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  3. エーミールさんのレビュー一覧

エーミールさんのレビュー一覧

投稿者:エーミール

39 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本星空から来た犬

2004/09/27 17:57

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの初期の傑作です。不思議な犬の話で、たっぷり楽しめます。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 星の世界のシリウス星の総督シリウスは、無実の罪で犬に姿を変えられて地球へ追放となります。それも無力な子犬の姿で。その子犬を拾ったアイルランド人の孤独な少女キャスリーンとキャスリーンを置いている家族との日常生活のおかしさがえがかれ、いっぽうで、シリウスが地球に送られたのは罪のためだけではないことがだんだんわかってきます。というわけで、やはりこの著者ならではの何層にもなったストーリーを楽しむことが出来ます。
 犬好きの人もうれしくなるような犬の話といってもいいのですが、一方で、女の子と犬の気持ちの通い合いの心の話でもあり、家族の話でもあり、もう一方で、地球も含めた星の世界の力関係の話にもなっています。
 この作品は1975年の作で、著者の若い頃のものです。その後時空を超えた複雑なタイムファンタジーが多くなってくるようですが、その筆力には圧倒されてしまいます。人物の描き方もああこういう人っているなあといつも思ってしまうし、シチュエーションもリアルで緻密だけれど架空のもので、ストーリーには何かしらしかけがあるというふうに凝っています。

(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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紙の本呪われた首環の物語

2004/08/30 16:36

ケルトの伝説を題材にした極上のファンタジー。緑の丘にかこまれ霧にかすんだ湿原に住む三つの種族の首環をめぐる愛と憎しみの物語。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 読み終わってしばらくは、余韻のなかに身を浸して、余韻に酔っていました。物語が創り出す神秘的ともいえる雰囲気にすっかり入り込んでしまって、もの哀しい気分にもなって読み進み、読み終わってもそこから抜け出したくなかったのです。
 物語は、昔一人の<人間>の男の子が、ドリグという水の中に住んで不思議な力をもつ種族の男の子の美しい首環を、自分の力をみせつけたいという気持ちからとりあげようとして、武器を持たないドリグの子を殺してしまうところから始まります。
 そしてそのドリグの子は死に際にその首環に呪いをかけるのです。首環には、殺した子の一族に対する呪いがかかっていたのですが、首環が他の人の手に渡っていくうちにその呪いも広がっていきます。一方でこの呪いをどうにかして解こうとするものもいました。首環をめぐる三つの種族のかかわりが次第に明らかになってきます。
 この作者の作品は、複雑なトリックのあるタイムファンタジーが多いのですが、この作品は少し印象が違っています。それは、この作品が作者の初期の頃の作品であって、師であるトールキンの『指輪物語』に捧げたオマージュでもあるからです。作品の中に『指輪物語』を意識したと思えるところがあります。呪われた首環が持ち主を変えていき、災いをもたらすものであるという設定もそうですが、呪われた首環なのに手放したくなくなるし、呪いの力が脈動して伝わってきて寒くなってくるというのもそうです。
 この物語には巨人がでてきますが、読み進むうちにあれ?と思うトリックが出てきます。この作者独特のイタズラのようなトリックです。でも見方を変えれば、それは、深い意味を持っているようにも思えます。民族や人種の差別ってこういうことなのかなとも思えるからです。ある種の思い込みから、ほかの種族や人種のことを全く良くない、違うものと考えて差別するようになるのではないかと思うからです。
 兄弟のそれぞれの気持ちも良く描かれています。「賢女アダーラの三人の子どもたちの物語──<能>に恵まれたエイナとセリの、そして自分にはとりえがないと思っていたゲイアの物語である。」と冒頭にあるように、ゲイアは特別な家に生まれたなんのとりえもない自分をみつめて悩み続けます。ゲイアの成長の物語にもなっているのです。
 現代にある様々な問題も思いおこさせつつ、霧の中の神秘的な沼地の不思議でロマンチックな雰囲気も保ちつつ、コミカルな面もチラチラ織りこみつつ、というように、圧倒的な筆力を感じさせる作品です。これが若い頃の作品なのですからもうなんといったらいいのかわかりません。


(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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紙の本夜明けの風

2004/07/26 18:18

サトクリフのローマン・ブリテン・シリーズの幻の傑作といわれた作品です。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ブリテンはサクソンとの最後の戦いに敗れた。その戦いに一人生き残った14歳の少年オウェインは、戦死している父と兄を見つけ、父の手にあったイルカの紋章を彫った指輪をもらって、戦場を離れた。軍犬がついてきたので、その犬と共に北へ逃れて行く。
 オウェインは、廃墟のような村で、うえてやせこけた少女レジナに出会う。たった一人で、どうにか生き延びてきたレジナ。一緒に逃げるうちにレジナは病気になる。そのレジナをどうしても見捨てることが出来ずに、レジナを助けることを条件に、オウェインは自分に残されていたたった一つのものである「自由」を売ることを決心する。そうして、二人は別れ別れになり、オウェインは奴隷として生きて行くのだが…。
 このオウェインの決心は、どうだろう。こんな男性はいるだろうか。今も昔も、なかなかいるものではないだろう。14歳という若さだから、その一途な気持ちでということもあるだろうけれど…。歴史のうねりの中で生き方を大きく変えざるを得なかった若者の、それでも誠実さを貫き通した生き方に、感動させられる人は多いことだろう。本当の男らしさや誠実さ、生きることの切なさを感じさせてくれる作品だ。

(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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紙の本ルビーの谷

2004/07/26 18:16

2003年度カーネギー賞受賞作。あなたもきっと、ルビーの谷に行きたくなりますよ。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ダラスとフロリダは、孤児院育ちの男女の双子。問題児とよばれて、養育家庭から何度も追い出されたり逃げ帰ったりしています。その孤児院自体も経営者がお金のためにやっているようで愛情は感じられません。すっかりひねくれてしまった二人ですが、夏休みの間、ある老夫婦が二人を引き取りたいといってきました。
 老夫婦は、4人の子どもを育て上げ、美しい自然がいっぱいのルビーの谷で暮しています。ダラスとフロリダと老夫婦のぎくしゃくした生活が始まります。老夫婦のおだやかで忍耐強い愛情が二人に伝わるかと思えたのですが…。事件が起こり…。
 YA向きの作品です。派手ではないけれど映画になりそうな物語です。味のある老夫婦と、孤児院と養育家庭を行き来するうちにだめな大人の裏側をすっかり見尽くしてしまったようなダラスとフロリダの二人。心の動きという内面的なものを、小道具や動作で表現しているのも実にうまいと感心させられますし、物語にも深い感動を覚えます。心に残る素晴らしい作品です。

(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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ベランドラ国のいやしの砦(ヒーラーズ・キープ)は、その資質のある者が、みずからの能力を知り学ぶいやし人の学び舎だった。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 物語は、スリヴィーア国の美しい奴隷娘ミーヴが、実はへリング候の娘リラの娘であり、リラは許されぬ恋のために父親によって奴隷にされてしまって娘のミーヴを生んだのだというところから始まる。ミーヴはインドル候のもとで奴隷としては別格の扱いをされていたが、ある日邪悪なモーレン候によって無理に買い取られる。母は、ミーヴに自分の身の上やミーヴの父親が偉大なドリームウェン(夢の中に入り込み心をいやす者)であったことを話して逃げるように言い、その後ミーヴを逃がしてから息絶える。ミーブは父を探して危険な逃亡の旅に出る。
 一方、海の向こうのベランドラ国の女王トリーナは水晶玉による予言の才能を持っていて、いやしの砦に危険がせまっていると感じていた。が、聞き入れてもらえず、資質があるといわれていやしの砦に身分を隠して入ったばかりの娘サラに希望をたくす。
 ミーヴもサラも訓練されていないが、優れた能力を持っていた。サラと同じ時期にいやしの砦のやってきたドージャンという若者も訓練されていないうちからジェノヴェン(夢のいやし人)の能力を発揮していた。
 やがて、いやしの砦が悪の手(影の王)に落ち、サラとドージャンはかろうじて逃れ、夢の中で出会った娘ミーヴを探す旅に出る。
 下巻では、サラとミーブは出会い、邪悪なる影の王と戦うことになるという。

 巻頭に「これまでの物語」とあるので、おや?と思う方もあるだろう。これは、実は『水晶玉と伝説の剣』(徳間書店・2002年7月刊)の続編なのだ。前作の主人公の王子と王女は結ばれ、今回の主人公は二人の愛娘サラヴェルダとミーヴとなり、前作とはまた別の複雑な構成の素晴らしいファンタジーの世界が展開している。今回は前作と違い、あかね書房から出版された。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本おじいちゃんのはげ頭

2004/05/21 11:31

詩の本ですが、1冊を読み通すと一つの「世界」が見えます。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 同じテーマについて書かれた何人かの詩人の作品を集めた詩のえほんです。
「かぞくのうた」という題もついていますが、なるほどいろいろな家族がいるものだといまさらながらに思ってしまいます。「ユーモア詩」とも書かれていますが、面白おかしい詩だけが集めてあるわけではありません。でもそこはかとないユーモアは、全編通して感じられます。
 子どもの眼でみたような詩が結構多いのですが、大人の詩人の作品で、子どもの気持ちになって書いているのですね。こういう編集のしかたで、これまでにであった詩もまた違う楽しみ方が出来たと思います。とても面白い企画です。これを出発点として、またほかにも同じ題材の詩を集めてみることや自分で同じ題材の詩を作ってみるなどと発展させてみようという好奇心も刺激されるし、とても親しみやすく楽しい詩集です。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)
※シリーズ共通の書評です

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紙の本パーラ 下 古城の秘密

2004/08/16 18:31

言葉をとても大事にする人々の町シレンチアには詩人や語り部がいて大切にされていた。その町に異変が起きる。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

シレンチアの町に住むパーラという少女の不思議な冒険の物語です。冒険といってもそれは言葉の謎解きの冒険といったらいいでしょうか。各章の始めに、詩が載っています。それはソネットという形式の詩で、これが物語の重要な要素になっています。
 シレンチアの町の人々は言葉をとても大事にする人達で、詩人や語り部が大事にされている町でした。その町に住むパーラという少女は、語り部の老人ノンノ・ガスパーレととても仲良しです。ところがある日、そのノンノ・ガスパーレが失語症になってしまいます。顔が真っ赤にはれているから病気かもしれません。うつるかもしれないとパーラもいっしょに隔離されます。それからだんだんシレンチアの町で失語症になる人が増えてきます。この町に舞い戻ってきた金持ちで、山の上の古い城を再建しようとしている実業家ジットがなにかやっているせいだというふうにいわれだしますが、はっきりわかりません。そのうち、ジットが町の人に仕事を持ってくるようになって、シレンチアの人達の生活を変えていきます。言葉がだんだん大事にされなくなって、話し合いがまともにできなくなっていきます。パーラは、ジットに会って話をしようと城に向かいます。
 読んで行くうちに、エンデ作『モモ』みたいだなと思いました。モモは時間どろぼうと対決するのですが、パーラは言葉どろぼうと対決するのです。
ソネットという小道具をきっちりと使って緻密に構成されていて、読み終わると「お見事!」と言ってしまうくらい見事な構成です。
 単に言葉どろぼうを追いかけて言葉を大切にというだけでない、もっと深いメッセージが込められているように思います。現代社会の人と人とのつながり、家族、言葉のかけかた、話し合い、本の存在、様々なことが織り込まれていながら、パーラという一人の少女の冒険ファンタジーにもなっていて、読んでいてとても楽しめます。ソネットという形式の面白さにも注意が向く人もでてくるのではないでしょうか。
 上下2冊ですが、どんどんひきこまれて読みきってしまうことでしょう。

(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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紙の本パーラ 上 沈黙の町

2004/08/16 18:29

言葉をとても大事にする人々の町シレンチアには詩人や語り部がいて大切にされていた。その町に異変が起きる。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 シレンチアの町に住むパーラという少女の不思議な冒険の物語です。冒険といってもそれは言葉の謎解きの冒険といったらいいでしょうか。各章の始めに、詩が載っています。それはソネットという形式の詩で、これが物語の重要な要素になっています。
 シレンチアの町の人々は言葉をとても大事にする人達で、詩人や語り部が大事にされている町でした。その町に住むパーラという少女は、語り部の老人ノンノ・ガスパーレととても仲良しです。ところがある日、そのノンノ・ガスパーレが失語症になってしまいます。顔が真っ赤にはれているから病気かもしれません。うつるかもしれないとパーラもいっしょに隔離されます。それからだんだんシレンチアの町で失語症になる人が増えてきます。この町に舞い戻ってきた金持ちで、山の上の古い城を再建しようとしている実業家ジットがなにかやっているせいだというふうにいわれだしますが、はっきりわかりません。そのうち、ジットが町の人に仕事を持ってくるようになって、シレンチアの人達の生活を変えていきます。言葉がだんだん大事にされなくなって、話し合いがまともにできなくなっていきます。パーラは、ジットに会って話をしようと城に向かいます。
 読んで行くうちに、エンデ作『モモ』みたいだなと思いました。モモは時間どろぼうと対決するのですが、パーラは言葉どろぼうと対決するのです。
ソネットという小道具をきっちりと使って緻密に構成されていて、読み終わると「お見事!」と言ってしまうくらい見事な構成です。
 単に言葉どろぼうを追いかけて言葉を大切にというだけでない、もっと深いメッセージが込められているように思います。現代社会の人と人とのつながり、家族、言葉のかけかた、話し合い、本の存在、様々なことが織り込まれていながら、パーラという一人の少女の冒険ファンタジーにもなっていて、読んでいてとても楽しめます。ソネットという形式の面白さにも注意が向く人もでてくるのではないでしょうか。
 上下2冊ですが、どんどんひきこまれて読みきってしまうことでしょう。

(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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紙の本美乃里の夏

2004/07/26 18:20

美乃里と実、同じ名前の女の子と男の子が夏休みの始まる頃に出会いました。不思議な出会いは、ひと夏の忘れられない思い出です。

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 子どもの気持ちは、いろいろだ。大人になっても、子どもの頃の気持ちをありありと思い出す人もいるだろう。そんな今、子どもとして生きている子どもと、子ども時代を忘れない大人にぴったりの物語だ。
 同じクラス(5年1組)の須賀くんと茜ちゃんと私(美乃里)は、交換ノートを続けていた。でも、最近須賀くんと茜ちゃんがお互いに好きなのがわかってきて、淋しくなっていた。そして夏休み。字は違うが同じ名前の実という男の子と出会う。美乃里が困っているときふっとあらわれる小柄な少年。二人は、その夏中、小さな銭湯で掃除の手伝いをする。頑固者の銭湯の主のおじいさんとも話をするようになり、その夏は、美乃里にとって、忘れられない夏になった。
 ひと夏の思い出を描いた作品は多い。この本はその中でも心に残るものとなるだろう。素敵な夏を過ごした人も、期待はずれに終わった人も、この本を読んで、夏の思い出にひたってください。

(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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紙の本ペンドラゴン 1 死の商人

2004/05/21 15:55

全10巻構想のタイム&スペース・トラベラーシリーズ登場!主人公は、14歳の少年ボビー・ペンドラゴン。

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 時空を超えて、10の異次元空間で悪との戦いをくりひろげるSF冒険シリーズがあらわれた。全米で、4巻刊行現在で、100万部突破ということだそうだ。
 時空を超えてタイム&スペース・トラベラーが活躍する感じは、テレビドラマの感覚に近い。ペーパーバック形式だけれど、かなりのページ数があり、読みでのあるものになっている。
 バスケットボールが得意な14歳の少年ボビー。両親と妹と愛犬がいて、ガールフレンドと念願のファーストキスをしたその日に、変わり者のプレスおじさんがやってきて、ボビーの生活は、ふつうの少年から<トラベラー>へと一変してしまう。
 こんなに恐ろしい運命を受け入れるのはかなり大変なことなのに、そこは物語なのか、いや物語だから大丈夫と自分をなぐさめながら読んでいて、ボビーを思いやって苦しくなるほど理不尽な運命が展開していく。特に1巻目なので、ごくふつうの幸せそうな少年が、苛酷な冒険の世界にまきこまれていく様子を描いていくのでそう思えるのかもしれない。さらに、時代空間が現代から、不便な生活の異次元へと移るので、特に辛そうに思えるのかもしれない。
 銀の指輪が輝いて、友達のところにボビーからの手紙が届くところなど、かなり視覚にうったえてきて映像的だ。読んでいてテレビドラマを見ているような感じになる。
 読み応えのある、ちょっとこわい近未来的なSF冒険ファンタジー。10の異次元空間が展開していくということだが、どんな空間を目の前に見せてくれるのかと2巻目以降が楽しみだ。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本おとうさんはげひんです

2004/05/21 11:28

詩の本ですが、1冊を読み通すと一つの「世界」が見えます。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 同じテーマについて書かれた何人かの詩人の作品を集めた詩のえほんです。
「かぞくのうた」という題もついていますが、なるほどいろいろな家族がいるものだといまさらながらに思ってしまいます。「ユーモア詩」とも書かれていますが、面白おかしい詩だけが集めてあるわけではありません。でもそこはかとないユーモアは、全編通して感じられます。
 子どもの眼でみたような詩が結構多いのですが、大人の詩人の作品で、子どもの気持ちになって書いているのですね。こういう編集のしかたで、これまでにであった詩もまた違う楽しみ方が出来たと思います。とても面白い企画です。これを出発点として、またほかにも同じ題材の詩を集めてみることや自分で同じ題材の詩を作ってみるなどと発展させてみようという好奇心も刺激されるし、とても親しみやすく楽しい詩集です。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)
※シリーズ共通の書評です

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その老人には、人生の終わりに失敗をとりかえすための4つの願い事(ウィッシュリスト)があった。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 老人が死ぬ前に思い残すことが無いようにと、し残したことのリストを作って…というと、あ〜よくある話だと思うのですが、これはそのよくある話ではありません。
 はじまりは、メグという14歳の女の子とベルチというゴロツキが、年金暮らしの老人ラウリーのアパートにしのびこんで見つかり、すったもんだのあげく、銃の暴発とガスタンクの爆発であの世に行ってしまったことです。あの世といっても天国と地獄があって、ベルチは文句無く地獄行きなのですが、メグは複雑でした。結局メグには天国へ行くための挽回のチャンスがあたえられることになるのです。メグの挽回のチャンスとラウリー老人のウィッシュリストがちょうどいいタイミングにであって、この物語は展開していくのです。
 作者はあの『アルテミス・ファウル』の作者です。メグの口の悪さもへんくつなラウリー老人の人柄も、ひねりのきいたユーモアも、地獄の使者や天国の門番のおかしさも、あの作者ならとうなずけます。コメディタッチですが、ほろりとさせられるところもあり、切なくもあり、たっぷりと楽しませてくれます。
 死が近い老人のウィッシュリストを、死んでしまって天国にいくか地獄にいくかの瀬戸際のウィッシュリストなど書く間も無く死んでしまった若い幽霊が、かなえてあげようと手伝うのは、なんと皮肉なめぐりあわせなのでしょう。ユーモアはあるのにちょっとほろ苦い味もします。印象に残る作品です。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本花の魔法、白のドラゴン

2004/09/14 17:28

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの最新作、長編ファンタジーがでましたよ!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この物語の主な舞台は、イギリスに似た異世界ブレストという国です。この国では、王は廷臣をつれて国中をまわる<巡り旅>というのを続けています。その廷臣の天気魔法使いを父に持つ女の子アリアンロード・ハイド通称ロディは、宮廷付「大地の魔法使い」の息子グランドを弟のように世話しています。そんなある日、ロディとグランドは、国の最高位の魔法使いであるマーリンが、グランドの母である大地の魔法使いシビルと共に恐ろしい陰謀を企てているのに気がつきます。けれども大人たちは信じてくれません。このあたりから、時空を超えて現代のイギリスから一人の少年ニックがあらわれます。少年は、夢を見ているのだと思うのですが、魔法の力は持っていて、ロディを助ける約束をします。このロディとニックが、それぞれなにかにひっぱられるようにあちこちへ移動し、わけもわからないうちに力をつけていって、ついには、その陰謀に立ち向かう大きな力となるのです。
 複雑なストーリーです。こうまでこみいったものにしなくてもいいのにと思うのですが、それがこの作者の持ち味でもあるわけで、よくこんがらがってしまわないなと感心するばかりです。最後にはいつもきれいにまとまって、わけがわかるようになっているのですから。ただ、登場人物の背景は、まだまだ広がりがあるので、続編のようなものが書かれる可能性が強いと思います。テーマからいえば、結局、いつも大人が権力欲と支配欲のために手段を選ばず動き始めることで、子ども達は迷惑をこうむるということです。これは、現実の世の中でもまったく同じで、魔法や時空を超えた異世界がでてくるものの、みっともない大人の姿はまさにこうだなと思います。現実にいそうな人物が沢山出てきて、作者の観察眼の鋭さも感じますし、いろいろな人を思い浮かべて、笑ってしまったりします。
 そんな風に、楽しめる作品です。

(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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明日から夏休みという日、アナはバスの中からパパを見かけました。パパは事故で死んだはずなのに。

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 アナがパパを見たのは、どこかの交差点でした。バスのとなりにとまったタクシーの後部座席に座っていた人が、パパにそっくりだったのです。髪型やしぐさまで。
 アナはママに話しますがなかなか信じてくれません。しかし、ママの恋人の息子オリバーはわかってくれて、ふたりはいっしょにパパの事を調べ始めます。そうするうちにタイトルにある「タンゴ」がなにか深い関わりのある謎として浮かび上がってきます。
 ミステリー調のストーリーが、読み手をひっぱっていきます。パパの謎とは何なのか。そこに家族の問題もからんできて、ストーリーにふくらみをもたせています。結構深刻なテーマなのに、そんなに重くなく、ミステリータッチなので、どうなるのかとひっぱっていって読ませるストーリーです。
 謎が解けてしまうとつまらないので、決して先に結末を読んだりしないようにしてくださいね。

(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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夏休みに「美こと」と犬のジュウベエは、ママのお母さん・おばあちゃんのところへ行くことになりました。

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 ママのお母さん・おばあちゃんは、御山という小さな村にひとりで暮らしています。おじいちゃんは医者で、小さな診療所をひらいていましたが亡くなりました。そのおばあちゃんの行動が、この頃少し変だとおとうさんとおかあさんが心配して、夏休みに、娘の小学4年生の美ことちゃんを犬のジュウベエといっしょに、おばあちゃんのところに行かせることにしました。いつものように井戸で冷やしたスイカを食べさせてくれたりして、変らず元気だと思ったとき、おばあちゃんは、おじいちゃんの幽霊が来たことを話し出したのです。夏休みの間おばあちゃんとすごした美ことは、おばあちゃんのことがよくわかりました。おじいちゃんの幽霊が出た訳も……。
 おばあちゃんの不可解な行動を美こととジュウベエがだんだん解き明かしていく形式なので、ここでストーリーを書いてしまうと面白さが減ると思うので書けませんが、それが何だろう何だろうと読む側をひっぱっていくようです。犬のジュウベエの気持ちや考えがモノローグで入っているのも可愛くてユーモラスでとてもいいのです。
 読み終えて、なんとなく楽しく暖かい気持ちになるのはうれしいことです。

(エーミール<図書館の学校・児童書選書委員会>)

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