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R2bk1さんのレビュー一覧

投稿者:R2bk1

8 件中 1 件~ 8 件を表示

ちょっと重苦しい巻だけど…

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 格闘小説として優れていることは間違いない。だが人によっては激烈な拒否反応を引き起こしかねないほどに暴力性に富んだ小説ともいえるかもしれない。そんな「ラグナロク」も「ラグナロクEX. The Outsiders」でついに14冊目を迎え、その救いのない展開にますます磨きがかかっている——といっては身も蓋もないか。
 とにかく、憎悪や軽蔑、羨望、嫉妬、苦悩といったどちらかといえば負の感情と呼んで差し支えないようなぐちゃぐちゃしたものを徹底的に前面に押し出しているにもかかわらず、それが面白いのは自分と重なる部分を多く見つけてしまうからだろーか。もちろん、安井健太郎の筆力というものもあるのだが。
 もっとも、素直に楽しむというよりも自分自身の中の暗い部分と皮肉っぽいスタイルで向き合うという、少々自虐趣味的な楽しみ方かもしれない。
 さてさて、外伝だと思っていたEX.シリーズも、いつの間にか本編に組み込まれてしまった。一人称スタイルの小説としては、こういう風に外伝スタイルでいつもとは別のキャラの視線を用い、すべての挿話がいろいろと絡み合って本編を進めていく——そういうやり方って結構いいかもしれない。読者としては飽きがこなくてよい。
 刊行ペースもそこそこだし、今後の展開がますます気になるシリーズ。要注目である

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紙の本銀河帝国の弘法も筆の誤り

2001/02/19 00:25

日本SF史上に残る迷作品

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 最近よく目にする言葉に『卑し系』というものがある。
 もとい『癒し系』——緊張のあまり間違えてしまった。いや、しっけい、失敬。
 さて、この癒し系なるものがもてはやされる背景には、現代人が常にストレスを受けながら生きているという問題が挙げられるだろう。
 人間というのは非常に弱い生き物であり、ちょっとした精神的重圧からとんでもない行動を起こすことがある。漢字を間違えるくらいなら可愛いもので、ときには人命に関わるような重大事件に発展することもあるのだ。先日もスーパーの卵売り場で見かけた老夫婦が「おじいさん、明日の朝はなにを食べましょうかね」「決まっとる、わしゃ茹でた孫が一番じゃ」というような会話を交わしていた。見るからに好々爺然とした老人でも、じつは他人にははかりしれないストレスを受けているのだ。迷惑なのは祖父の朝飯にされてしまう孫である。
 このようにストレスはすでに日常的な風景の一部となっているのだが、こうしたストレスに傷ついた心を癒してくれるものを『癒し系』と呼ぶのである。

 しかしちょっと待っていただきたい。なんでもかんでも『癒されたい』というのは、ちょっと安易にすぎる発想ではないだろうか。
 私は思うのだが、プレッシャーをプレッシャーとして感じるかどうかは、本人の心持ち次第でどうにでも変わるはずである。だとすれば、癒されたいなどと他力本願なことを思う前に、まずはひとつ肩の力を抜いてみてはどうだろうか。
 つまりは『脱力』である。
 適度に力を抜くことは、どんなことに対しても良い結果を生むものだ。たとえば小さな矢を的に投げて点数を競うスポーツがあるが、かつてこの競技の世界チャンピオンはこう語っている。「肩肘張って緊張していては、実力の10分の1も出せないね。必要なのは適度にリラックスすることさ」この程良い力加減が『ダーツ力』である。

 田中啓文の『銀河帝国の弘法も筆の誤り』は、表題作をはじめとする5篇が収録されたSF短編集であり、いわば脱力系の小説を代表するものといって差し支えないだろう。
 もちろん、SFだからといって必要以上に構える必要はない。自然体で読み進められ、読後には程良く肩の力が抜けるという、きわめてユーザーフレンドリーなSFなのである。
 短篇ということもあり、一字一句に至るまで考え抜かれた作品のネタばらしのような無粋なまねはここではしない。ぜひともその目で実感していただきたいと思う。

 小学生からお年寄りまで、ストレスを感じているすべての人にお勧めの本である。
 とくに今の時期(発売は2月半ば)としては、受験生にこそ最適なのではないだろうか。これまで勉強して身につけたすべてを出し尽くすためにも、がちがちに緊張した状態はよろしくない。リラックスして実力を発揮するためには、入試当日、試験会場までの道すがら本書を読むというのが一番の特効薬である。
 なお、力が抜けすぎて公式を全部忘れてしまったとか、国語の試験で妙な解答を書いてしまったとか、そういう羽目になっても私はいっさい関知しない。薬の服用は個人の責任において、である。

 とにもかくにも、日本のSF史上に燦然と輝く作品になることは間違いないだろう。

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紙の本かめくん

2001/01/26 01:35

ノスタルジックで優しくて、ちょっぴり切ないかめくんの物語

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 かめくんはかめくんであってかめくんでしかない。
 かめくんはサイエンスであってナンセンスである。かめくんは日常であって非日常である。かめくんはフィクションであってノンフィクションである。
 ようするにかめくんはかめくんなのだ。
 かめくんはほんもののカメではない。だからにせものというわけでもなくて、姿がカメに似ているからそう呼ばれているだけなのだ。実は木星戦争に投入するために造られたカメ型ヒューマノイドなのだが、いまのところかめくんは戦争には行っていない。もしかしたら行ったことがあるのかもしれないが、かめくんは覚えていない。
 そんなかめくんはクラゲ荘に住むことになった。
 倉庫会社で仕事もするし大好きな図書館にもかよう。たまに巨大カメ型ロボットに乗って巨大ザリガニと戦うこともあるが、おおむね平和な毎日である。図書館に行けばあこがれのミワコさんにも会えるし、猫の世話をすることもある。
 かめくんは考えるのが好きである。自分のこと、カメのこと、ヒトのこと、そして世界の成り立ちのこと。かめくんはいろいろと考える。
 だが、穏やかな生活にもやがて別れを告げなくてはならない日がやってくる——。

   ◇ ◇ ◇

 本作品はかめくんの視点で書かれている。
 ヒト以外の存在によるヒトの日常観察の大家としては苦沙弥先生の猫がいるが、本作品は『吾輩は猫である』のような一人称ではない。単に視点がかめくんなだけである。
 そもそもかめくんはかの猫ほど饒舌ではないし、皮肉な考えの持ち主でもない。かめくんはただ考えるだけなのである。
 かめくんが考えるのは、世界の成り立ちだとか、自我だとか、記憶の仕組みだとか、まあそういったようなものである。つまるところ「自分は何者か」という問いかけを繰り返しているのだ。
 かめくんという存在が自分を探すという行為のメタファであるとすれば、それはとりもなおさず、かめくんが我々自身であることを指す。実際、そうなのであろう。
 そして同時に、けっして誰も憎まず責めず傷つけないかめくんは、我々人類の愚かさ醜さを映し出す鏡でもある。

 とにかく不思議な雰囲気の物語である——擬音語を多用しなるべく平易な言葉で書かれているあたりはいかにも童話だし、木星まで行かれるような世界の設定はいかにもSFだし、社会の風潮を強烈に皮肉った風刺でもあるし、どことなく特撮へのオマージュであるようにも思える。
 ノスタルジックで優しくて、ちょっぴり切ないかめくんの物語。徳間デュアル文庫にケチを付けるわけではないが、できればハードカバーの単行本として書店の新刊コーナーに平積みされているところが見たかった。
 絶対にお勧めである。

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紙の本二重螺旋の悪魔 下

2001/01/23 23:54

バイオホラーの最高傑作

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 人類のイントロンから解き放たれた怪物——GOOたちによって世界は焦土と化した。
 深尾直樹”大尉”は最終軍の小隊長として、東京を占拠したGOOとの戦いの最前線にいた。
 深尾が前線にこだわるのには、人には明かせない理由があった。彼をかばって死んだかつての恋人、知美を蘇らせる方法を探ろうというものなのだ。そのことが現在の恋人である理奈との間に溝を生じさせてしまい、深尾は先の見えない毎日を煩悶と送っていた。
 そして、いつ果てるともしれない戦いは、理奈たち技術班の開発した最終兵器“ネクロノミコンウイルス”によって新たな局面をむかえる。GOOを殲滅すべく暗号名“指輪作戦”が計画され、深尾はその指揮をとって敵本拠地の奥深くに潜入することになった。
 だが、そこで深尾が見た光景は、まさに想像を絶する真実だったのだ。
 神はなぜ人を造ったのか。なぜ人類のイントロンにGOOを封印したのか。足下が崩れ去るような目眩感を感じさせながら、事態はついに最終章へと突入する——。

    ◇ ◇ ◇

 さて、上巻で提示されたイントロンと神経繊維の謎は、この下巻においてようやくその秘密が解明される。答えについては実際に読んでもらえればわかるが、今まで信じていたすべてのものに裏切られるような強烈なショックを与えてくれることは確かである。覚悟して望んでいただきたい。
 また、上巻をバイオホラーとするならば、この下巻はアクションSFとでもいうべき仕上がりになっている。上巻から下巻へのストーリー展開にはやや強引なものを感じないでもないが、読んでいる最中にはそんなことを感じさせないほどの筆力がある。読者は最後までぐいぐいと引っ張られ、次から次へと襲いかかるアクシデントに、手に汗握ることになるのだ。
 そして、最後まで読み終えた後、あなたはうそ寒くなるような恐怖を覚えることだろう。
 開け放たれたパンドラの筐の底に、果たして“希望”はあるのだろうか。


〜 ELI ELI LAMA SABACHTANI 〜 主よ、主よ、何ゆえ我を見捨て給うた?
(新約聖書 マタイによる福音書第二七章四六節)

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紙の本二重螺旋の悪魔 上

2001/01/22 23:22

バイオホラーの最高傑作

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 遺伝子操作監視員会の調査官である深尾直樹は、バイオ産業大手のライフテック社で発生した事故の調査に赴く。そこにはかつての恋人、梶知美もいるはずだったが、深尾を待ち受けていたのは血まみれのP3実験区画だった。
 現在と過去の記憶が錯綜する中、イントロンに隠された謎が次第に明かされていく。
 だが謎はそれだけではなかった。人類の神経繊維に秘められたもうひとつの秘密。
 はたしてわれわれ人類の行く先はどこなのであろうか——。

 さて、DNAという言葉はつい最近までそれほど一般的なものではなかったが、近頃では遺伝子操作の是非を問う記事が新聞の一面に載るほどになっている。
 そのDNAであるが、塩基文字配列のすべてが有用な情報を持っているわけではない。実は、遺伝情報として意味を持つエクソン配列と、なんら意味を持たないイントロン配列とがあるのだ。ここまでは生物学の基礎を学んだものならば誰でも知っている。
 しかし同時に、ここで必ずと言っていいほどひとつの疑問が生まれる。すなわち、「イントロン配列は本当に無駄な存在なのか」という疑念である。考えてもみていただきたい。これほどまでに合理性を追求しながら進化してきた生物であるのに、その遺伝子に無駄な情報がたくさん含まれているなど、いったい誰が素直に信じられよう。
 この物語は、すべてその疑念に端を発している。
 著者は、誰もが感じていた疑問にひとつの答えを投げつけたのだ——イントロン配列は「何者か」がプログラムし、さらに人類のDNAに隠蔽した遺伝情報なのである、と。

 SFの手法としては、現実とフィクションの境目が分からなくなるような展開をとっている。目新しい手法ではないが、実に見事なリズムで現代風に再現されている。
 息をつく暇もないテンポで話が進み、読者はいつしか現実と虚構の区別が付かなくなってしまうのだ。本書は上下巻の二冊からなるが、寝る前に上巻を読むのはやめた方がいい。そのまま下巻に手を伸ばして翌朝、寝不足になるのが目に見えているからだ。

 クローンの作成や遺伝子操作食品が一般のニュースを賑わす現代にあっては、本書をただのフィクションと笑い飛ばすことはもはや不可能である。これは現実に起きるかもしれない恐怖なのだ。
 もしかしたら、われわれは本当に神の領域にちょっかいを出しているのかもしれない。いろいろと考えさせられる作品である。


〜 ELI ELI LAMA SABACHTANI 〜 主よ、主よ、何ゆえ我を見捨て給うた?
(新約聖書 マタイによる福音書第二七章四六節)

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紙の本こちら郵政省特配課

2001/01/11 00:24

運び屋さんの愛と感動の物語(^^)

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 権威と権力を振りかざして国民の血税を好きなように使い、けっして責任はとらない——官僚という言葉にはえてしてそういうイメージがある。が、けっして根拠のない誹謗中傷というわけでもない。ばらまき型公共事業なんていうものは、「税金をいくら使ったところでおれの懐が痛むわけじゃない」という発想に基づいているとしか思えないし。
 この本は、そうした官僚機構の暗部を暴き出して白日の下にさらし、正しい税金の使い方を国民に広く問いかけることを目的に書かれている。
 ——わけでは決してないらしい。

 郵政省特配課は、どんな物でもどこへでも、それを合い言葉にして日々、むちゃくちゃを重ねている。カウンタックにはしご車、コンバータプレーン、はては新幹線にリニアまで、ありとあらゆる手段を用いてお届け物をしてしまうのだ。
 青天井の予算と国家権力——これぞ究極の運び屋である。
 もちろん、運ぶのはモノだけではない。モノに託された人々の「想い」——その想いを運ぶために彼らは無茶をするのだ。
 単純だが、だからこそ感動できる。
 爽快である。
 真っ赤な機体に白く染め抜かれた郵便マークという、格好いいのか間抜けなのかよくわからないところもよい。
 この際、予算の出所がわれわれ小市民の血税であることには目をつぶろう。美鳥がかわいいからすべて許す。

 そんなわけで、この「トッパイ」は小川一水の代表作であり、私のイチオシである。
 続編が出るそうなのでこちらにも期待大だが、省庁再編成のあおりはどうなるんだろーか。

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ちっきゅうのへいわをまっもるためっ♪

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 アース・ガード——こう聞いて真っ先に思い浮かべるのは、普通だったらその名の通り「惑星防衛システム」であろう。つまりは「アルテミスの首飾り」みたいなやつ。
 ということは、地球侵略にやってきた宇宙人と戦う話なのだろうか。
 確かにおおすじではそんな感じである。
 しかし、なんか違う、どこかが違う。
 サブタイトルには“ローカル”惑星防衛記とあるし、表紙のイラストは金髪のせぇらぁ服である。
 しかもこの金髪娘のガーネット、なんと宇宙人であり、こともあろうにふつーに学校に通ってたりするのである。さらに厄介なことに、広域指定窃盗犯であり、星間刑事警察機構の追跡刑事に追われる身でもあるのだ。
 そのガーネットを追ってきた刑事と侵略の軍隊、その圧倒的な力に立ち向かうのは、ガーネットと二人の友達、そして不思議な力を持った謎の頑固戦士。
 カーチェイスありの銃撃戦ありの格闘空戦ありので、もう大騒ぎ。しかも細部までしっかりSFやってるから、「そっち系」の人にはたまらないだろう。
 とにかく気持ちのいいSFアクションである。
 こうして地球の平和は保たれていたんだなあ——名古屋に感謝!!

 ところでこれ、続編は出ないのだろうか?

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紙の本グレイ・チェンバー

2001/01/04 18:44

青春とかけて怪物襲来ととく、その心は・・・

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 新進気鋭の「SF作家」、小川一水の新作。
 例によって一般的なSFの枠からはちょっとはずれ、今回は学園パニックものである。異世界から襲ってくる怪物、それに一致団結して立ち向かう子どもたちの友情劇——なんともありきたりで古臭いテーマだが、これが見事に現代風に描かれている。
 まず第一に、異世界の怪物が魅力的である。「監視階梯」「境階波」「二次体」「還元」などなど、その独特の用語だけでわくわくしてしまうのだ。その緻密な設定は、さすがSF作家というべきか。
 続いて、子どもたちの人物描写。優等生に素行不良、仲のいい奴に気に入らない奴、ジコチューな奴に優しい奴——どんなクラスにもいるはずの様々な個性が、実に活き活きと描かれている。あるいはこの描写には大人の偏見が混じっているのかもしれないが、実によく現代の若者像を捉えているといえるだろう。
 そして極めつけに、随所に見られる小川節。にやりとすること請け合いである。

 また、あとがきに語るように、氏が作品に掲げたのは「クラス一丸、強敵撃破」というテーマである。これは、ともすれば気恥ずかしいものになってしまうだろう。いや、実際に読んでいてなんとなく恥ずかしい気持ちになってしまうのだが、それがけっして悪い気分ではないのだ。
 現役の中高生諸君にぜひ言いたい、「この本を読んでみなさい」と。別に「友情」なんてしゃっちょこばった言葉を使う必要はない。仲良くしろとも言わない。ただ、他人もそう捨てたもんじゃないということを感じてほしいのだ。
 もちろん、大人に対してもおすすめなのは言うまでもない。

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