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先月(2017年6月)

白悠さんのレビュー一覧

投稿者:白悠

49 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本運命を拓く 天風瞑想録

2001/04/23 00:11

感謝と歓喜溢れる積極的人生を活きるための天風哲学を学び、運命を拓く。

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書は、中村天風がその苦難に満ちた半生から生み出し、その後生涯をかけて人々に説いた天風哲学について天風自身が語ったものです。
 天風教義は天風哲学とそれを生活の中で実践するための心身統一法から成っています。本書の内容は天風哲学が中心となっているので、心身統一法についての詳しい説明はありません。ですから、まず天風哲学の実践法たる心身統一法について理解してから本書を読むことをお勧めします。
 
 心身統一法については、「中村天風のすべて」(サンマーク出版)で全体像と簡単な説明がなされています。「成功の実現」「盛大な人生」「心に成功の炎を」(日本経営合理化協会出版局)では主に心に関する心身統一法が、「いつまでも若々しく生きる」(同前)では主に体に関する心身統一法が、詳しく説明されています。
 ところで、残念なことに最近では「中村天風」と書名に冠しながら、天風と面識も関係もない人によって書かれた内容の不正確かつ稀薄な本が、少数ですが出版されているようです。やはり天風やその教えの魅力に触れるために、上述した本や天風自身による本、またその弟子によって書かれた本などからまず読んでいただくことをお勧めします。

 さて本書は、財団法人天風会において行われた夏期修練会において天風が講述したものが天風会員の堀尾正樹氏によってまとめられた「天風瞑想録」を、体裁を改めて出版されたものです。
 その内容は、まさに人生の羅針盤となるものばかりです。私たちの生命の持つ本然の力について、潜在意識とその持つ驚くべき性能について、信念の大切さについてなど、力強い天風哲学の神髄を知ることができます。
 本書はまた、心身統一法に対する理解をいっそう深めてくれるはずです。安定打座法の意義、言葉の用い方、病になった場合の心の持ち方などが説明されています。
 本書の特徴としてさらに、誦句(正しく生きる為の心構えを短文にあらわしたもの)が収録されています。言葉を非常に大切にした天風自らつくったもので、読むと実際に活力が湧いてきます。

 自分の運命を切り拓くのは自分しかいません。「常に最高の運命を招くべく、いかなるときにも、すべてを感謝と歓喜に振り返るよう、積極的な態度を、心に命じて活きるよう努力しよう」天風先生のこれらの言葉一つ一つが、読む者に勇気を、希望を、力を与えてくれるのです。

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紙の本盛大な人生

2001/06/01 22:51

信念とは、理想とは、そして人生とは…。哲人天風が自ら語る、実践哲学の真髄。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書は、中村天風の講演録である。
 
 天風の教義は、壮大で力強い「天風哲学」と、その実践法たる「心身統一法」から成っている。本書では、その中で天風自身が「心身統一法の大学院コースとでも言うべき」と言っているように、心身統一法の中でも高度な内容が語られている。本書を読むことで天風哲学に対する理解も深まるはずだ。

 ところで、私は以前、有名な人生訓である「菜根譚」を読んだことがある。そのときは、その一部、特に「心」に関する部分について、「これは空理空論であって、実践することはできないのではないか」と思った。私だけではなく、ある著名な学者も菜根譚は理想論である、と述べている。
 しかしその後天風の教えに出会い、特に本書を読み、菜根譚は決して空理空論でも理想論でもない、と気づいた。このことは、いかに天風の人生観・人間観が深い洞察から成っているかを示していると言ってよいと思う。
 
 さて、本書は3つの篇から成り立っている。
 「欲」の篇では、まず、人間を生涯を通じて苦しませる「欲望」について語られている。果たして欲望を捨て去ることはできるのかと言う問いに天風が正面から答えている。そしてさらに、「信念」の尊さについて述べられている。信念とは誰もが口にする言葉だが、その意味をはっきり自覚している人はどれだけいるだろう。天風はあいまいな言葉でごまかさず、信念とはどういうものか、それを強くするにはどうすれば良いかをズバっと言い切ってくれる。
 「理想」の篇では、理想の持つ驚くべき力が明らかにされている。そしてそれだけでは終わらず、その力を真に自分のものにするための具体的方法も述べてある。さらに、天風の人生観についても触れられている。さすが天風と思わせる、希望にあふれた人生観だ。
 最後の「貫徹」の篇ではまず、難解なことで有名な禅の「十牛図」を用いて、何のために自己を向上させるのか、そして何を目標に人生を歩めばよいのかが語られる。加えて心身統一法の中でも非常に重要な「安定打坐法」が詳しく紹介されている。これは別名を天風式座禅法という。禅宗の座禅は「禅定十年なお容易に達しあたわず」と言われるほど、境地に達するのに時間が必要だとされる。安定打坐法も無の境地に到達するという目的の点では座禅と同じだが、その目的を達成するために工夫が加えられている。
 
 天風教義は、単なる知識の寄せ集めのような机上の空論ではない。それは天風自身の数奇な運命とともにあった人生体験と、文字通り天風が心血を注いだ研究から生み出されたものだ。また、天風教義は私たちが実践してはじめて意義を有するものだ。ぜひ本書を一読され、教義を実践されることをお勧めしたい。

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紙の本心に成功の炎を

2001/04/26 00:07

真の幸福を手に入れるためには実践法が不可欠だ…生涯を人々を救うことに捧げた天風先生の努力の結晶、天風哲学と心身統一法の神髄を掴む。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書は、中村天風先生が、自ら生み出された天風哲学と心身統一法についてされた講演を収録したものです。 
 天風先生は常に、「『how to say』よりも『how to do』の方が大切だ」とおっしゃっていたそうです。
 天風先生のこの信念は、ご自身の苦い体験から生み出されたものでしょう。すなわち、青年期にご自身が不治の病である肺結核に罹患し、救いを求めて世界中の著名な宗教家や学者のもとを訪れました。しかし、その中の一人として三郎(天風先生の本名。この頃はまだ天風を名乗っていない)を救う答えを知らず、それどころか重病人である三郎に対する思いやりすら感じさせない人がほとんどだったのです。
 その後三郎はヒマラヤのヨガ聖者・カリアッパ師と出会い、厳しい修行の末に心身共に生まれ変わります。その後日本に戻り人々を救わんと立ち上がった天風先生は、自己の体験した難行苦行と同じ効果のある、しかも人々が日々の暮らしの中で実践できる方法を創りあげたのです。それが本書で解説されている「心身統一法」です。この心身統一法を完成させるまでの天風先生の研究は、はなはだ困難を極めた、血のにじむような努力であったそうです。

 さて、その天風先生の苦難の体験と研究の末に大正時代に完成されたこの心身統一法は、文字通り「心」と「体」を、価値ある人生を活きるために正しく扱うための実践法です。そして天風教義では、「心」に非常に重要視します。
 なぜ「心」がそれほど重要なのかは本書に述べられていますが、人類全体の、そして人間一人一人の現在抱えている問題のほとんどすべてが、もとをたどっていけば人間の「心」が原因となっていることを想起していただければ、納得されることと思います。天風先生の教えに深い共感を示しておられる稲盛和夫さんはその御著書、「成功への情熱」(PHP)の中で、「もっとも偉大な能力とは自分自身に打ち克つ能力である」と述べられています。
 しかし、勉強しなければならないけれどもつい遊んでしまう、ダイエットしたいけれどもつい余分に食べてしまう、というように人間の心はそう簡単に自由に操れません。その操りがたい心を統御し、その能力を向上させ、最終的に自分の幸福と同時に人々の幸福に貢献する人生をおくるための実践法が本書では説かれているのです。
 具体的には、まず「観念要素の更改」「積極精神の養成」「神経反射の調節」のための方法が説明されています。これらの方法は確固たる体系を持つ心身統一法の最も基礎となる、重要な方法です。これらの解説は「成功の実現」(日本経営合理化協会出版局)にもより詳しく説明されています。
 次に、わかっているようでわからない「心の正体」について詳しい解説がなされています。特にこの部分は人生観を一変させる内容です。さらに、我々の持つ感覚器官を正確に使い、勘をよくするための方法が説明されています。
 また、人間はどのような心の状態で人生を生きるべきか、そして心の科学的説明(1967年当時のもの。天風先生はこの翌年に逝去された)もなされていて興味深い内容です。本書の最後には天風先生自作の訓言が紹介されていて、一つ一つに先生自らの解説が付されています。
 ただ言葉を述べるだけでなく、実践法も説くことで人々を健康と幸福へと導いた中村天風。本書はまさに天風先生の情熱あふれる一冊です。

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紙の本君に成功を贈る

2001/11/22 00:02

強く、価値高く人生を活きるための天風師の言葉

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書は、日本経営合理化協会出版局から出版されている、中村天風師の講演録だ。同シリーズのうち、既刊の4冊は、天風がその波乱に富んだ人生体験と哲学・科学両面の研究から創見した「天風哲学」と、その実践法たる「心身統一法」についてのものだったが、本書はそれらとは趣を異にしている。本書は、天風が希望に満ち溢れる若者を前にして行なった講演を収録したもので、いわば天風による人生論だ。
 本書の構成は、次のようになっている。まず本文は、「幸福な人生をつくる」「強い命をつくる」「価値高く生きる」「思いどおりの人生に生きる」「敵をも味方にする」「笑いの人生に生きる」「人生、極楽の秘訣」という7つのテーマに分けられていて、それぞれのテーマごとに天風の講演が収録されている。さらに巻末には、「天風成功金言・至言100選」と「日常の心得」が掲載されている。
 本書に収められた天風の言葉の中でも、特に私が感銘を受けたものをいくつか紹介したい。まず、「良い時に感謝しないんだから、悪い時にはもっと悪くなるよ」という言葉だ。感謝の大切さは天風だけでなく、古今東西の多くの人々の説いていることであり、天風も「現在感謝」ということを非常に重要視している。幸せ、不幸せというのは心が決めるのだから、感謝することは即座に幸せになるための最も容易で、最も重要な方法と言える。このことについて天風は、「側からは辛かろう、苦しかろうと思うようなことでも、本人がああ嬉しい、ありがたいと考えれば何でもないんだ。何もかも心の置きどころを替えることです」と述べている。
 次に、「非常に偉くなる人というのは、同じ話を聴いても、その聴き方、受け取り方が極めて真剣だよ」という言葉だ。その具体例として、天風門下であった松下幸之助氏が登場している。若い時の幸之助さんは、天風の話を聞く真剣さが普通の人とまったく違っていたそうだ。経営、政治、学問、スポーツ、芸術などどの分野でも、その中で実績をあげる人物は皆真剣だ。自分自身というものは絶えず磨き続けねばならない、とこの言葉に教えられた。
 天風の教えは1919年(大正8年)に創見されて以来、これまでも、各界のリーダーをはじめとして老若男女を問わず、多くの人々に有意義な人生を生きるための力を与え続けてきた。そしてこれからの、厳しいものになると予想される時代の中でも、広く受け入れられて実践されるはずだと私は確信している。例えば天風は、少量の食物で十分に栄養を摂取する方法を教えている。この方法は、世界の人口が増加することで深刻化すると予想されている食糧問題の解決の一助となるだろう。また、本書でも紹介されている「神経反射の調節法」は外部からの刺激から心身を守り、堅固な心身をつくり上げるための効果的な方法だ。それ以外にも、心を鎮め、精神を統一する方法や気候の寒暖に強くなる為の錬身法など、天風教義は必ずや世界の抱える環境問題などのような困難な課題の解決に寄与し、世界の人々の幸福に大きく資するだろう。
 天風は、自らの苦難に満ちた半生の中で、「人生は、屁理屈やカラ威張りじゃ解決がつかない」という苦い事実を味わい、信念とした。そこから天風はあくまで実践主義を貫き、それは本書にも表れている。例えば何事にも感謝する、物事の好き嫌いをなるべく無くす、というように、即座に実践できる心がまえや考え方が本書には紹介されている。
 「天は自ら助くる者を助く」。自分の力で運命を切り拓き、有意義な幸福な人生を生きるために、本書に収められた天風師の言葉は力強き道しるべとなるはずだ。

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紙の本幸福論

2001/08/31 13:30

元気を与えてくれる、得がたき友人

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「哲学」というと、難解でとっつきにくい感じがするが、この「幸福論」は実に親しみやすい哲学の本だ。
 
 訳者が「解説」で述べているように、本書は友人に似ている。日々の暮らしの中で何かにつまずいたり、失敗したり、元気をなくすこともあるだろう。そういったときに、この「友人」はじっくり話を聞いてくれる。そして的確なヒントやアドバイスを与えてくれる。そしてこの「友人」と語り終えたとき、再び元気を取り戻した自分を発見するだろう。

 本書は93個のプロポ(哲学断章)からなっている。エッセイのような感じだ。そのプロポは、「心のしぐさ」、「我慢強く」というようなさまざまな事柄を取り上げている。
 本書に書かれた文章は、実に明るく、前向きだ。著者は教えてくれる。幸福は自ら掴まえるものだと。何もせずにくだらぬことばかり考えて、不平不満を言うよりも、活動し、そのことを楽しむことのほうがはるかに素晴らしいのだと。

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紙の本成功の実現

2001/04/22 22:13

人間一人一人の持つ本然の力を引き出し、真に生き甲斐ある人生を送るための実践的方法の数々。天風による講演を楽しみつつ、人生を一変させる書。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書は、日本経営合理化協会出版局から出版されている中村天風の講演録です。本シリーズは、現在本書の他に「盛大な人生」「心に成功の炎を」「いつまでも若々しく生きる」が出版されています。

 さて、中村天風とはどういった人物かご存じない方もおられると思います。天風(本名は三郎)は1876年に生まれ、日清・日露戦争において軍事探偵として活躍しました。しかしその後不治の病といわれた肺結核に罹患し、一時は死の淵に立たされます。
 しかし天は彼を見捨てませんでした。インドの聖者・カリアッパ師と出会った三郎は、ヒマラヤでの厳しい修行の末、心身共に生まれ変わります。
 その後日本に帰国した三郎は、実業界で成功して得た地位や名誉をすべて捨て、新たに天風を名乗り、街頭で辻説法を始め、現在の財団法人天風会を創設しました。原敬、東郷平八郎など各界の有力者が続々と入会し、以後天風は人々の啓蒙に専念しました。そして92年の人生を終え、天風は1968年に逝去されました。それから30年以上経った現在でも天風の教えは多くの人々の生き甲斐ある人生を送るための頼もしい支えとなっています。
 
 それでは天風の説いた教えとはどういったものでしょうか。それこそ、天風の波乱と苦難に満ちた体験と研究から生み出された天風哲学です。そしてこの壮大で力強い天風哲学を私たちが人生において実践するための方法が心身統一法です。
 本書には、この天風哲学と心身統一法についての天風自身による講演が収められています。その具体的な内容の例を挙げますと、例えば「神経反射の調節法」があります。人間が生きているのは心臓や胃腸などが作用しているからですが、それらを働かせているのは神経です。私たちは神経によって生きているといっても過言ではないのです。ところがその生きる為に不可欠な神経の働きも、外部からの絶え間ない刺激によっておびやかされます。特にストレス社会といわれる現代社会においてはこれが顕著です。
 そこでストレスによる神経の過剰反射を防ぐための方法が神経反射の調節法です。これにより、刺激によって心身に悪影響の及ぶのを防ぐことができるのです。神経が過敏になれば体だけでなく心も安定性を失い、積極的な人生を送る妨げとなりますので、この方法は非常に有効なものなのです。本書ではこの具体的な行い方が説明されています。
 他にも、「観念要素の更改」「積極精神の養成法」「心の用い方」など、心身統一法の要となる方法が具体的・実践的に説明されています。

 人間には元来、幸福で健康な人生を送るために必要な能力が与えられています。しかしその能力を引き出すためにはそのための方法を知る必要があるのです。それが天風の説く心身統一法なのです。そうして活力に溢れた本来の自分をつくり上げてこそ、天風哲学を実践して生き甲斐ある人生を送ることができるのです。
 本書はまさに人生を一変させるものです。このことは、大正時代に心身統一法が完成されて以来多くの人々がそれにより幸福な人生を手にしてきた事実が証明していると思います。一読を心からお勧めします。

 天風という人物とその生涯や、天風哲学の全体を知りたい方には「中村天風のすべて」(サンマーク出版)と「天風先生座談」(宇野千代著、廣斉堂文庫)を、心身統一法については知っているので天風哲学を詳しく知りたいという方には「運命を拓く」(講談社)をお勧めします。 

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人生を活きる力となる、心にひびく箴言集

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書は、中村天風自らの手による箴言とその注釈を収めたものだ。
 
 天風は言葉というものを非常に大切にした。天風は「言葉は人生を左右する力がある」という信念を持っていたのだ。
 言葉というものは非常に便利なものだけに、往々にしてぞんざいに扱われることが多い。しかし、他人の発する言葉一つで私たちは喜んだり悲しんだりするという事実を考えるだけでも、その持っている影響力の大きさを実感できると思う。

 私が本書の箴言の中でも特に好きなのが、「何事を為すにも報償を超越してそれを自己の責務なりと思うて行う時其行為は尊とい」というものだ。仕事をする際、勉強をする際、人助けをする際など、何かをしようとすると損得で考えてしまうことが多い。私はそのように考え始めたら、この箴言を思い出すようにしている。
 
 本書に収められている天風の言葉は、まさに「言霊」そのものだ。活力がみなぎっている。
 やはり人生においては壁にぶつかることもある。天風箴言は、そういったときに確固たる指針となり、前へ進むための力となってくれる。

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自ら実践し、長寿を全うされた天風先生の語る、健康を手に入れるための実践法。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書は、日本経営合理化協会出版局から出版されている、中村天風先生の講演録です。
 この講演録はすでに「成功の実現」「盛大な人生」「心に成功の炎を」の3冊が出版されています。この3冊は、天風先生の創見された「心身統一法」のうち、「心」を主題としています。一方、本書は「体」についての天風先生の講演を収めています。
 
 医学は近年急速な進歩を遂げました。近い将来にはヒトゲノムの解読によって画期的な新薬が開発されるそうですし、人間のクローンをつくり出すことさえ技術的には可能なようです。
 確かに不治の病に苦しんでいる人々がバイオ・テクノロジーによって助かるのならば、歓迎すべきことでしょう。ただ、遺伝子を操作したり、クローンをつくるようなことには、不安を感じずにはいられません。
 科学技術は人類に大きな利益をもたらしてきましたが、その一方で環境破壊などの大きな問題もつくり出しました。バイオ技術は安全だと主張する人もいますが、科学技術の内包する危険性を忘れてはならないと思います。例えば現在問題となっている「環境ホルモン」の危険性を、ごく最近まで科学者たちは見逃していたのです。
 こういったことを考えると、今世紀は予防医学の時代といわれるように、自分の健康は自分で守るしかありません。本書は、そのための心強い味方となってくれる一冊です。
 
 天風先生の「体」に関する考えの基礎には、「人間も自然物の一つだ」ということがあります。ですから私たちが健康を手にするためには、自然法則に則って生きることが不可欠なのです。いかにこのことが重要かは、今の子供たちの視力が急激に下がっていることなどからも明らかだと思います。
 そして、本書ではそのように生きるための様々な実践方法が紹介されています。その内容は衣服、食べ物とその食べ方、病を治す方法、呼吸、老化の抑制法など、多岐に及んでいます。その一つ一つがどれも生活の中で容易に実践できるものばかりです。

 ところで、本書では日光の用い方について述べてあります。その中で天風先生は日光に当たることを推奨されています。この点について、最近は紫外線の害がさかんに言われているので、疑問をもたれるかもしれません。
 ただ、日光に当たることはやはり健康のために不可欠です。また、本書の講演がなされたのは1960年頃であり、その後天風先生の亡くなられた後の80年代にはじめてオゾン層の破壊による紫外線の害が言われるようになり、その原因は人間にあるのだということもご理解いただきたいと思います。もちろん天風先生も適度に日光に当たれとおっしゃっています。この適度ということが重要だと思います。

 本書で説かれている実践法が効果があるかどうかは、それを実践された天風先生ご自身が証明されていると言えます。先生は30歳で不治の病といわれた結核に罹患しながら、92歳で逝去されるまで活き活きとした人生をおくられたのです。
 本書は医学や健康をテーマとしているので、不要な誤解を避けるために、天風門下の医学博士である島中俊次氏の解説が付されています。
 やはり頼れるものは自分しかいません。幸福な人生をおくるために不可欠な健康を手に入れるために、本書を一読されることをお勧めします。

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仏教をわかりやすく説いた、「心探しの旅」の楽しいガイドブック。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書は、作家であり出家されている瀬戸内寂聴さんが、仏教をわかりやすく説明したものです。

 内容は、釈迦は何を悟ったのか、仏教の世界観、苦しみを感じたときにどうすればよいのか、祈りは通じるのかというように仏教について幅広く取り上げてあります。非常にわかりやすく、面白く、丁寧に解説されているので、仏教についての知識がなくても、すらすらと読むことができます。寂聴さんの仏教を伝えたいという情熱がひしひしと感じられます。
 寂聴さんは厳しい修行にも参加されていて、その体験談も語られています。修行の具体的な内容、それを軽々とこなす行者たち、そして修行の持つ意味…。なかなか知ることのできない世界が、体験者ならではの実感を通して目の前に広がります。
 また、般若心経についても詳しく述べられています。「色即是空」など、理解しにくいその内容が易しく説明されています。本書を読むことで、仏教の基礎を学ぶことができ、その全体像を掴むことができるはずです。

 最近では、アメリカの同時多発テロのように心の痛む事件が多発し、世の中が閉塞感に包まれて殺伐としてきました。非常に残念なことです。
 しかし私は、幸福とは自分が見つけようとしなければ見つからないものだと思っています。「天は自ら助くる者を助く」との言葉の通り、まず自分自身が努力しなければ、幸福な人生も、平和で笑顔のあふれる世界も絵に描いた餅に終わるのではないでしょうか。
 私は本書を読み終えて、仏教とは非常に実践的な、日常の中で役立つ教えなのだと気づきました。心に悩みや苦しみをお持ちなら、本書を手にさ れてはいかがでしょうか。人生において本当に大切なものがきっと見つかると思います。

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絶対の権力を有するに至った始皇帝。彼に恨みを持つ一人の男が彼の命を狙う。

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 秦は着々と敵国を亡ぼし、残る国は燕、斉、楚だけとなっていた。そこで政は王翦将軍に、楚を討つにはどれだけの兵力が必要かと問う。秦の全軍に近い60万の兵が必要と答えた王翦は、その直後になぜか突然引退を決意する…。
 始皇帝の性格を見抜き、自分が始皇帝に疑われないように細心の注意を払いながら秦に大きな勝利をもたらした王翦。彼こそ本当の賢さを有した人物だといえる。
 紀元前221年、ついに政は天下統一を果たした。彼は始皇帝と名乗り、その権力を存分に振るった。栄華を極めた彼は、次第に不老不死を望むようになっていった。そこに現れるのが有名な徐福だ。
 中国統一を果たしたとはいえ、始皇帝を恨むものも多かった。後に劉邦のもとで活躍することとなる張良もその一人だ。彼は刺客を雇い、始皇帝暗殺を計画していた。彼の行為により、始皇帝は弾圧政策を行うようになってしまう。
 万里の長城や郡県政、度量衡の統一など後世に残る政治を行った始皇帝だが、その陰には多くの犠牲が伴った。焚書・坑儒などは今でも悪名高い政策だ。絶対の権力を得た始皇帝自身は果たして幸福だったのだろうか?

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生命と環境の世紀へ向けられた、農からの希望のメッセージ

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 著者の星さんは、山形県高畠町で有機農業に取りくんできた篤農家であり、詩人である。本書はその著者が、自らのライフワークである農を軸として、高畠町の風物と人々の営みを、そして未来へのヴィジョンを記したものだ。

 著者が若い農民たちと一緒に有機農業研究会を立ち上げたのは1973年だ。とにかく手間のかかるその農法は、初めの頃に「嫁殺し農業」と評されたという。
 しかし、試行錯誤の結果、安全で、異常気象に強いお米が作られるようになったのである。

 本書を読み、いかに著者の従事する農業が厳しいものであるかを強く認識させられた。私は両親に「お米はお百姓さんが一生懸命努力してつくったものだから、一粒も残さないようにせよ」と教わった。著者は、天候不順や病虫害、冷害や台風などによって不作に泣くこともしばしばだったと語っている。その努力に頭が下がる思いだった。

 わが国の食料自給率はカロリーベースで40%、穀物自給率は27パーセント(1998年)だという。自国の食べ物の3分の2を輸入に頼り、農業は衰退しつつある。それなのに大量の残飯を出し続けている日本の食べ物の未来を、著者は心配している。
 
 著者が言うように、科学技術の進歩に裏打ちされた近代化は日本に空前の経済繁栄と便利で快適な生活をもたらしたが、その代償はあまりにも大きいものだった。
 著者は未来に向けて、農の復権を提唱する。農を主役とする本書のヴィジョンには、「生命と環境の世紀」への希望がある。

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紙の本若きウェルテルの悩み 改版

2001/09/25 22:33

自身の体験が基となった、悲劇的な恋をえがいた名作

2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本作品は、ゲーテの名を世に知らしめることとなった名作だ。この中にえがかれている悲劇的な恋は、ゲーテ自身の体験が基になっている。

 ウェルテルの残した書簡から溢れ出すロッテへの情熱は、自らを苦しめ、追い詰めた。私はウェルテルが最後に下した決断には賛成できないが、危うさを伴った彼の恋に同情の念を禁じえなかった。

 ウェルテルの書簡を読むと、彼が賢く、冷静な理知を備えた人物であったことが読み取れる。例えば、5月9日の手紙には次の言葉が出てくる。「人間は、その(地球)上で味わい楽しむためにはわずかの土くれがあれば足り、その下に眠るためにはそれよりもっとわずかでことが足りるのだ」。
 しかしその数行あとでは、こうも言っている。「このぼくの心こそはぼくの唯一の誇りなのであって、これこそいっさいの根源、すべての力、すべての幸福、それからすべての悲惨の根源なんだ。ぼくの知っていることなんか、誰にだってしることのできるものなんだ。ぼくの心、こいつはぼくだけが持っているものなのだ」。彼はわずかの土くれでは足りなかった。時間を経るにつれ、彼の心は激しい葛藤に疲れ果てていったのだ。
 「あなたの生活の平静と歓喜が再び帰ってくるというのならぼくは喜び勇んで死んで行くのですが」—悲惨の根源が絶えず与え続けた青春の悩みに終止符を打った彼は、誇りをもって「死の鉄の扉」をくぐり抜けることができたのだろうか?

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紙の本運命を拓く 天風瞑想録

2001/09/12 13:46

天風の説く「積極」とは

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 本書は、中村天風師が自ら創見した天風哲学について講述されたものを収録したものです。「真に幸福で充実した人生をつくりあげるためには、どのように生きるべきか」という命題に対し、天風師があくまで力強く、情熱をこめて語っています。なお、本書を読まれる際には、ある程度天風師の教えについての基礎知識があったほうがよいと思います。
 さて、天風師の教えの目的は、自己の心身の能力をいかんなく発揮して、世界の幸福のために貢献することで、自他ともに健康で生き甲斐のある人生を建設することにあります。そのために人はどう生きるべきかということを、本書の中で天風師はさまざまな観点から明快に説いています。
 例えば、「言葉」について説明されています。時として言葉はぞんざいに扱われがちですが、天風哲学では言葉を非常に大切にします。なぜならば、ほとんどの場合、思考は言葉によって行なわれるからです。そして、実在意識/顕在意識において行なわれた思考は潜在意識に印象されます。したがって、なるべく肯定的な言葉づかいをするように心がけることによって、自分の行なう思考も積極の方面に転換することができるわけです。

 この言葉の使い方からお分かりいただけるように、天風哲学は「心の持ちよう」を何よりも重要視しています。その理由は、本書で詳しく説明されていますが、その一つを紹介します。
 それは、幸福・不幸福というものは、人の心が決めるものだからです。例えば、同じ食べ物を食べる際に、「こうやって食べ物をいただけることは本当にありがたい」と思いながら食べるのと、「この食べ物にも飽きたなあ」と思って食べるのとでは、その人の幸福の度合いには雲泥の差が生じます。
 そこで、本書で天風師は「一切を感謝と歓喜に振り替えていく」ことを勧めているわけです。実は、この言葉の裏には、肺結核という死の病を抱え、造物主が自分を生かしていることを恨みに思っていたという天風師自らの体験があります。その後三郎青年(後の天風師)はヒマラヤのヨガの大聖者・カリアッパ師と奇遇し、厳しい修行の末に心身ともに生まれ変わりましたが、その際、「天がお前を生かしてくださっていることになぜ感謝しないのだ」というカリアッパ師の言葉によって、自己の大いなる過ちを悟ったのです。
 このように、正しく人生を活きるためにはこのように考えたり、このような方法を実践すればいいよ、と具体的に、明確に提示いるところに、天風哲学の真髄があると私は感じています。僧侶や行者のような場合は別として、私たちは人の世の中を生きていかねばなりません。そして、まさに天風哲学と心身統一法は、日々の暮らしの中で実践するための教えなのです(もちろん、正しく、継続して行なうことが大前提ですが)。
 私は、本書をはじめとする中村天風師の著作を読み、その教えを実践することで、それまでの自分の生き方がいかに誤ったものであったかを痛感しました。私は、自分の考えを押し付ける気は全くありません。ただ、考え方を少し変えるだけで人生が大きく変わること、そしてそのための一つの答えが本書の中にあることを、知っていただけたら幸いです。

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アンネの日記 完全版

2001/07/18 09:46

日記にこめられた絶望と希望

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 多感な思春期を「隠れ家」の中で過ごしたアンネは、ともに生活した人たちから人間の本質を学び、恋をし、性に関心を持った。絶望的な状況の中でも、彼女は決して希望を失うことなく、やがて自由を手にする日を待ちながら生き続けた。
 
 その生活の中で彼女は、思いを日記に記していく。日記に書かれた文章から、いかに彼女が聡明であったか、意志の強い少女であったか、純粋で前向きな心の持ち主であったかを感じ取ることができる。

 私は本書を読むことで、多くのことを学ぶことができた。
 まず、思春期の頃に女性はどのようなことを考えるのか、どんな気持ちで日々を過ごすのか、ということだ。私は男性なので、このことを実際に体験することはできない。他人を深く理解するために、アンネに貴重なことを教えてもらった。
 
 しかし何よりも、戦争がいかに愚かで、恐ろしく、悲しいものであるか、という事実をアンネの日記から学んだ。
 アンネの日記に書かれていることは、紛れもない事実である。数十年前に実際にこのようなことが行なわれていたということを、私は実感できなかった。「隠れ家」の中で息をひそめつつ生きていたアンネの胸中を想像することはできるが、私の心を彼女の心に同化させ、彼女の体験を私自身のものとして考えることはできなかった。平和な時代に育った私にとって、戦争の現実は私の想像をはるかに超えるものだったのだ。

 だが、「想像する」ことこそ、二度と愚かな戦争というものを起こさない世界をつくり上げるために最も必要なものではないか。戦争体験が過去のものとなりつつある今こそ、アンネのように戦争に巻き込まれ、絶望の底を生きた人々のことを知り、その心中がいかなるものだったかを想像することが求められているのだと思う。
 アンネは戦争が終わったら、ジャーナリストとなり、作家となる夢を持っていた。本当に残念なことにその夢は果たされなかったが、彼女の残した日記は世界の平和に大きく貢献するものとなったのだ。
 

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紙の本日本の戦争

2001/07/03 09:45

「なぜ負ける戦争に突入していったのか?」7つのキーワードを軸に、知られざる日本の戦争の真実に迫った渾身の書

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 著者が本書を書いたのは、「なぜ、日本は負ける戦争をしたのか」を明らかにしたいからだった。この点については、私も長い間疑問に思っていた。
 
 この疑問には、学校教育は答えてくれなかった。それどころか、たとえば高校で教わる日本史のカリキュラムは、たいていの学校では昔から現代へと順に進んでいく。そのため、授業で明治以降を扱う頃には「時間切れ」となってしまい、日本の近現代史はほんとうにさらっと触れられるだけだ。
 これはおかしい。私たち日本人がまず知っておくべきは近現代史のはずだ。私は、学校ではまず戦前戦後を扱い、その後に昔から江戸時代までを教えるべきだと思う。教科書問題についても、歴史に対する見方や学説などが分かれているところはそれらを併記すれば、広い視野を養うことができるのではないか。

 それはさておき、本書は太平洋戦争に負けるまでの日本の真実の(少なくとも真実に近い)姿を知るためにぜひ読んでおきたい一冊だ。本書では、日本が負ける戦争に突入していった理由を、「昭和維新」「八紘一宇」などの7つのキーワードを軸にして探求している。
 本書には、私の戦争観を覆す事実がいくつも書かれている。もちろん私の勉強不足もあるが、おそらく多くの人が本書に述べられている事実を知らず、「太平洋戦争は軍部の暴走の末路だった」という漠然とした認識を持っているのではないか。私は本書を読み、歴史をイメージだけで捉えてはならないことを痛感した。
 昭和天皇は一貫して避戦主義であった。日本はなんとか開戦を避けるために、日米開戦直前まで日米交渉を続けた(開戦を避けることを、一定の時期までは陸軍以外の軍部も望んでいたようだ)。しかし、日本にとって不幸な連鎖により、太平洋戦争ははじまったのだ。

 著者は本書で特定の主義に傾かず、ただ真実を追い求めている。本書は敗戦までの日本の行動をやたらに肯定するものでは決してない。ただ、それでも、もちろん日本自身の戦争に対する責任を肯定しつつも、「不運」であったな、と思ってしまう。開戦を防ぐ機会は幾度もあったにもかかわらず、国際情勢とそれに対する情報不足、自己保身、コミュニケーションの欠如などいくつもの要因が絡まり、日本は悲しき結末を迎えたのだ。
 
 もちろん、先の敗戦という過去をいまさらどうすることもできない。大事なのは、悲惨な戦争を二度と起こさないことなのだ。著者が本書を著した究極の目的は、「わたしとしては、あのような戦争を二度と起こしてはならないし、あのような戦争を起こすような国にしてはならない」というこの一文にあるのだ。
 結局、戦争とは人間が起こすものである。戦争は人間が原因なのだ。だから、戦争を起こさないために我々人類は人間として自らを常に研鑚していかねばならない。戦争はすべての人を不幸にする。あのような戦争を二度と起こしてはならないのだ。
 

 

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