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のーとみさんのレビュー一覧

投稿者:のーとみ

9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本アラビアの夜の種族

2005/04/12 01:15

夜と物語に生きる全ての人のための悦楽

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本には、特に小説には、その物語が求める速度というのがあると思う。例えば京極夏彦の京極堂シリーズなんかは、とにかく速く読まれることが想定されているせいで、今まで全部一晩で読了しているのだが、それは、その速度で読む方が面白いはずだから。栗本薫とか平井和正、大塚英志、西尾維新あたりも、スピード派か。逆に、岡本綺堂とか津原泰水、久生十蘭などのような、ゆっくり読むほど面白い作品を書く作家もいる。
この作家がどうかは他を読んだことがないので知らないけれど、この「アラビアの夜の種族」は、ゆっくりと舐めるように、流れる時間を感じながら読むべき物語だったと思う。で、そうやって、1日50ページ〜80ページづつ、ほぼ1週間かけて読んだ。その時間が本当に楽しかった。
面白い。相当面白い。しかも、盛り上がる。メチャクチャ盛り上がる。物語について、本について、アラビアについて、夜について、化物について、男と女について、魔法について、砂について、全てがしっかり描かれて、それが混ざり合って、だから、それが「物語」。アラビアの一日は夜に始まる、というのが泣けるなあ。「夜が朝に代わり、朝が夜に代わる」というのは、本当に、何て良い言葉だろうと思う。全てのナイトブリード感涙の物語だと思う。今の世界も、日が暮れて日付が変わると良いのに。

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忍法は、これほどまでに感動的な戦いの中で誕生したのだった

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 風太郎忍法帖で唯一単行本化されていなかった長編の初単行本化。舞台は室町時代、柳生に剣法が、伊賀に忍法が生まれた由来を書いた物語なので、忍法創世記というタイトルになっている。嬉しいのは、創世記だけに、忍法修業の様子が詳しく書かれているところ。もちろんウソ八百というか、この通り練習しても、相手に自分の裸身を幻視させてぼーっとさせる「忍法おぼろ月」なんかが出来るようになるわけではないけど、どのような過程で、その奇怪な技が生まれるかというのは、他の作品にはあまり出てこなかっただけに興味深い(というか、楽しいというか)。
 ストーリーは「柳生十兵衛死す」の元ネタと聞いて想像していたものとは随分違い、愛し合う柳生の三兄弟と伊賀の三姉妹が、謀略に巻き込まれてお互い戦うことになるという黄金パターン。それに三種の神器とか、世阿弥とか、南朝の姫であり無駄に強い少女とかが絡んで、権力闘争のグロテクスさと、それに巻き込まれる男女の哀しさが浮かび上がる仕掛け。変な忍法も奇怪な剣法もいっぱい出てくるし、哀しいけれど、ハツピーエンドではあるし、忍法八犬伝や風来忍法帖を思わせるようなラストのカタルシスは感動的だし、何故、今まで単行本化されていなかったのかが不思議なほどの出来の良さ。「面白い、面白い」と仕事も忘れて読みふけって、そして、もうこの人はいないということが、やけにリアルに感じられる。

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1347種のレシピを収録したデータベースのお手本

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 広辞苑ほどの厚さがあるこの本は、ただひたすら、パスタ料理のレシピだけが延々と書かれている。収録数は1347。ごく簡単な家庭料理風のものから、ゴージャスな材料を使った宮廷料理、パスタをパイ生地代わりに使った料理など、あらゆり種類のパスタ料理の作り方が書かれている、まさに「宝典」と呼ぶにふさわしい本。
 そして、この本には、料理の写真などの図版は一切ない。その割り切りが凄い。この本では、メニューによって多少の違いはあるが、だいたい、1ページに二つから三つのレシピが収録されている。そこに写真を入れると、このページ数での収録レシピは半減する上に、写真を掲載するレシピとしないレシピが出てくれば、料理そのものをランク付けすることにもなる。だいたい、レシピ集における写真の役割なんて、雰囲気作りにしか過ぎないのだし、これだけのデータが収録されていれば、写真が無くて寂しいなんて言う人はいないだろう。
 データベース系のCD−ROMがつまらないのは、結局、こういう思い切りが出来なかったからだ。ビジュアルが重視される現在の日本の出版界をもう一度見直す材料としても貴重なこの本を買って、ついでに美味いパスタを食べよう。

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小説でしか書きえないリアル

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 冒頭、南京大虐殺を目の当たりにした探偵小説作家が、累々たる死体を前に叫ぶ。「死者たちよ、蘇れ。この侮辱に憤れ。否の声をあげろ。この無意味な“死”を受け入れることに甘んじるな!」。そして、その声に呼応するように、死者達が次々に立ち上がる。三千年前の甲骨文字が、昭和十二年の連続殺人事件を予言し、昭和の終わりに起こった自殺事件では、飛び降りた男が三十分近く宙を浮いていた。自殺した男の妻は、パラレルワールドのワームホールを通って、昭和十二年の宿命城で中国人女性朱月華として生きる。
 いったい、何が起こっているのか分からないまま、昭和の初めの満州と、昭和の終わりの東京で、次々と謎を孕んだ事件が連続する。でも、これはSFでなく、あくまでもミステリ。SF設定のミステリですらなく、最後には、見事に本格ミステリとして、事件は解体される。
 それだけでも、この小説は充分凄いんだけど、それだけでは終わらない。考えられているのは、まず探偵小説のアクチュアリティ。作中には何度も「この世には探偵小説でしか語れない事実というものがあるのも、また事実であるんだぜ」というセリフが繰り返し引用される。そして、「昭和」という時間を歴史として語る方法としての探偵小説として、作中作である「宿命城殺人事件」というテキストが語られる。その読み手、というか、歴史そのものとして設定された「検閲図書館」。この設定を使って、探偵小説にアクチュアリティを持たせ、しかも本格ミステリとしても機能させる。その中には、ミステリのコードも探偵小説のコードも全部ぶち込まれていて、しかも、これはカッコいい話なのだ。
 帯に「全体ミステリ」と書いてあるけど、まあ一言で言えば、そういう小説なんだろうな。小説でしか書きえないリアル、この世には存在しないリアル。面白くないわけがない。

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怪異と仲良く旅をするための教則本

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京都の妖しいスポットを紹介しつつ、そこにある様々な伝承に簡単な考察を加えて見せてくれるという、ガイドブックでもあり、妖怪基礎知識本でもあり、怪異や伝承伝説とのつきあい方を示唆する本でもあるという、やたらとお得な一冊。地図があり、写真があり、怪異のスポットだと言われる由来があり、さらに、その由来や立地から小松和彦先生の思いつきが語られる。その立体的な構成と、読み手の想像や考察の余地を残す文章の分かり易さが魅力。読めば京都に行きたくなる妖怪好きの必携書。解説は京極夏彦。

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紙の本中国茶図鑑

2003/03/10 00:20

とにかく実用的だから、中国茶飲み歩きに最適

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新書サイズでいわゆる「銘茶」と呼ばれている中国茶125種類について、原寸大の茶葉、水色、お湯を注いだ後の原寸大の茶葉の三つの写真(撮影は丸山洋平氏)と原産地、解説が各1ページで収録されている。読みの五十音順リスト、産地別五十音順リスト、種類別五十音順リストと、索引も充実。最小限にとどめられたエッセイなどの読み物も良質。飲み方や入れ方も、基本的にはどうでも良いというスタンスなのが好き。健康に良いとかいうのも書いてないし、ただ、ひたすらお茶のデータ。あと、中国のお茶屋さんでの茶葉購入方法が詳しく(写真入りでシミュレーション)書かれているのが面白い。お茶飲みに行く時に持っていくのも良いサイズと内容。お買い得だと思う。

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紙の本呪禁官

2001/09/13 02:08

ハリー・ポッターを越えた、マジカル・ビルドゥイングス・ロマン

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 オカルトと科学の立場が微妙に入れ替わった世界での物語。オカルトの有効性が実証され、政治や経済にもオカルトが応用される世界。その中で、呪いの悪用を防ぐための霊的警察官とも呼べる、この世界のエリート「呪禁官」を目指して、呪禁官養成学校に通う少年たちの物語。それに、不死者と呼ばれる男や、反オカルト科学結社内のテロ組織などが絡んで、古今東西のあらゆる呪いや科学兵器がぶつかり合うクライマックスになだれ込む。
 物語は、ほとんど「ハリー・ポッターと賢者の石」にそっくりなんだけど、ハリー・ポッターに無くて、それが最も不満だった、少年たちの成長が描かれているのが嬉しい。だからこそ、読後に、カタルシスだけでない感動と気持ちよさが残る。
 さらに、呪術のエンサイクロペディアであり、世紀の初頭に黙示録的な物語を書こうという野心作であり、牧野修作品なのに、凄い爽やかでジュブナイル的であり(まあ、残虐描写はあるけど、電波系が出てこないし、ホラーでもスリラーでも無い)、笑いが基本にあって、誰にでも勧められるエンターテインメントの王道。呪術が、あるときは山田風太郎の忍法のように、あるときはハッキングの知識のように、さらに少年たちにとっては学校で習う日常として描かれる面白さは、この作品独特の面白さだ。

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紙の本花咲ける青少年 12巻セット

2001/05/02 20:15

育てよ、男子、の物語

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 僕は男の子なので、実の所は少女マンガは分からない。少年マンガは、少年であろうとする意志の物語なのだが、少女マンガはそうではないようなので、ますます分からない。分からないから面白くないかというとそうではないのが、また不思議だ。
 樹なつみは、いつも男の子を描く。「マルチェロ物語」はタイトル通りマルチェロという男の子の解放の話だし、「朱鷺色三角形」「パッション・パレード」は、男の子の関係性の物語だ。「OZ」で、男の子の恋を描いた後、更に続いているのが「花咲ける青少年」なのだが、ここまでくれば、もう言わずもがな。青少年たちが、ヒロイン花鹿を狂言回しにその魅力を競い合いつつ成長するという、男の子の論理でまんま読める物語だ。まさに男の子のための少女マンガ。でも完全に少女マンガだし、これが王道という気さえする。
 しかも、ハリウッド映画ばりの身分を越えた大恋愛ドラマを導入部に、物語は日本の普通の高校から一気に世界的な大財閥に舞台が飛び、更に国家レベルのクーデターにまで話は広がっていく。花鹿なんて、実は王位継承権第一位だったりもする。その、大仰に展開するスピードとスケール感だけでも凄いのに、それでも物語は常に個人へと帰っていく。
 女の子は常に背筋が伸びていて、それを見て男の子は一生懸命成長していく。花鹿が女の子の理想であるとは思わないけど、こういう女の子は男の子を絶対成長させる。そういうのがいいなと思うのが男の子で、だけど「花咲ける青少年」は飽くまでも少女マンガのフィールドにとどまり続ける。そして、少女マンガとして、見事にBoy meets a Girlの物語となって完結。しかも、大風呂敷を広げるだけ広げた展開なのに、ひたすらハッピーな物語に終始する。それが何より凄い。

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子供の頃の、ドキドキワクワクするような興奮を忘れられない人たちへ贈る、最強の面白本ブックガイド

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 主人公がいて、何か事件が起こり、その事件を通じて、主人公たちが、ほんの少し成長したり、事件の前とは、ちょっとだけ変化していたりする。そんな物語を読みたかったら、子供向けの小説が一番だ。最近の、ミステリやホラー小説のブームを見ても、みんな、そういう物語が読みたいんじゃないの?とか思う。殺人事件とか、恐怖体験とかを経て変化していく登場人物たちの物語。
 ドロドロした恋愛とか、イジメ、老人問題、戦争といった社会的な問題、生きる意味とか、思想とか、そういうものもいいけど、それを前面に押し出して、テーマとして主張されると、せっかく本を読んでいるのに、何でそういう重い面倒くさい現実を持ち込むんだろう、と思うこともある。現実性は、ドラマを支える一要素でいい。問題は、その物語がワクワク、ドキドキさせてくれて、読み始めたらやめられなくて、読み終わったら、ちょっと感動したり、切なくなったり、嬉しくなったりする、そんな、子供の頃のような読書体験の楽しさをもう一度味わいたいと思ってる人は沢山いるはずだ。
 でも、意外とそういう本って少ない。子供向きの本、特に、中学生から高校生あたりを対象に書かれた小説には、そういうのが沢山あるんだけど、例えばインターネットで「児童書」とか「児童小説」とかで検索しても、絵本関係とか、教育関係のものばかりヒットするから、実は、児童書が物語の宝庫であることに気がつかない。
 最近ようやく、はやみねかおるのミステリや、美智子皇后の講演などで、児童書の魅力に目をつける人が増えてきたけど、一口に児童書といっても幅広いから、中には、単に説教臭いのとか、幼稚なだけのとかも多い。
 大人の鑑賞に堪えて、しかも、ドキドキワクワクさせてくれる物語は、インターネットをもってしても、どうやって探せばいいのか分からないのが現状だ。
 という状況の中で、この「子供の本がおもしろい」が登場する。実際に読んでみて、途中で本をおくことができなかった物語だけを三百冊以上も紹介した、最強の面白本ブックガイドだ。もともと、児童小説は、飽きっぽくて集中力のない子供に向けて書かれた物語だから、そこには、作者の「面白がらせてやろう」という工夫が詰まっている。かつて「ねらわれた学園」とか「少年探偵団」なんかに盛り上がった興奮を、もう一度取り戻せるよ。

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