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詠み人知らずさんのレビュー一覧

投稿者:詠み人知らず

5 件中 1 件~ 5 件を表示

日米医療事情を知り、現在の日本の医療システムが抱える問題点を知ることができる

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者は東京大学医学部を卒業し、その後6年間、血管外科の医師として日本で働いた後、日本の医局制度がイヤになって日本を飛び出し、ニューヨークのベスイスラエルメディカルセンターで内科医として研修。日本に3年間戻った後、再び、ニューヨークにわたり、内科医をしている方です。

 この手の本は日本の医療の裏事情をセンセーショナルに書きつづっただけのものが多いのですが、本書は日本とアメリカの医療の現場をそれぞれ5年以上経験した著者が、非常にフェアに日米の医療事情を比較しています。「治療方針は医師によってバラバラ」「日本の医療とカンボジアの裁判は同レベル」と、エビデンスに基づかない日本の医療を批判し、「医療従事者の数がアメリカの五分の一」である日本の医療制度を批判するとともに、医学部卒業後も絶え間ないプレッシャーの中で医学を学び続けるアメリカの卒後医学教育制度を紹介しています。

 著者がフェアであるのは、第5章で「進みすぎた分業化」「起こりすぎる医療過誤裁判」といった形でアメリカの医療制度の悪い部分も指摘した上で、第7章で日本の今後の進むべき道に具体的な提案をしているところです。特に、彼が提案している「臨床医と研究医をわけるべき」というのは、これまでに指摘されることが少なかったのですが、考えなければいけない大きな問題の一つでしょう。

 アメリカの医療制度を理解する上で避けて通れないHMO(健康保険制度の一つ)に関する記述はほとんどないなど物足りない部分もないわけではなりませんが、日米の医療事情を知り、今の日本の医療システムが抱える問題を考える上で非常によくできた本だと思います。医療従事者のみならず、一般の方にも勧められる一冊です。

<目次>

第1章:知ってびっくり!医者の世界、裏の裏
第2章:日本の病院、これでは恐ろしい
第3章:アメリカの医療、ここがすごい!
第4章:文化の違いが医療に表れる
第5章:これは困るよ、アメリカの医療
第6章:充実のニューヨーク・ドクターライフ
第7章:二十一世紀の医療を変えよう

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アメリカの医療制度、特にマネージドケアを理解する上でお薦めの一冊

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 アメリカの医療制度を理解する上でHMO(マネージドケアと呼ばれる健康保険制度)を避けて通ることができません。マネージドケアが米国の医療費抑制に果たした役割は大きいですが、一方で、保険会社の治療への関与が大きく、弊害も生まれています。この本は、1990年代に入って急速に広まったHMO制度を中心に医療制度について語った本です。著者はハーバード大学の関連病院の一つマサチューセッツ総合病院の助教授であり、HMO制度の広がりとともにボストンの名だたる病院が次々と合併せざるを得なくなった様子がリアルに描かれています。
 アメリカの医療制度を理解する上でお薦めの一冊です。また、所々に読み物として「ある癌患者の手記」「ダナファーバー事件」「奇跡の歴史-小児白血病治療の50年」「スター選手の死」が挿入されいます。
<目次>
市場の論理が医療を変える
医療を決定するのは誰か
市場原理から排除された人々への医療の保証
急成長する医療ビジネス-悪徳業者が医療を喰う
営利追求医療に対する反抗

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インパクトファクターというコンセプトがいかなる歴史的経過をたどって今日の姿になったのかを知るための好著

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 ユージン・ガーフィールド博士は、ISI社の創設者であり、インパクトファクターの産みの親です。インパクトファクターとは、1論文あたりの引用回数の平均値を計算したもので、学術雑誌の格付け、ひいては研究者の格付けのための、ほとんど唯一の客観的指標として広く用いられています。

 化学者であったガーフィールド博士はジョンズ・ホプキンス大学で陸軍医学図書館(国立医学図書館の前身)依頼の機械索引法開発計画に従事しているときに、主要雑誌の目次を切り貼りして配布するというアイデアを思いつき、『カレント・コンテンツ』を始めました。その後、引用関係に着目し、サイテーション・インデックスを作り出し、その副産物としてインパクトファクターをはじめとした指標を編み出しました。

 この本はガーフィールド博士とISI社のあゆみを紹介しているわけですが、それとともに、今日これだけ重要な指標になっているインパクトファクターがどのような根拠と方法論的検証とテクノロジーに基づいているのか、そのようなコンセプトは、いかなる歴史的経過をたどって今日の姿になったのかということについて紹介しています。

 著者の窪田氏は紀伊国屋書店で海外出版社との折衝にあたり、その中でガーフィールド博士と個人的に知り合いとなりました。この本は、様々な文献とともに、ガーフィールド博士への直接のインタビューを元に書かれています。

 本書は1996年に書かれたもので、その後の5年間に、“Web of Science”をはじめ、ISI社でも多くの新しいサービスが開始されています。また、インターネットの普及によって、文献検索の手法自体にも大きな変化があって、本書の記述の中にはすでに時代遅れになっている記述もあるのが残念です。この点は、続編に期待したいと思います。

 序章 ユージン・ガーフィールド再訪
 第1章 科学者と情報
 第2章 カレント・コンテンツと科学コミュニケーション
 第3章 サイテイション・インデックスがひらく世界
 第4章 インパクト・ファクターと科学
 第5章 ノーベル賞とラスカー賞
 第6章 科学を計る
 終章 I am an information scientist

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臨床留学、研究留学の経験者の体験談満載の一冊

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 医師が医学部を卒業したあと海外に留学する方法には、海外で臨床を行う臨床留学や海外で基礎研究を行う研究留学などがあります。これまでにも、臨床留学の書籍や、研究留学の書籍はいくつかありましたが、両方を扱い、さらに社会医学の研究留学、歯科臨床留学、アメリカ以外の国への研究留学まで幅広く扱った書籍はおそらく本書が初めてでしょう。

 内容としては、留学のガイド本(巻末に少しその手の情報もありますが)ではなく、臨床留学、研究留学を実際に経験した20人あまりの経験談が中心になっていて、まさに「アラカルト」という感じの本です。アメリカの研究留学を扱った部分のページ数は少ないので、その手の情報を集めたいと思っている人にはやや物足りないとは思いますが、アメリカでの臨床留学に関する体験記が豊富で、アメリカでの臨床留学を目指す方には必読の本だと思います。アメリカの臨床留学は、近年、いくつかの制度の変更によって非常に難しくなってきており、最新の情報を得ることが必要です。

 また、全体を通して読むことによって、アメリカと日本の卒後教育のシステムの違いがよくわかり、留学を特に考えていない人にもおもしろい内容になっています。

<目次>
■医学留学に際して■
海外医学留学の様々
海外医学留学:その現況と心構え
アメリカ研究留学の心構え
■臨床医学■
ベス・イスラエル医療センターにおける臨床研修留学
アメリカ家庭医学臨床研修と開業
アメリカ家庭医学事情とMPH通信教育
アメリカの家庭医レジデンシー・プログラム
アメリカの外科系レジデンシー:私のたどった軌跡
アメリカ歯科留学事情
卒後10年経っての臨床留学
■研究留学■
National Insitututes of Health(NIH)
留学先の見つけ方:私のアメリカ研究留学事情
アメリカ社会医学研究留学
ドイツ研究留学事情
ビタースイートなイギリス医学留学
インペリアルカレッジ医学部国立心肺疾患研究所での留学経験
カロリンスカ研究所臨床薬理学教室に留学して
■大学院入学■
ハーバード大学公衆衛生大学院
■客員招聘、専門医招聘■
アメリカ研究留学から得たもの
コンサルテーション・リエゾン精神医学のメッカ
通信教育を活用した臨床疫学の社会人教育
■留学準備のために■
カリフォルニア州サンフランシスコの生活事情
ドイツ留学の準備とドイツ生活事情
アメリカ臨床留学のための準備

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紙の本私の脳科学講義

2002/01/06 02:13

脳科学研究者に転向したノーベル賞受賞者の最新研究成果を知ることができる

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 利根川先生は日本人ただ一人のノーベル医学生理学賞受賞者です。彼がノーベル賞を受賞したのは『抗体の多様性』であり、50歳までは免疫学の分野で活躍していました。私も、ノーベル賞を受賞した直後に出版された立花隆氏との対談集『精神と物質』 をとても興味深く読んだのを覚えています。利根川先生は、ノーベル賞を取った直後の50歳頃に、脳科学研究者に転向しました。同じ分子生物学的手法を使うとはいえ、まったく異なる分野への転向で、多くの人を驚かせました。

 『私の脳科学講義』は利根川先生の研究者として歩んできた道筋をたどるとともに、最新の研究成果を通して脳のメカニズム、特に、記憶のメカニズムへのアプローチを紹介した一冊です。

 第1章『私の歩んだ道』では、分子生物学との出会い、サンディエゴ留学とダルベッコ博士との出会い、バーゼル免疫研究所に移って、ノーベル賞受賞の対象となった抗体の多様性の解明、そして、MITでの脳科学研究のスタートを紹介しています。私が一番興味があったのは、なぜ、免疫学から脳科学へ転向したかと言うことでしたが、それについては、はっきりとしたきっかけがあったわけではなく、MITに移って最初の10年間に免疫学の研究を続けているあいだ『未知の新しい分野のテーマで私が貢献できること、しかも楽しんで研究できることはないか』と探し続け、それが記憶の研究であるということが徐々にはっきりしてきたとあります。

 第2章の『脳科学の現在と可能性』では、脳科学の現状をレビューし、第3章の『学習の記憶のメカニズムを探る』では、利根川研究室での最新の研究成果を紹介しています。具体的には、Cre-loxPシステムを使った部位特異的ノックアウトの話で、『CA1野でのNMDA受容体のノックアウトによって長期増強(LTP)が障害され、空間記憶を獲得することが出来なくなること』と『CA3野でのNMDA受容体のノックアウトによって半回性シナプスの長期増強が障害され、連想記憶の想起が障害されること』という話を紹介しています。この章はこの本の中のメインパートですが、ある程度、分子生物学や脳科学に素養のある方でないと少々難しいかも知れません。

 第4章、第5章は東京電力が発行する科学情報誌『イリューム』の対談の再録になっています。第4章の対談はオーソドックスなものですが、第5章の対談はインタビュアーが『ベルばら』の作者の池田理代子氏で、かなり異色なものになっています。突拍子もない池田理代子氏の質問を利根川先生がどのようにさばいているのかが興味深かったりします。

 全体として、脳科学全体について書かれたものではなく、利根川先生のおこなっている研究についての紹介が中心ですから、脳科学そのものについて知りたいという人にお勧めする本ではありません。しかし、ノーベル賞を受賞した後に大きく研究分野を変え、転向先の脳科学の分野でも最先端を突っ走っている利根川先生の言葉には学ぶことが多いです。

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