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レビューアーランキング
先月(2017年6月)

げんとびさんのレビュー一覧

投稿者:げんとび

7 件中 1 件~ 7 件を表示

命にかける強い思いが感動を生む

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本シリーズは1冊に14話収録されているのだが、本書は12話となっている。そのわけは、「過ぎ去りし一瞬」という作品が普段の数倍のボリュームで書かれた大作だからだ。
 この「過ぎ去りし一瞬」は面白い。この物語の軸となる青年。彼にはいくつか不思議な点があった。その中でも彼を苦しめたのが、見たこともない景色と恐ろしい体験が彼の頭に浮かんできてしまうことだった。ブラック・ジャックと出会った彼は、謎を解くために旅立つ。
 「猫上家の人々」はミステリータッチの物語で、これまた面白い。手術の代金を受け取るために猫上家という旧家を訪ねたブラック・ジャック。そこに隠された秘密とは? 
 「にいちゃんをかえせ!!」「光る目」はともに心温まる話。ブラック・ジャックが子供に優しいのは、おそらく自己の体験からくるものだろう。

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短編に込められた作者の情熱と力量

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 「ブラック・ジャック」は一つ一つの物語の短い、短編からなっている。せいぜい20ページほどのボリュームしかないのだが、その中で鮮やかなストーリーが繰り広げられる。本当に手塚治虫という人物の偉大さには敬服させられる。まさに「ブラック・ジャック」は手塚作品の真骨頂といえる。
 本書だけでも「ブラック・ジャック」の完成度の高さを実感できると思う。何しろ一つ一つの話が、「どこからこんなアイディアがわいてくるのだろう?」と思うほどに一つの世界を形成している。「ブラック・ジャック」は長年にわたって書かれたので、たくさんの話を生み出したが、その中に似通った話はほとんどないのだ。本書で言えば、大自然の美しさ、吸血鬼、教育、体内時計など物語のテーマはバラエティに富んでいる。
 さて、「ブラック・ジャック」はシリアスな話が多いのだが、中にはコメディ・タッチの愉快な話もある。「コレラさわぎ」もその一つだ。ひょんなことから起こった大騒動は、ピノコの活躍(?)もあいまって、思わぬ方向へ。普段はかっこいいブラック・ジャックもトイレの中から叫ぶ始末。
 「音楽のある風景」に登場するチン・キ博士の一言が忘れられない。「のう、先生…人間のすばらしい文化はだれにもさずかる権利があると思うのです。」 すばらしい文化である「ブラック・ジャック」を読み、楽しむことができることに感謝したい。

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天才外科医に託した手塚治虫のメッセージ

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 ブラック・ジャックはピノコという少女と一緒に住んでいる。ところでこのピノコ、「私は18歳なんだから!」と度あるごとに主張している。どうみても10歳前の子供にしか見えないが、これはどういうことだろうか?
 実は、このエピソードは他の巻で登場するのだが、ピノコは奇形嚢腫からブラック・ジャックがつくり出したのだ。
 本書収録の「奇形嚢腫パート2」では、ブラック・ジャックのもとに奇形嚢腫のできた患者が運び込まれる。それを知ったピノコは何とかしてこの嚢腫を助けたいと思うのだが…。
 「あるスターの死」は非常に印象的な作品だ。往年の名女優、マリリン・スワンソンはもはやかつての美貌を失っていた。そこへ映画出演の話が持ち込まれる。心ならずも断った彼女だが、ある決意を胸に日本に向かう。彼女が目指しているのはブラック・ジャックの家だった。女優に一生をかけた彼女の執念が、思わぬ結果を呼び寄せた。
 さて、少年だったブラック・ジャックの命を救った本間丈太郎は、彼の心の師である。本書ではブラック・ジャックが、本間ですらその謎を解明することができなかった「本間血腫」と対決することになる。

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珠玉の14編

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 ブラック・ジャックは無免許の天才外科医だ。他の誰も治せなかった病気をも治してしまう技術を持つ反面、患者から法外な報酬をとり、憎まれることも多い。一つだけ確かなのは、彼がなによりも「命」というものを尊重していることだ。人間の命、動物の命、植物の命…命を救うために自分のことなどかえりみないブラック・ジャック。彼をそこまで駆り立てているものは何だろうか。それは本シリーズを読めば明らかになるはずだ。
 「かりそめの愛を」では、なんとブラック・ジャックが結婚してしまう。あんなに結婚や恋愛には興味がなさそうなのに? もちろんこれには事情があるのだ。
 「魔王大尉」。ベトナム戦争で英雄と扱われたケネス大尉が、頭に撃ち込まれた銃弾を取り出すためにブラック・ジャックのもとを訪れる。果たして戦争における殺人は正当化されうるものなのか? 考えさせられる作品だ。
 「ブラック・ジャック病」では、ある病気に自分の名前をつけられたブラック・ジャックがその命名者を訪ねることになる。クーマ医師の生き方はブラック・ジャックにも影響を与えたのではないか。
 わずか20ページの中にこれだけの物語を創りあげる作者の腕に感服する。どの話も面白い。これはお世辞ではない。

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天才外科医をとりまく人間ドラマ

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 天才無免許医ブラック・ジャック。彼の活躍をえがいたシリーズの第10巻。
 彼の人知を超えるメスさばきは、関わる人の人生を変える。本書に収録の「復しゅうこそわが命」も然りである。南米モノタリナヤ共和国のある農場。ここでは一家が平和に暮らしていた。しかしあることが原因でその平和は一瞬にして崩れ去る。かろうじて生き残った娘はブラック・ジャックによって救われるが、彼女はブラック・ジャックこそ自分たちを不幸に陥れた張本人だと信じていた。果たしてブラック・ジャックは神か悪魔か…? この話ではピノコも活躍する。娘の美貌に嫉妬する姿がかわいらしい。
 「やり残しの家」は本当に名作だと思う。ブラック・ジャックの家を建てた大工・丑五郎。彼はブラック・ジャックがこの家を改築すると知り、自分がそれを引き受ける。元気いっぱいで腕のいい丑五郎だったが、実は彼には秘密があった。
 「ピノコ還る!」は私のお気に入りだ。ブラック・ジャックがピノコ特製の巨大卵焼きを食べている時の顔が何とも言えない。たった一人の身内であるピノコをいかにブラック・ジャックが大切にしているかがわかる、心温まる話だ。
 全14編が収録されている。どの話も心を打つ。

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医療とは何か、人間とは何かを問いかけるブラック・ジャックのメス

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 「ブラック・ジャック」は、ときに読むものをして「医療とはなんだろう」と考えさせる。例えばブラック・ジャックのライバルであるドクター・キリコは、自己の戦争体験をきっかけに患者の安楽死を請け負うようになった。私は安楽死というものを肯定的に捉えているが、それでも本書に収録されている「弁があった!」で起こったことを考えると、軽々しく命を扱うことは許されないことを改めて思い知らされる。
 本書に収められた話の中でも特に気に入っているのが、「もらい水」だ。息子夫婦と暮らしている老婆は、家が病院であるため、病院が忙しいときは外を泊まり歩いている。この老婆にアクシデントが起こったところをブラック・ジャックが救うことになる。その時に彼は言う、「私なら母親の値段は百億円つけたって安いもんだがね」 普段彼の表に出さない優しさが感じ取れる物語だ。ブラック・ジャックと彼の母については他の巻で明らかにされている。 
 「古和医院」も私が好きな話だ。なぜ彼はバスを途中で降りたのか。この話にこそブラック・ジャックの医療観が表れていると言っても過言ではないと思う。物語の結末でも心地よい余韻に浸ることができる。
 彼もメスに迷いを抱くこともあった。「湯治場の二人」では、刀鍛冶・馮二斉の残した手紙を読みながらブラック・ジャックがつぶやく。「私には一生わからないかもしれない。私には切るだけが人生なんだ」 結局彼がその答えをわかったかどうかは、手塚さんが亡くなった今では我々が想像するしかない。

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命を巡る驚異と感動の物語たち

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 数ある手塚作品の中でも私は「ブラック・ジャック」が一番好きだ。その理由はいろいろあるが、なにより主人公であるブラック・ジャックが非常に魅力のあるキャラクターだからだ。
 彼は医師免許を持たない、いわゆる無免許医だ。それにも関わらず彼のもとに訪れる患者は後を絶たない。彼は他の医者が治すことのできない病気でも治してしまうほどの天才的な技術を持っているのだ。
 この凄腕ゆえに、彼は無頼であり、孤高である。自分の技量だけを武器に、誰にも干渉されず自分の信じる道をひたすら生きる。こういう生き方に私はとてもあこがれるので、本書を読むときにはブラック・ジャックになりきってしまっている。
 ただ、この彼の生き方ゆえに、彼もやり場のない怒りや煩悶を感じることがある。本書に収録されている「報復」という話でもそうだ。無免許医であるため当然彼は日本医師連盟から目の敵にされている。医師法違反で逮捕されたブラック・ジャックに面会に来たのは、イタリアの億万長者だった。このあと急展開するこの物語の中では、無免許天才外科医であるが故のブラック・ジャックの苦悩が、彼自身はそれについて言葉では語っていないが、淡々と描かれている。
 命を自ら扱うゆえに背負う喜びと悲しみを静かに受け止めながら、彼は次々とメスをふるっていくのだ。
 本書には14編の物語が収められている。ケヤキ太郎と老人の話、小さな島を舞台にした女医の哀しい恋の話など、どれも非常に完成度が高い。そしてどれも感動を与えてくれる。

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