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kato kojiさんのレビュー一覧

投稿者:kato koji

「フラニーとゾーイー」は青春時代に読むべきシャレた感動本なり

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この世の不合理さや俗物化した周りの人間たちに嫌悪感を覚え、自己に閉じこもりがちになるボールデンの物語『ライ麦』は結局のところ、青春といううつろいやすい感情をもつティーンエイジャーが現実世界を目の当たりにして打ちひしがれていくさまを描いて、どうしようもない暗さと救いのない印象を与えてしまう小説であったのと比べ、『フラニーとゾーイー』は小品ながら、フラニーの苦悩救済で完結を見る内容になって、読者を「暗」から「明」へと導いて心のカタルシスをもたらす傑作だと評価できる。純粋であろうとすればするほど、確かに現実世界を許せない心境に陥るだろう。フラニーの場合は、そこから脱け出すために「フィカロリア」をひたすら唱えて、自己救済、自己浄化を試みるのだが、それは兄のゾーイーの目からみれば、その行為こそ、現実世界の認識を見誤った行為、インチキだと見抜いて、彼女を自己解放させてやるのだ。そこが、とてつもなくイイ。「ファット・レディ(太っちょのオバサマ)」とは誰なのかという問いについて、熱心な説得を試みるゾーイーの迫真の姿は十二分に読者に伝わり、感動をいやがうえにも与える結果となっている。ゾーイーのそこがまたカッコイイ。中途半端に終わってしまって不満の残る『ライ麦』と比べ、『フラニーとゾーイー』は小説としてのストーリー構成が非常にうまい。若い娘としてのフラニーの心理的おののきの描写はホールデンのときより上回るほどリアリティーだ。とにかくおもしろい小説なのだ、『フラニーとゾーイー』というのは。多感な青春時代に読む本なら、『ライ麦』より、『フラニーとゾーイー』をおすすめしたい。

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