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えんちょーさんさんのレビュー一覧

投稿者:えんちょーさん

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「親」へと成長していく一人の女性のリアル・ストーリー

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 虐待に関する本には、専門家が全てを把握しているかのような神の視点から問題点を指摘・分析する現状報告に終始するものと、悲惨さを強調し、こちら(読み手)の怖いもの見たさをあおるだけのものが多い。だが、本書はそのどちらにも当てはまらない。愛があればどんな子どもでも救えるはずだと信じていた、どちらかというとお人よしで世間知らずの女性が、引き取った子どもたちを接するうちに「親」へと成長していくリアル・ストーリーである。

 著者ドナは虐待された二人の子どもたちと日々関わる中で、切実な——そして恐らくは実の子どもを育てる親でも人には知られたくないと願うような——本音をもらす。専門家たちの勝手な診断結果や判断にイラついてみたり(本当に様々な診断が出ていたが、共通していたのは「専門化のケアが必要」という診断のみ)、感情を適切に表現できない子どもたちの言動に疲れ切ってしまい「どっかいっちゃって!」と思ってみたり、親として自分がふさわしくないと何度も絶望してみたり、成長していく子どもたちの姿に救われてみたり……。

 一人の女性が親に成長していく姿そのもので、入り口は違えど「本物の親」や「本物の家族」になるプロセスに違いはない。もちろん、気をつけなければならない点や専門家の力を普通以上に必要とする点などは異なるだろう。しかし、それだっていわゆる「普通」の家族でも同じように抱えている(もしくは抱える可能性のある)ことだろう。

 子どもの姿に一喜一憂しながらも忍耐を持って接し完璧は求めない、パートナーの協力を得ながらも、必要な点では専門家の力をうまく借りるなど、ことばにしてしまえば今まで語られてきたものと何ら変わりは無いと感じるかもしれない。それでも、この本には「日々のリアル」が詰まっている。

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