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先月(2017年6月)

よっちゃんさんのレビュー一覧

投稿者:よっちゃん

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本エンプティー・チェア

2001/11/12 12:14

リンカーン・ライムシリーズ

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 「四股麻痺科学捜査官とNY市警の女巡査が明かす異常殺人事件の謎ボーン・コレクター」、「棺おけの前で踊る死神の刺青をした連続殺人鬼を追うライムとサックス コフィン・ダンサー」のご存知のシリーズ第三作目である。
 今回は「証拠はすべて少年の有罪を指している。だが、サックス巡査だけは彼の無実を確信していた。こよなく昆虫を愛する少年が人を殺すはずがない」である。
 前二作が都会型の凶悪犯罪しかも頭脳犯相手に追う者、追われる者の知恵のせめぎあいにクールでドライな直線的な緊張感が全編を貫徹し、理屈ぬきの興奮を味わううことができる第1級のエンタテイメントであった。「エンプティー・チェア」も徹夜も辞せずといっきに読ませる点、作者の力量は衰えを知らない。しかし、読者はわがままである。作者がマンネリ感を排除すべくしてする工夫・作為がかえって私の期待感を裏切ることになる。テレビドラマ「水戸黄門」もそうだ。あれは石坂浩二のインテリ然となって、ちっとも見る気にはならなくなった。新宿鮫も鮫島が模範警官になったからつまらなくなった。
 ライムとサックスのセックス関係の進展などはどうでもいいのだが、今回の犯罪が地方共同体型のどちらかというと頭脳プレイではなく腕力戦と変貌し、なにか「OK牧場の決闘」並みのガンプレイに力点がおかれ、それならスティーブン・ハンター描くところのボブ・スワッガーシリーズに軍配が上がるというものである。
 「空っぽの椅子に座っているのはだれ?」などと実証主義犯罪学一辺倒から精神分析犯罪学、あるいは女の第六感主義犯罪学をとりいれるくだりになると緊張感が薄らいでくる。そして訪れる衝撃のラストシーン、これはいい。これはいつものパターンだからむしろ期待通りでいいのである。
 エンディングメロディーが流れるその瞬間に(始めてこれらの作品を読まれる読者には最後までページを繰ることを忠告しておこう)ドーンと………。

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Mr.クイン

2001/11/12 11:55

不動産を乗っ取る

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 日本の株式市場も世界の潮流に翻弄され、一向に回復の気配がない状態にあります。私たちの周囲の土地が買い占められ、転がし、飛ばし、隠匿と個人、中小企業、大企業がこぞって必ず値上がりするはずであった不動産に群がりました。金融機関も莫大な資金をつぎこみむことになりました。これが突然暗転する。拓銀、山一から始まる大型企業倒産はマイカルで終わる保証はありません。この間地上げ屋の闊歩にとどまらず、闇社会が表舞台に登場、詐欺、恐喝、暴力を武器に買占め、乗っ取り、吸収、合併と不動産をめぐる非合法の経済活動が白昼、堂々と進んだのが、つい最近のことです。
 シェイマス・スミス「Mr.クイン」という小説は単なるコンゲームの変形ですが、不動産業者を乗っ取る話だけに身近な無数にあった日本の現状と比較してしまいます。そんな目で見ますと、この犯罪あるいはその実行計画は、日本のそれに比較すれば児戯に過ぎないような気がするのです。

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