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  3. 毛少子さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年4月)

毛少子さんのレビュー一覧

投稿者:毛少子

43 件中 1 件~ 15 件を表示

原作が読みたくなる。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 シャーロック・ホームズを知らない人はいないのではないか。たとえ原作を読んでいなくても、最近のテレビドラマのファンとして、あるいはアニメの「名探偵ホームズ」によって、名前を知った人も多いだろう。
 私たちが子どもの頃には、少年向けに翻訳されたポプラ社のシリーズが、子どもの読んでいる本の調査で、必ずベスト3に入っていたものだ。日本で、そして世界でいちばん有名な探偵と言えるだろう。
 それほど有名なホームズだが、原作をきちんと読んだ人は、意外に少ないかもしれない。まして、ホームズが生きていたビクトリア朝のイギリスについては、詳しいことなどほとんどの人が覚えていないだろう。学校の世界史の勉強では、そんなことは教えてくれないし、私も居眠りをしていた。
 この本は、「大事典」の名に恥じず、シャーロック・ホームズの物語に出てくる物事を、こと細かく解説している。それも、作品の登場人物など、原作を読んだ人のための項目だけではない。試しにページをめくると、「インド大暴動」「鵜(鳥の)」「ヴァイオリン」といった、歴史から生物に到るまで、原作に出てくる、おそらくあらゆることについて、その物事の解説と、作品との関わりとを、教えてくれるのだ。
 分厚い本を、ぱらぱら拾い読みしているうちに、私はホームズの世界とその時代に引き込まれていく。そして、子どもの頃に読んだきりの原作を、改めてていねいに読みたくなるから不思議だ。
 この本は、シャーロック・ホームズのマニアにとっても役に立つだろう。けれど、名前を知っている程度の人にとっても、読んで損のない本だ。これを読んだ人は、きっと原作を読みたくなる。また、テレビのホームズを深く味わうこともできる。
 その本を読むと、他の本が読みたくなる本は、最高の本だと思っている。まさにこの本こそ、そういう本なのだ。

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星新一という予言者がいた

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 SF作家、星新一の1000作を超すショートショートは、主に1970年代に愛読された。1970年の大阪万博を頂点とする21世紀ブームは、私たちに明るい未来を見せていた。星新一の作品は、そんな、すばらしい未来を舞台にしながら、ちょっと皮肉な結末がいつも待っていた。
 時は経ち、私たちはすでに21世紀に生きている。だが、未来はたしかに皮肉なものだった。文明の発達は、人間を幸せにしたとは、とても思えない。そういう時代に、私たちは生きている。
 この本の著者は、星新一の短編が、いかに今の文明が抱える問題を、鋭くついていたかを、現実のものに当てはめて、見せてくれる。クローン技術、インターネット、ヴァーチャルリアリティー……。
 星新一は、時代遅れとされた時期があった。しかし、現実の21世紀を迎えた今、私たちは、もう一度、その作品が意味するところを考え直してみる必要があるのではないだろうか。少なくとも私は、この本を読んで、星新一を読み返したくなった。

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ここまで書いてしまっていいの?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ミステリの読者としては、作家が何を考え、どのように書いているのかにも興味が湧く。アメリカでも有数のミステリ作家、ローレンス・ブロックが、作家のすべてを明らかにしたのが、この本だ。その率直で隠し立てのない文章には、思わず、「ここまで書いてしまっていいの?」と思わされてしまう。
 例えば、市場分析のしかた。原稿を突っ返されたときの苦痛への対処法。「創造的な盗用」などという、刺激的で誤解を与えるかもしれない章もある。小説の書き方から、作家の生活についてまで、すべてが書かれている。マイナス面さえも。
 それでも幻滅することはなく、より、作家という人たちに興味が湧くのは、まずローレンス・ブロックが、ヒット作を次々に書いている作家であるがゆえの説得力だ。文字通り、ベストセラー作家の裏側を見る楽しみがある。
 そしてもう一つは、この本そのものが、とても魅力的な文章で書かれている、ということだ。小説の達人は、他の文章の達人でもあるのだろうか。
 自分の身の回りにいる小説家志望の知人にも、作家になるためのノウハウ本として、この本を勧めたいし、自分のようなただの読者にも、より興味深く作品を読むためのガイドブックとして、勧めたい。

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紙の本新!おきなわキーワード

2003/11/19 10:25

日本からは見えない沖縄の真の姿

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 今、「沖縄ブーム」らしい。音楽や食べ物、果てはオバアまでが「輸出」され、内地(日本)の人びとは、南国幻想に酔っている。
 しかし、真の沖縄は苦悩している。県民投票が行なわれても米軍基地は縮小されず、海は次々に埋め立てられ、沖縄サミットも、残したものは誰も使わない二千円札ぐらいだ。そして沖縄の景気は、非常に暗い。
 この本は、苦悩するための本ではない。基本的に、明るく楽しく読めるような、軽い調子で書かれている。しかし、そこに綴られたコラムの数々を読むと、沖縄ブームに異議を唱えたくなる沖縄人、基地や経済の問題で重圧を負わされている沖縄人の姿が、いやでも浮かび上がってくる。
 沖縄の人は、好戦的ではない。だが、何も考えず、のんきに暮らしているわけでもない。口当たりは柔らかく、笑いに包みながら、しっかりと自分の考えを述べ、内地の沖縄ブームに乗らない、真の沖縄の姿を表わしている。
 いわゆる沖縄本からは分からない、本当の沖縄について知りたい人には、ぜひこの本を勧めたい。特に「移住者」については、自分も「移住者」であるだけに、共感してしまった。沖縄に来れば何とかなるわけではないのだ。まずはこの本を読んで、しっかりとしたビジョンを持って、沖縄を訪れて欲しい。
 

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紙の本志ん朝の落語 2 情はひとの…

2003/10/29 19:11

読むほどに、声が聴こえてくる本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

志ん朝といえば、生粋の江戸っ子だ。当然、その語り口には、標準語では味わえない江戸ならではの発音や言葉の読み方があふれている。
この本では、正確な記録によって、志ん朝の、江戸っ子の語り口が忠実に再現されている。読んでいるうちに、志ん朝の声が聴こえてくるようだ。
特にこの巻では、志ん朝は苦手だと言ったらしいが、しっとりとした人情噺によって、江戸情緒がふんだんに盛り込まれている。落語は生で聴くのがいちばんだが、この正確で微細な本を読んで、その語りを想像してみるのも悪くない。
解説も実に詳しく、江戸落語の資料としても貴重な本だ。

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家族同時多発介護

2003/10/29 18:44

誰もが考えておかなければならない介護

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

高齢化社会になり、介護は誰にとっても考えなければならない問題になってきた。この著者は、祖母、実父、義祖父など、文字通り多数の老人を抱えて、めまぐるしく、しんどい介護の日々を送った経験を、隠すことなく語っている。介護やその後の葬儀について、同情を引くだけではなく、知っておかなければならない知識や心がまえを、惜しみなく教えてくれるのだ。
幸いにして、私の父母は妻の家も含めて健在だが、いつ、こういう目に遭わないとも限らない。そして、それはやはり、誰にとっても起こりうることなのだ。
そのときになって、自分が過労で倒れたり、慌てて馬鹿なことをしたりしないよう、ぜひ読んでおきたい一冊である。

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紙の本ラピスラズリ

2003/10/10 12:23

20年待ったかいがあった!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

山尾悠子と言えば、70年代に硬質なイメージのちりばめられた、とびきり上質の幻想小説の書き手として、ある種、神聖視されていた。
それが事情により、80年代の半ばに筆を断ち、ファンを悲しませたものだ。
一昨年、今回と同じ国書刊行会から「山尾悠子作品集成」が出て、単行本未収録の作品も私たちを喜ばせたが、それ以上にうれしかったのは、再び執筆に戻るという噂だった。
そして今回、ついに出た約20年ぶりの書き下ろしになる本書は、これこそ待ったかいがあった、という力作だった。冒頭から繰り出される、イメージの数々を、独特のストイックな文章で綴ったこの作品は、山尾悠子、未だ健在なりと知らせてくれた。
こういう本は、じっくりと楽しみたいものだ。私は一日休みをとって、本に向き合った。久しぶりの体験である。
懐かしさだけではなく、今に充分通じる幻想作家の第一人者の新作として、本書をぜひお薦めしたい。

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明日香が帰ってきた!

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若いころ、「超少女明日香」には燃えた。とにかく強く、優しく、かっこいいのだ。その明日香が、また帰ってきた。この「学校編」では、今まで描かれなかった明日香の学校生活が描かれていて、より楽しみを広げている。それと同時に、作者・和田慎二のセンスが少しも古くなっていないことにも感心。今こそ、戦う少女の時代なのだ。

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ただの「萌え」ブームとは違って

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 「妹萌え」というブームがあるそうだ。自分にとって都合のいい妹が慕ってくれる、男本位の夢想、妄想が、今、一つのジャンルになっているらしい。
 この本も、妹との微妙な感情を描いているということでは、そのジャンルにはいるのかもしれない。だが、そこには、自分勝手な夢だけではない、一歩踏み込んだものが描かれている。冴えない主人公が、突然現われた妹に、つい女を感じてしまい、ぎくしゃくする様子や、妹の無邪気さに悩むところは、男の煩悩をリアルに描き出している。そして妹のほうも、男から見て都合のいい存在ではなく、生きた、自立した女として、生身の体と心とが感じられる。
 だからそこには、衝突や、ぎくしゃくした関係が当然のように生まれる。そして、それだけに、これから先、この二人がどうなるのか、目が離せなくなってしまう。
 人と人とは、互いに、相手の都合に合わせて生きているわけではない。それがリアルに描かれているのが、この本を、ただの「萌え」ブームに乗った作品からは、一段高いところに押し上げている理由だ。
 リアルで微妙な感情を捉えた作品として、ぜひお勧めしたい。

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紙の本ワイルド7 1 愛蔵版

2002/12/12 06:00

伝説の本が帰ってきた!

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知的なストーリーと奇想天外なアクションで、人びとを魅了した伝説のコミック「ワイルド7」は、何度か復刊されたが、長いこと、最終巻まで続かず、全部を読むことができなかった。
それがこの度、復刊運動によって、ようやく最終話までの完全収録版が発行されることになった。
改めて読み返してみると、今のコミックよりもアイディア、テンポともに優れていて、しかも心にしみるものがある。ちょうどこの作品が発表された頃には、日本でもスパイ・アクションの映画などが作られ、モダンな作品がもてはやされていた。古いコミックの復刊は、決してノスタルジイだけではない。最近のコミックが見失っている面白さを、現代にも通用するテンポで見せてくれる、いまカッコいい作品なのだ。

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遊び心を楽しみたい一冊

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 TVのヒットシリーズ「TRICK」の小道具として作られた本が、ドラマの好評に伴い、遊び心たっぷりの実物として出版されてしまった。ドラマのファンにはたまらないノベルティでもあるが、いわゆる超常現象本のパロディとしても楽しめる。
 超常現象本にありがちな、ちょっと安っぽい装幀、筆者が半生をとうとうと語る出だしには、筆者役の阿部寛の幼い頃の写真も添えられて、これまたパターンを踏襲している。こういう本を、遊びとして楽しんでいる人ならば、ニヤリとするはずだ。中で扱っている事件についても、実は筆者の側からの身勝手な自慢話になっていて、これまた超常現象本らしい。
 遊びに徹底したこの本をより楽しむには、扱われている実際の事件、つまりドラマ「TRICK」を見なければ分からないところもあるのだが、そうでなくても、架空の本を実際に出してしまう、というところで、すでに遊びは完成している。そしてその完成度はとても高い。あるいは、本気にしてしまう人もいるのではないか。
 この本そのものが、文字通りの「トリック」なのだ。ジョークの文化がない、と言われる日本では、貴重な、高度な遊びの本でもあり、ただのドラマ関連本に終わっていないところが、実に楽しかった。

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紙の本ビビを見た!

2004/02/24 19:09

幻の幻想小説、復活!

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この本の存在は、長いこと人から聴いて知っていたのだが、その頃にはもう絶版になっていたので、手にすることはできなかった。この度、復刊ドットコムによって復刊されたことに、ありがとうと言いたい。
冒頭から、特異なイメージと児童文学でここまで、と思うほどの残酷さ、そして、それによって描き出される鮮やかな幻想の美しさに、ぐいぐい引き込まれていく。そして、読み終えた後に残る不思議な感動。挿絵も著者が描いているが、無気味な中に、何かの「祈り」を感じずにはいられない。
そう、この物語は、「祈り」の物語なのだ。人間は何を得て、何を失ってきたのか、私たちは何に感謝して生きるべきなのか、そういった明らかな主張が、しかし幻想美によって、少しも説教くさくはなく、物語として完結している。それだけに、この本の指し示すところを、考えずにはいられない。
私は一生、心の中に、ビビと、主人公である盲目の少年を抱き続けるだろう。その印象は、深く刻み込まれている。

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実用書以上の面白さ

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毎年、確定申告の時期には、書類の山と格闘させられるので、いい解決法があるかどうかと思って読んでみた。確かにここには、納税者の立場からは分からない、税務署員の心理、書類のどこを見ているのか、といった、目新しい知識が盛り込まれている。
しかしそれよりも、著者が税務調査官として経験した調査や申告の実例の数々は、読み物としても面白い。税金から逃れようとしたり、うっかり申告漏れをしてしまう人たちの姿は、ユーモラスでもあるが、切実でもある。納税者ならば、つい引きこまれてしまうのではないだろうか。
この本を読んだおかげで、私の確定申告は半日遅れたが、読みごたえのある本に出会ったということで、収穫は大きかった。
……ところでこの本の代金、必要経費では落とせませんよね?

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小説は事実を超える

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力作だった。一気に読まされてしまった。
この小説は、実際に起きた二つの大きな「事件」を背景としている。しかし、作者の筆は、その「事件」の重さに負けてはいない。それをベースとして、全く新しい、創作の「事件」を描き出している。
創作と事実の重みが等しくなった結果、この作品では、ちりばめられた文献の引用や、そして「あの事件」さえも、まるで創作のように見えてくる。これはみごとな目くらましだ。
その迷宮に入り込んでいくうちに、更に深く入り組んだ暗い迷宮、即ち人の心の闇へと、作者は切り込んでいく。この勇気と思索とは、ミステリの大きな収穫と言えるだろう。
きく所では、この作品は本格ミステリ大賞候補に選ばれたそうだが、私ならばぜひ一票を投じたいものだ。

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はみ出し者たちへの愛

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望月三起也は、代表作「ワイルド7」でも、世にはぐれたはみ出し者たちを、愛を込めて描き出した。そんな作者が時代劇に挑んだとき、題材が新選組になったのも、無理はないのかもしれない。新選組は、大義名分はあっても、元からの節でも、かといって庶民でもない、世間からはみ出した存在だからだ。
この本を読んだのは遙か昔だが、いま読み返してみて気づくのは、中でも土方歳三に作者が思い入れていることだ。他の新選組を扱った作品では、クールな人物として描かれることも多い土方が、この作品では、血が通っている。誰よりも節に憧れ、武士道の通らない世の中に、ときには苛立ち、しかし友情には厚い、心に熱いものを持った土方なのだ。
それこそ作者の描きたかった人間なのだろう。はみ出し者こそ、熱い心を持っているというのは、時代劇の定番だが、はみ出し者を描かせたら右に出る者がいない望月三起也だからこそ、そのパターンが、生命を持って活きてきた。
人間が、心を見失っている今だからこそ、読んで欲しい一冊。

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