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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

なたねさんのレビュー一覧

投稿者:なたね

21 件中 1 件~ 15 件を表示

8 上

2001/03/09 15:02

チェスに隠された秘宝をめぐって..

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 中学校の頃、世界史の教科書で「マーラーの暗殺」という絵画を見た。頭にターバンを巻いた男性が浴槽につかり、手に紙とペンを持ったまま暗殺された姿である。このマーラーという人物が歴史上、どのような役割だったのか、その時は良くわからなかったのだが、この作品で「なるほど!」と思った。

 時はフランス革命の頃のヨーロッパと現代アメリカを交互にさまよう。貴族の少女に手渡された「チェス.セット」それには一体どんな秘密が隠されているのだろう?少女ミレーユが出会う歴史上の人々。画家ディビッド、ドラクロア、政治家タレーラン、ナポレオン、そして上述のマーラー。どれもこれも、本当に作者が実際に出会ったのではないか?と思われほど生き生きと描かれている。歴史辞書を片手に、彼らの肖像画を探してみるのもおもしろい。

 現代ではコンピュータプログラマのキャサリンが、徐々にチェスを巡っての事件に巻き込まれていく。果たして、この時代が離れた二人には、どういった関係があるのか?

 チェスに隠された秘密には、タイトルの「8」がどうかかわってくるのか?はらはらする冒険と、歴史の中にいるような荘厳な気分。お薦めできるファンタジーミステリーである。

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紙の本消えた少年たち

2001/03/10 17:29

家族がすれ違ってしまう前に...読んでください

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 普通に生きているだけなのに、どうしてこんな目に会わなければならないの?という事件や、いやなやつが、これでもかと言わんばかりに出てきます。まるっきり、私達の普通の生の生活そのものかもしれません。

 幼い子供3人を抱えた一家が引っ越してきたのは、アメリカ南部の田舎町。何の変哲もなく、モルモン教に助け支えられている一家にはすぐに慣れるはずだったのだが…。

 夫のステップの新しい職場には、すごくいやなやつがいました。口先だけで、人を不愉快にさせるやつ。いますね〜、こんな人。底意地が悪くて誰にでも嫌われている人(私の周りにもいます)。おまけに、性変質者までいて、それがステップの末娘を狙っている雰囲気。
 学校では長男をこれみよがしに仲間はずれにする女教師のせいで、長男には空想の友人しか出来ない。
 心休まるはずの教会では、なにもかも仕切っている「でしゃばりおばさん」。これがまた、うっとおしいくらい意地悪です。住んでいる家に置いては、突然発生する「虫」の大群。
 もう、一体なにがどうなって、こうなったのかわからない。
 こうなると、夫婦や家族は互いに自分達のせいじゃないことで、怒り、いさかい、下手をすると家庭崩壊になってしまいそうな話ですが、そこがこの小説の素晴らしいところです。まず、ステップがいい。いかに相手のことを考えて立ち回るか、「それが愛情だ」と言い切って、決して無駄に怒ったりしない。奥さんは奥さんで、潔癖主義が邪魔をして、すぐに感情的になってしまうけど、次の瞬間、怒涛の後悔に襲われて、「やっぱり私が悪かったわ、ごめんなさい」と、なる。

 本当に、普通のまっすぐに生活している一家です。ほとんど、このパターンで話が進んでいくので、まるっきり私小説みたいですけど、実はそうじゃないんです。

 あっちこっちに隠されている、ラストに向けての伏線。どきっとします。悲しいです。家族はひとつです。でも、でも、ああ、もう取り返しのつかないことになっていたんだな、と思うと涙が出ます。

 本当に名作ですので、是非読んでみてください。

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フィレンツエと言えばメディチ家

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 イタリアで最も華やかな都市「フィレンツエ」。その都市を牛耳る勢力を持っていた、メディチ家の当主がアレッサンドロ公爵の頃の設定で話は進む。

 ベネチアの貴族マルコはこのフィレンツエを訪れ、やがてメディチ家の崩壊を悲劇を目の当たりにする。塩野七生女史の三都市物語の第二段である。

 明るい開放的なベネチアに比べると、華やかなはずのフィレンツエがやけに「退廃的」に描かれている。フィレンツエを一国の力を持つまでに後押ししたメディチ家の内部崩壊が、まず暗く、次に貴族達の流されるままの姿がそこに描かれていることに、びっくり。

 唯一希望が持てそうな青年貴族ロレンツィーノすら、妹を毒がにかけようとするアレッサンドロ公爵の企みに、精神的に追い詰められてしまう。

 主人公マルコは、この「フィレンツエ」編では、どちらかと言うと「傍観者」だ。恋人オリンピアとの再会や、ロレンツィーノとの議論など、マルコらしい出来事はあるが、もっぱら話はロレンツィーノに集中して語られる。それもそのはず、この作品中で起こる暗殺事件は実際に起こったものだからである。

 歴史上あった事件を、かくも見てきたかのようにまとめ上げる手法には、毎回のごとく驚かされる。
 この中に出てくる実際の街の建物は、もちろん今でもフレンツエを訪れれば目にすることができるので、フィレンツへ旅行を予定している人は、歴史ガイドブックとして読んでおくのもいいと思う。

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第七の封印

2001/10/23 10:06

異種族の交流冒険物語

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本来なら王の娘、次代の世継ぎとなるべきはずのペイシェンスは、そんなことは全く知らされず、ただひたすら現王の僕、「刺客」になるように育てられる。だがやがて父の死と共に、伝説に基ずくこの世界の敵「アンワーム」に立ち向かう旅に出る。
 冒険小説のようではあるが、話の進行具合はかなり淡々としている。ひとえに主人公ペイシェンスの落ち着いた状況判断の視線で話が進められるので、手に汗握るというより「謎解き」の方が色濃い。

 「超能力」的な魅力ではなく、鍛えられた技術の持ち主であるペイシェンスの魅力は同性としても好ましい。

 「アンワーム」とは一体なにか?この惑星に初期の頃から存在する不気味な「敵」の正体が明らかになってくると共に、その他のいろいろな種族との交流がファンタジーのように絡んで読み手が自由に想像できる楽しい要素が一杯だ。容姿や考え方が異なる種族が、どこまで協力し合えるのか、どこで裏切りが出てくるのか、この手の物語につきもののおもしろさがちゃんと用意されている。

 またカードの作品にはおぞましい虫や、肉体の切断がよく使われるが、この作品にもそれが描かれている。ちょっと苦手な人もいるかもしれないけれども(実は私も)、そこがまた強烈な印象をかもし出して、主人公の強さや美しさの対比になっていると思えば多少がまんできると思う。

 ペイシェンスに対比して、ウイルの男性的な魅力も捨てがたい。

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紙の本死者の心臓

2001/08/02 12:31

乾いたエジプトの風が感じられます

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 人骨から割り出す推理が非常に素晴らしい「スケルトン」探偵、オリバー.ギデオンが活躍するシーリーズ第7作目。

 今回の舞台はエジプト。古代の遺跡を発掘するチームの中で起こった殺人事件。一体誰がなんの目的で起こしたのか? このシリーズのおもしろさは、なんと言っても「骨」から拾い出す決定的な事実でしょう。たとえばいつも前半部で軽くその知識をひけらかす場面があるのですが今回は、発掘した大昔のエジプト人の骨からある職業を割り出します(ちなみに坐骨と指の骨が磨り減っている人間の職業は、なんだと思いますか? 答えは「書記」。昔は地べたに直接座っていたからだそうです)。
 犯人を割り出すその緻密な推理もさることながら、毎回素晴らしいのはその舞台となった都市の豊かな表現でしょう。
 豊かなナイル川と古代エジプトの埋もれた都市の建築技術や装飾品の美しさ。作者の外国人としての目を通して、はるかかなたの夢にうっとりと浸ることができますが、それと対象的な、そこに生きる現代の本当の人々の姿も印象的です。クラクションを鳴らし排気ガスを撒き散らし、外国人と見るとみやげものを押し付ける。
 そんな雑多な混雑の中、主人公ギデオン博士は、事件を解決するために、今回は「変装」までして走り回ります。エジプトに行って見たくなってしまったこの作品。古代エジプトに興味がある方にもお薦めです。

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紙の本黄金のローマ 法王庁殺人事件

2001/05/14 18:33

荘厳なローマの魅力満載

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 ベネチア,フレンツエと続いた名門ダンドロ家のマルコの最終章になる本編。

 ベネチアでは友人の死、フィレンツエではメディチ家の崩壊を見てきたマルコが今回遭遇するのは、美しき愛人、そしてよき友人であった遊女オリンピアの人生である。彼女のためにベネチア政界より追放になったマルコは、オリンピアの住処ローマに住み着くことになる。そこで知り合うさまざまな著名家や公爵、枢機卿。歴史の重みを感じさせる都市ローマの魅力に惹かれながら、オリンピアへの愛を深めていくマルコの心の移り変わりと、そして起こるべくして起こった祖国ベネチアの海戦での敗北の知らせ。

 古代ローマの面影を残す中世のたたずまいと、そこに住むローマの人々の立ち居振舞いが魅力的に描かれていて、マルコでなくても魅了されてしまう都市、ローマ。

 美しいオリンピアとマルコの大人の愛も感動的です。「緋色のベネチア」「銀色のフィレンツエ」を読んだ方でしたら、是非、この完結編を読んで「あっ」と驚いてください。

 作者のあとがきにあるように、いつかこの続きが読める日が来るのを心待ちにしています。

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紙の本ジュラシック・パーク 上

2001/03/09 18:10

映画よりも怖い

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 映画が大ヒットしてしまったので、今更、と思うかもしれないけれど、こっちの原作の方が、もっとリアルで恐怖感がある。それに、映画では表現し切れなかった、恐竜の悲しさもしっかりと描かれていて、単に怖い存在だけにとどまらず、生命のある生き物のとしての恐竜がそこにある。

 人工的に蘇えらされた太古の恐竜達。倫理観を無視した結果が、映画のようなパニックを引き起こすのは当然とも言えるが、それにしてもいつ襲ってくるかわからない大型肉食恐竜の怖さは、まるでサイコもののようで、背筋がぞくぞくしてくる。

 追われる科学者達と子供達。一人一人の人物描写も生き生きと描かれていて、善悪がわかりやすい。

 ラストシーンの恐竜達の姿には、胸が打たれるような感動すら覚える。単なるパニックものではない、良い作品だと思う。

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紙の本ゴースト・トラップ

2003/01/09 14:51

強くて寂しがり屋の吸血鬼、ソーニャ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ソーニャ.ブルー、なんだって彼女はこんなに強いんだろう。
力も意思も。

これだったら別に吸血鬼にならなくっても、成長した女性になった
暁にはさぞかし「強い女性」になったのかなあ? いや、待て待て
人間だった頃の金持ちのお嬢ちゃん、デニスだった頃は、どう見ても
ちやほやされた世間知らずのあまちゃんだったはず。

あたしも、もしかしたら吸血鬼に襲われたら、こんなに支離滅裂型の
強い人格に生まれ変われるのかしら。

などと、ソーニャの強いところばっかりに目が行って、内面の
ナイーブさが目立たなかった1作目「ミッドナイトブルー」よりも
こちらの2作目「ゴースト.トラップ」の方がファンタジーっぽい要素
は一杯あるような感じです。

幽霊屋敷ゴースト.トラップに住み着いている(と言うか囚われている)幽霊や
ソーニャ型新吸血鬼の二人の登場も結構気に入った場面ですけど。

3作目に続く浮浪者スタイルの熾天使の登場も、汚らしくてこの世界の中で
ぴったり収まっています。

アクションホラーファンタジーの映画にすると、受けそうなこのシリーズは
番外の「ブラックローズ」が一番すっきりしているけれども、早く
ソーニャの復讐が成就するといいね、と応援したくなっちゃいます。

さて、3作目の「フォーリン.エンジェル」も読まなくっちゃ。

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独立した「ファンタジー」集

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 全体に軽いテンポなので、肩に力を入れずに読める短編集。もちろん主人公はタルマ&ケスリーなので、前作「女神の誓い」「裁きの門」を読んでから、こちらを読むのをお奨めしますが。

 一話目の「護符」は魔法を使うことにとらわれた、実力のない女性の悲話。ものに頼ることの浅はかさを軽めに描いています。
 「同士討ち」は悪運を呼ぶコインの話。二人に襲い掛かる不運の数々がユーモラスに描かれています。
 「炎の翼」は邪悪な魔法使いに囚われた、美しい青年術師の話。いつもは女性しか助けない「もとめ」の混乱した思考に思わずにやり。 タルマ&ケスリーとは違った魅力の青年の美しさと、そしてもうひとつ、囚われていた「あるもの」の美しさが際立ちます。
 馬と言えば繁殖期。「フォルスト.リーチの春」はタルマ達一族が鍛えた軍馬が、わがままな牡馬を鍛えるユーモア一杯の「種馬物語」です。
 表題作「誓いのとき」は彼女達の子供が主人公。もちろん タルマ&ケスリーに育てられたジャドリーが弱いはずがありません。たくましく育った次の世代の活躍が楽しい作品です。もしかすると、当然次回作が期待されそうな内容なので、楽しみです。
 前作2作を読んだ方には、お奨めです。

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明るい未来への完結編

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 前作『ゼノサイド』では、人間の残酷で自分勝手な内面が浮き彫りになったどろどろさが前面に押し出されていたエンダーシリーズだが、この「エンダーの子どもたち」ではうって変わって明るい、明るい。

 主人公がエンダーから、エンダーの子どもたち(実際にエンダーが結婚して生まれた子ども達ではない点に要注意)に変わっているのが最大の特徴。

 第一作めの「エンダーのゲーム」での、エンダーを取り巻く兄と姉の姿がここでの大事な要素となっているのがおもしろい。

 人間の肉体の年月の限界と、永遠に続く「精神」の融合がSFらしく描かれていて、読んだ後「良かったね!」と言いたくなるような作品である。

 ただし、先にも述べたが主人公の世代交代があるので、もとからの「エンダー」ファンがこれで満足なのかどうかは不明であるけれども…

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死者の代弁者 上

2001/11/15 17:55

エンダーのゲームとは全く別もの

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 果たして人間は他の異種族(エイリアン)と共存できるのか?がこの作品の大テーマ。

 前作『エンダーのゲーム』から受け継いでいるのは、主人公エンダーの立場だけ。大敵バガーを打ち負かした少年英雄、そして異種族バガーを皆殺しにした大悪人。しかし、世の中の人間はそれが彼だとは少しも思わない。なぜならその頃からすでに3000年も経っているのだから。

 という設定で語られるこの『死者の代弁者』は、バトルスクールのような学校もないし、戦闘シーンもない。
 SF推理小説のような「謎解き」物語である。

 惑星ルジタニアでは勝手に作り出された「人間ルール」に縛り付けられた研究者達がその惑星の先住生物ピギーの研究でなかなか成果をあげることが出来ない日々を送っているところにエンダーがやって来る。

 彼の特殊な力によって、次々に明かされる「異種族ピギー」の謎がまさに未知の世界でおもしろさ満点。

(そんなのあり?と思ってしまうくらいSFなのである)

 全てはエンダーの利発で聡明な性格に起因していることだと思うが、それにしても周りの人間達があまりにも利己的すぎて、思わず殴りつけたくなるような気分になってくる。

 もし映画などになったら「この人嫌い」という登場人物のなんて多いことか。

 エンダーの活躍が、嫌な人物達に胸のすくようなパンチをお見舞いしたようですっきり後味の良い仕上がりになっているのは嬉しいものである。

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ゼノサイド 上

2001/11/15 17:37

人間のエゴむき出しの悲惨さ

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 どうしても、人間という種族は「排他的」で「優越感」を持ちたがるのだろう。
 理解不能なものに対して押し付ける「偏ったルール」。このゼノサイドで描かれるのは徹底した人間悪の表現に他ならない。

 感情のおもむくままに人を傷つけ、異種生物のピギーを傷つけ、破壊した後の惨劇を見て「こんなはずじゃなかった」と反省するが、またなにかあればすぐに他者を傷つけようとする惑星ルジタニアの住民達。

 エンダーを支えようともしない彼が選んだ「家族」も、この住民だと考えれば、要所要所に出てくる腹正しい振る舞いもよくわかる。

 ここまで傷つけられたのだったら、こんな惑星放っておけばいいのに、とさえ思ってしまうような展開なのだが、そこにはちゃんと「バガー」や「ピギー」(そして無機質名はずのコンピュータ)などの人間以外の種族の暖かな姿で補われている。

 彼らの純粋な「生」への大きな希望が、悲惨でエゴ丸出しの人間の姿と対照的で、作者はこういうメッセージを送りたいのだ、と共感してしまう。

 胸を打たれるほど、悲惨で切ない大量残虐のシーンは、今でも人間がいつでもこういう姿になってしまうのだ、と警告されているようで私達の戒めとして心に強く残っている。

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紙の本五番目のサリー 上

2001/08/24 19:36

自分の他に肉体を共有している人がいる

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 私は眠ったときに、自分の存在をどういう風に把握しているのだろう? ふとそんな風に思ってしまった。

 多重人格の話であるが、本当にこんな風に全く違う人格が宿るものなのだろうか? それぞれに魅力的な5人がサリーの肉体を共有している。彼女は他の4人に宛てた日記を書き始めるが、他の4人もそれぞれに自分のことを書き始める。

 それぞれ5人の不思議な人生をつまみぐいしながら読んでいるようで面白い進め方だと思った。

 最終的にこの5人がどうなるのか、最後まで興味が持てる上質な内容の作品。

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紙の本イシュタルの船

2001/06/08 15:51

古代バビロン神話への異次元ファンタジー

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 古代バビロンの出土品を調べていた学者のケントンが、突然異次元へと足を踏み入れることになった。キーは調べていた出土品の中から現れた美しい帆船「イシュタルの船」。

 はるか昔のバビロンの神々、女神イシュタルを始め知恵の神ナブ、闇の神ネルガルなどがふんだんに出てくるのはまるで異国の風景そのもの。北方の民やペルシャ人など多民族の交わる様子や、美しい巫女の妖しい魅力。徐々に異次元に慣れ親しみ、たくましく成長していくケントンのファンタジー冒険は最近では珍しい古典的な作りになっていて、かえて目新しく思える。

 1924年に発表されたこの作品の古風で神秘的で、しかも単純にわかりやすい表現はデジタル世界に慣れた心に、魅力的な心地がした。

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紙の本裁きの門

2001/05/07 22:25

丁寧に読めるファンタジー

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 前作「女神の誓い」の続編にあたるこの作品、二人の主人公タルマとケスリーが傭兵隊で働く場面から始まる。

 この作品での二人の目的は、タルマの一族の復興とそして二人のそれぞれの得意技「剣技」と「魔法」を教える学校を作るための資金集めである。傭兵隊での彼女ら二人の活躍ぶりは、前作よりはるかにおもしろい。作者が物語を書きなれたせいなのかどうかはわからないが、二人を取り巻く人々の性格描写が生き生きとしていて、個性が把握しやすい。

 実は、この物語は出だしの傭兵隊としての戦いに重きがあるのではなく、戦いに勝利した後、ある出来事が起こるのだ。

 彼女達が親愛する傭兵隊の女性隊長に起こった事件。それを助けるため赴く王国。ここでの人々との出会いや、タルマとケスリーのたくましく成長してゆく姿が、小気味よく描かれている。

 前作にも撒き散らされている「剣」「魔法」「善と悪」「神」そして今度は「王冠」。魅力的な要素を優しいタッチで書きつづられた本編は、一気に引き込まれてしまうほど読みやすい。

 相変わらず躍動感のある戦馬の描写には、感動すら覚えてしまう。

 ますます腕がさえる女剣士タルマと「達人」の域に到達した美しい魔法使いケスリーの活躍に、こうご期待。

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