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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

タカザワケンジさんのレビュー一覧

投稿者:タカザワケンジ

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本繫がれた明日

2003/05/13 16:22

仮釈放中の青年が味わう「罪」の苦さを存分に描く

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 たった一度の過ちが人生を狂わせることがある──言葉にすればありふれているが、過ちを犯した人間にとっては、悔恨という名の背負い切れぬ重荷を背負ったようなものだ。そして、その過ちが別の人間の人生を奪ってしまったものだとしたら、その重荷を背負い切れるだろうか。

 中道隆太は19歳の時に、恋人にちょっかいを出した男ともみあいになり、ポケットの中のナイフで相手を刺してしまった。先に殴りかかってきたのは相手だった。しかし、司法は隆太の言い分を認めず、6年間の刑期を課せられた。
 自分にも悪いところはあったが、相手にも非があったのではないか? なぜ、自分の主張は退けられたのか? 隆太の心の中には澱のように不満がくすぶっている。素直な気持ちになれないまま仮出所が許され、解体業に就き、禁欲的な生活を始めた。
 隆太にも反省の心はある。家族に迷惑を掛けたという後悔もある。しかし、被害者とその家族を前に罪を正視し、謝罪の言葉を素直に述べる気持ちに「偽善」を感じてしまう。複雑な気持ちのまま日々を送っていた隆太のもとに、隆太の過去を暴くビラが撒かれるなど、隆太と家族に嫌がらせが始まる。犯人はいったい誰なのか? そして、何のために? 隆太は犯人を探すうち、自分の「罪」と「罰」に向かい合うことになる。

 不良少年が少年刑務所を出て更正する。いささか古くさく感じる設定だが、そこはストーリーテリングの巧さに定評のある作者だけに、最後まで読者の気を逸らさない。時代は変わっても、人の心は変わらない。犯罪が社会からなくならない限り、罪を犯した者と、被害者とその家族は苦しみ続ける。「たった一度の過ち」で狂った人生は決して元には戻らない。しかし、それでも人は生き続けていかなくてはならない。
 真保裕一は、昨年刊行された長篇小説『発火点』で、12歳の時に父親を殺された青年が、父の死の真相をつきとめていく過程で大人へと成長していく物語を描いた。『繋がれた明日』では、一転して、犯罪を犯した青年の成長物語に挑んだ。古くて新しい問題に正面から取り組み、快調なテンポで語られる物語は、読後に爽やかな感動をもたらしてくれるだろう。(bk1エディター タカザワケンジ)

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紙の本極限推理コロシアム

2004/06/04 21:58

究極の推理ゲームへようこそ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ミステリの楽しみは、作者が仕掛けた罠を見破ろうと、読者が知恵を絞ることにある。ミステリファンは、いつでも極上の謎を求めていて、奇抜な設定にも寛容になれる。
 ある朝、目覚めると、そこは見知らぬ部屋だった。殺風景な部屋の外に出ると、自分と同じように、理由がわからないまま、そこにいる6人の男女がいた。外部との通信機能は一台のパソコンだけ。しかも、そのパソコンで受け取ったメッセージは恐るべきものだった。
 これからここで殺人事件が連続して起きる。その犯人を当てるのが、このゲームに参加した「プレイヤー」に課せられた使命である。しかも、こことは別に、7人の男女が同じように「プレイヤー」として連続殺人事件の推理に挑んでいる。
 犯人は「プレイヤー」の中にいる。別の7人よりも先に犯人を当てる以外に、この場所から生きて帰る方法はない。しかも、殺されるのは自分たち。
 まさに極限状況での「推理ゲーム」である。語り手の「僕」は損保会社に勤める平凡なサラリーマン。特殊な能力もなければ、強烈なバイタリティーもない。無色透明とでも評するほかない、ありきたりなキャラクターだ。ゆえに、読者は「僕」をアバターとしてこのゲームに「参加」することになる。
 映画『CUBE』ばりの密室サスペンスであり、ベストセラーとなった『バトル・ロワイヤル』や、貴志祐介の『クリムゾンの迷宮』のような、限定された状況でのサスペンスを思い起こす向きもあるだろう。テンポの良さと展開の早さは小気味よく、ムダが一切省かれた文体も、いかにも推理ゲームにふさわしい。人間ドラマのコクや深みを求める向きには物足りなさが残るかも知れないが、ミステリの持つ、ゲーム性に着目し、読者をいかに驚かせるかに目的を絞り、そのミッションを見事に達成している。作中、「主催者」が「極上の推理ゲーム」と自画自賛するが、その言葉に偽りはない。
 森博嗣、新堂冬樹、舞城王太郎ら、ユニークな個性の人気作家たちを輩出しているメフィスト賞受賞作。ミステリというジャンルを軽々と超えるような異色のエンターテインメント作品を大胆にピックアップすることで定評ある賞だが、今回もまた新鮮な驚きがある。ミステリという、ある意味で特殊な状況を可能にするジャンルだからこそできることをやる──。エンターテインメントとしてのミステリの新しいかたちを示す野心作でありながら、その語り口が淡々としているところに新鮮さを感じる。次作が待ち遠しい新人がまた1人登場した。(タカザワケンジ/bk1エディター)

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