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先月(2017年1月)

エンドルフィンさんのレビュー一覧

投稿者:エンドルフィン

75 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本天使と悪魔 上

2004/04/19 21:57

雑学満載の一級エンターテイメント

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今回紹介するダン・ブラウンの『天使と悪魔』は文句なく一級のエンタテイメントだ。つい、先日もNASAが新型ジェットエンジンを搭載した無人小型機X43Aの飛行実験をし、マッハ7を突破したというニュースがあった。『天使と悪魔』で登場するX−33は気化燃料による高エネルギー密度物質エンジン(?)を搭載しマッハ15で飛んでみせる。そうした近未来のSF的要素と17世紀のガリレオに端を発する伝説とをミックスし、ヴァチカンとローマを舞台に物語は進行する。

ハーヴァード大学教授で宗教象徴学を専門とするロバート・ラングドンは欧州原子核研究機構のコーラー所長からある紋章について説明を求められる。送られてきたFAXを見たラングドンはわが目を疑った。それはあのガリレオが創設したと言われる秘密結社イルミナティのものだった。そして、ジュネーヴに飛んだラングドンは驚くべき事実を知らさせる。コーラー所長によれば研究所内で殺された研究者の胸にその紋章が押されていたのだ。しかも、その研究者が開発していた膨大なエネルギーを放出する反物質が盗まれたというのだ。その頃、新しい教皇を選ぶ選挙を実施しようとしていたヴァチカンでは有力な四人の枢機卿が行方不明となり、イルミナティを名乗る男から脅迫を受けていた。カトリック教会に復讐するため一時間に一人ずつ枢機卿を殺し、最後に反物質を爆発されるというものだった。ラングドンは殺された研究者の娘ヴィットリア・ヴェトラとともに反物質の奪還をめざしてヴァチカンに乗り込むが…。

進化論を学校で教えることの是非が議論される欧米では、宗教と科学の問題は根深いものがある。しかし、宗教と科学という一見深遠なテーマを扱っているものの、本書におけるダン・ブラウンの指向はひたすらエンターテイメントである。イルミナティという秘密結社にまつわる陰謀を軸にしたストーリーに、雑学がまるでちらし寿司のようにちりばめてあるのだ。しかし、エンターテイメントを指向するだけあって、ぺダンチックとまではいかない、そのさじ加減が巧みだ。マドンナの苗字がチッコーネだという小ネタから、教皇の選挙(コンクラーベ)のやり方まで雑学がつまっている。そう、最近の流行り言葉で言えば、トリビアの泉というところか。

反物質に始まって前法王に関する驚愕の事実まで、大胆な設定で読ませる。長い間秘匿されていたイルミナティの謎をわずか24時間で解いてみせるなど、強引過ぎる点もあるものの、あまりの急展開に目がくらんで気にならないといったところだ。おおいに楽しめる700ページだ。

なお、ダン・ブラウンの公式サイトは必見だ。本書を読みながらサイトを参考にされることをお薦めする。ヴァチカンの衛兵の制服や、謎解きのヒントとなるベルニーニの彫刻の写真や本書で登場するマッハ15の飛行機(これは無論コンピュータ・グラフィック)まである。ラングドン・シリーズの二作目で本国ではすでに発売されていると“The Da Vinci Code”に関係した暗号解読の問題まで用意してある。新しい試みとしても注目される。是非、ご覧頂きたい。

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覇者 上

2003/05/25 17:30

もっと評価されて良いポール・リンゼイ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今回紹介するのはポール・リンゼイの「覇者」だ。ポール・リンゼイは過去にFBI捜査官マイク・デヴリンを主人公にしたシリーズを三作上梓している。本書も同じくFBI捜査官の活躍を描いているが、主人公はタズ・ファロン。そして物語はナチスが集めた、というより略奪したまま行方不明になった名画の数々をめぐって展開する。これはミステリの格好のネタで、最近ではアーロン・エルキンズの「略奪」がやはり同じテーマを扱ったものだった。この二つには翻訳者が笹野洋子さんという共通点もある。

第二次大戦中にナチスによって接収され「総統のたくわえ」と呼ばれ、そのまま行方不明になった多くの美術品。FBI捜査官タズ・ファロンはその中の一つ、シスレーの絵画が極秘に開催されるオークションに出品されたとの情報を得て調査にあたる。しかし、総額五億ドルにもなる「総統のたくわえ」の残りの名画を狙って、ネオナチの一党が動き出した。そして、名画を預けられたと思われる老ドイツ人ばかりが相次いで殺害される。国際美術研究財団のシヴィア・ロスと協力して名画の行方を追うファロンと狡猾な犯人たちとの知恵比べが始まった。

前三作も含めて、ポール・リンゼイの作品の魅力は展開のスピードと実際のFBIの捜査もそうだろうと思わせる緻密さにある。犯人の乗り捨てた盗難車を発見する。盗難車が乗り捨てられた近辺のモーテルを徹底的にあらう。犯人達の泊まった部屋をつきとめ、そこからかけられた電話番号を調査する。その持ち主を突き止め、監視する。といった具合で、実際にFBI捜査官であったという経歴が活きている。本書では加えて、名画の隠し場所を示す暗号解読という要素も盛り込んでおり、サービス満点といったところだ。ただし、ポール・リンゼイの責任ではないが、「覇者」という邦題はちょっといただけない。原題は直訳すればまさに「総統のたくわえ」なのだが、ここは工夫が必要だったろう。

これほど、面白い作家なのになぜか日本では人気が今一つで、ジェフリー・ディーヴァーのようにブレイクしない。この点について本書の解説の児玉清さんはリンゼイの作品はプロットも手がこんでいて、登場人物もひねりが効いており、単純さや判りやすさを求める読者に敬遠されるのだろうという考えを述べている。しかし、わたしの見方は少し違う。エンターテイメントに過ぎるのだ。日本ではミステリに限らず、なにかしら人間心理の裏側や社会性のあるテーマを取り上げた重厚なものが、一段高尚なものとして評価される傾向がある。その点リンゼイはエンターテイメントに徹するあまり、軽く見られて損をしているように思える。そんなタイプの作家として、他にアラン・フォルサムやデイヴット・バルダッチがいるが、彼等はもっと評価されて良いだろう。

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紙の本霊峰の血 上

2004/03/21 21:23

チベットの気高い心があなたの胸をうつ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

元中国経済部主任監察官、単道雲(シャン・タオユン)を主人公に、チベットを舞台としたこのシリーズも『頭蓋骨のマントラ』以来、この『霊峰の血』でいよいよ三作目となった。まだ今年も四分の三以上を残しているが、今年の海外ミステリ・ベストワンと断言してよいでしょう。『霊峰の血』を超える作品が登場するとすれば今年は大豊作の一年ということになる。

このシリーズをご存じない方のために、単道雲について少し紹介をしておこう。
中国経済部の主任監察官として汚職の摘発を行っていた単道雲は、ある事件で上層部の逆鱗に触れ、政治犯として強制労働収容所に送られる。絶望の淵にあって自らを見失いそうな単を救ってくれたのは同じ収容所にいたチベットのラマ僧だった。中国政府がおこなったチベットへの弾圧の実態も知った単はチベットの人々と交流を持つことになる。前作『シルクロードの鬼神』のラストで、単は国外に脱出することができるチャンスがありながら、老いた親友ローケシュのためにチベットに残る決意をする。

そして本編で、単は巡礼の途中で奇妙な依頼を受ける。チベットの奥地にあるヤプチ村に“石の目”を安置して欲しいというのだ。神託によれば、それができるのは「徳に篤い中国人」で、単の力が必要だという。単はローケシュらと共にヤプチ村をめざすことになる。しかし、おりしも宗教事務局の副局長が何者かに殺されるという事件も発生し、一行の前に公安局や山岳戦闘旅団が立ちふさがることになる。しかもヤプチ村では、中国とアメリカとの合弁企業による油田開発も進んでいた。はたして単は“石の目”を安置すことができるのか、そもそも「徳に篤い中国人」とは彼のことなのか…。

殺人事件が発生してミステリ仕立てにはなっているものの、元来このシリーズの持ち味はミステリ部分にはない。むしろ、殺人事件に関する錯綜しすぎたプロットは欠点ともいえる。しかし、『霊峰の血』では地政学上の新たな発見というアイデアを持ち込むことによって、今までのシリーズとは一味違った、壮大なスペクタクルを描いている。エリオット・パティスンの作家としての成長もうかがえる。

しかし、それだけでは本書の魅力を説明したことにならないだろう。“石の目”を安置しに行く旅の中でおこるさまざまな出来事と、そこで垣間見ることのできるチベットの人々の気高い精神こそパティスンが描きたかったものだ。しかも、チベットが善、中国が悪という単純化を避け、あくまで武力による解決をめざすチベットの抵抗勢力、無知ゆえに中国の同化政策に協力するチベット僧、チベットに理解を示す中国人などさまざまな人々を登場させることによって、物語に厚みを加えている。なかでも山岳戦闘旅団の林(リン)大佐にまつわるエピソードは胸に響くものがある。チベット人を憎悪し、弾圧する林大佐だが、落石のため重傷を負うことになる。その林大佐をチベットの人々は懸命に助けようとする。かたくなな林大佐とチベットの少女アニャとの交流、そしてチベットと中国双方の犠牲者をともに弔うシーンは読者の涙を誘うにちがいない。

二十一世紀になっても私たちの世界は、イラク問題に象徴されるように暴力と憎悪の連鎖に囚われている。本編のラストシーンで、単は足を負傷したローケシュを肩に背負い、再び巡礼の旅に出ていくが、その単とローケシュの背中が私たちに何か教えてくれているように思える。ミステリファン以外にもお薦めできる一冊だ。

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紙の本精神分析医 上巻

2004/02/23 23:28

人生を賭けたゲームに引きずり込まれた精神科医の反撃

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ジョン・カッツェンバックの『精神分析医』です。『真夏の処刑人』でデビューして以来、エンターテイメント性の高い作品を発表しているジョン・カッツェンバックだが、この『精神分析医』も懲りに懲った設定で読者を楽しませてくれる。

精神分析医のリッキー・スタークスはクリニックの待合室に奇妙な手紙がおいてあることに気がつく。ルンペルシュティルツキンと名のる謎の人物からの手紙で、今から15日間のあいだに自分の正体を突きとめられなければ自殺しろ、さもなければ親戚の誰かを破滅させる、というものだった。そして親戚の少女にいかがわしいポルノ写真が送りつけられてきた。何かの嫌がらせかと思ったリッキーだったが、謎の人物からの使いという美女が現れたかとおもうと、彼の患者の一人が不可解な自殺をしてしまう。さらに続く謎の人物からの攻撃に耐えかねたリッキーが決意したことは…。

当然ながら謎の人物に追い込まれたリッキーが、いかに反撃に転じるかが物語の興味となっている。とてもゲーム性が高い展開で、リッキーと謎の人物との騙し騙されの知恵比べで読者を引きつける力量はさすがにジョン・カッツェンバックです。また、精神分析医としてある程度の成功をおさめていたリッキーが、姿をくらましごく平凡な市井の人として生活をはじめるのだが、危険を冒して謎の人物へ反撃するより、そのままの生活に安住しようかと心がゆれるあたりは、さすがに人間というものへのするどい洞察力をうかがわせる。
そんなに簡単に別人の身分を手に入れられるのか、謎の人物がリッキーを憎む根拠が薄いなど、細部で気になる点もあるものの、終盤で明かされる謎の人物の正体、そして結末のつけ方など、最後までたっぷりと楽しめる一作だ。

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うかつにモノを書くと叱られる

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は要注意である。
 店頭で見かけ、高島さんの「お言葉ですが…」のシリーズで新作が出たのだと思って購入した。帰りの電車のなかで読みながら、一度どこかで読んだことがあるような、と思っていたらそれもそのはず。この本は単行本のときは「それはさておき」の巻として出版されたものを、文庫版にあたって改題されたものだった。紛らわしいなあ、まったく。

 というわけで本のタイトルは感心しないが、内容はとにかく面白い。
 「全然いい」という言葉づかいは正しいか。「付」と「附」とはどうちがうか。「合衆国」という言葉の来歴、などなど。高島氏の博識と炯眼によって語られる日本語の難しさと面白さにいちいち感心することが多い。
 とかく この手の本は、コギャルの言葉遣いを偉い先生が悲憤慷慨する形になることが多いが、高島氏に一刀両断にされるのは大学教授や辞書編集者、新聞社といった権威である。そこが痛快、たんに勉強になるだけではない。思わずニヤニヤしながら読むしだいである。
 それと文庫版で良くなったのは、索引がついたことである。「お言葉ですが…」に書いてあったと思いながら探すことが、ままあるのだが、その手間が省けるのは嬉しい。それだけで550円の価値はありそうだ。

 こんな感想文まがいを書いていると、「この言葉の遣い方はおかしい」と高島先生にチクリとやられそうだが、素人の駄文が先生の目にとまるはずもないから良しとしよう。

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野性の正義

2001/07/08 18:48

今年度のベストテン入りは間違いない

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 フィリップ・マーゴリンの「黒い薔薇」を読んだのはかれこれ数年前になると思う。さすがに細かなストーリーは忘れてしまったが、そのおもしろさは強烈な印象として残っている。そのマーゴリンの新作「野性の正義」だが、「黒い薔薇」に匹敵するおもしろさと言ってよいだろう。

 麻薬課の刑事にかかってきた密告の電話。その電話に従って出かけた山小屋で刑事が見つけたのは、拷問され臓器を抜かれた数々の死体だった。容疑者として逮捕された医師カルドーニは弁護士フランク・ジャフィとその娘で新米弁護士のアマンダに弁護を依頼する。どこか狂気をはらんだカルドーニの言動に不安を感じるアマンダだったが、事件は不可解な経緯をたどって、迷宮入りとなる。しかし、それから四年ふたたび同じような惨劇が起こる。

 予想外の展開、ひょっとしてこいつが真犯人ではと思わせる伏線、最後のどんでん返しと、申し分ない。なにしろ全部で300ページあまりの本なのだが、68章からなっている。つまり1章あたり4.4ページという短さ。このめまぐるしい場面展開、テンポの良さがマーゴリンの真骨頂でしょう。
 文句なく一押しの「野性の正義」なのだが、話をおもしろくするために、いささか強引で事件関係者の行動に説得力がない点や、真犯人がやはり!、といった感があるなど欠点もある。が、それとて読み終わってみての気づきであって、とにかく読者を楽しませるエンターテイメント性の高さは一級品です。

なお、海外ミステリに関心のある方は、小生のホームページThe day of wine and mysteryを一度のぞいてみてください。

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最後の人質 上巻

2000/09/24 23:07

機長だけがハイジャッカーの正体を知っている

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 ジョン・J・ナンスは現役パイロットという経験をいかして、飛行機を舞台にしたサスペンスを何作か発表している。『着陸拒否』では、謎の病原菌に感染した患者を運ぶ旅客機が着陸拒否にあい、迷走する姿を描いた。『メデューサの嵐』では核爆発と共に発生する電磁波パルスですべての電子回路を破壊するという兵器を積み込んでしまったボーイング727の物語だった。もし爆発が起こればアメリカの東海岸は壊滅的な影響をうけるという設定だ。刻一刻とせまるタイムリミット。巨大なハリケーンに翻弄されながら米国を救うために機長をはじめとして乗組員は危険な解決策に挑む、といった展開だ。飛行機を物語の中心に据えて、緊迫感のある展開はお手の物といった作家だ。

 この最新作『最後の人質』も飛行機が舞台であることにかわりはないが、趣はかなり異なっている。従来の作品がパニック小説の範疇に入るのにたいし、かなりミステリ色が強くなっている。とにかく設定がユニークで、面白い。

 ボーイング737がロッキー山脈上空でハイジャックされる。しかし、その状況はかなり不可解なものだった。おまけにハイジャッカーの要求は二年前に起きた少女殺害事件の容疑者を逮捕し、起訴しろというものだった。そして、人質の中にはその事件を担当した連邦地区検事もおり、犯人不起訴の責任があるという。FBIの若い女性捜査官キャット・ブロンスキーが交渉にあたるのだが、自らも人質になってしまう。しかも、二年前の殺害事件には隠された真実があることが判って、事態は一層混迷への向かうのだが…。

 前半はハイジャッカーの正体は何者かといった関心で、後半は二年前の事件の真犯人は誰かといった関心で、上下二巻をあっという間に読んでしまった。どのように設定がユニークかここで書くわけにはいかないが、是非一読あれ。

 さて、物語の途中で、飛行機の操縦を任せようと言う機長に向かって、FBI女性捜査官キャット・ブロンスキーはいう。
>「ケン、やめて! 気取ったブロンド娘が旅客機を着陸させる、あほくさい映画のシナリオとは違うのよ! あなたが地上に降ろさなきゃだめなの!」

 ここらあたりは、飛行機をを舞台としたミステリを書きながら、B級パニック映画とは違うぞという、パイロットでもあるナンス自身の気持ちが表れているセリフだろう。

 ただ、本の内容と直接関係はないが、この小説では機内放送や、登場人物が頭の中で考えたことなどを表示するのに、やおら文字のフォントが変わるのである。前作でもそうなっていたのだが、なんとも読んでいて具合が悪い。これって、斬新な試みのつもりなんだろうか、新潮社さん?

 なお、海外ミステリに関心のある方は、小生のホームページThe day of wine and mysteryを一度のぞいてみてください。

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紙の本監禁

2000/10/15 13:42

ディーヴァーの原点か?

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ジェフリー・ディーヴァーの作品は『ボーン・コレクター』が当たっていらい、過去のハードカバーが矢継ぎ早に文庫化されている。たいへん結構なことだ。この『監禁』は日本では1998年の出版されたものだが、のちの『静寂の叫び』や『ボーン・コレクター』の原型がすでにここにある。

 元検事のテイト・コリアは別れた妻と娘の三人で昼食をとる約束をしていた。ところが、その約束に娘のミーガン・マコール(マコールは妻の姓)が姿を見せない。父母への激しい憎悪をつづった書き置きが発見されたことから、警察は単なる家出だと判断する。しかし状況に不審な点を感じたテイトは元妻と一緒に捜索を開始する。警察の公式の協力が得られぬまま、ミーガンが付き合っていた画家志望の青年や、中年教師、テイトの旧友の刑事コニーの助けを受けて、彼女の足取りを追う。
 その頃、ミーガンはアーロン・マシューズという男によって古びた教会に監禁されていた。彼女の足取りを追うちに、その教会の存在が浮かび上がってくるが、探索に協力する人たちもマシューズの悪辣な企みの前に一人一人、犠牲となっていく。しかしマシューズの目的はいったい何か? やがてそれも判明するが、ミーガン救出のタイムリミットは迫っていた…。

 ディーヴァーの小説では奸知にたけた犯人が多く登場するのだが、中でもこのアーロン・マシューズはその邪悪さにかけて図抜けている。セラピストという仮面をかぶって、言葉によって他人の心を操るのだ。彼は被害者の耳許でささやく。

>「アリストテレスの言葉を知っているか? 腕力で身を守れても、言葉で守れないのは悲しいことだと言っている。言葉を操り、説得する能力こそが、人間の生まれ持った、より崇高な本質なのだ」

 その言やよし。しかし、その能力を卑劣な企みにつかうアーロン・マシューズ。かたや、学生時代から数々の弁論大会で優勝し、検事となってからも多くの有罪を勝ち取ったテイト・コリア。となれば、最後は彼らの言葉の対決とならなければならないが、そこはジェフリー・ディーヴァーのこと、抜かりはない。

 巧みな展開で読者を楽しませるミステリ部分だけでなく、テイト・コリアと多感な年頃の娘や、別れた妻との関係などもしっかり描かれており、全体のバランスは『ボーン・コレクター』よりも上と見た。

なお、海外ミステリに関心のある方は、小生のホームページThe day of wine and mysteryを一度のぞいてみてください。

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紙の本地名で読む江戸の町

2001/03/25 15:38

時代小説を読むときの参考書に

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 私事だが、昨年勤め先が両国に移転した。それで初めて知ったのが、赤穂浪士の討ち入りで有名な本所松坂町吉良邸というのは、現在のJR両国駅と目と鼻の先にあったのだ。ことほどさように、時代小説でおなじみの地名も現在のどのあたりか判らないことが多いし、当時どのような町であったのか想像するのは難しい。この「地名で読む江戸の町」は、そんな時代小説のファンにうってつけの本である。
 第一部では、「江戸の町の誕生と成長」と題して、その歴史的背景を概括しているが、第二部「地名で読む江戸」で、それぞれの地名を取り上げて、その由来や地域の特徴について解説してある。たとえば、わたしの勤め先のある両国についてはこんな具合である。

 明暦三年の大火後に、隅田川に大橋という橋が架けられた。この橋は、武蔵国と下総国の間に架けられたことから、両国橋とも呼ばれるようになった。現在の地名の由来も、ここからきている。

 なんの疑いもなく、両国という地名を使っていたが、なるほど何ごとにも由来があるものなのだ。このほかにも、後楽園、八重洲、お台場、などざっと五十あまりの地名について解説してあるが、いちいち感心することが多い。また、地名の由来だけでなく当時の町の特徴についても書かれており、ちょっとした江戸通になれること間違いなしである。
 ただ、惜しむらくは付いている地図が貧弱である。ここはやはり、当時と現在を比較できるの詳しい地図が欲しいところだ。新書版という制約があったのだろうが、この一点が惜しまれる。

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処刑の方程式

2001/01/28 13:18

長さを感じさせない超大作

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ヴァル・マクダーミドという人は小生の評価が高いミステリ作家の一人だ。心理分析官を主人公にした、いわゆるサイコ物として「殺しの儀式」、「殺しの四重奏」を発表しており、いずれも出色のできだった。「殺しの四重奏」はそれなりに完結してはいるのだが、いかにも続きがありそうな終わり方だった。だから次回作を楽しみのしていたのだが、この「処刑の方程式」はまったく趣が異なる、別の作品になっている。本も分厚いが、中身も重厚だ。

 時は1963年、イギリスの寒村スカーデールで13歳の少女アリスン・カーターが行方不明となる。この村は人里離れた場所にあり、住民のほとんどがカーターかローマスという姓を名乗る閉ざされた世界をかたちづくっていた。担当のジョージ・ベネット警部は、外部の人間を信用しない村民達に手を焼きながらも捜査を続ける。そして死体が見つからないまま、いくつかの証拠をもとに殺人事件として犯人を逮捕し、事件は解決したかに見える。しかし、それから35年後、一人の女性ジャーナリストがこの事件を本にしようと思いたった。単なる回顧録になる予定だったが、やがて思わぬ真実が明らかにされる。

「強い人だよ、ルース・ホーキンは。スカーデールみたいに自然の厳しいところで育つと、折れるより、たわむことを学ぶんだろうね」

 行方不明になったアリスン・カーターの母親ルース・ホーキンについて(姓が違うのは再婚したため)、ジョージ・ベネット警部が語るセリフだ。しかし、そのたわむことを学んだ人たちがこの事件の裏で深くかかわっていたことが判るのだが…

 事件全体はありきたりで、大きな展開があるわけではないが、捜査の過程、そして裁判の様子が実に丹念に描かれている。そして何年もたってから、その真実が明らかにされるというストーリーも決して目新しいものではない。真実に行きあたるきっかけもやや安直かもしれない。にもかかわらず、十二分に堪能できる面白さだ。わたしの中ではますますマクダーミドの評価が上がった。未読のマクダーミドの作品も読んでみたくなる一作だ。

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ブルー・アワー 上

2004/03/01 22:31

『サイレント・ジョー』のパーカーが猟奇殺人事件に挑む

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『サイレント・ジョー』で多くの読者を魅了したT.ジェファーソン・パーカー。彼の新作『ブルー・アワー』です。新作といっても、日本での紹介が遅くなっただけで、実際には1999年の作品だ。取りあえず出版社の言い方にならえば、マーシ・レイボーン・シリーズの一作目ということになる。本シリーズの三作目『ブラック・ウォーター』はすでに早川書房から昨年の2月に単行本として出版されている。

カリフォルニア州オレンジ郡。ショッピング・モールから美しい女性が失踪するという事件が相次いで発生する。しばらくして、女性の持っていたバッグと血だまりのあとが発見される。死体なき猟期殺人事件か? すでに退職していた元警部補のティム・ヘスは乞われて捜査に復帰する。パートナーは気が強いことで有名な女性巡査部長マーシ・レイボーン。過去に性犯罪の起こしている人物を中心に容疑者を絞り込もうとする二人の前に一人の男が浮かんでくる…。

三人称で犯人の行動も描写しながら、ひょっとしてこいつが真犯人か、そう思わせておいてからくりがあるのか、と読者はあれこれ考えながら読むことになる。『サイレント・ジョー』では不幸な過去をもつ青年ジョー・トロナのキャラクターが多くの読者の支持を得た主な要因だったと思う。そうした方面に長けた作家との印象を持っていたが、本作『ブルー・アワー』では、猟奇殺人というパーカーらしからぬテーマを扱いながら、ミステリのプロットの妙にも冴えをみせている。良い意味で期待を裏切る秀作です。

無論パーカーらしく人物造形でも読ませてくれる。ティム・ヘスはすでに67歳、おまけに肺ガンを患い放射線治療を受けながらの捜査だ。一方のマーシー・レイボーンは四十歳で殺人課、五十歳で重要犯罪課の指揮を執り、五十八歳までには保安官に選出されたいと公言してはばからないタイプだ。実戦で銃の抜いたことは一度しかないが、そのときのせりふが「ジャック、あんたもじきに死体だよ」というのだから、イメージができるでしょう。親子ほど年齢の離れた、孤独な二人はやがて惹かれあうのだが、その姿にはどこか哀感がつきまとう。そして結末では、このシリーズ二作目以降のマーシの有り様に大きな影響を与える出来事がまっている。三作目『ブラック・ウォーター』では、過去のいきさつも曖昧で、マーシ・レイボーンの人物像があまりはっきりしないという印象があったのだが、本編を読むと納得できる部分が多い。この『ブルー・アワー』では、ヘスの眼を通した姿を描くことによってマーシの印象を鮮明にすることに成功している。

マーシ・レイボーン・シリーズとなっているが、『ブルー・アワー』の段階から作者のパーカーがそう考えていたわけではあるまい。原題が"The Blue Hour" 、"Red Light" 、"Black Water"と続くシリーズはさしずめカラー・シリーズとでも呼べばいいのだろうか。上で述べたように、このシリーズは最初から順に読むほうがいいでしょうね。

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チェイシング・リリー

2003/11/04 22:35

ハリー・ボッシュだけじゃない

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原題は“CHASING THE DIME”。「ダイム(十セント硬貨)を追っかけろ」といった意味だが、これは本編『チェイシング・リリー』の主人公がスーパーコンピューターを十セント硬貨の大きさにしてしまうナノテクノロジーを追究していることに由来している。マイクル・コナリーと言えばハリー・ボッシュ・シリーズが有名だが、これは単発作品だ。それにしてもマイクル・コナリーがナノテクとは意外な組合せですね…。

ナノテクのベンチャー企業<アメデオ・テクノロジー>の若き代表ヘンリー・ピアスは転居して電話番号が変わったとたん、「リリーを出せ」という怪しげな電話を受けることになる。リリーはどうやらエスコート嬢であることが判り、webサイトでリリーの存在を知る。確かにそのwebサイトではリリーの連絡先としてピアスの新しい電話番号が記載されていた。ピアスはサイトの管理者に訂正を求めようとして、リリーが行方不明になっていることを知る。好奇心からリリーの行方を追うピアスは、リリーが犯罪に巻き込まれた痕跡を発見するが、逆に自らに犯罪の容疑がふりかかってくる。有力な投資家へのプレゼンテーションをひかえながら窮地に陥ったピアス。真相に迫ろうとするのだが…。

webサイトで見ただけの女にどうしてそこまで入れ込むのか。また、偶然に巻き込まれてしまった事件でどんな結末を用意しているのか、と疑問に思いながら読むことになるが、そこはさすがにマイクル・コナリー、あざなかな展開をみせる。ピアスが科学者らしいアプローチで真相に迫るあたりもなかなかのものだ。ボッシュ・シリーズのような重苦しさもなく、明るいイメージの作品である点も好ましい。ボッシュ・シリーズのような暗然たる物語を書いていると、時にこうした心地よいタッチの小説を書きたくなるのは作家の生理でしょうか。

しかし面白いと思いながらも、マイクル・コナリーと言えば、やはりボッシュ・シリーズとの想いも強い。それは誰しも同じと見えて、本書の訳者あとがきでも、ボッシュ・シリーズの次回作について丁寧に紹介されている。ボッシュ・シリーズにこだわりたくなるのは読者の生理でしょうか。

なお、リリーが載っていたwebサイトはhttp://www.la-darlings.comなのだが、このサイトは実在する。実際はこのURLをブラウザーに入力するとあるサイトに転送され、Would you risk your life for a woman you'd never met? と表示される。何のサイトかは実際にアクセスしてみていただきたい。

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サイレント・ゲーム

2003/05/11 22:25

「最後の審判」に続く二打席連続ヒット

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リチャード・ノース・パタースンの「サイレント・ゲーム」は、ハードカバーで実に500頁を超える大作。本当に枕になるぐらい分厚いのだが、眠たくなるどころが、グイグイと引き込まれる、魅力たっぷりの一作だ。

敏腕弁護士として成功しているトニー・ロードは、28年ぶりに故郷スティールトンの地を踏む。今は高校の教頭をしている、かつての親友サム・ロブが教え子の女子高生マーシー・コールダーを暴行し、殺害した容疑をかけられたからだ。サムを弁護するため帰ってきたのだ。しかし、今回のこの事件はトニーが28年前に経験した事件に酷似していた。あの日、トニーはガールフレンドのアリスン・テイラーの無惨な死体を発見したが、自らが最有力の容疑者として周囲の冷たい目にさらされた。結局充分な証拠がないまま、事件は迷宮入りとなり、高校を卒業したトニーは故郷を離れ今日の成功をものにしたのだった。サムに圧倒的に不利な証拠が多いなか、トニーは親友サムの無実のため奮闘するが、やがて28年前の事件の謎に迫ることになる…。

物語はトニーが高校生だった28年前から始まる。身に覚えのない殺人容疑をかけられた少年の戸惑いと苦悩。サムと彼のガールフレンドのスーとの微妙な関係などが巧みに描かれている。後半はサムの裁判を中心に物語は進む。あくまで弁護士として行動しながらも、サムを信じたいという気持ちと一抹の疑念の間でゆれるトニーの心。一人ひとりの証人の証言と反対尋問を丹念に描き法廷ミステリの形式をとってはいるものの、むしろライバルであり親友でもあるトニーとサムとの葛藤を中心にした人間ドラマとして読みごたえがある。

もっとも、前作「最後の審判」と同じパターンの話という見方もできる。「最後の審判」も、主人公の弁護士キャロライン・マスターズが姪が殺人事件に巻き込まれたことから24年ぶりに故郷へ帰り、過去の事件とも向き合うという物語だった。そんな意地の悪い見方をすれば、多少割り引いて考える必要もあるが、それでも充分に楽しめる一作だろう。

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紙の本死を啼く鳥

2002/06/09 16:04

巧みな展開で読ませる連続殺人事件

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英国の新人作家モー・ヘイダーのデビュー作「死を啼く鳥」である。著者は日本でクラブのホステスをした経験もあるというから、ひょっとしてお世話になった人もいるかもしれない。猟奇的連続殺人事件という、いささか食傷気味のネタではあるけれど、「猟奇的」だけに依存せずに、うまくまとまった作品になっている。

場所はロンドン。ある廃材置き場から同時に五つもの腐乱死体が発見される。そして驚くべきことに被害者たちは胸を解剖され、なかに小鳥が縫いつけられていた。この猟奇的な連続殺人の捜査に重要犯罪捜査隊に所属するジャック・キャフェリー警部たちがあたる。被害者たちには、あるいかがわしいパブに出入りしていたという共通点があり、やがて一人の男が容疑者として浮かび上がってきた。しかし、警察の監視の中、その容疑者は…。

たくさんある猟奇殺人ネタでも被害者の胸に小鳥を縫いつけるというのはかなりショッキングな部類にはいると思うが、物語の展開もなかなか巧みな構成になっている。実は、読者にはかなり早い時点で犯人とおぼしき人物が提示される。それだけに読者としては、なにか裏があるのではないかと疑いながら読みすすむことになるのだが、その先にもう一ひねりがしてあって油断がならない。
また、主人公ジャック・キャフェリー警部は、少年時代に兄ユーアンが失踪したまま行方不明になったという過去をもっており、トラウマになっているのだが、ここらは二作目以降の物語にもつながっていきそうだ。二作目も読みたくなる作者であることに間違いはない。

なお、海外ミステリに関心のある方は、小生のホームページThe day of wine and mysteryを一度のぞいてみてください。

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紙の本シルクロードの鬼神 上

2002/04/14 16:16

心を打つラストシーン

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 前作「頭蓋骨のマントラ」でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀新人賞を受賞したエリオット・パティスンが同じく単道雲(シャン・タオユン)を主人公に、舞台を中央アジアに広げて描いた二作目「シルクロードの鬼神」である。新しい経済政策のもと成長を続ける中国。そして強大な中国市場への進出をねらい、米国も日本政府もチベット問題に対しては口を閉ざしているが、パティスンの二作はミステリ小説というオブラードに包みながら、中国の中央アジアにおける政策をきびしく糾弾している。が、それだけがこの本の魅力ではない。

 中国経済部の捜査官であった単道雲(シャン・タオユン)は汚職事件の捜査で上層部の逆鱗に触れ、チベットの強制労働収容所に送られたが、わけあって非公式に出所していた。そこでチベットの高僧から劉(ラウ)という女性教師が殺された事件の調査を頼まれる。単たちは事件のあった新彊ウイグル自治区へ向かうが、そこでは劉の教え子であった孤児の少年たちが次々に殺されるという事件が起こっていた。やがて、公安局や人民旅団も関心を持つこの事件が、チベット社会を根底で支える転生ラマに係わる事件であることがわかってきた…。

 チベットの高僧、ウイグル人の秘密組織、学術研究を続けるアメリカ人、元紅衛兵の女性検察官、経済政策の申し子で新しいタイプの中国人である人民旅団支部長、チベットを憎悪する退役将軍など、多彩な顔ぶれで複雑な中央アジアの現状が描かれる。が、何よりも高僧をはじめとするチベットの人々の崇高な精神、それに感化され自らを再生させた単道雲の姿が心をうつ。
 前作同様、物語の展開が追いにくいという欠点があって、小説としてはもう少しすっきりさせた方がよいと思うが、それを補ってあまりあるだろう。さて、公式には中国政府からは追われる立場にある単は国外に脱出する機会をえることになるのだが、その時の彼の決断は? 本書のラストには思わず目頭があつくなるものがある。

 なお、海外ミステリに関心のある方は、小生のホームページThe day of wine and mysteryを一度のぞいてみてください。

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