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エリオット・ネスさんのレビュー一覧

投稿者:エリオット・ネス

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ルサンチマンと金魚のフン

15人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者の一人ブリクモンが来日したので講演会が開かれ、私も参加した。そこで彼は2時間も喋ったが、その内容は実に簡単に要約できる。「フランスでは科学がはやらない。デリダは読まれてもアインシュタインは読まれない。残念だ」。

 たった2時間の彼の講演と本書、および関連情報から判断するのは迂闊だろうが、しかし、彼がフランス思想界に対してルサンチマンを抱いていることは、その講演会に参加した多くの人が感じていた(少なくとも事後の私の個人的な情報収集によると)。

 ブリクモンについていえば、ただのやっかみかもしれない。ご用心、ご用心。

 ソーカルがソーシャルテキスト誌でやったことは、当のソーカル本人の意図はポストモダンの数学概念乱用に対する警鐘だったのだろうが、ソーカルが正しいのではなくソーシャルテキストの編集委員会が迂闊だったに過ぎない。その迂闊さとは、ソーカルの論文がナンセンスかどうかを見抜けなかったことではなく、「投稿された論文は査読者が認めれば論文誌に載る」という論文誌ギルドの制度を公に認めなかった迂闊さだけである。

 ソーカル本人の意図なんて問題ではない。査読者がOKを出せば、それは学会誌に載り、世間に流通する文書となる。それだけのことなのだ。それをどう解釈するかはソーカルの意図とはまったく無関係だ。それをソーカルもソーシャルテキスト編集委員会も意識していなかった。テクストとは何か、コミュニケーションとは何かを真剣に考えていなかった間抜けたちによる、狐と狸の馬鹿しあいだ。

 なにより困るのは、それをみて大喜びする間抜けな日本の「ソーカル信者」達である。それこそ、虎の威を借るミミズである。

こまった本だ。

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