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先月(2017年1月)

ウェスタン・ラリアートさんのレビュー一覧

投稿者:ウェスタン・ラリアート

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本魂のラリアット

2001/01/28 01:51

ロングホーンよ、永遠に!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 素晴らしい本だ。普通なら「プロレスを知らない人にも是非読んでほしい」といいたいところだが、これに限っては敢えて「プロレスを、そしてハンセンをよく知っている人にこそ読んでほしい」と言いたい。

 この本の中でも語られている友人ブルーザー・ブロディの死のすぐ後に、「時事英語」という英語学習用の雑誌にハンセンのインタビューが載ったことがある。プロレス・ファンとしてハンセンの名前を知っていた私は、その組み合わせの意外性もあり、雑誌を買って一読し、非常に驚いたことをはっきり覚えている。
 リング上の傍若無人の暴れっぷりからは想像できない静かな佇まいと、インテリジェンスに満ちた言葉…… それらはよく言われるところの「プロレスの悪役が実はリングの外では紳士である」的なありふれた図式にははまらない、全く別の心地よささえ感じさせたものだった。
 嬉しいことに、この本はその時に私が受けたハンセンの印象を損なうことなく書かれている。識者書評の中山氏も書かれているが、恐らく訳者は非常にハンセンに近しい人なのだろう。無駄な誇張を避けた静かで丁寧な表現が、人間スタン・ハンセンの真摯な姿勢と教養の高さをまことにうまく伝えてくれる。その訃報に接してジャンボ鶴田を評して言った「高いクラスの人間」というのは、実は彼自身にも当てはまることなのだ。

 この本の「まだまだこれからだ」というメッセージは実現せず、もうすぐハンセンは引退してしまう。ほんの数年前、つまりもうすぐ50歳になろうかという頃まで、しかもあの巨体で打点の高いドロップキックを放っていたことを思えば、寂しくはあるもののその潔さには敬意を表すしかない。改めて彼は、非常に誠実な人間であったとしみじみと思う。

 こう書いてくると、プロレスを、ハンセンを知らない人にも薦めたいところだが、彼が長年繰り広げてきた試合とドラマを知ってこそ感動も深い。個人的には、やはりここは敢えて「ハンセン・ファンへ」お薦めすることにしたい。

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