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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

あうさんのレビュー一覧

投稿者:あう

81 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本魔法使いハウルと火の悪魔

2005/01/09 03:01

二度読みがおいしいです。おおらかさが気持ちのよいファンタジー。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 なんておおらかで、のびのびとしたファンタジーなのでしょうか。まるで伸縮性に富んだストレッチ素材で出来ているかのようです。この冬にスタジオジブリが映画化したことでもすっかり有名ですね。原作本ではあるけれど、映画とは設定から話からだいぶ違っているので、別物として楽しむことができます。

 「三匹のこぶた」、「シンデレラ」、「金のがちょう」、「長靴をはいた猫」などなど、広く世に知られている童話たちには、幸せを手にしたり、成功したり、得をしたり、最終的にいい目を見るのは末っ子で、上の兄弟はうまくいかないというお話が多々あります。18歳の主人公のソフィーは三人姉妹の長女。彼女は、「長女は何をやってもうまくいかない」というこの昔話のパターンを頑なに信じていて、何に対しても最初からあきらめムードで消極的。そんな彼女はある日突然、荒地の魔女に呪いをかけられ90歳の老女の姿に変えられてしまう。家族を驚かせたくなく人知れず家を出た彼女は、悪名高きハウルの城へと入り込んでしまい、掃除婦として住み込みむことに。

 ソフィーは90歳の老女になると、見た目とは反対に元気はつらつとします。元気なだけでなく、寛容、偏屈になった気がしないでもないこの元気なソフィーおばあちゃんがとても魅力的に見えます。また、わがままで自惚れやで甘ったれた、でも時々優しさの片鱗を垣間見せたりと、つかみどころのない青年ハウルも、読み進め本当の姿が見えてくる毎に魅力が増していきました。他の登場人物たちもそれぞれに役割りがきちっとしており、個性豊かで味があって実にいいです。それとなくお互いに欠点を補い合っているところも素敵ですね。登場人物たちとストーリーがぴったり融合して、この作品の世界をうずたかく構築しているということを、ありありと感じました。

 結構あなどれない作品で、気楽に読み流していると危うく読み落としてしまう大切なポイントがいくつかあったりします。かといって、あえて構えて読む必要もありません。ハウルと火の悪魔カルシファーの契約とは何か? ソフィーの呪いは解けるのか? ハウルはソフィーの呪いにいつ気が付いたのか? 二人の恋愛は? などなど、全ての疑問・謎が解けた後、もう一度最初から読み返すと面白さ倍増です。私は謎だらけで読み進めた一度目よりも二度目の方が面白く読めました。二度目の方が面白い本なんてそれだけで魅力的な本です。戦い、試練、恋愛といろいろな要素がふんだんに盛り込まれていて本当に隙間の見えないくらいぎゅうぎゅう感でいっぱいです。そして、最後のシーンが爽やかで微笑ましくて最高に好きです。

 そして、噂や迷信ほど当てにならないものはないと改めて思いました。ハウルも町の噂で聞くような悪人ではなかったし、長女のソフィーにだって特別な力がありました。自分の目と身を持って真実に出会うことが大切だし、幸せに近づける一歩なんだということも、この本は語っているのでしょう。「どうせ○○だし」と負の既成概念に囚われ、行動する前からあきらめてしまうなんてきっと勿体ないこと。ソフィーのように“運だめし”に出かけてみる勇気をいつも持っていたいと思わせてくれる作品でした。

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紙の本小惑星美術館

2005/11/28 22:55

「地球に守られている」ということに感謝の心を

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 何度読んでも淋しい気持ちになり、とめどなくなく涙があふれてくる。けれども、最後にはほんのり温かな気持ちをくれる物語です。だから、淋しくなり泣くはめになることが分かっていても最後に訪れるあのじんわりとした温かさを感じたくて何度も読み返してしまうのかもしれません。
 12歳の少年ユーリは、遠足の朝、オートバイにはねられて広場の”銀河盤”に衝突する。気が付くとそこは、風景も友達もそっくりだけど自分が知っている地球とは異なった世界だった。その世界の「掟」として「小惑星美術館」へ行くことになったユーリがそこで見たものは——。
 「小惑星美術館」とはいったいどんな所なのか? なぜ12歳の子供たちはそこに行かなければならないのか? 好奇心にかられる謎だらけで前半はとにかくドキドキワクワクで、先が気になって仕方ありませんでした。でも、この世界の謎、訴えかけるものが何かが見えてきた途端、今度は逆にまるで尻込みをするように先を読むのが怖くなりました。いつしかワクワクな気持ちは完全に消え去り、ドキドキな気持ちだけが残るなか、やがて見えてきたものは誰もが漠然と感じているだろう未来の世界の姿。悲しいような切ないような気持ちがどっと押し寄せてきて涙が止まらなくなりました。
 この物語は、地球の声が聞こえなくなった私たち人類への警告なのでしょう。 人間が今の生活を続けていく限り地球はどんどん傷ついていきます。分かっているのに一度起こった流れはなかなか変えられるものではありません。それでも、一刻も早く私たちはいつの間にか忘れてしまったものを取り戻さなければならないのです。地球が夢を見るのをやめてしまう前に。
「地球を守る」ということよりも先に、「地球に守られている」ということを知り感謝する心を持つことの大切さを教えてくれた本書。地球に住む多くの人の手に渡って欲しいと願わずにいられません。今ならきっとまだ間に合うから。

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紙の本フランダースの犬

2005/04/25 00:39

パトラッシュの心情が胸を打ちます

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

画家になることを夢見る貧しい少年ネロと、彼と共に育ち、生涯を共に生きたフランダース犬パトラッシュの悲しくも胸を打つ物語です。
なんて救いのない悲しい物語なのか……。それでも読んでよかったと思える名作です。日本ではアニメですっかり有名ですね。話の流れとしてはアニメとだいたい同じですが、ちょこちょこ微妙に違いがあり、例えば原作ではネロは15歳でアロアは12歳と結構年齢が高かったりします。
私は子供の頃にアニメで見て以来、ずっとそのタイトルに疑問を持っていました。どうして“フランダースの犬”なんだろうと。主役はネロなんだから、“フランダースのネロ”とか、“アントワープのネロ”とか、いっその事“ネロとパトラッシュ”とした方がよほどしっくりとくるのに。パトラッシュの役割はたしかに重要だけど、このタイトルには常に違和感がありました。
でも、大人になって原作を読んでみて、やっと私のこのひねくれた疑問が解かれました。原作では、全体的にパトラッシュの心情を軸にお話が進んでいっているんです。そして、それがこの作品の魅力となっていて、不思議な読み心地になっています。パトラッシュの心情が描かれていなければ、この作品はただ暗く悲しい思いだけを心に重く残すような作品になっていたと思います。
過酷すぎる運命、ネロとパトラッシュの強い絆、とにかく泣けます。アニメでは二人が一緒に過ごした時間はたしか1、2年位だったと思いますが、原作ではおよそ12、3年を一緒に生きたものと思われます。そのことからも絆の深さは計り知れないです。そして、やっぱりパトラッシュの心情がもっと涙を誘います。
救いのない悲愴な物語ですが、パトラッシュの心情のせいか、まるっきりアンハッピーエンドとも言い切れないものを感じます。
ちなみに私がこの作品にタイトルをつけるとするなら「それでも幸せだったフランダースの犬」かな。センスないですか?(笑) なぜ幸せなのかは、是非本書を手に取りパトラッシュの気持ちを感じて欲しいなと思います。
新潮文庫版もお薦めですが、子供たちが読むには字が小さく多少の読みづらさもあるので、途中で嫌になって投げ出してしまうかもしれません。もし親子で読まれるのなら大人も子供も読むことができる本書が無難かと思います。アニメとはまた違った感動を味わってみてください。
同時収録の「ニュールンベルクのストーブ」の方は、「フランダースの犬」よりも快活さのある面白い作品です。「フランダースの犬」で暗くなってしまった気持ちを盛り上げてくれる効果もあります。

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心温まるストーリーに感動

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 心から大好き、出会えてよかったと思える本があるというのはなんて幸せなことなんでしょう。もう17巻目になるこの漫画は、これまでに何度感動に震える心のまま本ごとぎゅっと抱きしめてきたか数え切れません。
 物語の舞台は1870年代のイギリス。牧師の父を亡くし、家庭教師として働くために田舎の村から大都会ロンドンへ出てきた少女ベルの物語です。ロンドンに出てきて早々にとんでもない事件に巻き込まれた彼女を救ってくれたのが、出版社オーナーのノエルと、侯爵令嬢のエセル。二人との出会いがベルの人生を変えていくことに。
 この作品をより面白くしているのは、侯爵令嬢であるエセルが実は男という設定。男装の麗人の逆なわけです。救貧院にいた幼い彼を引き取り女の子として育てた侯爵。そこには深い理由と彼の数奇な生い立ちが隠されているのだけれど、今回は読者全員が気になって仕方なかったそのアージェント(エセル)の出生の秘密が明かされている。
読者だけでなくアージェント自身も初めて知る自分の隠された秘密。本当の両親は誰なのか?どうして彼は救貧院で育ったのか?その真実に涙が後から後からあふれて止まらなくなりました。
運命の悪戯なんて言葉では片付けられないような、人から見たら不運としか思えない残酷な運命。でも彼は言う、自分は不運なんかじゃないと。
ベルもノエルもそうだけど、彼らはなんて心が強いんだろうと思います。つらいことも全部含め、今日までの自分を作り上げた全ての過去をこんなふうに受け止められる強さにとても惹かれます。
 男性として、作家として、もう一つの人生も歩み始めたアージェント。女装を続けるのも限界の年齢になりつつあり、侯爵令嬢エセルとしての人生に終わりを告げる日も近そうで、彼はこの先どうなってしまうのか、主人公のベルのこと以上にとても気にかかります。
また、最大の謎ももう一つ残されているし、まだまだびっくりな展開が待ち受けているようで、先が読めない展開にドキドキします。
ただ分かることは、どんな展開になっても最後には心を温めてくれるだろうということだけ。その温かさを求めてこれからも読み続けたい作品です。

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紙の本モモ

2005/11/28 22:52

時は命であり、命は心にある

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 なんて素敵な物語なんだろう。本を静かに閉じながら、心が震えそうなほどにそう思いました。
エンデの作品はまだそんなにたくさん読んだことはないけれど、いつもはっとさせられるような作品ばかり。不思議な少女モモが時間泥棒から人々の時間を取り戻す物語である本書もまたそうで、心から読んでよかったと思える作品でした。それと同時に、学生の頃によく「世の中はなんでこんなに急ぎ足なんだろう」と思っていたことを思い出したりもしました。
 もっとも印象的だったのは、モモが時間の源で、輝くばかりの美しい大きな花を見た場面です。その時私たち一人一人の心に思い描かれた花は、それこそがきっと自分だけの時間の花なのでしょう。その花を決して手放したくないと強く思いました。私は本書を大人になってから初めて読んだので、子供の頃に読んでいたらまた感想が違っていたんだろうなあと思うとちょっと悔しいかも。
ずいぶんと哲学的な内容で、時間に縛られ追われて生きている現代の人々へのメッセージ、合理化の社会に訴えかけるものを強く感じました。人生で本当に大切なことは何かをもう一度見つめなおすきっかけになり得る本で、きっと何度でも読み返していける作品だと思います。
 以前聞いた話ですが、エンデが生前に日本を訪れた時に書き残した言葉に「時は命であり 命は心にある」というものがあるそうです。『モモ』はまさにこの言葉が込められた作品なのですね。私の胸にもしっかりと刻み込まれました。子供たちはもちろん、子供の頃に読んだ大人たちから、私のように子供の頃に読み忘れた大人たちまで皆に読んでほしい名作です。

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紙の本画家の手もとに迫る原寸美術館

2006/05/01 17:30

名画への印象が変わる斬新な画集

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 美術館や展覧会場などで名画を前にした時に、「こんなに大きな作品だったの!?」とびっくりした経験はないでしょうか。
 本書は、教科書や画集の縮小された大きさで見慣れてしまっている私たちに、それに似た驚きを与えてくれる、今までになかったタイプの斬新な画集です。ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ゴッホ、ワイエスなどなどルネサンス期を象徴する名画を中心とした画集ですが、他の画集と大きく違う点は、縮小した全体図だけでなく、部分的にどーんと原寸大で載せてあることです。かなりの迫力とともに、絵の具の匂いまでもが漂ってきそうな臨場感を味わうことができます。今まで見知ったつもりでいた名画たちは、いったいなんだったのだろうと思うほどに衝撃的で、はっきりいって、やられました。
 私は自分でも絵を描くせいか、絵を鑑賞する際には特に筆のタッチがとても気になります。あの服の質感はどのように筆を滑らせたんだろう、あの部分の色は何色と何色を重ねているのだろうと。美術館では、実際に絵に顔を近づけたり、そこから少しづつ離れて、なるほど、ああいう風に塗ればこういう風に見えるんだと感嘆の溜め息をもらし勉強になったりもします。でも、他の鑑賞者がいたり、また有名な絵などは近づいて観ることのできない場合が多く、心残りのまま美術館を後にすることもよくあります。特に本書に載っている名画などは、実際に目にする機会もなかなか巡ってこないものばかり。無論、顔を寄せて見るなんてことは一生できそうにありません。それが本書では可能で、筆のタッチはもちろん、劣化具合までもよく見ることができます。
 もちろん実際に生で見る絵にはかなわないのかもしれませんが、それを差し引いても、印刷物としての限界にまで迫った凄い本だと感じます。名画たちそれぞれに抱いていた印象ががらりと変わってしまうかもしれませんよ。
 また、絵は照明一つでも印象が変わってしまいます。私は自作の絵が大きな会館に飾られた経験がありますが、ホールの照明の中に飾られた自分の絵は、びっくりするほど印象が違っていました。自分の絵なのに自分の絵でないような不思議な感覚に包まれて戸惑いを感じました。きっと美術館のような明るい照明の中で実際に描かれた作品は、名画の中には無いのではと思います。私たちが見ている絵と画家自身が見ていた絵は違うのかも。今度は画家自身が見ていただろうアトリエなどの明るさに焦点を当てた画集があれば読んでみたいなと思いました。

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紙の本雲のてんらん会 新装版

2006/02/07 19:51

空という舞台に雲たちの物語が広がっている

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 毎日私たちにいろいろな表情を見せてくれる飽きることのない空。見上げるたびに、やっぱり地球で一番綺麗な芸術だと感じます。
 そんな私は、日記代わりに毎日空の写真を撮り続けて三年が過ぎました。これまでにいろんな空に出会ってきたけれど、なかでも青空を背景に白い雲が風に流されている空がとても大好きです。そんな空にめぐり会えただけで、その日はラッキー☆と嬉しくなります。反対に、いくら青空でも雲一つない空はどこか寂しく感じてしまったりもします。
 画集にも似た本書は表紙に惹かれて即購入し、今では宝物のように大事にしている絵本です。作者のいせさんの目には雲はこういうふうに映っているんだなあと感慨深く、また、柔らかで透明感ある絵と言葉で温かい気持ちにもさせられました。
特に表紙にもなっている「空の牧場」というタイトルの絵がとてもいいなあと思います。可愛いもこもこひつじたちの群れ・・・ひつじ雲をこんな素敵な絵として表現されていて(群れの中に一匹だけ犬がまぎれているところも素敵)、写真集などとはまた違った魅力にあふれています。
 空に興味のある人はもちろん、最近お疲れで笑顔を忘れそうになっている人にも手にとってもらいたいなと思うような絵本です。空の、雲の魅力をたっぷり感じさせてくれ、本を閉じた時には「空好き」ならぬ「雲好き」になっていることでしょう。そして心もすっきりリフレッシュできると思います。
会話をするように見上げる空。明日はどんな雲が見られるかな。

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紙の本365日のスプーン

2006/01/16 08:25

毎日のスプーン一杯分の幸福計画

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 やわらかな絵と文による「絵の本」を作っているおーなり由子さんの本は、本当にいろんなことに気が付かせてくれる魔法のような本。なんてことのない普段の生活に柔らかな明るさと彩りをくれます。
 これまで出版されたおーなりさんの本の中で一番分厚いと思われる本書は、ホームページで毎日連載していた「いちにちスプーン」を書籍化したものです。その日を幸せに過ごすための、幸福の素となるスプーン一さじ分のちょっとした言葉が365日分書かれてあります。自分にとっての特別な記念日のものを選んで読むのもいいし、ランダムにページを開いてみるのもいいと思います。私は元旦から一日一ページずつ読もうと思っていたのに、我慢できずに既に365日分全部読んでしまいました。でもスケジュールを確認するように、毎日寝る前に翌日の一さじ分の言葉を確認したりしています。
特別難しいことなど何も書かれていません。けれど、決して彼女にしか書けない言葉たちは、ぽいっと口の中に放り込みたくなるお手軽なキャンディーのようです。イラストは全て描き下ろしなので、ホームページ連載分とはちょっとだけ雰囲気が違っています。もちろんどちらも甲乙つけられないくらいに素敵です。
 また、優しくも力強いあとがきの言葉にも、だから私は彼女の作る本が好きなんだと改めて感じ、じーんと温かな気持ちになりました。幸せは待っていても向こうからやってくるものではありません。幸せに過ごしたいと願う気持ちと、そうするにはどうすればいいかと自分なりに考え自分なりの幸せ計画を持つことが大切なんだと教えられた気がします。こういう本に助けられながら、つらいことものなんのそので、毎日を幸せに過ごせる術をちょっとずつでも身に付けていけたなら素敵だなと思います。

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紙の本だららん日和

2005/02/17 02:13

ほっこり癒し効果バツグンです。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 キャラクターグッズも大人気の、リラックマのメッセージ絵本の第二弾です。

 自分としては日々ストレスをためない生活を送っているつもりですが、こういう本に出会い癒されるなぁと感じると、気が付かないうちにこんなに疲れがたまっていたんだと気付かされたりします。

 リラックマは、OLのカオルさんの家にある日突然住みついた着ぐるみのクマ。動くことが嫌いでいつもごろごろリラックスしているその姿は思わず表情がゆるんじゃうくらい可愛いです。これ以上のリラックスはないというほど、全身でリラックスを表現しています。背中のファスナーも妙に気になるところです。リラックマのリラックスしている様子を見ていると、なぜかこちらも肩から力が抜けてリラックスできるから不思議なものです。第二弾の今回は、ツッコミ役のキイロイトリの他に、コリラックマという小さな子グマが新たに登場したりもして可愛さ倍増です。

 どこのページから開いても大丈夫なので、気楽に読むことができます。古いわけじゃないけど、どこか懐かしさを感じるクマさんのイラストは、子供から大人まで年齢を問わずに受け入れられるキャラクターだと思います。

 イライラしたり、疲れを感じたりした時はリラックマと一緒にリラックスしてみませんか。きっと、どんなビタミン剤やドリンク剤よりも効果バツグンです。

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懐かしい国語の教科書。「チックとタック」にまた会えて感激。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 小学校の国語の教科書、何気に、あのお話また読みたいなぁと思うことが多い私にとってはまさに念願の本でした。

 光村図書といえば、国語の教科書を作っている会社として有名。私自身も小学生の時にお世話になりました。そんな光村図書が嬉しい本を作ってくれました。昭和46年度から平成12年度までの国語の教科書の中から選りすぐりのお話を集めた全18巻の作品集。本書はその第1巻目です。 「だれにあえるかな」工藤直子、「春の子もり歌」平塚武二、「花いっぱいになあれ」松谷みよ子、「チックとタック」千葉省三、「力太郎」今江祥智という、小学校低学年用の5作品が収録されています。

 なかでも私が一番読みたかったのは「チックとタック」です。実はこの作品読みたさで本書を購入しました。おじさんの家のボンボン時計の中に住むこびとが夜中に出てきていたずらをするお話です。この作品は現在では教科書で使用されていないらしく、本書以外では、赤木かん子さん編集の『おはなしのおもちゃ箱(2)』(「チックタック」という題名で収録)でしか読むことができないようです。

 「チックとタック」もそうですが、「花いっぱいになあれ」、「力太郎」もお話はもちろん、挿絵も教科書で見たそのままで感激しました。 本当に何もかもが教科書で見たそのままなんです。懐かしい以上の感動を味わわせてもらいました。私同様に懐かしくて読みたいと思う方は是非手にとってみてください。本当に感激しますよ。

 それにしても、こんなに子供心をくすぐる素敵な作品たちが教科書から消えていくなんて、ちょっともったいないですね。 だからこそ、こうして本として発売されたことがとても嬉しいです。家庭での教科書として、自分の思い出のお話を子供と一緒に読んでみたりするのもいいと思います。そして、全18巻とはなっていますが、1巻ずつのばら売りもされているところがまた嬉しいです。

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紙の本新編銀河鉄道の夜

2003/06/30 03:10

未完の名作

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 最愛の妹・トシの死から長い沈黙の後、静かに書き始めたといわれる名作「銀河鉄道の夜」。なぜか夏が近付くと思い出したように読みたくなるのは私だけでしょうか。何度読んでも、初めて読んだ時と変わらず、ひんやりとした手で心をひと撫でされたような感覚に包まれると共に、透明感がありすぎて泣きたいような気持ちになります。

 大事な友人カンパネルラとどこまでも一緒に行きたいと思うジョバンニ。けれど「死」という別れはどうすることもできません。生まれてきた者皆が、例外なくいつかは迎える「死」——分かっていても辛いものです。また、このジャバンニとカンパネルラ二人の少年の友情と別れの物語には、賢治のトシへの想いと願いが強く込められているのを感じるだけに、余計に切なさが込み上げてきます。地上に残されたジョバンニは、友の死を受け止め、悲しみを乗り越えて生きて行かなければなりません。それは賢治自身も同じだったと思います。賢治のトシへの想いは、賢治が生前に刊行した唯一の詩集『春と修羅』を読むと痛い程に伝わってきます。「銀河鉄道の夜」を読む時には是非、併せて読んで欲しいです。きっと、この作品が生まれた理由が分かります。

 「本当の幸い」を探し求めることを決意し、夢からさめたジョバンニ。彼の持っていた切符は、きっと生きている者だけが持つことのできるものだったのではと思いました。生きているからこそ未来へ向かって歩けるし、「本当の幸い」も探し続けられる。どんな方向にも進める可能性を持つ生きている者だけが持てる切符。それは、ジョバンニだけでなく、きっと私たちのポケットにも見えずとも入っているのかもしれません。そう考えるとほんのり温かい気持ちになります。

 三度も推敲を重ね、でも結局は未完成のままになってしまったこの作品。もしかしたら賢治はまだまだ書き直したかったかもしれないんですよね。どんなに望んでも、完成した「銀河鉄道の夜」を読むことができないことだけが、とても残念でなりません。 宮沢賢治という人は本当は何を書こうとしていたのか、何を残したかったのか、その瞳の先に何を見つめていたのか、知りたいことは尽きません。

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紙の本ハツカネズミと人間

2010/10/27 19:53

胸をえぐられるような名作

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 思い出しただけで涙が零れそうになる作品との出会いはそんなに多くはありません。
それだけに、本書は大切にしたくなる一冊です。

 小柄だが頭はきれるジョージと、とても大柄だが頭の弱いレニー。農場を渡り歩く底辺労働者である二人の男の物語です。
貧しい生活を強いられながらも、彼らはささやかな夢を持っていました。夢を語り合う二人の姿はキラキラと幸せに満ちていて、読んでいるこっちまでも自然と笑みがこぼれるほど。
けれど、裏表紙のあらすじから悲劇が待ち受けていることは最初から分かっていたので、きっとその夢は現実にならないのだろうと感じるだけに、読み進めながら胸が痛みました。

 レニーは気が弱く優しいが幼児ほどの知能しかないために、度々やっかいな問題を起こしてしまう。その度に彼らは逃げるように農場を移っていかなければなりません。
ジョージはレニーを怒鳴りちらし愛想を尽かすも、結局は面倒を見ずにはいられない。レニーにジョージがいなければならないように、ジョージにもレニーが必要な存在なのです。
二人のこの絆が素敵だと感じれば感じるほど、後に訪れる悲劇には涙が止まりませんでした。
ささやかな夢を描きその日その日を精一杯生きていただけの二人なのに。最後にそれを選択せざるを得なかったジョージのつらさが胸をえぐります。

 世界に馬の合う人ばかりだったらきっと何の問題もなかったはず。けれど、世の中にはいろいろな人がいてどうしても関わって生きていかなければなりません。そして人と人が出会うと様々なことが起きます。いいことも、悪いことも、不条理なことだって……。

 久しぶりに満点の本に出会った気分。つらいし、遣り切れなさでたまらなくなりますが、それでも出会ってよかったと思える作品です。
一緒に働く仲間の男性と彼の老犬の存在にとても深い意味があったことに、再読して気が付きました。盛り込み方が自然で素晴らしいですね。

 一軒の小さな家と農場を持ち、土地のくれるいちばんいいものを食い、ウサギを飼って暮らす――
私の脳裏に焼きついた彼らの幸せが詰まった夢の光景は、この本を開く度に鮮やかに蘇るでしょう。
スタインベックの作品は、この作品も含め、『エデンの東』や『怒りの葡萄』など映画の方が有名な印象がありますが、本も素晴らしいよと言いたいです。
中学生くらいの若者から大人まで多くの人に読んで欲しい名作です。

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紙の本空のうた

2006/01/16 08:30

もっと空が好きになりました。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 青空の写真を背景に、落書きのような犬の絵がぽかりと浮かんでいる表紙。ページをめくれば空をめぐる絵と写真と言葉がお互いを引き立てあいながら寄り添っています。しかも嬉しい全ページカラー。装丁からどこもかしこも素敵で、いつも側に置いておきたくなります。
 そんな詩画集のような絵本のような本書は、焼きたてのふわふわのシフォンケーキの上に、オレンジソースをとろりとかけた瞬間のような幸福感にあふれています。絵も言葉もただただ優しく心に染み渡ってきます。
 たとえば、「空のいいところは?」そう聞かれたとしたら、あなたならなんて答えますか? 著者のおーなりさんは本書の中でこんなことを言っています。
 『泣いているときも/笑ってるときも/だらけてるときも/
 いじわるなこころでいるときも/だれかを好きでいるときも/
 空はいつも空のまま/それが空のいいところ/
 たいていどこからでも見られる/それも空のいいところ』
なんだか嬉しくなりました。
 この本の間に、”しおり”のように挟まれていたい気持ちになります。

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紙の本つめたいよるに

2005/09/12 10:02

心地いいくらいにみずみずしい

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

初めて読んだ時の目からウロコの感動が忘れられません。
全21編からなるショートショートのような短編集ですが、最初に収録されている作品「デューク」の第一行目でもう既に心をつかまれてしまいました。”泣く”ということを、シンプルなのにこれ以上ないほどの的確さであんなふうに表現するなんて、鳥肌が立ちそうなほどの衝撃を受け、心惹かれました。
その「デューク」はやっぱり本書の中で一番好きな作品で、愛犬デュークが亡くなり悲しみに暮れる中、主人公が不思議な少年に出会うという話です。たったの8ページの作品だけれど、心に深く刻まれるとても素敵なファンタジーです。
「デューク」に限らずどのお話も、本当に表現に困るほど不思議な読み心地です。その読み心地のよさに、なぜだか涙がほろりとしました。感動からなのか自分でもよく分からないけれど、心のどこかがふるふると振動するのを感じ、もしかしたら自分はこんな作品にずっと出会いたかったのかもしれないと思いました。
ある時はアンデルセンの童話のようだと思ったり、小川未明の童話を読んでいるような気分にも似ていると思ったり、でも全然違うような気もしたり……。どこか非現実的なものを含んだ作品たちは、まるで白昼夢を見ているかのようです。
光の当てぐあいでキラキラと色や輪郭を微妙に変えるガラス細工にも似て、瑞瑞しいってこういう作品のことをいうんだと知りました。

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紙の本アンジュール ある犬の物語

2005/04/15 00:31

絵の持つ力に圧倒される

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

犬が大好きな私は、犬の絵本ということだけで何気なく手に取ってしまい、その中身の突出さに、当初はとんでもない絵本を読んでしまったと思ったものです。
「アンジュール」とはフランス語で「ある日」という意味。言葉が一切なく、鉛筆デッサンだけで綴られている特異な絵本です。しかも、いきなり一匹の犬が車の窓から捨てられる場面から始まるんです。走り去る飼い主の車を追う犬、でも追いつくことはかなわない。どんどん遠ざかり小さくなっていく車。絶望感に襲われる犬の姿が痛々しいです。言葉は一切無くても、読み手には犬の気持ちが手に取るように伝わってきます。
無駄なものは何一つ描かれておらず、ただ伝わってくるのは犬の孤独感だけ。最後にはハッピーエンドを匂わすような場面がありますが、でも笑顔にはなりきれないものがあり、その後について想像をかきたてられます。
絵の持つ力を再認識させられる強く記憶に残るシビアな絵本です。

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