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Hotel.さんのレビュー一覧

投稿者:Hotel.

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本本を読む本

2008/06/13 00:14

本の読み方を見つめなおす

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は、本の読み方に関する本、読書技術の書である。

本書では、どのように本を読むかに関して、詳しく論じている。本書では読書レベルを4つに分けている(本書において、レベルという言葉は、上位レベルの読書技術には下位レベルの読書技術も含まれるということを意味している)。特に第3レベルに当たる分析読書に関しては重点的に説明されているが、究極の目標は第4レベルのシントピカル読書に到達することである。シントピカル読書とは、自ら主題を設定し、それについての解答を見つけるために複数の書籍に当たるときの読み方である。

日本においては、教育現場において書くという技術の訓練を施されていない、ということはよく指摘されているが、本書を読むと、読むという行為の訓練すらまともに行われていないのではないかと思えてくる。小中高校の間、国語や現代文の時間に、評論や文学作品の個々の論点や登場人物の感情分析などは行われるが、本書のように読むという行為がどのように行われるべきか、抽象化・一般化して教えられることはない。つまり、テストの点数を取るためだけの教育になってしまっているのである。本書はそのような国語教育の欠点を補って余りある出来であると言えよう。

本書は効率的な読書の方法を教えてくれるものではない。しかし、本書に書かれていることを実践することは、本に書かれていることを本当に理解するためには必須のことであると思う。よく本を読むという人にこそ読んでもらいたい本である。

「読書は著者との対話である」。本書の言葉である。

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中東・イスラームをよく知らない人に

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「~がわかる」的なタイトルの本はあまり読む気がしない。そういうタイトルの本は概して図を駆使したり、チャート化したりしている。そのこと自体は理解の助けになるので悪いことではないのだが、簡略化しすぎるあまり、重要なことが抜け落ちていたり、表層的な情報だけが羅列されていたりするからだ。本書のタイトルを、また目次を見たときも、本書もそのような本の類なのだろうかと不安に思ったが、著者が大野元裕ということで、思い切って買ってみた。大野は中東調査会の上席研究員で、中東問題がニュースで取り上げられるときにコメンテーターとしてよくテレビに出ているので、ご存知の方も多いだろう(かくいう私もテレビで初めて彼を知ったのであるが)。

最初の不安は、読み始めてすぐに吹き飛んだ。中東、イスラームの歴史、文化、構造、政治、あるいはイスラーム国家の現状と問題点等に関して、簡潔で明確な言葉でわかりやすく書かれている。パレスチナ問題とは何なのか、中東の人々はなぜ反アメリカ的になるのか、政教一致のイスラーム国家とはどのような国家なのか、といった疑問を解消できる。まさに「今の中東がわかる」本である。特に、アメリカに気を遣わなければならない政府と国民との乖離、その不満の捌け口としてアル・カーイダのような組織の思想に一部の人々が正統性を見てしまう現状、それでも多くの人々や宗教的指導者がテロを容認していない、などということは日本にいると中々見えてこないもので(日本の報道では、反アメリカ等のシュプレヒコールを上げているような場面ばかりが取り上げられている気がする)、イスラームの法体系が実は如何に平和的であるかということに言及した箇所には、イスラームをよく知らない読者は驚くのではないだろうか。個人的には、中東国家の抱える内政問題の章が、あまり目にしたことがなかったこともあって面白かった。

日本においては、中東やイスラームに関しての理解が浅かったり、極端に歪んでいたりする。特に9.11以後は「イスラム原理主義」「ジハード」といった言葉が連日マスコミを賑わしたせいもあって、イスラームは怖いもの、あるいは近代合理主義からかけ離れた遅れたもの、といった認識を多くの人が持っているのではないだろうか。そのような認識が持たれるのは、欧米が生み出すオリエンタリズムという言説を、無邪気に日本のメディアが垂れ流しているからではないだろうか。それらを覆すためのきっかけとして、中東やイスラームについてよく知らない多くの人々に本書を手にとって欲しいと思う。

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紙の本憲法で読むアメリカ史 上

2005/08/05 17:52

アメリカを「知る」ために

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

9.11、アフガン戦争、イラク戦争と、我々は現代のアメリカを見てきた。ある者は親米の立場を取り、またある者は反米を掲げる。それはジョージ・W・ブッシュ大統領の言う「敵か味方か」の二元論とは若干違う座標系ではあるにしても、マスメディアを通じて見てきたアメリカの姿だけを「アメリカ」であると信じ、我々はアメリカに対する立場として、単純な座標の両極に自己をプロットするという罠にはまりがちである。しかし我々は本当にアメリカを「知っている」のか?この書は”The United States of America”を理解するための1つの視座を与えてくれる。単純な二元論に陥らないために、我々は共時的見方と同時に、通時的パースペクティブも必要とする。この書はアメリカ合衆国設立から現在までの歴史を、合衆国憲法に対する各時代の解釈を参照しながら綴られている。この書を読み終えたとき、我々はアメリカという国を「知る」ための枠組みを1つ増やすことができ、アメリカの今まで「見て」きた姿とは違った側面を「視る」ことができるだろう。
この上巻では、まず2000年の大統領選挙を振り返ったあと、合衆国憲法の誕生から南北戦争までをカバーする。

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米国の大戦略を歴史的観点から明らかにした名著

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者のJ. L. ギャディスは、言わずと知れた冷戦史の大家である。本書は、その彼が9.11とそれ以降の米国の政策、さらには歴史的観点から、米国の大戦略(Grand Strategy)を分析し、それを描き出したものである。

まずタイトルに関してだが、原題は"SURPRISE, SECURITY, AND THE AMELICAN EXPERIENCE" となっており、『アメリカ外交の大戦略』というのは訳者がつけたものである。本書を読んだ感想では、外交というよりは対外政策といったほうが正しいのではないかという印象を受けた。外交論の大家、H. ニコルソンは対外政策と外交を分けるべきだと言っているので、付言しておきたい。

さて本書の内容であるが、9.11以降のG. W. ブッシュ大統領の政策をあらわすのによく使われている先制・単独行動・覇権という概念は、19世紀の米国の大戦略から受け継がれたものであるとし、そのような戦略がなぜ採られたのかを説明するところから始まる。その次の章ではF.ローズベルトが採用した大戦略を明らかにする。それは、過去に採られた3つの原則のうち、先制と単独行動が抑制されたものであって、その結果もう1つの原則である覇権が達成されたとされる。その後冷戦期を通して維持された覇権が、9.11以降採られた大戦略(19世紀の大戦略への復帰)によって正統性を失いつつある、といった風に議論が展開される。

米国の安全保障のためには覇権を追求することが必須であること、しかしそれは各国の同意が必要であることという論理は、米国中心的な覇権安定論であるような気もするが、現代において唯一のスーパー・パワーである米国の覇権の正統性が揺らぐことが世界の不安定要因になるのは間違いない。そのような事態を防ぐためにも各国の同意というのは非常に重要であるし、その点でギャディスの指摘は正しいと思う。最後に彼はA. スミスを参照しつつ、今後の米国が採るべき大戦略を示して本書の結論としている。

本書は米国の大戦略の研究として有用であると同時に、大戦略というもの自体を考える際の指針ともなるだろう。本文は120ページほどのサイズ的には小著ながら、内容は深く濃い1冊である。

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紙の本国家の謀略

2008/02/08 00:42

読んでいて非常におもしろい。が、本書に書かれていることがインテリジェンスの全てではないことに注意。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は、外交官として活躍した著者による、インテリジェンスに関わる活動のうち主にHUMINT(human intelligence)の、特に工作活動に焦点をあてたものである。

日本にはCIAやSIS、モサドのようなHUMINTを専門的に行うインテリジェンス機関は存在しない。そのような中、また外交官という身分上の制限の中で、著者が経験したり、あるいは手に入れた情報から、「見えない戦争」がどのように行われているのかを明らかにされている。また、著者はロシア担当だったこともあって、他のインテリジェンス関連の書籍とは違った角度から様々な検証がなされている。まるでスパイ映画の中の話のような事例がたくさん紹介されているので読んでいて非常におもしろいし、国際政治の厳しい現実を思い知らされる。本書は、国際情勢等の報道から如何にインテリジェンスを生み出すか、のよい見本のひとつであろう。

ただし、本書だけを読んでインテリジェンスをわかった気になっていると、日本政府が対外インテリジェンス機能の強化に向けて動いていると聞いたとき、「日本にもスパイ機関を作るのか!」などとあらぬ誤解や反発を招きかねない。本書に書かれているのはあくまでもインテリジェンス活動のうちの一部である。情報生成の種類としてはHUMINTの他にも、SIGINT、IMINT、OSINTなど様々な種類があるし、インテリジェンス・コミュニティの全てが本書で明らかにされているようなダーティーな活動を行っているわけではない。本書を読んでインテリジェンスに少しでも興味を持たれた方々には、他のインテリジェンス関連の書籍も読んでみることをお勧めする。

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