サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 田口善弘さんのレビュー一覧

田口善弘さんのレビュー一覧

投稿者:田口善弘

虫たちに化学物質の使い方を教えてもらおう

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 犬の見る夢は匂いばかりじゃないか、という説を何かで読んだことがある。外界の情報を圧倒的に視覚に頼っている我々に比べると、犬は嗅覚に頼っている割合が圧倒的に大きいからだ。が、この本を読むと、「夢は映像」と思っている我々人間の方が自然界では少数派で、犬のような「匂いの夢」の方が多数派じゃないかと思えてくる。
 本書は、虫たちが化学物質をいかに活用しているかについての啓蒙書だが、その多くは「化学コミュニケーション」とでもいうべき現象の解説に費やされている。超長距離からでも雌の出すフェロモンをかぎつけてやってくる雄のガの話のようなメジャーな話題から、姿形はまるでで違うのにアリの幼虫として受け入れられて、育ててもらえる虫の話というまるでカッコウの託卵まがいの話題まで、じつに多岐に渡っている。
 考えてみれば、アリの巣の中に明かりなどあるわけもないので(4本足のアリを登場させて非難轟々だったディズニーアニメ「バグズライフ」のアリの巣の中は煌々と明かりで照らされていたが、もちろんそんなことはないわけで)、匂いで識別するのは別に珍しいことでもなんでもないのだ。
 その他にも、化学物質を使った攻撃・詐欺・コミュニケーションの例が満載。意外だったのは実際に化学物質が特定されている場合が少ないことで、近年これが続々と明らかになりつつあるという。そのおかげで、応用への期待も大きく膨らんでいる。
 例えば、アリの用いる抗生物質には絶対耐性菌ができないという。人間が合成した化学物質の自然への影響が問題になっているが、虫たちははるか昔から化学物質を多用してきたのだ。
 どうやら、虫たちの科学知識は人間のずっと先を行っているらしい。彼らに化学物質の使い方を教えてもらうというのも、悪い考えじゃないかもしれない。

(田口善弘/中央大学理工学部物理学科 助教授 http://www.granular.com/tag/index-j.html)


このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する