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先月(2017年1月)

彦坂暁さんのレビュー一覧

投稿者:彦坂暁

1 件中 1 件~ 1 件を表示

犯罪の裏に隠れた真実をあばく科学捜査のエキスパートたち

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 真実を明らかにするための最も有効な方法である科学は、犯罪捜査においても大きな力を発揮する。これが本書のテーマだ。
 もちろん犯罪捜査が扱う対象は一般の科学研究とは異なり、死体(新しいものから古いものまで)、血痕、精液や唾液、死体に湧く蛆といった、あまり愉快とはいえないものが多いのだが、これらが科学的手法にもとづいて適切に調査されれば、雄弁に真実を語る証拠となる。ただし個々の犯罪はただ一回限りの出来事であり、適切に捜査が行われなかったために失われてしまった証拠は、決して取り戻せない。保存すべきものを保存せず、調べるべきものを調べなかったために真相が永久に隠されてしまった事件(たとえばO.J.シンプソン事件)も多い。だからこそ、最新の科学的捜査法と、それに通じた専門家が必要になる。

 本書に登場する専門家たちは、科学を用いて犯罪の裏の真実を明らかにすることに、あくなき情熱を傾けている。検死官として2万体もの解剖を行ってきた著者ベイデン。血まみれになりながら血液の飛散実験にとりくむ血痕分析のエキスパート、マクドネル。死体にたかる蛆虫の分析に没頭する法昆虫学者ハスケル博士。犯罪鑑識学のゼネラリストにして、アイドル的な人気をもつリー博士。ミステリーの名探偵さながらに、有能で、情熱的、そして少々風変わりな人物たち。彼らを通して、読者は科学を駆使した最新の犯罪捜査を疑似体験することになる。

 本書は読み物として抜群に面白い。現実の血なまぐさい犯罪を扱った本を「面白い」というのは気が引けるのだが、仕方がない。
 たぶん「限られた証拠に基づいて隠れている真実を明らかにしていく」というプロセス(科学の研究がそうだし、犯罪捜査もそうだし、それをフィクションにすればミステリーになるわけだが)には、人間の知性を刺激する、エンターテイメントの側面があるのだろうと思う。本書にはその面白さがたっぷりつまっている。科学書好き、ミステリー好き、どちらの読者にも薦められるし、両方が好きな人なら必読だろう。

(彦坂暁/広島大学 総合科学部 http://hiko475.ias.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html)

【目次】
まえがき
1 解剖
2 血液
3 証人
4 体内
5 ヘンリー
6 犯罪現場
7 蛆
8 死体発掘
9 頭部
10 がらくた科学
11 リノ

【関連書】
マディソン・リー・ゴフ著『死体につく虫が犯人を告げる』草思社


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