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先月(2017年1月)

ジュゴンさんのレビュー一覧

投稿者:ジュゴン

1 件中 1 件~ 1 件を表示

朗読者

2000/09/07 16:55

一気に読むべき癒しの物語

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 このような小説を書く力量と見識のある執筆者が突然出現するとは、さすが欧州文明の底の厚さでしょうか。
 主題は、実は、ナチスドイツに対する歴史的な罪悪感などではなく、きわめて個人的なトラウマを主人公がどのように癒すことが出来たのか、という、言いかえれば、小説が持つ普遍的なテーマであると思います。欧州伝統のビルドゥングス・ロマン、という見方もあるでしょうが、教養主義的な構成を敢えて排し、きわめて内省的なトーンで全編が流れます。音楽好きなかたは、ハイドンに似た精神的な落ち着き・透明感と寛容をお感じになるかもしれません。
 世界的な売れ行きとのことで、地球規模で社会秩序や旧来の道徳的な価値観といったものが崩壊し始めている今日の状況の裏返しとも見えますが、大江健三郎型の自己崩壊に向かいがちなどこかの国と違い、さすが自立した精神を持つ、あるいは持たなければ生きていけない欧州の底力を垣間見せられたような気がしました。
 今年或いは90年代を代表する作品かもしれません。とにかく一読をお勧めします。書評を読んでから買う、という行為に最も適さない本である、ということだけ最後に付け加えます。

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