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レビューアーランキング
先月(2017年6月)

ころびさんのレビュー一覧

投稿者:ころび

27 件中 1 件~ 15 件を表示

黄昏にマックの店で

2001/03/24 00:31

忘れられないロストマとの出会い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 まず何より、なんて読みやすいのだろう! 本を買って、借りて、もしくは貰って、その日の内に読み出して止まらなくなったのは久しぶり。

 はじめまして、の、ロス・トーマス。解説による「多すぎる登場人物」も別に苦にならなかった。

 主人公は亡父とそっくり。葬儀に現れた懐かしい誰もがそれを言う。しかし、32歳の、父より賢い主人公は動揺しない。これだけしつこく亡き父にイメージを重ねられると嫌になるのが普通だろうに、まるでそれがない。読んでいる最中にも、これでは主人公はどこにいるのだ?と思えていたのに、最後には父の幻影はなく、一人の主人公として存在している。本当に何より、とても読みやすかった。笑いもあるしね。

 昔、高校の国語教師だったかな? 夏目漱石は何故読みやすいか、と延々説明してくれました。「主語+述語」がはっきりしているからだ、と。文節が短く、すっきりしている、と。そういう感じでした。歯切れの良い文。余計な言葉に彩られない文。それでいて、全てが語られている。時には、話の流れが「?」ということもあったけれど、気にならない。一言。面白かった(^^)

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紙の本蠅の王 改版

2001/04/13 00:00

少年達は自由だ。何をするにも。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 いつかどこかで何度か聞き覚えたタイトル。気が付いたらレジに差し出していた。さて、どれほど語り継がれる物語であるものか。というわけで、内容については全くの白紙のつもりで読み始めました。が、この映画のビデオ 、見たことあるなぁ、と。物語のラストで唐突に(鮮やかにと言ってもいい)思い出した。なるほど。アレの原作かぁ。
 なにやら戦争中(第三次世界大戦とか?)イギリスから疎開する少年達を乗せた飛行機は、とある南洋の無人島に不時着した。大人達はいない。6〜12.3歳の少年達はその地を楽園として過ごすのか、地獄と化すのか…。

 島の様子を探った後、少年達は叫ぶ。
「『宝島』みたいだ」「『燕とアマゾン』みたいだ」「『珊瑚島』みたいだ」
 果たして、それほどうまく行くものだろうか?

 少年少女へのお薦め小説にはない狂気がここにはある。大人達が信じたがっている子供達は無垢であるとの神話も、ここでは通用しない。かといって、リアルなお話でもない(あの野豚は一体どこから来たんだ)。エゴと規律のぶつかり合い。そう、うるさい大人がいない分だけ、少年達は自由だ。何をするにも。

 楽しめた、とも、面白い、とも形容できないけれど、衝撃作。一気読みでしたが、ちょっともったいなかったな。
 乾いた少年の話をもっと、という方には『悪童日記』などもお薦め。

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噓、そして沈黙

2001/04/12 23:52

悲惨な状況とは裏腹にとぼけた刑事

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 面白かったとか、読んでよかったとか、通らねばならない本かなぁ、なんて思う本はかずあれど、こういうの好き!と、はっきり言えるものって少ないですよね。これは久々に「好き」が言える本。
 「『サイコ』『羊達の沈黙』の伝統を受け継ぎ、新時代を築く傑作!」とあり、思わず構えて読み出したが、思わずこけるエピソードの数々。
 なんなんだ、このとぼけた語り口は! 次々と展開される事件は、それぞれ陰惨狂気に満ちているのに、とぼけた刑事、とぼけた犯人の様子につい笑ってしまう。総468Pを日曜の半日をつぶして、一気に読了してしまいました。
 途中どこかでこんな雰囲気のものを観たような…記憶の底をたぐると『刑事コロンボ』に思い当たりました。コロンボのとぼけた味は、半分計算されたものだろう、なんて観ていましたが、なんと本書の刑事は地でいっている(笑)

 しかし、この手の小説の犯人と刑事が同じこだわりを持つという設定は、少々お馴染みになってきて新鮮味はない。ただ今回いわゆる一般的幸せな家族も登場していることが嬉しかった。そう、バランスをとったように。あまりに悲惨な状況のオンパレードというものは、いかにフィクションとはいえ、気分が悪くなる。
 ところで、原題ですが、ずっと"LIE TO ME"の"ME"は、誰のことだろうかと思っていた…。『彼』の言葉であるとは…。「嘘」も…方便。
 ラスト、後味の悪い思いをするのではないかと想像したけれど「彼」が誰であれ、嘘であれ真実であれ、読者ともども幸せにしてくれてありがとう。…読んだ人でないとわかんないね。  
 あの女性って好き。見事じゃないですか。したたかでたくましい(^^;)あこがれちゃうね。ちょっと登場人物に好きなタイプがいないと、読み進むのは少ししんどい最近です。また、あんまり主人公刑事を哀れとは思わなかった。あれも、それなりいいんではないかと。下手に家族(妻子)を引きずることはない。

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紙の本弥勒

2001/03/21 04:56

逃げた先に待つものは

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 講談社なのに面白かった(^^;) ←これがなんと言っても正直な第一感想(異論は多々ありましょうが、今まで私的に当たりがなかった出版社)。
 どこにでもいるような、傍観者であり挫折者であり逃亡者である主人公だ。
 現実に向き合おうとせず何となく日々を過ごしている永岡秀彰。妻耀子を田舎から連れて来たのは自分なのだと繰り返し思うのは、マスコミにもてはやされ、収入をも大きく水を空けられているという妬みがあるから。そしてお互いに興味を持てなくなった夫婦が、何となく離婚もせずにそのまま名ばかりの繋がりを続けているという。共通点は美をかぎつける嗅覚だけにある。もっとも方向性は限りなく両極で交わるところはない。

 妻の美的感覚には讃辞を送るが、その表面的な愛で方にいらだつ主人公。が、しかし、主人公が傾倒する宗教美術への感覚も似たようなものだよね。それらは宗教があって初めて存在する物。彼は宗教と切り離した部分のみでしか語らない。用途に拘りはあるみたいだけれど( '')

 ちと脱線するけれど。
 例えば、阿修羅像。興福寺所有とするこの有名な像は、実は京都国立博物館でガラスに囲まれて陳列されている。何というか、写真で見るより寒々とした印象を受けた。本物の持つ迫力とはいわれるけれども、本来あるべき場所にない宗教物は、単なる鑑賞物に落とされる。そこに込められた祈りは、ガラスに遮られて届かない。(せめて奈良国立博物館に置けよと思うがいろいろあるんでしょうね。)

 何が言いたいかというと……、あちこちの歪みにいらだちながら、自らも歪んだ主人公の想いに読者たる私は妙に醒めていたのだった……、東京編。というより、導入部。

 で、怒濤の政変部。一読者は恥ずかしくなるほど、主人公と同じ立場であった。どっちつかずに後悔の山……、そして目の前に現れたのは。
 突っ込み出来るところは多々あれど、おもしろかったので甘いと思いつつも★5。

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紙の本リオノーラの肖像

2001/03/21 04:44

ただひたすらラストエピソードのために

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 ゴダード初挑戦は、一冊物から。しかし、厚い〜。

 二人のリオノーラ、ですか。

 70歳のリオノーラ(娘)は娘を伴い旅に出る。自らの過去について、子供達には慎重にぼかし続けてきたが、すべてに納得できた今、時間をかけて語る時が来た。
 まずは少女期のこと。両親はすでに亡く、祖父母とともに、貴族の館に住まいながら、含みのある棘につつかれ続けた日々。彼女の側に立つ人はだんだんに遠ざけられ、祖父も亡くなり、継祖母が再々婚するにいたりほとんど使用人の生活に。なぜ、こんな扱いを受けねばならないのか? こんな扱いを受けねばならない理由、そして消えそうに古い記憶。やがて駐留した軍隊士官が、救いの手をさしのべ、すべての記憶にふたをし、いわゆる幸せな結婚生活を過ごす。継祖母が亡くなり、とうとう謎は謎のままに終わるかと思われたある日、奇妙な訪問者が訪れ、長く古い、リオノーラ(母)を取り巻く記憶が語られる。
 物語全体に戦争(第一次+第二次大戦)が影を落とし続ける翳り。少女期を、不幸に過ごさねばならなかったリオノーラ。絡み合う視点から、少しずつ明かされる一人称の物語達。
 一人称の語りが続くことにより、どこからどこまで信じていいのか、解消する謎より、増えていく謎。手に汗握る波瀾万丈の物語、ではなく、静かに静かに淡々と展開するミステリー。なんというか、当然ながら語り手の思惑で謎が謎を呼び、先の読めない展開。煮え切らない^^; 抑えた性格の登場人物達。際だつのが傍若無人な侵入者達。
 途中、ずっと不信を持って受け止めたエピソードも、最後にすっきり納得。なかなか手の込んだお話で、面白かったな、ですんなり読了するはずだったが。

 ラストで彼女が曾祖父に約束するせりふ。これで、彼女をずっと気にかけてくれた(今は亡き)男達の、ためにためた想いがあふれてきて、思わず落涙。まずは曾祖父、そして配偶者、やがては突然の訪問者……、時を経て後気付く、近親者の思いやり、こういうのに弱い。しかし最近涙もろすぎるな……。

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極大射程 上巻

2001/10/09 02:33

射撃好きにはたまらない(そうでないと没入はつらい)

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正直に言っちゃう。一度投げました、これ。丹念にボブをはめる準備をしているのは、わかるんだけれど、どうにも眠気を誘う。で、再挑戦。で、一気読み(笑)。そのうち記憶にある名前のFBI捜査官の動きを追い出す。う〜。きっとボブは彼の名前としでかした失敗を知っている埋め合わせに、ここでボブの名前に当たらせたんだろうなぁ、と思いつつ。200Pあたりでやっとボブをはめるからくりが見えてきた。なるほど。そこからは一気一気。回り出すと止まらない崖から落ちた雪玉。大きく育って、大変満足いたしました。ははは。いやぁ、でだしボブって相当な年寄りかと思いましたが、40代後半なのね、まだまだなんとか無茶の出来るお年頃だ。同世代読者はきっと喝采を送ったことでしょう。いまいち、も少しニックに活躍させたかったけれどね、まあ、見せ場はあるし文句は言わないでおこ。

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永遠の仔 上

2001/09/23 05:24

子として母として立場を変えて読んでみる

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 とてもわかりやすすぎるほど典型的な実子虐待仲間の過去と現在、その家族。断続的に起こる殺人を絡めて、何が起こったのか起こっているのか、謎を深めつつ丹念に綴られていく「上」。
 あくまで伏せられる少女優希の虐待内容が肝なのだろうが、志穂、優希の母。この人の真情を聞かせて欲しい。是非書いて。これだけではないはずだ。
 祈るように「下」に手を伸ばす。

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仕事くれ。

2001/05/15 01:08

良くも悪くもセールスマン

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 このタイトルに、思わず目を留めた。なんちゅー直截的な(笑)。イヤしかし、まさしく今の心境でして。作者にも見覚え(『ビッグピクチャー』)があり、気がついたらレジの前におりました。
 物語は急上昇急降下をくりかえし、絶頂期からどん底まで、幾度となく翻弄される主人公には、深い同情と憐憫を覚える(笑)。身につまされる方も多いはず(あらすじは「日経ビジネス2000/4/10」の通り)。
 えっと。読み始め、ちょっと訳文に違和感ありました。いやに直訳っぽく感じた。それからカタカナ語が氾濫気味。すぐ慣れちゃいましたが、こんな文章でしたっけ? 前作(ビッグピクチャーも訳者は同じ)。ん〜。ニューヨークのビジネスマンってことで、効果(揶揄)ねらったのかな、とも思う。でも、読みにくいからやめて欲しい…。
 会話がくどくなる寸前で押さえてある。と誉めるべきか、もう少し簡潔に押さえてくれたらと言うべきか。「敏腕をふるってしゃべり倒す(本書内の文章)」のが信条なら、仕方ないか(でもでもこの言い方ってなんか引っかかる)。そのニューヨークのヤッピーだかプレッピーだかのイメージに、憧れつつ背伸びしつつつきあいながら、結局真に理解し合えないことを強烈に自覚しているのだろう。主人公はかのケネディ一家よりも「偉大なるモティベーター(本書内の文章)」氏の方が、理解できるし対処しやすいのだろう。

 明るい、前向き…よく言えば。このひと、めげない意地っ張りですよねぇ。くよくよいじいじするけれど、長続きしないというか。どうしても落とせない顧客への対処法そのままが、このとんでもないトラブルの解決に回される。決してあきらめないこと。ちょっと調子よすぎるぞ、と思わないでもない最後の対決に至る過程も、薄日の差し始めたラストでさえも、きっかけさえあれば、席につき飲み物を飲むことさえ出来れば、と。

 謎多き銀行マン、オリバー・マクガイア、以前の部下シリオ。こんな部下を持てたってことは、それほど捨てたものではない奴だったってことですよね、この主人公。転がり出すまでの描写をかなり丹念(スリルあるセールスマンの日常^^;)に、一旦動き出したらとても目を離せないテンポよい「転落」に、そして転落も解決もどちらも「人」が鍵になる、良きにつけ悪しきにつけ人間関係に乾杯。前作『ビッグピクチャー』と比べると、間違いなくこちらを押します。

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紙の本死の泉

2001/04/26 01:09

蜘蛛の糸が幾重にも織り込まれた物語

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 穏やかな陽光、集うのは金髪碧眼の姉弟と見まがう3人と1人の幼子。マルガレーテは二十歳、フランツは十歳、エーリヒは七歳になっていただろうか。幼いミヒャエルはまだ何も知らない。ひとときの絵、オーバーザルツベルク。

 ここは、第二次大戦時のドイツ、私生児を生むため若い妊婦が集まり、見目よい小児を選別しSS将校に提供するナチの施設レーベンスボルン−生命の泉−。すべてはここから始まり、そして還る。
 前線へ向かうまでのひととき、若い戦士達は女達と遊ぶ。「生めよ増やせよ」とドイツでも奨励されたわけです。彼らの遊びも遊びではなく、国策に沿った行動となるそうな。マルガレーテもそんな中妊娠するが、爆撃により住居と職を失う。行く当てもなく、噂に聞くレーベンスボルンで子供達の世話をしながら子を産み、我が子を飢餓と混乱から遠ざけるため所長と結婚をする。そして外地から寄せ集められた「よきアーリアン」であるフランツと美声を持つエーリヒを引き取り、混沌に向かう外界から切り離された生活に安住していく。何よりも、誰よりもこの子のために…。そして所長である夫クラウスは、狂気を内包した研究者でありカストラートを信奉する。世俗的倫理がなんだ、ナチ政権の行方がなんだ…。

 思い返せば少ない人物による物語。そして、蜘蛛の糸が幾重にも織り込まれた物語が展開していく。

 かなり凝った構成になっていて表紙→目次と開いていった先にあるのは、またも表紙である(文庫が出たようですが、この辺りどうなっているのだろうか?)。本書は翻訳小説の形を借り、訳者が著者を訪ねるあとがきまでが、一つの形の小説なのです。翻訳形式部分は3章に別れ「I」が一貫して「わたし」マルガレーテの手記・敗戦まで、「II」「III」が敗戦15年後であちこち描写する場所が変わる。そして訳者あとがき。…そして著者皆川博子のあとがきで終わる。

 非常に美しく幻想的な小説。静かで少々変化に乏しいかもしれない「I」ではあるけれど、これがなければ15年後はあり得ない。まこと騙し絵のような…。ラスト近くで思わず「騙されたぁ〜」と声が出るほど、うまく騙してもらえて嬉しい読書でした。中心となる人々にいろいろ思うことはありますが、何を書いてもネタばれしそうなので割愛。小道具は不気味なものを取りそろえているのですが、最後まで表面上の「美」で覆われて気になりませんでした。というか欲を言えば、もっと地底のおどろおどろしさを出してもらってもよかったかなぁ。
 第二時大戦をドイツの側から見る不思議さ。日本のいわゆる庶民感覚を全面に努力忍耐を押し出したものを考えると新鮮でした。ビジュアル的印象は萩尾望都。

 どうも、今少し後に残るものがなかったですね。思い返して絶対的に不足するのは、登場人物の迫力ではないかと。執念、偏執さが足りない。それは、手記でない部分は誰が書いたのか、を考えると「故意に」省いたのかもしれないけれど不満になってしまう。戦後編は動きがあって、読みやすかった。

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リプレイ

2001/04/13 00:04

やり直せるものならば

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 タイムトリップもの、でいいんでしょうか。ある時点で死に、過去の自分に意識が跳ぶお話です。

 どこかで聞いたような気もしますが、このアイデアを考案したのが誰であるのか知らないです。この小説が初出であれば脱帽。面白かった。一気に読みました。
 もっとも、ラスト、それで実はどうだったんだという気も起こりましたが。
 んでもいいなぁ、現実逃避したい年齢なもので、こんな具合にやり直しが出来ることは夢であります。実際起こったら?まあ、主人公と同じで孤独感に押しつぶされそうになるとは思うけれど。結局の所何も変わらなかったことになるのだし(いや変わったんだけれど=変えていけるわけだし)、混乱。
 いつまでも夢見ることを忘れたくはない、カモ。

 友人がぜひ読め、と北村薫『スキップ』とともに薦めてくれた本。自分の人生について振り返ってみよう。

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ドロレス・クレイボーン

2001/04/12 00:19

凄みのある女性達の絆

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 キングをホラーだと思って読んだことは一度もない。とはいえキング オブ モダンホラーか。
 本作は、「らしき」箇所がないことはないけれど、純粋に現代アメリカを生き抜いてきた....働きづめに働いてきたなんとも迫力ある女性の、なんとも迫力のある独り語りの真実の声。じわん。世の母達よ強くあれ....かなぁ。

 長編得意のキングにしては1冊完結だなんて....と思ったら、『ジェラルドのゲーム』と対をなすそうな。内容に関連があるわけではないが、登場人物同士が交差するとかしないとか。向こう側の少女の物語も、知りたいな。

 この小説は全編「ドロレス」の口語の記述だけで進む。わずかなエピローグ以外は。雇用主殺しの容疑をかけられた65歳の主人公が、とうとうと自分の半生記を物語るわけです。そう、30年前の夫殺しのことなどを(ネタバレにあらず)。何十年間と関わりつづけた雇用主(家政婦として、付添婦として)との生活を。

 雇用主と主人公。まあ、凄みのある女性達。気まぐれ傲慢金持ち女を地でいく雇用主と、気性激しく働き者の主人公。この火花散る対決も、笑わせてくれるし、しんみりさせてくれる。そして。
 「女というものは、ときには性悪になるしか、しかたがないときだってあるの」

 さすがだなあ、と。やられたな。
 「母」の凄み、女の友情....友情じゃないな、絆か。こんな同志がいれば老後も「恐く」ない(かもしれない)。
 頑張れ男の子(笑)路線(最近はないか)もうまいけど、たくましい女性も素晴らしい。裏表紙にある「慟哭の〜」は嘘でないって。滂沱の涙とは言わないが。早く対なる『ジェラルド〜』も読みたいぞお〜。

#月影先生(えへへ)の一人芝居で観てみたい...

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八番目の小人

2001/03/24 00:23

なんて小説を読んでしまったんだろう....

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 時代は1946年初秋。割と成り行き任せの主人公マイナー・ジャクソンと、その相棒・狡くすべての人々を手玉に取ることに喜びを感じるタイプ(?)の小人ニコライ・プルスカーニュ(ニック)。それぞれ相手を信用しきっているわけでないが、なにやら奇妙な人捜しの旅を始める。

 英米ソ+富豪の父娘が探し求める人物はクルト・オッペンハイマー。それぞれがそれぞれの思惑により、彼を自らの道具にするべく奔走する。未だ混迷のドイツにおいて。


 小説を楽しんだ、といえる。面白かった、とも。けれど、なんて作品を読んでしまったのだろう。こういう時代だったということでしょうか。「クルト」何とも彼が哀しい。なにより哀しい……。

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踊る黄金像

2001/03/24 00:14

GET

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 どたばた喜劇....? GET A HUSTLE いそがなくっちゃ!!!どたどた.....ばたばた......。実に実にめまぐるしい(^^;) 像は確かに踊っている黄金の僧侶像なのだが、その周りをどたどたばたばた駆け回る人々の騒々しさといったら!! 有り体に言えば、お宝争奪戦。分刻み秒刻みでのすれ違い。

 1シーンごとが短くころころ場面転換してくれる、時間軸も先に行ったり後戻りしたり、少しもじっとしていない。当然「数多くの」登場人物達も一カ所にじっとしてはいない。それなのに状況がちゃんと理解できる。う〜ん。うまい。

 この作者はずいぶんと沢山の筆名を持っている。話題の『悪党パーカー』もその別名義作品のうちのひとつ。未訳作品も多い。発表数も多いようだけど、絶版品も多いようですねぇ。ミステリアスプレスって、はずしが少なそうで、嬉しい。でも、置いてある冊数って、どこも少なくって寂しいな。と言うときのためのオンライン書店か(^^;)

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紙の本悪魔の死

2001/03/21 04:36

かわいいだけが子供じゃない

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 「いい人」わんさかの時代物に飽きて、悪意に満ちた人物を読みたいと思った……。で、目に付いた本書を手に取る。……う〜ん、なんとかわいげのない子供だ(^^;)

 作者は1958年生まれの、法務官を経て弁護士に。そして、前職法務大臣。ゆえにノルウェー社会の問題点など織り込みつつ、創作しているようだ。本書はその3作目(?)。英米作品が氾濫する翻訳小説界に気を吐く北欧小説の一端を負う人気作家だという。

 ノルウェー、オスロ。児童保護施設の新参者オフロの登場で物語は始まる。
 12歳なのに異様に太っているので、大人の衣服を着る。が、長さが合わないのでズボン裾や袖口は折り返している。横幅はそれでもぴちぴちで、なかなかふてぶてしい容貌。優しさも見受けられるが、協調性がなく乱暴でさえある(癇癪持ちですな)。そんな彼を、アグネス所長はそれなり受け入れ規則を指導しようとするが、公私それぞれに問題を抱えていて、徐々に神経質になっていく。
 進んで孤立するオフロではあるが、副所長格のマーレンにだけは、心を開く。そして事件は起き、オフロは姿を隠した。オスロ市警の新米女性警部ハンネは親友とも言える長年の同僚ビリー・Tを部下に得て捜査を開始するが……。

 オフロ登場から事件・捜査の経過が時間に沿って書かれる中、時々オフロの母親から見た、オフロの誕生から成長過程の記憶が挿入されている。このあたり、ばりばりのサイコミステリ調で、なかなか期待させる。が。前半は興味引かれる展開、後半ちょっと乱調(混乱)気味ってところでしょうか。
 ラストの真相にいたっては……、どんでん返しではあるが、興をそぐ処理ではある。ん〜、こういうのもありかな、とか。
 市警側のごたごた(?)や、警部の私的部分がややお約束的なおかつ単なる側面に読めていらいらしていたが、この女性警部はシリーズキャラのようで前作前々作を読めば自然に納得される記述なんだろう。独立したサイコな小説として読むと少々肩すかしかも。

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ガラスの暗殺者 上巻

2001/03/21 04:30

ガラスは砕け散るものなのか??

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 リンジーとの出会いは『悪魔が目を閉じるまで』であった。正直言って同時期に読んだ『羊たちの沈黙』よりも、ずっと強烈だった。この印象があっただけに、他のヘイドン刑事シリーズは、どうにもなじめなく何冊か集めて読み出したものの、一冊で止まっている。新シリーズとして昨年(?)出たものも見送ってしまった。が、今回女性二人の物語と知り、淡い期待と共に、発売を待った(にもかかわらず、なかなか見つからずに何店書店を梯子したことか)。積まずにすぐ読み始めた。二日間ぶっ通しで読了……満足(^^)v
 息を呑むほどのロシア美女イリーナと、FBI捜査官の、これまた美女ケイト。冷え冷えとした殺人を日常のごとくこなしていくイリーナの側と、判断力を問われる捜査に(あってなきがごとしの拒否権をちらつかせられながら)導かれていくケイトと順々に描かれ、舞台がヒューストンに統合された後は、どちらも詳細な詰めのないまま暗闇への道を進んでいくスリル。その瞬間瞬間、選択の度に予期せぬ事態に翻弄され、刺々しくなっていく待機するFBI捜査官達(そのエゴ、とか間抜けぶりとかロシアからの出向者との対立とか功名心とか^^; 男女捜査官の本音と建て前とかもね)。

「神は私にガラスの心臓を授けた」固くてもろい、ガラスの心臓を。

 なんといっても「グラスハート」たるイリーナが素晴らしい。冷え冷えと、哀しい暗殺者。デミ・ムーアへの出演交渉は済んでいるという映像化。やっぱイリーナ役なのかなぁ。滅多に観ない映画を、観たいと久方ぶりに思う。

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