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非出来さんのレビュー一覧

投稿者:非出来

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本長いお別れ

2004/10/06 00:30

新たな小説の旅を続けるために

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この作品は20世紀最高のミステリーだ。
作品が素晴らしいのは、
レイモンド・チャンドラーの才能は言うに及ばずだが、
翻訳者清水俊二の功績が大きい。
ハードボイルドはひらがなで書かれているのだ。
清水俊二が訳していなければ、
この小説はここまで有名たりえたか、
私はそこまで考えてしまうのだ。
名訳はひとつの新たな小説を作り上げてしまうことに等しい。

あまりに有名な小説だから、
とてつもない数の人が、
この小説の書評を書いている。
私は読んでいない人へ語りたい。

ここに描かれているのは、
美しい友情だ。
意固地で頑なな探偵フィリップ・マーロウの
生き様を体験しよう。
そして、
とてもシャイな友人テリー・レックスと出会ってみよう。
この小説はカッコよく生きるためのバイブルだ。
私はこの本を読みすぎたため、
どこからでも読むことが可能になってしまった。
どこから読んでも面白いのだ。
「長いお別れ」を注意深く読むと、
さまざまなことに気づくだろう。
それは、
皆さんがこれまで読んできた数多くの小説の中で、
「長いお別れ」が描かれているからだ。
ある作家はモチーフとして、
ある作家は主人公を同一人物として、
そして、
ある作家はオマージュを捧げている。
「長いお別れ」を読み終わった後に、
まだ次の旅がはじまることを期待する。
では、ゆっくりページを広げ、
退屈な日常から旅立とう。

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紙の本ざぶん 文士放湯記

2006/02/09 14:05

日本文学のはじまり

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

明治から起こった「日本文学」を湯治場という切り口でつないでいく文豪達の姿をありありと描いている。この作品は「小説現代」に連載された物だが、ほぼ同時期に高橋源一郎は『日本文学盛衰史』を同じ講談社の『群像』に発表している。
ベースになっているのは伊藤整の『日本文壇史』であるが、本著は小説家達がいかに湯治場を好み、そこから日本文学を作り上げていったか、痛快に描いている。
日本文学を作り上げていった文豪達はカッコイイ。湯に浸かる文豪達の生き生きとした表情が浮かんでくるようで痛快だ。

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紙の本日本の「文学」概念

2006/02/14 19:50

改めて問い直す

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「日本文学」とは何であるのか?
著者は『日本の「文学」を考える』(角川選書、1994)の時点で直観していた「日本文学」の始まりは夏目漱石である、ことを丁寧に洗い直している。
文学が登場するためには、国民国家の樹立が必要不可欠であった。
国民国家とは、国民、国家、そして、国語が整わなければいけない。
「national identity」を認識するための装置として、「日本文学」が登場するのだ。
日本文学史は、この著書からはじまるといっても過言ではない。
我々は、「日本文学」を意識することからはじめなければいけない。蒼茫たる今後の日本文学のためにも。

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紙の本光ってみえるもの、あれは

2006/01/31 20:14

やられた

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

主人公翠は、
すこし世の中を斜めの角度から見ている高校生としては、あまりに「ふつう」の人。
どうしようもない登場人物の中で、
翠はひとりふつうを守ろうとしている。
僕はこの小説を読んで、「やられた」。
「やられた」という感覚は、
僕の過去であったり記憶の部分で
忘れてしまっていて、
無かったことにしていたことを
思いおこさせてしまう。
痛いところをつかれたな、
そんな気分でへこんでしまう。
川上弘美の文章という銃弾で
僕は蜂の巣にされてしまった。
すでに、亡骸になってしまった。
僕はすでにおとなでオッサンの部類だか、
「ああ、大人になりたい」と思ってしまう。
やりきれない気持ちに深く沈んでいってしまう。
本著は、毒の部類だ。
青春というどこへも持っていくようにない、
気持ちを抱いたまま、
僕らはどこかに行こうとしている。

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紙の本アフターダーク

2004/09/11 00:54

公平性ということ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一般に社会とか世間とよんでいる場所は、公平にできていない。そのことを踏まえた上で、著者はだからこそ、公平性を主張する。著者は自分と関わる物事に対しては、公平性を保とうと、この『アフターダーク』は成立させている。
『海辺のカフカ』で村上春樹は想像することに責任が生じると主張した。
『アフターダーク』においては、その責任のあり方を問う内容になっている。責任のあり方も公平ではないのだけれど、公平性を保ちたい、と。
村上春樹は一人称で書くことが多かったが、25年を経て、小説の新しい視点を切り開こうとしている。俯瞰的な視点は阿部和重『シンセミア』、ジョン・アービング『第四の手』を彷彿させる。『シンセミア』は視点をあらゆるモノに変化させ、『第四の手』は視点からの距離感は一定である。
しかしながら、村上春樹は『アフターダーク』において、まるで衛星から地上を捉えるかのように書いている(小説の中では違う表現を使っているけれど)。小説という手法は同時多発的に発生する事象を捉えることができない。主人公は「わたしたち」であり、空間を移動することは出来るが、同時にそれを俯瞰することはできない。
なんだか、難しいことばかり書いてしまったけど、僕の最大の焦点は、誰がシャツのアイロンをあてるかで、それは読んでのお楽しみ。
もうひとつ、小説の大きな楽しみは、レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』探しだ。主人公の高橋は頬に傷がある。ここで、『長いお別れ』を思い出すともう罠にはまる。『アフターダーク』はレイモンド・チャンドラーへのオマージュが散りばめられた小説なのだ。

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