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ZOWIEさんのレビュー一覧

投稿者:ZOWIE

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紙の本ワンダー・ボーイズ

2000/11/23 07:25

ワンダーボーイズ(神童)と言われたいですか?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本、つい最近映画化されて(マイケル・ダグラス主演)、上映していましたね。私はこの映画、絶対見たかったのに見逃してしまい、早くビデオにならないものかと待ち構えているところなのですが、この本に関していうと、これすごく面白い小説です。ぜひ読んでみて下さい。
 なぜだか帯には「小説家になりたい人へ」なんて書いてあって、まるで小説家になるためのテキストみたいですが、全然違います。この本読んだ後は、小説家になりたいと思いを持ち続けるのさえ難しいでしょう。私なんて「なりたくないなぁ」と素直に思いました。でもそこを出版社さんは狙っていたのかも知れないので、実はこの帯は正しい事を言ってるのかもしれません。
 で、エラそうに解説ですが、読んだ後に読者に幸せを与えるといったタイプの本では決してなく、言い方間違ってるかもしれませんが、空しくなるというか、ポッカリ穴を空けられたかのような気分にさせられる、そんな本です。本読む人は大概そうかなとも思いますが、ちょっと性格ヒネた人なら抵抗を感じずに読めると思います。
 ハッピーエンドを迎えるのがわかりきった、こてこてのハリウッドムービーを笑い飛ばしつつも、そんなに嫌いじゃない方とか。ものすごい限定してしまいましたけど、でもそんな方多いんじゃないでしょうか?あとは「そんなに人間、簡単に幸せになれるかよ…」と思って日々生きている方とか。私はどちらかというとそのタイプなので、この作者のヒネくれようもすごいな…と感じつつ(ヒネくれているというより、徹底して乾いたシニカルさを持っていると言った方が正しいのかな)共感して読めました。
 この作品の中で何回も出てくる「真夜中病」、この言葉なんか私は「うまく言ったなぁ!!」と感心しましたけど、小説家はみんな、真夜中病なのですね。というか、真夜中病だから小説家になるんですね。残念ながら真夜中病でない私は、そんな人羨ましいなぁと思いつつ、そうでない事に安心したり、でもやっぱりなりたいよなぁとかいろいろ思ってしまいましたが、みなさん読んだ後は考えてしまうことでしょう。
 そして、このタイトル。この小説読んだ後に「神童」なんていう言葉を聞くと、「そんな軽々しく言うなよ」と思うことでしょう。勝手に時代を代表させたり、そういうの間違ってますよね。けど結構あるじゃないですか。誰でも一度は言われてみたい「あなたはワンダーボーイだ!!」。でも実際そんな風に言われて、もてはやされた人たちにしてみたら…。
 しかし、この事についてだけ言及すると「その小説、ありがちな内容なんじゃないの?」と思われてしまいそうなので(主人公が名声という重圧と懸命に闘いぬこうとする生き様を見る、とかそんな内容を想像されそうなので)あまり突っ込みませんが、そうではなくて、大げさではなく淡々と、でも気が付けば主人公を窮地におとしめている、そんな事件の連発。だから好感が持てるのです。思わず笑いがこぼれますし。大体主人公が20代の若者とかではなく、やめるにやめられないマリファナをいっつも吸って、そんな姿を見られてまた皆に軽蔑されて、でも改善しようとはしない(出来ない)、そんな男を描いた小説ですから。
 ラストも大げさじゃないです。あとこの本を読む時には、必ずあとがきも読んで下さいね。この本がメタフィクションと呼ばれる由縁が明らかにされてますので。

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