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レビューアーランキング
先月(2017年2月)

初音いづみさんのレビュー一覧

投稿者:初音いづみ

10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本フル・ムーン 新装版

2002/09/21 19:06

自宅で月旅行

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

世の中に、月の写真集は数多あるけれど、実際に月まで行って撮影された写真を集めたものはこれだけだろう。なにしろ、月まで行ったことのある人間というのが、数えるほどしかいないのだ。この写真集に収録されている写真がどれほど貴重なものか、それだけでもわかる。

貴重な写真でもあるのだけど、それ以上に、とても美しくて、芸術的とも言えるような、月と、月から(宇宙から)みる地球の写真たち。何度か行われたNASAによる月へのロケット旅行の際に撮影されたものを一つのミッションのように編集してあり、一冊を通して、つかの間の月旅行を楽しめる。月までの旅、月の上の散歩、月からの帰り道に見る青い地球。

この本を通して一番感じるのは、静寂の世界。しんとした世界。本当に宇宙には音がないのか、それは知らないけれど、写真たちからは音が感じられない。月という未知の世界での音を想像できないと言ったほうがいいかもしれない。

そして、月の表面には色がない。カラーフィルムで撮影されているはずなのに、モノクロームの写真のようだ。地球からもってきた家族写真だけがカラーで写っていて、その背景の月の表面はグレー一色。荒涼として、神秘的な世界だ。これが地球から見えていた月なのか。そんな感慨が涌いて来る。夜空に美しく輝いて、毎日満ち欠けを繰り返し、ときには人々をロマンチックな気分にさせたり、メランコリックな気分にさせたりする月。その月も、間近に見てみれば、実は荒涼としたモノクロームの世界なのだ。

対照的に、地球はとても美しいブルー。この写真集を見ていて、「地球は青かった」という言葉を発した宇宙飛行士の気持ちが、初めて、分かったような気がした。モノクロームの世界から見た地球というのは本当に、なんて美しいんだろう。真っ暗な世界に浮いた宝石のように輝いて見える。わたしたちが住んでいる場所がどれほど美しいところなのか、それを改めて実感させられた。

この写真集、最初は大判で出版されたが、その後、安価で少し小さめのコンパクト版が出版された。両方ともハードカバーで違いはおそらく大きさのみ。門外不出だった、NASAが所有するマスターをデジタル画像化して印刷された美しい写真たちを、大画面で堪能したいなら、大判のオリジナル版を。手許に置いておいていつでもパラパラと捲って月旅行が楽しみたいならコンパクト版がおすすめ。

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レトロな家庭用品カタログ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本を開くと「そういえば、こんなのうちにもあったよ」というものでいっぱい。昭和30年代、40年代の家庭にあったものを集めただけなのに、なぜだかとっても懐かしい。プラスチックのおはじきや、おままごとセット、学校で使っていた「さんすうセット」、お母さん手作りのレースの敷物、花柄の炊飯器。懐かしいおもちゃや家庭用品がつまっている。昔の洋服生地や包装紙の模様も、何年か前にみたら「ダサイ」と思っただろうけれど、今見るとやけに新鮮でかわいい。食器や洋服もレトロな感じがなんともいい。この本がカタログだったら、つい買ってしまいそうなものがたくさんあって目移りしてしまう。見てるだけで楽しい一冊。

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紙の本あした花になる

2002/03/03 22:44

花になったカマキリのおはなし

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 作者のいもとようこさんが長年あたためてきた題材というだけあって、力の入った渾身の作といった感じ。絵本としては大型だが、洗練された美しい絵を、この大きさで堪能できるのはとてもうれしい。蘭の花になりたくてなりたくて、願いつづけるカマキリの気持ちが胸に迫ってくる絵本です。

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写真から伝わる戦場の真実

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

子ども向けの写真絵本。なのだが。イラク戦争の生々しい写真とカメラマンの言葉は世代を問わず心に訴えかけるものがある。

著者はボストン在住の報道カメラマン。イラク戦争で、アメリカ軍に従軍した。前半は、アメリカ軍の軍人たちの写真だ。砂漠での厳しいトレーニングに励む若い兵士たち。彼らはそれが「仕事」だから戦争をしに行く。早く仕事を終わらせて家族の待つ国に帰りたい。兵士たちの写真の背景にある青い空が妙に清々しい。命の危険を伴う戦場でも空は美しいのだ。

イラクへ入り、あちこちで戦闘が行われている。道の傍らに転がるイラク兵士の死体。橋の上でイラク人の死体の横を駆け抜けるアメリカ兵たち。爆撃を受けたトラックに乗っていたアメリカ兵士の血まみれの死体。仲間の死体を抱えて泣くアメリカ兵士。

どの写真もそこに写っている人の表情がよくわかる。そして、そのそれぞれに家族や友人がいて、生きている人も死んでしまった人もぜんぶ生身の人間で、私や私の周りにいる人たちとなんら変わりないのだと思わせられる。戦争は遠いところの出来事ではなく、身近にも起こりうることかもしれない。もしかしたら、この写真に写っているのが、自分の家族や友人だったかもしれない。

カメラマンはフセイン像が倒された翌日からは軍から離れて取材し始める。イラクの町の人々の表情は苦悩に満ちている。戦後の略奪行為。病院で横たわる胸に穴の開いた男性。家を破壊されたおばあさん。両足に包帯をぐるぐる巻きにされた子ども。

この本では、冒頭のアメリカ軍の写真から末尾のイラクの市民の写真まで、戦争している両方の立場からの視線がある。どちらも苦しくて、どちらかが得をしているとかどちらかが優位だとかいうことはない。どちらの立場に立っても、戦争は悲惨で無意味であるとしか思えない。

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難しかったCSSがHTMLとの比較でわかった

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

HTMLの基礎はだいぶ昔になんとなく独学したきりで、普段はHP作成ソフトに頼っている。理系は苦手なので、避けて通ってきたが、最近ではCSSも普及して、勉強しないわけにはいかないと思っていたのだけど、なかなかよい本がなかった。

この本はオールカラーで、HTMLとCSSとが両方載っていて、同じデザインでもHTMLでの表記とCSSでの表記が並列されており、双方の特徴や違いも詳しく書いてある。また、今後は使わない方がよいとされたHTML(スタイルシート普及以前の記述方法)との比較もわかりやすい。

今まで、どういう場面でCSSを使った方がいいのか、またはHTMLの方がいいのかよくわからなかったのだけど、この本を見ると、デザイン面はCSS、それ以外はHTMLだということがよく分かる。HTMLの基礎も載っているので、まったくの初心者でもわかりやすいと思う。

CSSで何ができるのかというのもよく分からなかったのだけど、工夫次第でいろいろなことができることがわかった。この本のおかげでWEBデザインの幅が広がりそうだ。

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犬を捨てる人と犬に救われる人

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者の篠原さんは犬のしつけ教室を開きながら、捨てられ、処分される寸前の犬たちを保護して里親を見つけるボランティアをしている方。そうして出会った犬たちと犬に救われた人間たちのエピソード。読みながら涙が止まらなくなってしまった。

私自身、病気と治療で心身が限界に近いような状態のときに犬を飼い始めて、ものすごく救われたという体験がある。だから、犬が人のこころを救うのは本当で、どんな薬よりも効くということも身に染みて知っている。知っているのだけど、この本を読むと犬には不思議な力があるのかもしれないと改めて思った。

著者は最初の愛犬のチワワを交通事故で亡くして、重度のペットロス症候群になった経験を持つ。そして、その心の病を治してくれたのが、二番目の愛犬だった。病になったきっかけも犬なら、それを治してくれたのも犬だった。犬はそれほど深く人間の心と関わりをもつ動物なのだ。

その一方で、簡単に犬を捨ててしまう人たちもいる。飼い犬を自ら収容所に持ち込む飼い主というのがいるらしいのだ。殺されると分かっていて。野や山に捨てるというのも言語道断だが、いらなくなったから(飼えなくなったから)と言って簡単に収容所に連れて来てしまうというのもひどい。

虐待され保護される犬や収容所に連れて来られる犬はきちんとしたしつけをされていなかったり、心の病気を抱えていることも多い。犬のしつけ教室を開いている著者は自分の得意分野を生かして、そういう犬たちをしつけ直して新しい飼い主の元に送りだす。しかし、大きな心の病を抱えている犬は、しつけ教室ではどうにもならない犬もいる。ところが、あえてそういう犬を引き取りたいという人もいるらしい。そしてお互いに心を癒しながら生活しているという。そういう犬でも人を救うことがあるのだ。

犬と人間が寄り添って生きて行くというのはこういうことかもしれない。お互いに癒し、癒されて生きて行くのだ。ひどい境遇から救われて、新しい飼い主の元に旅立つ犬たちは幸せそうで、本当によかったと思う。しかし、その一方で救うことのできない犬たちもたくさんいる。救われるのはほんの一部。今の状況では仕方のないことなのだけど、少しでも不幸な犬が減るといいと思う。

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紙の本うたたね

2002/03/05 09:56

現実と幻想のはざま

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 川内倫子の写真は朝の匂いがする。最初に見た写真がどんなモノを撮った写真だったのか、忘れてしまったのだけど、その印象は強く残っている。朝、太陽が完全に地上を照らす直前、夜と昼の間のようなほんの一瞬。澄んだ空気に薄く朝靄がかかって、空気が凛と張り詰めたようなそんな一瞬。これから一日が始まる予感がする。ひんやりとした空気の匂い。川内さんの写真を見ていると、そんな匂いを思い出す。

 淡い色合いなのに甘くない。幻想的でありながらリアル。妙に生々しい。その生々しさが逆に作り物のような印象を見る人に与える。現実と幻想のはざまを印画紙に焼きつける。不思議な写真たち。

 道ばたのたんぽぽ。死んだハト。夜空に広がる花火。死んだハチ。空中を乱舞する海鳥。水面に群がるコイ。写真家の視線はさまざまなものに向けられている。

 植物や自然を写し取った作品には、なんとも言えない、自然の美しさ、凛々しさのようなものを感じる。みんな精一杯生きているんだ、というような。なぜそんな風に感じるのか不思議なのだけど。きっと、撮っている人が、被写体に、共鳴しながら撮影しているのかもしれない。

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紙の本西の魔女が死んだ

2002/03/03 23:09

小さな奇跡の物語

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 タイトルに「魔女」とついているので、純粋なファンタジーかと思っていたのだけど、ちょっと違った。空を飛んだり、変身したり、そんな魔法は出て来ない。でも心に染み入るような小さな奇跡の物語だ。
 登校拒否になった主人公のまいは自然豊かな祖母の家で、魔女になるための修行を始めた。まいと祖母の生活は静かで、豊かな時間だ。英国生まれの祖母の作る料理や生活の知恵はちょっとおしゃれで、うらやましい。魔女になる修行は大変だけど、まいは少しずつ社会のなかで自分らしく生きるこつを身につけてゆく。子どもから大人へ成長する過程での大事な宝物のような時間をまいは祖母と一緒に過ごした。そして、二年がたったある日、突然、祖母は亡くなった。まいにすてきな贈り物を残して。
 まいのおばあちゃんは、生きることと死ぬこと、それはとても自然なことで、なにも恐れることはないと教えてくれているようだ。自分を見つめながら、自分らしく生きていくこと、そして自然に人生の終わりを迎えること、それは素敵なことだと思わせてくれる一冊。

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紙の本別人「群ようこ」のできるまで

2002/02/26 15:05

エッセイストのできるまで

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 群ようこは本の雑誌社の最初の社員だった。給料は3万円。20年以上前のことだが、3万円というのは当時としてもかなり安かったらしい。転職につづ転職のあげくに「本の雑誌」の読者になり、ひょんなことからそこの社員になり、そのあげくにエッセイストになってしまった。もともとエッセイストになるつもりなんてなかったらしい。でもきっと、そういう素質はあったのだろう。これだ! と思って入社した本の雑誌社。そこでは一日中、かかってこない電話の前で電話番をするのが仕事だった。そんな仕事をOKしてしまうような人なのだから、もともと普通の人とはちょっと変わった面白いネタの豊富な人だったに違いない。彼女を発掘した人もすごいと思う。タイトルに「別人」とついているが、群ようこ本人が、本名の自分と、ペンネームの群ようこを別人だと感じているというのも面白い。

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紙の本本の雑誌血風録

2002/02/20 18:07

椎名誠の再発見

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 シーナマコトという人のイメージは、南の島の青い空と、青い海と、白い砂浜をバックに、真っ黒に日焼けして上半身ハダカで、モリなんぞを持ってカメラ目線で微笑んでいて、その回りにはシーナ氏と同じような格好の現地の子ども達が走り回っている、というものだった。そして、この人は当然、そんなアウトドアな暮らしが好きで、それでは食べていけないから、いっちょ本でも書いて生活費の足しにしよう、とか思って本を書いてみたら意外と売れちゃった、とかそういう経歴なのかと思っていた。まさか、この人がサラリーマンだったとは。まさか、雑誌の編集長などという肩書きを持っていたとは。まさか、こんな面白い文章を書くく人だったなんて。そして、こんな面白いお友達がたくさんいるなんて。もうびっくり。

 『本の雑誌血風録』には、椎名誠が趣味の雑誌『本の雑誌』を発行するようになったいきさつと、『本の雑誌』が売り上げをのばしてその結果、本当の会社「株式会社本の雑誌社」になるまでが書かれている。こう言ってしまうと実につまらないのだけど、この本の味噌は登場人物にある。『本の雑誌』の前身となるコピー誌を発行していた、冷たい目をしている目黒孝二。その独特のヘタウマ画法が人々の心を捕らえて離さない、イラストレーターの沢野ひとし。本を布団にして寝る弁護士、木村晋介。「本の雑誌社」の最初の社員、群ようこ。

 椎名誠はもともと業界誌の編集長だった。とにかく本ばかり読んでいる目黒孝二と知り合って、本の話に花を咲かせ、それが元になってやがては『本の雑誌』を作ることになる。『本の雑誌』は最初はミニコミ誌のようなものだった。目黒孝二が営業をしたり、口コミなどで、だんだんといろいろな本屋に置いてもらえるようになり、読者も増えた。すると今度は人手が足りない。雑誌を作るのにしても、本業はちゃんとあるわけで、その合間に作る為にかなりハードな作業になる。当時はみな、それぞれ会社に勤めていて、まさに二足のワラジだったのだ。しかもいきあたりばったりな『本の雑誌』には儲けななし。会社の上司に嫌味を言われつつも、めげずに好きな雑誌を作り続ける人たち。さまざまな問題を時にはいきあたりばったりに、時には知的に、時には力わざで乗り越えながら、ついには本当の株式会社になってしまうのだ。

 『本の雑誌』のおかげで、椎名誠は単行本を出すことになり、それがベストセラーになる。それからはテレビ、ラジオ、雑誌などにひっぱりだこ。椎名誠とはこういう人だったのか、とわたしは椎名誠を再発見した気分だ。ただのアウトドアおやじではなかったのだなぁ。

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