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T2 さんのレビュー一覧

投稿者:T2 

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本レベル7

2001/01/18 22:45

ストリーテラーと言われる所以、ここにあり!

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 人の心を感動させる作品を期待して読んだのですが、期待以上にミステリ色も濃いしサプライズもありで、もう見事というしかありません。厚くてP657もあるので読むのは大変だったのだけど、それにお釣りが来るくらいの満足感。

 レベル7までいったらもうもどってこなくていいんだよ———
 とある男女が見知らぬ部屋で起きる。不思議なことに記憶がないのである。自分達の名前すらわからない、腕には“Level-7 F-112-a”との謎の文字。見知らぬ部屋には大量の現金と拳銃と血のついたタオル。ただならぬ事態を感じながら、彼らは自分探しの調査に乗り出す。
 一方でカウンセラー悦子は、少女みさおが行方不明となっていることを知る。彼女の日記には「レベル7までいってみる。もう戻れない?」の文字。悦子は独自でみさおを行方を追い始める。

 片方は謎だらけな状況から始まりぐっと読者を惹きつけ、謎が解けかけては新たな謎が出てで、作者の押引の妙にうまさを感じます。もう片方は、カウンセラーが少女を探すストーリーの中に、少女が持つ悩みや現代社会の心の病を織り交ぜてあって、何か心に訴えかけられるものがあったり。

 この二つの物語、ある事件をキーワードにゆっくりと編み上げられていきやがては一つに収束する。最後にはサスペンスな展開もあり、そしてサプライズまで用意されているんだからもう贅沢極まりない。ストーリー展開設計の完成度の高さに只々感心するばかり。エピローグを読んだ後、もう一度プロローグを読んでまた納得。凄いな〜

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紙の本秘密

2000/11/11 00:01

最後に本当の秘密の意味を知ったとき、あなたは涙する

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 東野圭吾の代表作に挙げられ、広末涼子がヒロインとして出た映画の原作としても有名です。娘の体に妻の意識が入る、こんなちょっとした設定でここまでドラマが作れるのかと感動。私にとって、東野圭吾作品への信頼感がぐっと増した一冊でもありました。

 不幸にもスキーバスの転落事故により、杉田平介の妻・直子は大きな外傷をうけ重症、娘・藻奈美は外傷がないものの脳に大きな障害を負った。やがて妻は死亡。悲しみに暮れるなか、寝たきりだった藻奈美が目を覚ます。しかし彼女の意識は藻奈美のものではなく妻・直子のものだった。秘密含みの奇妙な生活はここから始まる。娘のためにも新しい体で人生をやりなおそうと前向きに考える妻に対し、取り残される不安に苛まれる夫。「いったい私は妻と子供どちらを失ったのだろう?」

 いつか戻ってくるかもしれない娘に対して、夫と妻はよく考え話し合い最善の選択だと思われることをしていきます。それは、ときには我慢や努力を要し犠牲も多く、辛く切ないものであります。そんな展開にすっかり自分の感情が引き込まれていく。そして、そんな鬱積した思いがときには、普通なら許せない行き過ぎた行動を生んでしまうが、その気持ちも“わかって”しまう。現実には有り得ない状況のはずなのに、その立場に立っている自分がいる。そんな展開の妙が、作者の手腕なのでしょう。

 すっかり感情移入して迎えたラスト5ページで、本当の秘密の知ったとき、驚きとともにやるせなさと切なさが倍増。どうしてもやり切れない思い、それを感じると涙がほろりと。

 読者が男か女かによって、夫と妻と感情移入する相手が異なり、感想が異なると思いますが、どちらの立場でも夫婦と子供への愛を感じることのできる優れた名作です。

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ハサミ男

2001/01/18 23:10

文章の影で見えない真実

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 「あっと驚く結末」をテーマに友人から薦められた本。そんなその驚きとはいかに!?第13回メフィスト賞受賞作。

 死体ののどに突き立てられたハサミ、連続美少女殺人事件の犯人は世間から「ハサミ男」と呼ばれる。その「ハサミ男」は表は出版社に勤める普通の人。しかし、自殺願望を持ち殺人を何とも思わない狂気に満ちた人。そんな「ハサミ男」が、神のいたずらか偶然にもなんと自分の犯行を真似た事件の目撃者となる。その事件の真犯人を探す羽目となるハサミ男。捜査をすすめる警察。その接点はどこに・・・

 本を手に取りタイトルを見て、さらに裏表紙の導入を読んでいる段階からしっかりと最後の驚きへの伏線が張られている。なるほど、そりゃ騙されます。固定概念というのは恐ろしい、またその固定概念からしっかり読者の道をはずさせない。卓越した文章描写ですね。

 物語はハサミ男自身の行動と、警察の捜査の進展が交互に描かれます。一つの事件をめぐって交錯する警察とハサミ男。交錯しているようで、すれ違っている。これが、最後の驚きへの最大の伏線となっている。

 後で混乱しないためにもしっかり物語を追うのをお勧めしますが、無理にいろいろ考えながら読まないように。そして騙されてください。騙された方が圧倒的に得ですよ。
   

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紙の本名探偵の掟

2000/10/12 11:59

明快なツッコミと笑いに隠された、名探偵への疑問符

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 漫画やアニメでも名探偵ものが流行の今、読み時とも思える作品。名探偵シリーズの世界にはいわゆる暗黙の了解ってやつが存在しますよね。例えば、名探偵の周りには必ず殺人が起きるとか、名探偵の側にはいつもトンチンカンな推理をする警部がいるとか。他にも、ミステリに付きものである密室殺人・ダイイングメッセージ・孤立した山荘や島での殺人など。はっきり言って「それ」を言ったらおしまいだよ、という内容を見事に指摘するパロディ作品なのです。読者が日頃、突っ込みたくなるようなことをきっちり書いてくれている。痛快です、笑えますよ!

 事件が起きる、しかしその謎がわからす悩んでいる警部大河原番三のそばから、ひょっこり顔を出して事件を解決する名探偵天下一大五郎。天下一が次々と難?事件を解決していく短編ストーリー。読者の気持ちを見透かしてくるのか、自分でもわかったようにして天下一と大河原は小説世界から抜け出して話をします。そして、あらゆる事件を解決した名探偵の出した結論は…。

 読んでいる時は笑いに満ちているけれど、この小説は単なるパロディで終わっていない。そんなパロディで風刺して、ミステリあるいは推理小説に対する東野圭吾の考え方が随所に読み取れます。この作品と解説を読んでより納得。名探偵と本格ミステリーという見識を考えさせてくれる、深い作品です。

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紙の本テロリストのパラソル

2000/12/27 23:10

人の昔と今、積み上げられた人の歴史。

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 この本を手にとってみたきっかけは単純なものです。そう、この本は受賞作品なのです。しかも、かの有名な江戸川乱歩賞と直木賞をW受賞しているというのだから読むしかないでしょう。賞を取った作品が面白いって決まっているわけじゃないけど、やっぱり作品を選ぶ要素にはなるもの。

 アル中のバーテン島村は今日も昼から酒を飲みながらベンチに座っていた。いつもの場所、いつもの時間、いつもの風景。突然の爆発の音、異質な音。彼はその音を知っていた。後にその爆発事故で彼の昔の恋人、そして仲間が死んだことがわかる。偶然過ぎる事故。そして身に降りかかるヤクザからの警告。彼のまわりが急回転で動いていた。そして彼も動き始めた。

 端的なのに繊細な描写、人物から滲み出る哀愁、扱うテーマの奥深さなど文学的側面はとても綺麗な作品というのは間違いないと思うのです。時とともに積み上げられた人の歴史と、その上に生きる今を物語全体でしっかりと描けていてそれを感じることはできたかも。会話もとてもテンポよく美しいし、まさに作品として“整っている”。

 と、それは読了後だから言えること。読んでいる最中はあまり魅力を感じることができなかった。ちょっと読むのに苦労した感じです。謎のほころばせ方も普通だし、主人公への魅力というのもそれほど感じ取れなかったのがやや残念。哀愁とくたびれた中にも凛とした芯が通った場面があっても良かったかなぁ。もっと荒削りでも良いから、グイグイと読者を引っ張る場面が欲しかった。

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