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先月(2017年8月)

ミハイルン・バチフンさんのレビュー一覧

投稿者:ミハイルン・バチフン

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紙の本倫理という力

2001/04/08 18:16

世界を肯定する倫理の力

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 少し前に『世界を肯定する哲学』という題名の本を読んで生きる気力をなくしていたのだが、この本のおかげですっかり回復することができた。この本にこそ先のタイトルを掲げてみたい気がする。
 「倫理の原液」を取り戻すにはどうすべきか、「自然」や「物」のもつ知恵から直接学ぶにはどうしたらいいのか、というのが著者の問いである。このような著者の問い方は、つまらない理屈に慣らされた者には不完全な論理にしか映らないかもしれない。たとえば著者はこう言う。「私たちの社会で、殺人を禁じているものは、法律でも国家でも、また社会そのものでさえない。この社会を、そうしたさまざまな禁止によって生んでいる何かである」。このような叡智の存在に感覚的に手応えを感じない者には、この本は何も伝わらないおそれがある。あるいはまた、集団に与する本能と個体に与する知性の間の矛盾から道徳は生まれたとし、結論として「人は、ただ端的に道徳を守りたいのである」という地点の存在を著者は指し示す。飽食に慣れた本能や、肥大した知性が邪魔をしてしまう者には、これはつまらない独り言にしか聞こえないのではないだろうか。
 しかし言うまでもなく、「なぜ人を殺してはいけないのか?」などと理屈を振り回す子供たちと、それに対して予定調和のような理屈を提示する大人たちの間には、何も起こらない。そんな八方ふさがりの地点から、見晴しのいい高い場所に登るための道をいくつも用意した著者は、まさしく「世界を肯定」する努力に満ちている。「理屈」が優先する時代の誘惑に負けて「欲望の自動機械」に成り下がる前に、著者の崇高な態度に「感化」されたいと感じたのは私だけではないだろう。

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