)が年をとる
この作品ならでは。

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2012年に描かれるストーリーの伏線となる巻?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この⑲巻のメインとなる話は、何といっても、
本作品にはなくてはならない人物そして、
Dr.コトーと同じくらいいやもしくは
それ以上に?、舞台となる古志木島には、
必要な人物が、島を去ることになる。
 そして、もう1つこの作品では、ありふれた
ような話になるし、先に取り上げたことに
比べれば、大したことはないのであるが、
古志木島の中学生タケヒロについての話が、
重要になってくる。
 両方の話について、先の⑱巻において、
伏線が張ってあるところが、上手い。
 まずは、タケヒロの話から。
 タケヒロが、親に言えないような悩みを
抱えるわけであるが、そのことに関して、
Dr.コトーが、ほとんど役に立たないところが、
面白いし、その件に関して、看護士の星野が、
大活躍するところが、何とも言えないぐらい
見事である。
 この一件は、Dr.コトーは、あくまで
医者であるときは、誰にも負けないが、それ
以外のところでは、ただの人(以下?)
であることとDr.コトーは、看護士の
星野がいてこそという面が多分にあることを
示している。
 次は、なくてはならない人物が、島を去る
ことについて。
 ごまかすわけであるが、今は何とも言えない。
 何年後かに、島を去った理由が解決し、島に
戻ってくることを楽しみにしている。
 そうなるように、ぜひとも今の水準を維持しながら、
作品が、続いていくことを祈っている。

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いちばん病んでいるのは?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この巻のメインは、Dr.コトー・後藤
健助のいちばん大事な人の手術であるのは、
間違いないのであるが、それだけでは
終わらせないところが、この作品ならではの
ところである。
 まず、この作品のかつての悪役?江葉都
医師と⑰巻から登場した新たな悪役?鳴海
医師に、どのような因縁があるのかが、
明らかになる。
 現在の鳴海医師の身体的特徴の経緯だけでなく、
⑰巻に見られたような強引な手術の仕方そして
あのような性格になったのかが、よく分かる。
 また、そのことによって、鳴海医師と顔は
そっくりであるが、性格は正反対であるかつての
あの人物を引き立てている。
 Dr.コトーのいちばん大事な人の手術に、
Dr.コトー・江葉都・鳴海の3人が関わる
のであるから、当然何も起こらないわけがない。
 なかでも、Dr.コトーのことも鳴海のことも
そして手術を受けるDr.コトーのいちばん
大事な人のことも知る江葉都に注目。
 この巻には、前の巻で登場した鳴海の診察を
受けたが、その治療法に疑問を感じ、Dr.コトー
の診察を改めて受けることにした患者木村貴子が、
重要な役割として登場する。(しかもDr.コトー
の診察を受けたことを前の巻で、鳴海に
ばれている。)
 彼女は、交通事故によって、手を負傷した
のであるが、結局最終的に彼女の治療を行なったのは、
鳴海であるが、その後のアフターケアに訪れた
彼女に対して、鳴海の起こした反応と彼の
身体的特徴の関係が、上手く描かれている。
 事情により、その後の木村の肉体的・精神的
治療を行なうことになったDr.コトーは、・・・。
 この巻では、今まで書いてきた2人以外に
もう1人患者が、登場する。
 それは、誰か?
 ヒントは、この書評のなかに、登場している。
 おそらくその患者が、いちばん病んでいる。
 最後に、今後の衝撃の結末の伏線が、
さりげなく張ってあるので、ご注意を。

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カバーの裏と表にも注目

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この作品が、前回ドラマ化されたとき
(2002年3月)、なんてもったいない
ことをと思った。 時間帯が深夜で、
回数が3回か4回で、たいした宣伝もしなかった
からである。
 この作品をドラマ化する場合、作品の主旨
さえ合っていれば、ストーリーやキャラクター
設定等は、ドラマの制作側の裁量に任せられる
部分が、かなり多いと思う。
 だから、昨今の安易なマンガのドラマ化とは、
一線を画するものができる可能性があると思う。
 さて、2006年10月のドラマはどうなる
であろうか?閑話休題。
 この作品の持ち味の1つは、著者倉田真由美の
絵にあると思う。もちろん?絵が上手いと
いっているわけではなく、むしろその逆である。
だからこそ、実話を元にした悲惨なはなしを
おもしろおかしく読めるのである。
 だからといって、あの絵を単行本化の際の
表紙に使用せず、人形を制作し、それを撮影
したものを表紙にしているところが、実に
上手い。同時に、そのことに、最近ようやく
気づいた自分が、情けない。
 ⑪巻の表紙でいえば、裏も表ももドラマ化の
時期に発売になるのに、本当にぴったりである。
 この作品の特長として、単行本化に際して、
連載をまとめるだけでなく(くどいようだが、
あの絵では、それでは通用しないだろう。)、
多数の企画が散りばめられている。
 ⑪巻の企画でいえば、⑨巻に初登場し、
その後常連となる倉田真由美の別の連載の
編集者のブルースを精神科医が、分析している
ところである。
 この巻には、他にも倉田真由美と西川史子の
対談等の企画もあるが、私は先に挙げた企画の
方を推す。
 最後に、次の⑫巻が、ドラマ化に便乗して、
12月の下旬に、発売になるかもしれないが、
そのときの対談の相手が、ドラマ主演の
藤原紀香という安易な企画でないことを祈る。

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