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先月(2017年2月)

趣味は読書さんのレビュー一覧

投稿者:趣味は読書

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本脳死・臓器移植の本当の話

2004/06/16 12:25

「人間の尊厳」とは、いかなる状態であれ「あなた」と呼べる者がただそこに「いる」ことに思えてならない。(p403)

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者の小松美彦氏は脳死・臓器移植反対論者として有名で、
著書である『死は共鳴する』は脳死関連の本の中で度々引用されている。
この本は、前著と違い科学的な議論に重点を置いた啓蒙書であるが、
読後に深い余韻を残すという意味で全く稀有な一冊である。

新書という体裁を取りながら、通常の2倍の400ページのボリューム
をもち、しかもその中で1ページとして無駄な記述はないと思える程
驚くべき高密度の議論が展開される。
それはもはや、新書にお決まりの入門的解説書の域をはるかに越えた
本格的な単行本一冊の内容を備えている。
その上かなり専門的な領域に踏み込んでいるにもかかわらず、
平易かつ著者の熱い思いの伝わる文章と、次々に明らかにされる
驚愕の事実によって、最後まで一気に読まされる。

圧巻は第六章で展開される、臓器移植法成立後の第一例目の心臓移植
となった高知赤十字病院移植の驚くべき実態である。
あれだけ世間の注目を集めた、いわば衆人環視の第一例目の移植が
なぜこれほどまでに杜撰だったのかと愕然とする。
今後、移植推進論者にはこの本で提起されたすべての問題点に、
誠実に答える義務があるのではないだろうか。

しかしこの本は、終章まで読み進んだ時全く違う様相をみせることになる。
著者の意図は、単純な脳死・臓器移植反対という政治的立場の表明には
なかったということが最後になって理解できるのである。
このことは、あとがきの冒頭3行に書かれているのだが、その意味は
読み終わって初めて納得できるのだ。
著者の目は、脳死・臓器移植を越えてもっと遠くをそしてもっと深みを
見つめているのである。

テーマが難しそうだとか硬そうだとか、ページが多そうだといって
敬遠しないで欲しい。楳図かずおからの引用があることからもわかるが
著者の緻密な論理の展開のうらには、熱い思いがかくされている。
決して理論で相手を打ち負かそうとして書いているのではない。
理論書でありながら、読んだ後に1編の小説のような深い感銘を残す
そんな本である。できるだけ多くの人に読んでもらいたい。

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紙の本手紙

2003/04/23 23:15

外見に騙されるな

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

地味なタイトル
地味な装丁
意味不明なオビのコピー

東野圭吾の名前がなかったら
手に取ることもないであろう。
実際書店で手にとって見たものの
ーああ、加害者家族のお涙頂戴物語ねー
とすぐに戻してしまった。

あとでweb本の雑誌の書評で絶賛されているのを見て
あわてて読んでみた。

確かに、プロットも個々のエピソードも
手垢のついたモノを使っている。
話を作りすぎている部分もある。
しかし、そこはモノマネの嫌いな東野圭吾らしく
同じネタを使っても、他の作家のモノとは
全く違う作品に仕上がっている。

いや、むしろこんな陳腐なテーマでも
ここまで掘り下げて描けるんだぞと
挑戦的ですらある。

後半のクライマックスで主人公の勤める会社の
社長平野の口から、おそらくこれまで誰の口からも
又どの作家も書き得なかったセリフが発せられる。
この10ページほどを読むだけでも
この本を読む価値はある。

そしてラスト1ページ。
その手には乗るかと思いつつも
涙を堪えることができなかった。
今まで読んだ東野作品のなかでも最も印象的なラストだ。

感動したいひとも、安易なお涙頂戴物語が嫌いなひとも
どちらも満足させられる、中身の濃ーい一冊です。

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紙の本個人と国家 今なぜ立憲主義か

2003/05/21 23:43

立憲主義ってなんだ?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ブッシュは民主主義の名のもとに、つまり多数の国民の支持を背景に
国際法無視の侵略戦争を行った。
そして、その戦争を支持した小泉も又国民の多数が支持する政党の代
表者である。
いったい民主主義とは歯止めの利かないリヴァイアサンなのか。
これを民主主義と言うのなら、「独裁」との差は巧妙な詐欺と恐喝の
差でしかない。

この新書のサブタイトルは「今なぜ立憲主義か」である。
確かになぜそんな古めかしい用語が今頃でてくるのかと思う。
「たしか、昔の政党に立憲なんとか党とか言うのがあったよなぁ」そ
の程度の理解でしかない。しかし、この言葉は決して錆びた刀ではな
い。そのことを教えてくれるのがこの本である。

「立憲主義」の「憲」とはもちろん憲法をさす。
憲法と言えば国の基本法。法律の親分。そんな認識が一般的だと思う。
ところが憲法と他の法律は全く性質が異なる。
憲法とは形式的には国民が、自らの自由を守るために定めたものであ
り、権力者の自由を縛るためのものである。したがって、憲法を守る
義務があるのは権力者(全ての公務員)である。けっして国民ではな
い。一方、国会で毎年せっせと作られる法律は、権力者が自らの権力
行使(自由)のメニューを増やすためのものであり、そのほとんどが
多かれ少なかれ国民の自由を制限するためのものである。
つまり、憲法とは国民が権力者につきつけたマニュアルであり、この
範囲でなら権力行使を許しましょう。そしてなにをする場合でもまず
紙(法)に書いてその許可(国会)をとって行いなさい。紙(法)に
書いてある限りは少々の不自由は我慢しましょう。
これが、国民と権力者との約束事なのである。
ところが、現実は国会と権力(内閣)は限りなく境目がなく、国民の
代表機関としての国会が十分に機能を果たしていない。そこで憲法に
よる制御が必要になってくるのである。憲法に違反する法律は決して
許さない。それを厳格に追求するのが立憲主義である。

この本は「個人と国家」という抽象的なタイトルのため、また新書と
いうスタイルのせいで、話題があちこちに跳んでいるのが欠点だが、
改憲をするにせよしないにせよ、憲法を論じるにあたってわれわれが
知っておく必要がある最低限の認識について教えてくれている。
民主主義の胡散臭さにうんざりしている人、憲法なんてあたりまえの
ことが書いてるだけじゃんと思っている人にお勧めします。

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