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レビューアーランキング
先月(2017年4月)

朝ぼらけさんのレビュー一覧

投稿者:朝ぼらけ

5 件中 1 件~ 5 件を表示

最後には涙がぽろり。爽やかな感動をくれました。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 年末恒例の『このマンガがすごい!』や他所でのランキングの結果がどうであれ、私のなかで今年NO.1は、このマンガです。これだけは誰になんと言われようとも譲れません。
 4編の作品が収録されており、それぞれに味がありますが、なんと言ってもダントツに良かったのは表題作です。なんて幸せな気持ちにさせてくれる作品なのでしょうか。読後もしばらく余韻に浸ってしまいました。
タイトルから推測がつく通り、ジーン・ウェブスターの名作『あしながおじさん』を原作とした作品で、舞台設定を昭和初期の日本に変えて描かれています。
 孤児院で育った少女”いつき”に思いがけず援助の手が差し伸べられ、女学校に進学できることに。そのための条件は、月に一度手紙を書くこと。顔も分からない謎の親切な賛助員”あしながおじさん”に想いを馳せながら女学校生活を送る少女の物語です。
 素直で生き生きとした、いつきの性格をそのまま写し取ったような手紙の可愛らしいこと。いつきの手紙に対する、あしながおじさんの反応も楽しく、時にくすっと笑ってしまうような場面も。シリアスの中に散りばめられたちょっとしたギャグもナイスです。そして、行間ならぬ”コマ間”を楽しめるような作品です。
 そして、最後の手紙の最後の追伸の一文が最高なのです。そこで感動も最高潮。心が幸福感でいっぱいになり、名前の付けようの無い感動の涙が思わずぽろりと落ちました。
 実は、おおまかなあらすじを知っているだけで、本来の『あしながおじさん』を読んだことがありませんでしたが、このマンガに出会い、何が何でも原作を読んでみたくなったことは言うまでもありません。
絵柄は親しみを持てる素朴な感じで、個性と味があります。羽海野チカの『ハチミツとクローバー』の1巻を初めて開いた時の感覚に似て、どこか懐かしいような雰囲気も漂っています。
 どうか、名作をただマンガにしただけでしょ?なんて思わないでほしいです。出会えてよかったと心から思える素晴らしい作品です。

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紙の本でんでんむしのかなしみ

2009/03/30 20:12

悲しみはプラスへと繋がっている

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ネットで調べものをしている最中にたまたま目に留まったこの絵本。
新美南吉の作品はこれまでに、『ごんぎつね』や『手ぶくろを買いに』などの絵本や、童話集を数冊読んだことはあるが、この作品は読んだことがなく、興味が沸いて即購入した。

 ある日、一匹のでんでんむしが、自分の背中の殻の中に悲しみがいっぱい詰まっていることに気がつき、自分の不幸を友達のでんでんむしたちに嘆くというお話。
皇后美智子様が、国際児童図書評議会の講演内で語られた作品でもあるようです。
新美南吉の作品はなぜにこんなにも心に残るのだろうと、改めてしみじみと感じる作品でした。

 悲しみを持たない人はいない。誰もが悲しみを背負っている。
だから自分もこらえていかなければならないんだと、でんでんむしは悟る。
けれど、悲しみはただ耐え忍ぶためにあるのではない。
乗り越えるためにあるのだと思う。
そして、その乗り越える力は誰もが持っていると思う。

 悲しみと向き合い、乗り越えていくことは容易ではない。孤独な戦いだ。
それでも自分の乗り越える力を信じていきたいものだ。
乗り越えた時に、心に強さと優しさが増すように、悲しみがもたらすものは、絶対にプラスなものへと繋がっている。
悲哀に満ちたこの絵本から、そんなメッセージを受け取った。

 幼い子にはまだ難しいかもしれないけれど、大きくなり、いつの日か悲しみと対面した時に、この作品のことを思い出してほしいと思う。
だからできれば親子で読んで欲しい絵本です。

 同時収録の「里の春、山の春」、「木の祭り」、「でんでんむし」も、短いながらも心が温かくなるお話でお薦めです。

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紙の本101人のかみさま 復刻版

2007/06/13 19:31

子供たちの詩に心がふわり

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 なぜ大人になると失ってしまうものはこんなにも多いのか・・・。特にそんなふうに感じるのは、子どもたちの詩に触れた時です。
 『せんせいけらいになれ』、『兎の眼』、『太陽の子』などの作品で知られる灰谷健次郎氏が亡くなられたのは昨年11月。まるで自分の恩師が亡くなられたかのような寂しさを覚えました。その灰谷氏が、子どもたちの詩とそれに対するコメントをまとめたのが本書です。
 就学前の子どもから小学生の子どもたちまでの詩がたくさん収録されており、その素直な眼と感性にはもう脱帽です。そして、子どもたち一人一人の表情までもが見えてくるような感覚に包まれました。
授業中におしゃべりをしていて先生に叱られた時のことを書いた、2年生のいけざきくんの「はぬけ」では大笑いし、6歳のくどうくんの「いのうえさん」では、ほほ笑ましくてふふっと目元口元がゆるんだりと、思わず笑みがこぼれてしまう詩が多いですが、なかには、じーんと目頭が熱くなる詩や、ドキッとさせられる鋭い詩もあったり、そのどれもが大人の私たちがいつの間にか忘れてしまっていた無邪気さと感性と視点で、とにかく子どもってすごいなとただただ感じるばかりです。そして、灰谷氏の子どもたちを見つめる眼のたしかな優しさ。
 ふわりと温かい気持ちにさせられる詩を読み、自分も詩を書きたくなりました。計算されたものではない、飾り文字もいらない、自分の気持ちをそのまんまトレースしたような詩が書きたい。書ける大人でありたい。でもやっぱり、それは子どもだけの特権なのかな。この本の子どもたちは現在はどんな大人になっているのだろう。この詩を書いた頃の気持ちや感性を失わずにいてくれたら素敵だなと思います。

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紙の本あの空をおぼえてる

2009/04/14 21:10

まっすぐな作品

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

胸がふさがる思いとは、こういうことを言うのだろうと思いました。

ある日突然、交通事故に遭った兄と妹。11歳の兄はケガを負うものの助かります。けれど、妹は亡くなり・・・。
物語は、兄が亡くなった妹へ毎日のように宛てた日記形式の手紙で進んでいきます。
自分の悲しみに蓋をし、両親を気遣う少年の姿が痛々しく、涙が止まらず泣きながら読みました。

あらすじを読んだ時点では、亡くなった妹が兄だけに見えたり、その妹を捜しに奔走したりというふうに、ファンタジーっぽい内容かと思っていましたが、実際は違っていました。
綴られている手紙の中身からしても、本当に存在する男の子なのでは?とノンフィクションかと思うほど、リアルな子供の姿と心が描かれていると感じました。

そして、この物語はいったいどこにたどり着くのか、ページを捲りながらそればかりが気になりました。最後もやっぱり涙です。
変化球なんか無いし、またそのようなものは必要がない、真っ直ぐな作品でした。


フィクションではあるけれど、ここに描かれてるような悲しみや苦しみを背負った家族は世界中にたくさんいるはずです。
大切な家族の死というどうしようもない悲しみは、誰の人生にも起こり得ること。私も経験しました。
けれど、一人欠けただけでバランスを失い崩れそうになる脆さの反面、再生する強さも家族という絆にはあるのだと思います。
それを支えてくれるのは、亡くなった人が遺してくれた思い出という贈り物ではないかなと思います。

家族について改めて考えさせてくれる素敵な作品。多くの人に読んでほしいです。

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紙の本流しのしたの骨

2009/04/07 21:29

家族っていいですね

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

江國さんの作品は、いつも不思議なふんわりとした雰囲気をまとっている。
色で言うと真っ白という感じ。
誰の手垢も、日焼けの跡もまだ無い、真っ白な壁をなぜか思い出す。

この作品は、両親と四人姉弟の六人家族の、ある晩秋から春までの日常を描いた作品。
それぞれに個性的で、ちょっと変わってる家族です。
日々いろんな出来事が起きるのだけど、あまり起伏を感じることなく実に坦々としている。
もし自分がこの家族の一員だったら、姉や弟の心配で気が休まらず、胃のキリキリするような毎日だろうと思う。
なのに読み進めれば進めるほどに、この家族が羨ましく見えてくるのだ。
それは多分、この家庭に居心地のよさのようなものを感じるからなのだろう。
この六人にしか作り出せない、この家庭ならではの居心地のよさ。
だからか、自分はこの家庭には絶対に入り込めないと感じる妙な疎外感に、少し寂しい気持ちにもなった。


家族って、家庭っていいなと改めて感じる本当に素敵な作品。
何があっても、最後には自分を丸ごと受け止めてくれるのはやっぱり家族なのだろう。
家族という絆は、不思議で面白いですね。

ミステリーを匂わすこのタイトルは少しずるいなあと感じますが、
本書を手に取るきっかけをくれたから良しとします(笑)
本当に読んでよかったです。心が温まりました。

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