サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 檜 さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年8月)

檜 さんのレビュー一覧

投稿者:檜 

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本絶滅哺乳類図鑑

2002/04/07 04:00

ためらっているあなたへ

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これを読んでいるあなたは、ためらいを抱えているかもしれない。ぼくと同じためらいを。
 生き物が好きだ。もはや触れることも見ることも叶わない哺乳類の姿を、見てみたい。その欲求はある。その欲求を満たすのに、ふさわしい本がある。でも、二の足を踏む。なぜなら、『絶滅哺乳類図鑑』は12000円もするからだ。一般むけの書籍の値段じゃない。

 「えいやっ」と思いきってぼくは購入し——つまらないのではないかと危惧感を拭いきれずに——、そして手にして読んでみて安堵した。絵は美麗である。解説文は、過剰に易しくならず、知的好奇心を満足させてくれる程度に専門的で、専門書と一般書とのあいだをバランスよく渡っている。12000円の価値はある。

 そして、もしあなたが本書を手にして読むのなら、アドヴァイスがある。地質年代(白亜紀とか新生代とか)の表と、種分類(界、門、綱……というやつ)の表を、ウェブなり百科事典なりで拾ってきて手元に置いておくと、余計な齟齬なしに楽しめると思う。すこしの手間で、愉しみが倍加するのも、いい情報の詰まった本の特徴である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

世界のありさま

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 表紙の彼女はアフガニスタンの難民だ。冷戦の頃の難民だ。印象的なまなざしの彼女は、いまどうしているだろう? 苦しんでいるのではないか? それとも苦しんだ、と過去形で語らねばならないのではないか?

 カメラは事実に対して冷徹であり、レンズの前にあるものを粉飾もしないし、偽りを写しはしない。愚直なまでに純粋に、光しか捉えない。風に立つライオンの誇り高さ。枯れ枝を思わせるほどに飢えたアフリカ人。未知を見据える力強い瞳。存在しないものは写せない、だからこそ訴えるもののある写真の力がここで発揮されている。

 最後に、表紙のアフガニスタンの彼女はいまも生きている。そう新聞で読んだ。写真を撮ったカメラマンが探しもとめ、ついに見つかったという。彼女は結婚して子供を産み、少女のころの写真をみせられて、衣服がやぶれているから恥ずかしい、と言ったと書いてあった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

彼の辿る道

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 あなたはビルボと同じように、地図の類が好きだろうか? ビルボは老いて、はなれ山の地図を眺めてはかつての冒険を思い起こすことで無聊を慰めた。ぼくらは本書を見て、癒されない探究心を宥める。

 トールキンによって緻密に編まれた異世界を解説する。トールキンによればまさしく蛇足で、野暮なことに違いないとは思う。しかし、本書の作者はもちろん、われわれ読者も、彼の世界に耽溺することは快楽である。そのような心の動きは、精神を遊ばせるという語がふさわしいかと思う。いささか未熟で、経験に欠くわれわれの精神は、ふさわしい道案内がないとすぐに迷ってしまう。本書はわれわれのための最良のガイドブックと言える。最後にきれいに決める。
 本書は、あなたのガンダルフとなりうる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本迷宮1000

2001/02/17 00:37

もはやない国

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 古い古い作品だ。1929年。もはやないチェコスロバキア。冷戦よりも、第二次世界大戦よりも前。しかしヴァイスの想像力は古びない。

 空気よりも軽い金属でできた1000階建てのビルディング。そこには金属の発見者であるオヒスファー・ミューラーが君臨し、同時に世界を睥睨している。世界を圧する暴君を倒すためにビルディングに潜入するのは、ひとりの探偵。霧散化現象による、透明という鎧をまとう。

 幻想文学のペダンティズムは薄い。
 不気味な幻想のなかに娯楽小説のヒロイズムが展開される。楽しむべきは奇想ひとつひとつの鮮烈さだ。
 驚くべき先見性——のような読み方をするのは興ざめだ。風刺を探すのも野暮。鞭のようにしなって読者を打つ、その想像力こそを賛美したい。
 なかでも、オヒスファー・ミューラーを出し抜いて“宇宙を手に入れた男”と“バラを苛む方法”のエピソードが楽しい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

4 件中 1 件~ 4 件を表示