ふくろうさんのレビュー一覧
投稿者:ふくろう
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2002/06/13 13:01
「読める」英和辞典
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聞くところによると、英語圏の英英辞典から日本の学習英和辞典まで、ここ十年余りでの英語の辞書の進歩は物凄いものがあるらしい。私は専門的でない一利用者に過ぎないのだけれど、このスーパーアンカーや三省堂のグランドセンチュリーの頁をめくってみて、確かに使いやすくなっていると感じた。
先ず何より「読める」のである。実際に手にとってみないと判りにくいのだけれど、文字がストレス無く読める大きさ及びレイアウトで並んでいることが第一。内容面でも基本的な単語には基本義からの意味の派生を説明するコラムがあり、また類語のニュアンスの違いも本文中にコーナーを組んであって読みやすい。
語源の記述が充実していて語義・語法の解説にも学術的な堅実さのあるジーニアスをはじめ、その他にも良い辞書が最近は多く、それぞれに特徴がある。しかし高校生に限らずそれ以上のレベルの人にとっても、語彙の多い辞書の傍らにこういう学習英和を置いて使えれば、大きな助けになるのではないか。
ちょっと物足りなかったのは、例えばgenderの意味。第一義が「(男女の)性(意識),性差」で「フォーマル」とある。多分sexに対してのフォーマルだと思うが、せめて広辞苑のように生物的な性別に対して社会的・文化的に形成される性別として欲しかった。セクシズムを囲み記事で解説しているだけに残念。
あと発音の解説がちょっと中途半端な気がした。同じ学研のニューヴィクトリーアンカー英和の丁寧な解説と比べると、あまりに不親切。グレードの違いをこんなところで主張しても意味が無いのではないだろうか。
紙の本あかんべえ
2002/04/11 17:15
お化けさん、さようなら。
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舞台は宮部みゆきの時代物ではお馴染み? の海辺大工町。主人公は十二歳になる料理屋の一人娘で名をおりんという。そして彼女が「お化けさん」と話せる、とくれば宮部ファンはもう安心して手を伸ばせるだろう。
面白かったのは「お化けさん」が登場人物の半分くらいもいて、しかもそれぞれに魅力的な個性があること。なにせここでは「お化けさん」自身が、典型的なお化け的振舞いを「どれもみな、身すぎ世すぎの足しになることではないな」とうそぶくのだ。
こうして主人公たちと「お化けさん」たちは言葉を交わし、気持ちを通じ合う。でもそれだけに、生きるものと死んだものとの絶対的な距離が切ない。どんな過去があろうと、こちら側にいる限り、根気よく頑張らねばなあとか、思ったりもする。
救いのあるハッピーエンドだったことが嬉しかった。
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