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先月(2017年8月)

吉野さんのレビュー一覧

投稿者:吉野

1 件中 1 件~ 1 件を表示

「専業主婦VS働く主婦」の論争は大正時代からあった!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 驚きです。不勉強で知らなかったんだけど、大正のアグネス論争ともいえる「母性保護論争」なんてのがあったんですね。しかも、内容が今より過激だ。まっこうから対決した与謝野晶子と平塚らいてうの論を要約してみると、こうだ。

与謝野晶子男女の完全な平等。女も経済的に独立すべきであり、妊娠・出産・育児中の保護も求めるべきではない。
平塚らいてう「母」であることによって女は社会的存在となるのだから、保護は必要である。
 なんだか、現代の論争と言いたいことはほとんど変わらない。しかも「妊娠・出産・育児中の保護」もいらないなんて、今ここまで言う人いないよ! 潔すぎ。
 しかし100年近くも、あーだこーだ言ってきても全然決着はつかないのか…。力抜けますね。

 この本は「欲望史観」という名前がつけられている。成功したい! 良い暮らしがしたい! という女の子の欲望を中心に、女の子の職業について述べられていく。
 国民のほとんどが小作農だった時代から、現代まで、少ーしづつではあるが確実に、女の子はなりたい自分になってきているではないか!
「楽で、ちょっと人に自慢できるような生活」を求めて、女の子はぐいぐい突き進んでいるのである。
こっちのほうが楽そう面白そう、となればざざーっとそっちに流れていく。女の子ってかなり強欲で自慢したがりなんだな、と本書で改めて実感した。
 今、100年も続く「家事・育児中心VS仕事中心」に決着がつかないのは、どっちも「すんごく楽しく楽で人に自慢できる」ことでないことを、みんなわかっちゃったからなんだろうな。
 コマダムだのシロガネーゼだの細かい差別化をして、女の子の欲望をかきたてようとしても、誰もがそれを目指すというほどの魅力はないのである。コマダムとかにならなくても、同等に見栄をはれる方法は他にもあるしね。
「家事・育児中心」「仕事中心」以外の価値観が出てこない限り、どっちがいいかなあって女の子は悩み続けるんだろう。

 しかし、女の子が「こっちが良い」「いや、こっちのほうが良い」と言ってる間、男の子はもくもくと仕事を続けるのみ。男の子も「仕事するのは嫌だから、家事・育児を中心にやりたい」とか言ってもいいと思うんだけど。(そう思っている人いるよね?)男の子は何故なにも言わないんだろう? やっぱり男はだまってハイライト(©ひろし)なんだろうか。
 男の子よ、立ち上がれ! 女の子の選択肢は出尽くし試しつくした。あなたたちの発言が、また家庭の可能性を広げることになる。
 男も女も、このことを考えはじめたら、社会のシステムも変わっていくはず。
 え、何? 社会のシステムも家庭も変わらなくっていい、って? そ、そう言われると私も強く言えないんだけど…。(笑)

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