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ミチセイさんのレビュー一覧

投稿者:ミチセイ

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「ユビキタス・ネットワーク」はバラ色の未来予想図か?

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 身の回りいたる所にコンピュータが導入されており、それらはすべてネットワークで結び付けられている。しかも人々はそれらをごく自然なものとして扱うことができる。これが本書で述べられている「ユビキタス・ネットワーク」のもたらす社会である。

 私が本書を読み終えたとき、最初に思い浮かんだのが星新一氏のショート・ショート『装置の時代』であった。その物語では家庭に数千種類の電気機器が導入され、それぞれ非常に工夫がこらされている。それらは便利この上なく、人々はもはやそれらの電気機器なしでは暮らせないようになっている。しかし毎日2,3個は故障し修理に出さなければならないのだ。いくら買ってから3年は壊れませんとメーカーが保証していても、その数数千となれば壊れるものが出てくるのは当たり前だ。そうして人々は苦い思いを胸に日々暮らしていく。
 
 これはひとつの寓話だが、「コンピュータが日常に溶け込む社会」というのは上の物語を思い出させずにいられないものがある。現在でも1つのシステムを組むためにどれほど表に出てこない労力が費やされていることか。未来を語るのは結構だが、予想される問題点や解決すべき課題の挙げられていない、裏付けのない理想図は「システム構築側高負荷社会」と捉えられてしまう可能性を持っている。

 また、「ユビキタス・ネットワークによってデジタルデバイドはなくなる」という本書の主張についても疑問符がつく。新幹線の切符を買う際、窓口には長蛇の列ができているのに自動発券機はガラガラという現状を見る限り、日常生活へのIT進展状況はまだまだこれからである。それを5年足らずで身の回りに溢れかえるコンピュータを人々が特に意識せずに使える状態に変えていくことが果たして可能なのだろうか? 

 本書は、IT化の最前線で仕事をしている企業のビジネスマンや研究者たちが描く未来予想図を理解するには適している。しかし、「ユビキタス・コンピューティングって何だろう」という普通の人々の知的好奇心に答えるには少々役不足のように感じた。ビジネスの企画書としてはネガティブな要素を盛り込むわけにはいかないかとも思うが、一般向けに出版されている以上、問題点にもきちんと言及し、それに対しどう解決していくのかを示す必要もこういった本には必要だろう。そうでなければ読後に「eビジネスの次はuビジネスだ」という、かつて「eビジネス」という言葉が連呼された時も繰り返されてきた奇妙な焦燥感に苛まれるだけである。

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