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オカメインコさんのレビュー一覧

投稿者:オカメインコ

8 件中 1 件~ 8 件を表示

原作小説ファンにも満足な一冊

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 名家なのに貧乏な家のお嬢様である主人公・秀麗が、報奨金につられて飛びついたオイシイ話。それは、即位したばかりの「ダメ王様」の教育係だったというところから始まる、中国風の架空世界を舞台としたファンタジー。アニメ化もされ、ノリにノッている小説が原作のコミックス版である。
雑誌に連載が決まった時点から、コミックの発売はまだかまだかと首を長くして待っていただけに、手に出来た時にはとても嬉しかった。
 挿絵担当の由羅カイリさんが漫画も担当ということで、違和感の心配はしていなかったけれど、小説原作のコミックス版というと、多少の不満が残るのは仕方が無いものだと思っていたので、この満足度の高さは奇跡のよう。小説版のファンの人なら、文句をつける人はいないのではないだろうか。
また、小説の方を読んだことのない人でも、大丈夫な作りになっているので安心して読んでほしい。
 仕事をしようとしない「ダメ王様」の教育係として、偽りの貴妃に扮してまで後宮に入った秀麗には、報奨金目当てというのもあるけれど、本当の理由はもっと深い。彼女には忘れることなどできないつらいつらい過去がある。彼女の願いはただ一つ、二度とあんなつらい思いを誰にもしてほしくないということ。そのためには、どうしても王様に”王様としての仕事”をしてもらわなければという切実な思いがあるのだ。その思いがあまりに真っ直ぐで心打たれる。
 この1巻目は、小説版の1作目にあたる『彩雲国物語 はじまりの風は紅く』の途中までのストーリーが収録されている。どこまでの連載が予定されているのかは不明だが、「はじまりの風は紅く」だけではなく、2作目、3作目・・・とコミックス版もずっと続けていって欲しいと思う。
今は第2巻の発売が一番楽しみ。小説の方を読み返しながら、また首を長くして待つとしますか。

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王道ながら魅力あふれる少女小説

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

王道な設定だけど上手に装飾がなされていて、乙女心をくすぐる魅力のある作品に仕上がっていると思う。ストーリーの流れもいいし、全体的に安定感もあり、文章も軽すぎず重すぎずでとても読みやすい。脇を固める登場人物たちもそれぞれ個性がバラけていて面白かった。

 主人公は15歳の少女リディア。田舎町で暮らしていたが、突然の事故で父を亡くしてしまう。身寄りの無くなった彼女は、伯父であるシュバルク公爵に引き取られ、王都で慣れない貴族生活を送ることになる。
貴族の傲慢な考え方に反感を抱かずにはいられないリディアに対し、生粋の貴族である従兄らもまたリディアのことを下賎な育ちの娘として見下し、家族として受け入れられない気持ちがあり、そりが合わず衝突してばかり。
その口喧嘩の様子は面白いといえば面白いけれど、一歩も引かず次から次へとぽんぽんよく言い返すリディアの応酬が気になった。
読む人によっては、そこがスカッとして気持ちいいと思うかもしれないが、私としては、憎まれ口をたたきすぎな感じで全く可愛げを感じられなかった。貴族の傲慢な態度を批判するのはいいけれど、そういう自分はどうなの?とイライラムカムカして、読み進めるのがきつかった。
でも、そんなイライラムカムカも、中盤からは徐々に消えていった。リディアという少女は良くも悪くもまだ成長途中の15歳の少女なのだ。そう気付いただけで、その可愛げのなさが、逆に可愛く思えてきたから不思議である。

 王都で初めてできた友人のために、一生懸命にがんばる姿はとてもよかったし、負けん気の強さもいい意味でストーリーに魅力を色づけしていた。また、この作品の重要な鍵を握る「古き力」を使って「彼」の命を救ったシーンでは、リディアの「どうして!」という叫びが胸に痛かった。後悔してもどうにもならない過去・・・口惜しくて口惜しくてたまらない気持ちが嫌というを伝わってきて、思わず涙が滲んだ。

 最後には、一番険悪な仲だった長兄の従兄ともお互いに一歩歩み寄れ、これからの人間関係はどう変化していくのか楽しみだし、「古き力」とリディアのペンダントの謎も大いに気になる。
まだ大きな謎を残したままだけど、ともあれシリーズ1作目としてはとても満足な、少女小説の醍醐味を感じる一冊だった。今はただ続きが待ち遠しい。
また、普段は少女小説なんか読まないという人にも「どうですか?」と思わず薦めてみたくなる。

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紙の本しろがねの継承

2005/11/14 09:32

王道だけど、女の子の憧れが詰まっている感じが良い

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この秋で創刊4周年を迎えた角川ビーンズ文庫は、まだ若いレーベルながら、数々のライトノベルレーベルの中で、最近最も躍進しているように感じる。
このビーンズ文庫は、10代後半から30代女性を読者対象として立ち上げられたレーベルで、ライトノベルは好きだけど中高校生向けではなく、もうちょっと大人向けなものがないものかと不満を感じていただろう特に20代半ば以上の女性の希望の星なのである。
作品の安定感も良いし、これからますます人気が出るんじゃないかと思うシリーズ作品もちらほらある。
国を守護する唯一の存在である「斎宮」となった少女の戦いと成長の物語である、この「星宿姫伝シリーズ」も個人的に推していきたい作品の一つ。なかなか世界構築が複雑なので、ちゃんと読んでいないと混乱してしまいそうになるが、それゆえに読みごたえもある。

 シリーズ第一弾である前作の『しろがねの契約』では心憎いほど上手な終わり方をしてくれたが、第二弾の本書でもその上手さを随所で見せつけてくれている。
今回は、主人公が「斎宮」として周りの人たちに認めてもらえるようになるまでのストーリー。まだまだ電源を入れたばかりの加速途中なので、これといって大きな動きはないが、それでも、父親と二人だけで旅生活をしてきたせいで人付き合いが下手な主人公の心の成長などが丁寧に描かれており、十分楽しめた。登場人物たちの台詞もなかなかぐっとくるものがあるので、どうかさらりと読み流さずに胸に留めて欲しいと思う。

 また、主人公本人の知らぬところで、次々と重大な真相が明かされていっている。それと同時に謎が謎をよび伏線だらけ。主人公が真実を知る時はいつか必ず訪れる・・・それを目の当たりにする時のことを思うとつらくなる。過酷というよりも残酷すぎる。そして、読者にも明かされていないあっと驚くような真実がまだまだ隠されていそうで、ますます目が離せない最後まで油断ならない匂いがぷんぷんする。

 さてさて、前作で読者の多くが気になって仕方なかっただろう、主人公の恋のお相手は結局誰なのかという件は、はは〜ん、なるほどなるほど、そっち路線でいくのね。と、片方の口の端をあげてにやりと笑ってしまった。巻末のおまけ漫画にもあるが、まさにトトカルチョな状態。いや、アンジェリークな状態とでも言えば分かりやすいだろうか。でも女性はそういうの結構好きだったりするので、まだまだ引き延ばして焦らしてほしい。

 読者に「続きが気になって仕方ない」と思わせることのできる作品というのは、シリーズ作品としての基本中の基本であり、それこそが上手な作品の条件の一つだと思う。この作品はそこをきちんとおさえているので、やっぱり上手だと思う。
虫食い状態のジグソーパズルのように、まだ作品全体の図が見えてきてはいないが、次巻あたりから大きな動きが見られるのではと思っている。
同レーベルの、『まるマシリーズ』や『彩雲国物語』、『少年陰陽師』と並ぶくらいの看板作品に成長してほしいと期待を大きくして願っている。

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幸せを運ぶのは「ガラスの靴」ではありません

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「無償の善意」という言葉を聞くと、一般的にはどんな印象を受けるものなのだろう?どこか綺麗事のようにしか聞こえなかった私は、この作品によって意識を変えられた。
 サンドリオンとはシンデレラのこと。
「世界一不幸な姫」とあだなされる王女サンは、継母の策略により島を追われ、船は嵐で転覆し……と、のっけから主人公の不幸度満点で始まったこのシリーズ作品も本書で5作目、そして、完結である。
作品舞台は、陸地のほとんどが水没し多くの人が海上で生活をしている未来の地球。ここでは海神たちが世界を治め、サンドリオンに限らず、白雪姫、青い鳥などなど、様々な童話を部分的に散りばめたユニークな冒険ファンタジーに仕上がっている。
 紆余曲折を経て、本書ではいよいよ島を乗っ取った継母であり現女王との決着の時を迎える。冷酷非道な継母から島を取り戻すことはもちろん容易ではない。味方にも、甘い考えだと言われても「誰にも死んでほしくない」の一点張りで主張を曲げようとしない主人公の”誰も死なない革命”の結末……なるほど、そうきたか!と、実にこの作品らしい決着のつけ方が、とても気持ちよかった。
 シリーズを通してずっと主人公の成長物語だと思い読み続けてきたが、実際幕を閉じてみれば、主人公の影響によって周りの人たちの心が変化していく物語だったように思う。
そして、この作品にはもう一人主人公がいた気がする。主人公の護衛のエスピオンだ。彼のための作品であったといっても過言ではないと感じるほどに、彼の背負った使命や、心の動きがツボで乙女心を刺激されドキドキさせられた。ね?女性読者の皆さん(笑)
 ただ、主人公があまりに純真無垢すぎるところや、童話要素が強いせいか、全体的にぬるさのようなものを感じてしまうことは否めない。でも、ぬるいけれど、クセになる心地良さのある作品だ。これからますます面白くなっていくだろう作品なのに、なぜここでシリーズ完結なのか。実にもったいないと思う。
 「無償の善意と真っ白な心」がテーマだったというこのシリーズ作品。
元々のサンドリオン(シンデレラ)の作者であるペローの『完訳ペロー童話集』の「サンドリヨン」の最後に、こういう教訓が書かれてある。
『美しさは女性にとってまれな財産、
みな見とれて飽きることはない、
しかし善意と呼ばれるものは
値のつけようもなく、はるかに尊い。
これこそ名付け親がサンドリヨンにさずけた賜物、
(中略)
美しいかたがたよ、この贈物は、美しく髪を結うことよりはるかに大事、
男の心を惹きつけ、目的をとげるには、
善意こそ仙女の真の贈物、
それなくしてはなにも出来ず、それあればすべてが可能。』
 サンドリオン(シンデレラ)は、ガラスの靴によって幸せになったのではない。どんな辛い目に遭っても他人のことを思う心を忘れなかったからこそ幸せを招き寄せることができたのである。
善意が善意を呼び、人と人の間に懸け橋を築いていく。本書では主人公・サンがその役割だったが、きっと誰もが懸け橋を築くことはできるのだと思う。
 この作品でいうところの、私たちが生きる”オールドアース(西暦の時代)”に、「無償の善意」はちゃんと存在しているだろうか。考えずにはいられない。

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寄宿学校が舞台。それだけでも読みたくなりません?

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ちょっとばかし、ひと昔前の少女小説の香りがあり、それがとても心地良かった。
 主人公は、日本人の母とイギリス人の父を持つ少女エリカ。両親亡き後、唯一の肉親である祖母に会うため一人イギリスへ旅立つも、両親の結婚を認めていなかった祖母に会うことさえ拒絶されてしまう。けれど、一つだけチャンスを与えられ、ある条件付きで全寮制の女子校に入学することに。
 著者曰く、「ボーイ・ミーツ・ガール&青春少女小説として楽しんで頂けたら」だそうで、同著者の「伯爵と妖精シリーズ」とはまた全然違った雰囲気ながら、続きを期待したくなる面白さは十分にあった。
 ただ、主人公にあまり魅力を感じなかったことが残念。学校の皆からあれほど好感を持たれている理由が今ひとつぴんとこない。真っ直ぐな心を持った勝気なヒロイン・・・いわゆる”じゃじゃ馬”なタイプのヒロインは少女小説には付きものかもしれないけれど、飽食気味で印象に残りづらい気がするのは自分だけだろうか。この主人公にしかない、もうプラスアルファ何かあればぐっと魅力もアップしたのに、もったいなく感じてしまう。
 とはいえ、ちょっとした不満点はそれぐらいで、時代設定が19世紀の半ば以降のイングランドであったり、男子校に併設した寄宿制の女子校が舞台だったり、ページから醸し出される雰囲気はとてもいい。謎解きの要素もあってとても面白かった。何よりも、”少女小説”を読んだ〜!という満足感を与えてくれる作品でした。
 それにしても、寄宿学校が舞台というだけで、わくわくした気持ちになるのはなぜなのでしょうね。『小公女』に『あしながおじさん』に『”ハリー・ポッター』・・・まだまだたくさん。久しぶりに読み返したくなってきたわ。

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紙の本しろがねの誓約

2005/08/15 16:47

巧いなあ。こんな終わり方されたら、続編を読まないわけにはいかないよね。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

挿絵付きの小説を読んでいて、絵が邪魔に感じることはないだろうか?
ストーリーはとても好きなのに、挿絵で気分を削がれるということが私はたまにある。
なので、ライトノベルをはじめとする挿絵も売りな小説では、本選びに慎重になってしまう。
酷なことを言うようだが、本書は表紙の絵に魅力を感じなかったので、最初は読むつもりがなかった。
けれど、あらすじを読むとなんだか面白そうではある。
悩んだ末に結局読んでみたが、予想以上に面白く、読んで良かったと思えた。
そして驚かされたことが一つ。
表紙の絵の雰囲気と、中の挿絵の雰囲気が全く違うではないか。
特にヒロインは同一人物だとは思えず、何度も見比べてしまった。
自分としては、挿絵の方には好感が持てるだけに、どうしても表紙で損をしているように感じてしまい、そこが悔しい。
もし自分と同じように表紙で躊躇ってしまった人がいたなら、杞憂なので読んでみてと言いたい。
ストーリーは、国を守護する唯一の存在である「斎宮」となった女の子の戦いと成長の物語といった感じだろうか。
そして、「斎宮」を守る四人の青年騎士、命を狙う敵や他にも謎の多い個性的かつ魅力的な人物が複数人登場する。
ストーリーも登場人物も、女の子うけしそうな要素がたくさんのファンタジーである。
本書は、とりあえずメインキャラたちの顔合わせといった感じで、あきらかに、”続編出ますよ”って含みを残したまま終わっている。
特に最後の展開はあまりにも予想外でとても驚かされた。
いったいどういうことなんだと気になって仕方がない気持ちにさせる、この展開の持っていきかたが巧くて心憎い。
気になる伏線満載のまま、この一冊でもうお腹一杯ですとやめられる人はそういないだろうと思う。
さらに裏表紙のあらすじの最後には、”恋と戦いのファンタジー”と書かれてある。
けれど、読者の多くは思ったことだろう。
戦いは分かる。けれど、結局ヒロインの恋の相手は誰なんだと。
表紙などからして、読み始めの時点では、てっきり蘇芳がお相手かと思っていたが、話が進むにつれ一概にもそうとは思えなくなってきた。
そういう気になる部分も全部、続編をお楽しみにということなのだろう。
読者の全ての期待がかかっているその続編は、嬉しいことに近々発売されるもようである。
久しぶりに続きが気になって仕方がないという作品に出会えたことが嬉しい。
発売日を指折り数えて待つとしましょう。

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紙の本A戦場のプリンセス

2005/08/15 16:42

本来の「少女小説」らしさがあって良い

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もう少し重厚な作品を想像していたけれど、だいぶあっさり軽めな感じだった。
だからといって期待外れだったというわけではなく、読後感もさっぱりしていて良かった。
謎の「あしながおじさん」の援助を受けながら弟3人と暮らす頑張り屋の少女ハルが主人公。
援助を受けているとはいえ貧乏生活には変わりがなく、ハルは王宮で王子付きの女官として働くことに。
王子エリックの命が狙われる陰謀があったり、「あしながおじさん」は誰なのかという謎があったり、頭の中で推理しながら楽しく読むことが出来た。
とは言うものの、最初はどうしてもこの世界設定に馴染めなかった。
クレメールという惑星が作品の舞台なのだが、この惑星というのが、なんとまるごと遊園地な世界なのである。
要するに、ディズニーランドが一つの国として成り立ってるようなものなのである。
これに戸惑いを感じずにいられる人が果たしているだろうか。
けれど、前半はちょっと退屈だったものの、後半はなかなかスピーディーな展開で楽しめたし、読み終える頃にはこの独特の世界にも違和感を感じなくなっていた。
全体的に、今ひとつ物足りなさが残るものの、今時としてはちょっと珍しいタイプの、実に少女小説らしい作品で、ほんわかさもあって良かった。
最近は過激な少女小説が多いので、こういう作品を読むと少しほっとする。
続きが出るものなのか不明だが、出てくれるといいなと思う。

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紙の本王子様は犬!

2005/11/14 09:28

一度飼ったペットは最後まで面倒をみるべし

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ファンタジー好きな女の子たちのさらに好きなジャンルに、「異世界迷い込み」または「異世界召喚」というものがある。
現代の少女(少年)が地球とは違う他の世界に迷い込んでしまい、その世界で試練に立ち向かうといった感じの内容のものだ。
この手の話はかなり人気が高く、自分のサイトで自作の小説を発表している女の子たちの実に多くがそれを書いており、またそのファン読者も多い。
 本書も女の子が大好きなその異世界迷い込み系の話である。
格闘技大好きな女子高校生が一年前に拾った犬は、実は魔法をかけられていた異世界の王子様で、その王子のいざこざに巻き込まれて異世界へという話。
タイトルから推測する限りコメディ色が強いかと思っていたけれど、案外正統派だったことがとても意外だった。
ただ、目新しさがなく普通な展開なところが残念。個性の強い登場人物がそろっているのに、その個性を存分に発揮させきれないまま終わってしまった感じがする。もう少しエピソードやらいろいろ付け足し、いっそのこと続きものにすれば良かったのにと思う。どうも物足りなさを感じていけない。
 けれど、読み心地は結構良かったりする。
馬鹿馬鹿しいと苦笑しながらも、ノリがいいのでツッコミを入れながらも楽しく読むことが出来た。
そして、拾った犬が実は王子様だったなんて、一見使い古されたネタのようだが、いやいや、どっこいそうではない。
本書は王子様が「犬」なところに大きな意味を持っている。決して安易に決められた設定ではないはずだ。
きっと作者は動物が大好きな人なんだろうと思う。そして捨てられたり保健所で処分される動物たちに胸を痛めている優しい人なのだろう。本書からそれがひしひしと伝わってくる。

 一度飼った犬は何があろうと最後まで面倒を見なければならない——これに集約される、動物愛護のメッセージも込められた決して後味は悪くない作品だ。

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