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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

アルデバランさんのレビュー一覧

投稿者:アルデバラン

20 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本アジアンタムブルー

2004/04/05 11:18

エピタフを聴きながら

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大切な人を永遠に失ってしまったら…喪失感から陥る憂鬱から、よみがえる記憶とともに再生できるのだろうか。
久しぶりに涙をぬぐいながら(!)ページをめくり続けた小説だった。
全編に幾度となく登場する70年代の名曲は、自分自身が経てきた年月と記憶をよみがえらせる。ポリス、キース・ジャレット、エルトン・ジョン、そしてキング・クリムゾンのエピタフ。それぞれのメロディが、フレーズが今も頭の中でぐるぐるとめぐり続けている。
隆二の再生の物語であると同時に、70年代に青春と呼ばれる時代をすごした私の心に深く染み込む「愛」の物語でした。

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紙の本日のあたる白い壁

2001/08/25 12:01

出会うべくして出会えた一冊

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 装丁の美しさが眼にとまり、思わず手にとって始めて江国香織氏の美術エッセイ集とわかったときのうれしさ。偶然の出会いのように見えても、出会うべくして出会えた喜びは、それが人であれ書物であれ、また絵画であれ自分の人生には必然となる。
 江国香織氏が24人の画家の作品についてまとめたこのエッセイ集にはもちろんその絵画も紹介されていて、ゆっくりとひとつひとつの作品を楽しむことができる。
 たとえば、ユトリロの色がもつ「孤独と憂愁」のイメージとは違った明るい色彩の「雪の積もった村の通り」は、確かにあたたかさを感じる作品だ。
 江国氏にとって懐かしい絵であるというゴッホの「夜のカフェテラス」に出会えたのもうれしい。この本には含まれていないが、同じアルル時代に描かれた「星降る夜、アルル」が、私にとっては懐かしい「青」であることを今せつなく思い出せるのも、この本に出会えたおかげである。
 装丁の温かい手触り、美しい絵画、静かに語られる江国氏の想いを、毎晩大切にゆっくり味わえる一冊である。

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紙の本読書からはじまる

2001/07/09 17:10

失いたくない言葉の蓄え場所をつくり出す読書

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 詩人、長田弘氏によって語られる読書、つまり「本という考え方」がよく理解できる一冊である。読書というのは「私」を探している本に出会うという経験であると著者が述べているが、それを実感できる本である。
 情報が氾濫し豊かとされる現代社会で、言葉は記号のように単なる意味としてしか機能せず、人と人をつなぐべき共通の記憶が貧しくなっていることを静かに批判しながら、著者は今だからこそ言葉とは何か、読書が培うものは何かを教えてくれる。
 めまぐるしい毎日、人の発する言葉に翻弄されすぎて、言葉の持つ言外の意味、「言葉によって指し示される心の方向」が見えなくなっている自分。
 「自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだすのが、読書です」という著者の言葉が、そんな私の心のなかで確かに留まっている。

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紙の本できればムカつかずに生きたい

2001/05/19 18:04

まっすぐな言葉には話し手の魂が宿る

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 なぜ田口ランディが書く小説やエッセイに自分がこれほど共感してしまうのだろう?
 思春期に体験したこと、考えたこと、悩んだこと、それらに答えを出すために、旅をし、本を読み、人と会い、そして書いたというこのエッセイ集は、「17歳の頃、何してました?」という問いかけの第一章から始まるが、私自身も人とうまく関われずに苦しかった10代の頃の日々を思い出したりしてしまう。
 家族の問題、兄の死、心の安定、いじめ、言葉の使い方、寺山修司やアシリ・レラさんとの出会いなど多岐にわたる話題に共通しているのは、自分と他者との繋がりということかもしれない。人だけでなく、出会うものは自然も夢もすべて彼女と繋がる。
 戸隠で見た夢の中の少年が語りかけたという言葉「やってくるものはすべてプレゼントだ。受け止めて手放せばいい。自分でありながら、でも流されろ」って、なんて素敵なんだろう。
 「言葉がまっすぐに相手の心に届く時、まっすぐな言葉には話し手の魂が宿る。」という彼女の言葉のとおり、このエッセイ集は確かに私の心の中に言葉以上のものを伝えてくれる。

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念ずることから夢に向かって道は延びる

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 NHK衛星放送の通訳者として、そのお名前はニュース画面でよく見かける著者が、教師から通訳者になるまでのいきさつ、通訳になるまでの勉強法、会議通訳、放送通訳の現場など、興味深い逸話の数々を語っている一冊であり、非常に楽しく読むことができた。
 海外留学経験もなく、全く自己流で身につけた英語を使って外国人と日本人とのコミュニケーションの橋渡しの仕事をしている自分にとって、著者の勉強法はどれもたいへん参考になるものであった。また、チャンスを逃さない、人間関係を大切にする、スランプ脱出法などが書かれた章は、通訳に限らず、どの仕事にも当てはまる有益な助言がたくさん書かれている。
 「どんなに祈っても、すべての夢がかなうはずはない。しかし、少なくとも本人が強く心に念ずることから夢に向かって道は延び始めるのだと思う」という、著者の前向きなバイタリティは、この本を読むすべての人を元気づけてくれるにちがいない。

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紙の本モザイク

2001/05/06 16:04

共鳴する心のモザイク

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 ストーリーは東京渋谷を舞台に、携帯電話、メール、若者の引きこもり、残虐な少年事件など現代の世相がキーワードだが、その展開は予想もつかないSFのようでもある。
 しかし読後に残ったものは、そのストーリーの奇抜さではなく、自分の心のモザイクが、この小説の中にちりばめられた言葉や感情に引きつけられ共鳴しているという実感だった。

 それは、「どうして私たちは、こんなにも関わり合いながら、それぞれに一人なのだろう。でもみんな同じカケラをもっている。だから引き合うのだ。きっとそうだ」と、主人公の佐藤ミミは泣いたときも、「私たちが生まれてきたのは苦しむためじゃない。もっと別の意味があるはずだ」とミミが正也に話し掛けたときも、私の中の何かが震えたという感覚。

 相似形のモザイクをもつ心たちは引き合い、共鳴し、求め合う。私もそう感じる。それは単なる独り善がり、根拠のない確信、あるいは妄想だと言われてしまえば反論するすべはないが、それでもその不思議な繋がりを信じられるのは自分自身だ。ときには繋がりの有りようを間違えたことで心も身体も痛むことがあるけれど、その間違えさえも繋がりの一部だと思えば、その痛みは決して苦しみばかりではないと思える。

 「私は世界のモザイクの一片だ。世界といっしょに私も変化している」
 ミミが見たモザイクのカケラたちが常に変化を繰り返しながらきらきらと調和しているイメージは、たしかに希望と名づけられるものにちがいない。

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紙の本すべてきみに宛てた手紙

2001/05/03 15:41

言葉のゆたかさ、心のゆたかさ

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 39通の手紙からなるこのエッセー集は、まさに「私宛ての素敵な手紙」と感じさせてくれる。遠くにいてお会いできないけれど、人生のささやかな秘密を豊かな言葉で静かに語りかけてくれる、たとえばそんな人生の先輩からときおり頂く大切な手紙のように。

 「ことばがあなどられるところに、人の人としてのゆたかさはない。」という著者は、それぞれの手紙を通して、言葉、詩、文学、音楽の豊かさを深く語るだけでなく、人の記憶、友人の死、時代の価値観、戦争にまで話題は及ぶ。決して饒舌ではない。あくまでも毅然として静かな語り口で。

 「本とは一過性のメディアではなく、一人の私にとって百篇のメディアである」という著者の言葉の通り、私は何度も何度もこれらの手紙を読み返すだろう。
 日々の生活に疲れ、もう行き止まりのように思える日には、8番目の手紙を開いて北宋の詩人秦観の詩を。心の傷が痛む日は、最後の手紙を開いてエミリ・ディキンソンの詩を。
 心は、ことばでよみがえるのだと信じられるから。

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紙の本一日の終わりの詩集

2001/03/31 22:13

ことばのちから

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 言葉は何を伝えることができるのだろう。溢れる気持ちを語れば語るほど、それは心の声とはかけ離れたものになっていくのはなぜなんだろう。そんな暗い迷路で立ちすくんでいた時、出口を示す一筋の光のように、この詩集に出会った。

 言葉にならないものが、いつも胸にある。
 嘆きが言葉に意味をもたらすことはない。
 純粋さは言葉を信じ難いものにする。
 激情はけっして言葉を正しくしない。
  (中略)
 何をいいうるか、ではない。
 何をいいえないか、だ。 (「魂は」より)

 声高に語ることでむしろどれほどの言葉と時間を私は失ってきたのだろうという思いが込み上げてきて胸の奥が痛むとき、沈黙につつまれた言葉の豊かさと、詩のちからを信じさせてくれる詩集。

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紙の本恋するために生まれた

2001/07/22 16:54

あなたにとって恋愛とは何ですか?

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 「愛と孤独のあいだ」「恋と愛のあいだ」「不倫と純愛のあいだ」などのテーマごとに、辻、江国両氏がそれぞれの恋愛観を述べているが、二人の考え方の違いや共通点などが非常によくわかり興味深く読めた。
 「無償の愛」つまり、一方的でやや俯瞰で見つめる静かな愛を理想の愛の形態とする辻氏に対して、「何かを望んであげた方が謙虚で親切なんじゃないか。望んであげれば、相手はそれにこたえるか、こたえないかを選ぶことができる。何も望まずに愛してしまったら、相手はどうすることもできない。これは究極の暴力だ」と返す江国氏。
 単に男と女の違いではない。人間の孤独を知った上で、自分にとって恋愛とは何かという視点をしっかりと持って生きている二人なのだろう。はて私はどちらの考え方に近いだろうかと考えさせられる。
 やっぱり、「恋におちたら、襟を正してさいごまでおちたい」という江国氏の情熱を持ち続けられたら素敵だと思う。

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紙の本東京タワー

2001/12/27 16:41

おちてしまった恋のなかで

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 東京タワーが見守ってくれる場所、東京の少年たちの物語だと、江国香織氏はあとがきに書かれていたけれど、それは同時に詩史と喜美子、“もう若くはない”彼女たちの恋の物語だ。透と耕二の視点から物語は進行するが、せつなく際立つのは詩史と喜美子それぞれの孤独。おちてしまった恋のなかで、まっすぐに相手を見ようとする潔さ。人は孤独だということを知り尽くした年代だからこそ、辿り着ける場所があるのかもしれないと思う。
 ゴールなどない恋もまた素敵なことではありませんか。

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なんだかせつないけれど

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 なんだかせつない。
 ウィルマ・ゴイクの「花のささやき」のメロディが自分の記憶と重なり始めると同時に、時を経て初恋の人に出会うことはやはりせつないのだ。

 20年という歳月を経て、中学時代の同級生、アオキミチコと再会をはたすヤザキ。エリタージュという最高のレストランで最高の食事を味わいながら、お互いに初恋の記憶と現在の想いが交錯する。
 「私達の快楽は澱んでいる。どこへも流れていくことはできない。濃密な思い出として残しておけばいいというものでもない。思い出なんかを生きのびる力にするくらいだったら死んだほうがましだ。」と言うヤザキの言葉は、せつなさに溺れるな、今という時間が大切なんだと私を叱咤激励している。

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紙の本きらきらひかる

2001/07/04 22:03

きらきらひかるものは何ですか?

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 きらきらひかるものは何だろう。
 アルコール依存で情緒不安定の笑子と、ホモの睦月がお互いのすべてを受け入れて始まった「水を抱くような」結婚生活。「水を抱く気持ちっていうのは、セックスのない淋しさじゃなく、それをお互いにコンプレックスにして気を使いあっていることの窮屈」と、笑子が言っている。こんな結婚にきらきらひかるものはあるだろうか。優しさ、誠実、友情?
 それらは笑子を苦しめているだけかもしれないのに、それでもなお、睦月を愛する笑子。きらきらひかるものは彼女のこころかもしれない。孤独なこころが人を求めてきらきらひかる。誰かを好きになってきらきらひかる。

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紙の本あなたと読む恋の歌百首

2001/06/03 22:05

歌人たちの恋の歌が教えてくれること

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 俵万智が選んだ恋の短歌が百首、その解釈と鑑賞がエッセイ風にまとめられた一冊。
 百人の歌人たちの、熱い恋、胸の奥のせつなさ、別れの痛みなど、限りない想いが凝縮された歌を一句づつ味わいながら、著者のその歌への想い入れも同時に読むことができ、歌の向こうに見える風景が広がって行く。そして、いつしか自分がその風景の中に確かに存在していると感じる歌を見つけてしまうのだ。
  「約束の果されぬ故につながれる君との距離をいつくしみをり」辻 敦子
 「永遠にありえない二人の距離、でもだからこそ永遠に有効な約束。」という著者の解説は、悲しみを超えて、「距離」をみつめることを教えてくれる。

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紙の本縁切り神社

2001/04/23 17:08

希望に繋がる痛み

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 「誰かと繋がってしまって、否応なく苦しんでいる者たちについて、私は書きたいと思う。その痛みこそが、実は自ら癒えるための光りなのだと、信じているから」と、著者自らが書いているように、人と人との出会いによって生まれる関係性が私たちにもたらすもの、時には孤独、時には癒しが、十二の物語にちりばめられている。
 「島の思い出」の主人公が、屋久島の夕暮れ、西日を浴びて輝く森を眺めた時、自分の今出会っている美しい風景を誰とも分かち合えないと感じる深い孤独感は、決して絶望ではないはず。その痛みがあるからこそ、人は人を求めたいという希望に繋がるのだと思えた。

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紙の本眠れるラプンツェル

2001/03/29 22:38

塔の鍵を開けて

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 28歳の「私」は結婚6年目の専業主婦。多忙な夫はたいてい不在、子供もいない。「私」は退屈が好き、ごろごろと昼寝をするのが好き。マンションの隣の家の子供、13歳のルフィオと知り合って「私」の毎日は少しづつ変わっていく。ルフィオに恋してしまった「私」は自問する。「なぜこんなことになってしまったのだろう。どうして15歳も差のある男の子なんかを好きになってしまったのだろうか。何も望まず、水面に石を投げ入れたりせず暮らしてきたのに」と。
 ゴールの見えない恋は空虚だろうか。愛しいと感じる心は年齢差という常識を超えられないのだろうか。でも信じていたいよね、「想像すると、本当になる。生きていれば、いつかそれは本当になる」って。
 眠れるラプンツェルだった「私」はやっと鍵を開けて塔から出て行く。塔の鍵はいつでも自分の手の中にあったのだから。

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