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くみこさんのレビュー一覧

投稿者:くみこ

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本緑の我が家

2001/03/07 00:21

自分の居場所をさがして

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ジュニア向きのホラー小説ではあるが、ぜひ大人に読んで欲しい本。
 一人暮らしの高校生、浩志のアパートにつぎつぎと怪しい出来事が起こる。淡々とした文章だが、その怖さは半端ではない。本をもって凍り付いたままやめることもできない、というのを初めて経験した。
 このアパートにいてはいけない、と強く感じながらも、父親が再婚した家庭には帰れない浩志。逃げ場のないまま、追いつめられていく。
 この、少年の居場所のない孤独。そのなかでせいいっぱい独りで生きていこうとする危なっかしさと強さが、この本の本当のテーマではないだろうか。
 独りで生きていくために、感情を封じ込めてしまったようにみえる浩志のなかの、忘れていたやさしさが思いもかけない形であらわれて、事態は違う方向へと動き始める。
 人間は、本当は誰もひとりだ。だけど、そのことを考えないようにして生きている。もし、ほんとうに孤独を目の前に突きつけられたら…浩志のように生きられるだろうか?

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繊細でユーモアもある、ぜひぜひおすすめの本格ホラー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は、ジュニア向けの悪霊シリーズが一旦完結したあと、続編として、少し年齢層を上げて書かれたものである。だから、それまでの事情がすこし、わかりにくいところはあるが、これだけ読んでも十分おもしろいし、ぜひぜひ大人にこそ読んでもらいたい。。作者も書いているが、ジュニア向けのいろいろな制約がなくなって、ずっと完成度が高くなっていると思う。
 小野さんのほんのなかでは、ダントツでキャラクターが魅力的だ。ヒロインの麻衣はみなしごだということをまったく感じさせない、明るくて前向き、いかにもの現代っ子の高校生。かたやヒーローは、超心理学の天才学者でサイコメトリスト、有能なゴーストハンター。人もたじろぐ美しい容姿と、皮肉屋で最悪の性格を持つ、ナルシストのナルである。ただし、普段は表にはださないが、本当は情にも押しにももろいという、高得点ポイントがある。
 この二人の主役のキャラは、少女漫画やジュニア小説では人気のある、いわばお約束キャラなのだが、生き生きしていて、新鮮で、本当に魅力的だ。会話のリズム、がくっとはずされて大笑いさせられるユーモアのセンスは、ちょっと他にはないと思う。
 その他にも、4人いる霊能師や助手、悪役の検事補など、誰も、もう本当にいるのではないかと思うくらいリアルでおもしろい。
 そうだ、肝心のことをまだ書いてなかった。
 これは、ホラー、それも筋金入りのホラーである。大げさな表現はなにもない。淡々と事態はすすんでいくのだが、ふっと何かがおこる、その場の空気の怖ろしさ。幽霊なんか信じないと自分に言い聞かせる人達を、ひとつひとつの小さな出来事が追いつめていく。
 この場の空気の怖ろしさを描き出すことにかけては、前作の悪霊シリーズより、格段の出来映えだと思う。ほんとうーに、コワイよー。
 上下巻2冊でも、長さを感じさせない、もっともっと読みたいと思う本。









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